総務省の指導で携帯のSIMロック解除とクーリングオフ制度が導入の方向へ。要らないお世話になるか、業界の活性化に繋がるか

2020年に東京オリンピックが開催される事になったことに起因してか、最近携帯に関する動きが総務省で活発になっている印象がある。

具体的には、携帯電話のSIMロック解除を義務化する事と、契約におけるクーリングオフ制度の導入だ。携帯業界に対する総務省の介入として記憶に新しいのは、携帯の基本料金が高止まりしていた事をきっかけに、2007年から販売奨励金制度の廃止を指導した件だ。これをきっかけに、例えばdocomoだと販売奨励金を含まないバリュープランというものが出てきたし、ソフトバンクが始めた端末購入の割賦制度やホワイトプランにも繋がった。

意味がなかったとは言わないが、現在は結局キャッシュバックという名の販売奨励金が飛び交い、以前より酷くなった印象もある。正直、民業にお上が介入すること自体どうなん?と思うところもあるが、さて今回はどうだろうか。

「SIMロック解除の義務化」に意味があるか

特にiPhoneユーザーを中心に、SIMフリーというのは一時期流行っていた。
その大きな目的は、日本では唯一iPhoneを販売していなかったdocomo回線を使える事だったが、LTEの開始と昨年からdocomo自体がiPhoneを販売するようになり、その目的は消滅した。

海外に頻繁に行く人や、MVNOを使って通信料を少しでも安くしたい人には意味があるかも知れないし、個人的には実現したら色々やってみたいことはあるが、正直ほとんどの人にとって最早SIMフリーは価値がないと思う。

SIMフリー端末は高くなる

SIMフリー端末は当然のことながら、キャリアの販売奨励金を含まないため、端末価格は定価が基本だ。昨年からApple自身がSIMフリーiPhoneの販売を日本で行い、今日からiPadのSIMフリー版も販売するようになったが、2年間の利用で実質無料なんて事はなく、8万円程度の端末代金は丸ごとユーザーの負担だ。そこに通信量が乗っかってくるため、いくらMVNO使って通信費を安くしたところで、少なくとも日本国内だけで使うのであれば、トータルの費用はそれほど変わらないため、SIMフリーを買うメリットはそれほどない。

SIMロックがあるからこそ、携帯キャリアのビジネスは成りなっているし、これを義務化するというのは正直どうなんだろうと思う。端末価格のさらなる上昇に繋がるのではないかと危惧する。

まあ、端末の残債がなくなっている場合に限り、一定の手数料を支払ったらSIMロック解除に応じるという、現在docomoがやっているような形が無難なところじゃなかろうか。

変化を望む人はそれほど多くない

もう1つ思うのは、SIMフリーでキャリアや通信プランを自由に選べると言ったところで、そういうことをするのはごく一部の人に留まるだろうという事だ。僕はキャリアをコロコロ変える人間だが、周りからは「良くそんな面倒な事するなぁ」って言われる事の方が多い。

小さな話は携帯キャリアだが、仕事にしても政治にしても、日本人の大多数ってそのままである事を内心望んでいると思うので、SIMロック解除の義務化で何かが変わるって事はほとんど無いと僕は思う。

携帯・固定回線のクーリングオフ制度

これは個人的に歓迎したい制度。
というのも、この手のネタにそれなりに詳しいため、相談はわりとよく受ける方なのだが、事後相談というのも結構多い。特にSoftBankはみまもりケータイとか機種変更前の古いスマホにSIMだけ残すとか、一見不要に思える契約もセット扱いにしている事が多く、「0円だから」と言われて契約してくる人が多い。

2年後に絶対忘れず解約する自信ある?
そもそも何に使うの?

なんて事を質問したら、契約しなきゃ良かったって話になることも多いが、事後相談だと契約は終わっているので時既に遅しだ。契約なんだから自分でよく考えてやらなきゃいけないというのは当たり前の話ではあるが、それでも「お得ですよ~」、「今だけです」なんて煽られたらついつい契約してしまう事も多い。

冷静になった時、やめることができるというのは色んな意味で安心だし、余計なトラブルにならなくてすむ。携帯に限らず、光ファイバーなどの固定回線も対象になるそうなので、この業界には顧客により丁寧な説明が求められるという事だろう。これは良いことだと思う。

あと、今年色々問題になったMNP契約による高額キャッシュバックもこれで自然に抑制される方向になるだろう。少なくとも「その場でキャッシュバック」っていうのはできなくなるので。

終わりに

21世紀は何事にも通信が関わる世界だ。
あらゆるものがデータとしてやりとりされ、地球の裏側でもほぼ瞬時にやりとりができるのは考えてみたら凄いこと。なので、通信というのは無線とか固定とか関係なく、もはや国の根幹をなすライフラインでありインフラだ。

わりと最近では電波オークションの制度化が見送られたが、個人的にはこれはよくやったという感じで、何でもかんでも総務省のやることが悪いとまでは思わない(電波は国民の財産とも言えるので、手続きは面倒でも厳密な審査が必要だと思っている)。なので、通信は基本的に民間企業の領域とは言え、ある程度国が口を出すのも仕方ないかなぁと思う。

しかし、日本で携帯がものすごく普及したのは、民間企業の頑張りのお陰だ。あまりやり過ぎたら、水を差すことになるし、その辺りのさじ加減って難しいんだろうなぁと思う。さて、今回のお上介入は、要らないお世話なのか、さらに盛り上がるきっかけになるか、どっちだろうか。

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