うつ病になって私が失ったもの(内部面)【うつを受け入れて強く生きる方法-2-】

2010年頃からうつ病を煩い、通院・投薬・休職などを経て現在に至るまでに感じた事と、それでも生きていくために僕がやってきたことを記録として公開している連載記事です。

うつ病という経験は僕の人生の中で一番きつい経験だったし、同時に生き方そのものを考え直すきっかけにもなった。何故きつかったのかと言えば、怪我のように目に見えるものではないことから、とりあえず「完治」という状態になっても、うつ病だったという過去が尾を引くからだ。

今回は「うつ病になって失ったもの」の前編として、僕の気持ち的な部分(内部面)について書こうと思う。大別すると3つある。

連載「うつを受け入れて強く生きる方法」の目次

社会人になってから穴をあけた事がないという小さな自慢

僕が社会人になったのは2002年4月の話。
当時僕はモーニング娘。の追っかけに必死で、就職活動をおざなりにしていた為、就職したのは今でいうブラックIT企業だった。

その会社を半年で辞め、2社目で5年程働き、3社目が今の会社になる。社会人になって5年程の間で2度の転職を経たわけだが、ブランク(=無職期間)がなくちゃんと働いて来たということは、他人には言わないが僕の中での小さな誇りだった。

しかし、うつ病で休職したことで、これを失った。
僕は特別仕事ができるわけでも、出世しているわけでもない。普通のサラリーマンなので、仕事上でこれといった自慢できる事もない。だからこそ、これは僕にとってわりと大きな話だった。

そしてこの話は、視点を少し変えたら多くの方にも同じ事が言える。

「自分がいないと仕事が回らない」という自信の崩壊

社会人になってからうつ病になる人は、長時間勤務や仕事上のプレッシャーがきっかけになる事が多いという。

僕の場合は主に前者だが、僕以外でうつ病になった人を見る限り「仕事に対して非常に真面目な人」が多い気がした。そう言う人は、仕事にプライドを持っているし、自分がやらなきゃという意識が強い。だからギリギリまで働いてしまうのだ。

自分がいなければ、仕事が回らない

そういう意識を持っている人って多くないだろうか。ただ、そう思っていたのに、自分が休んでも案外仕事は回る。もちろん会社には迷惑をかけるし、後任の人は一時的に苦労するだろうが、多くの場合時間が解決してしまう。

フリーランスなど個人で仕事をしている人はそうも行かないが、会社という組織で仕事をするというのはそういう事なのだ。仕事を受けているのは、自分ではなく会社。だから、予定していた人が使えなくなった場合、会社は別の人を用意する必要がある。

ただ、この事実が仕事に対して真面目すぎて、自分がいないと、と思っている人ほど自信を奪うことになってしまう。僕も休職前はまだやりかけた仕事が残っていたが、そのまま休職した。休んだ直後はその事が色々気になって、会社のメールをチェックしたりしていた。が、当たり前だが、一切連絡は来なかった。

「あっ、こんなもんか」と気づくのに、僕は休職してから1ヶ月くらいかかったと思う。ある意味この割り切りが出来るかどうかが、休職期間中に治療に専念出来るか、復帰後も無理しすぎないように意識を変えられるかの分かれ目になるような気がする(もちろん、休んでいても後任者から質問を受けることがあるケースも多いと思う)。

詳しくは後日別記事として紹介していくが、実際この意識改革の影響はかなり大きく、その後の考えや行動にかなり影響を与えている。

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健康で元気だった自分

最後はうつ病に限った話ではないが、「健康で元気だった自分」だ。
僕がうつ病になったのは30歳になって間もない頃。これまでそれほど大きな病気、怪我をしたこともない。まだまだノリが20代なので、仕事が深夜に及ぶ日が長く続いたり、1日や2日徹夜しても、1日ゆっくり寝ればわりと元気だった。

「健康で元気に過ごせること」は当たり前の事だと思っていた。

が、うつ病になってそれを失った。やろうと思っても気持ちだけで、体が動かない。そのうちやろうという気持ちすら薄れていった。

朝目覚ましをかけてたら一応目は覚める。が、そこから起き上がることができない。そうこうしていたら二度寝してしまい、会社に遅刻。結局お休み。みたいな事を繰り返すようになった。

自分の体なのに言う事を聞かないみたいな感覚は初めてだった。「気力や体力」でどうにもならないものがあるって事を、嫌というほど思い知らされたし、それは本当につらかった。

終わりに

今回は主に内面の事を紹介したが、これはある意味自分の意識次第で乗り越えられる話だ。僕も時間はかかったが、今は乗り越えたと思う。

ただ、うつ病で失うものはそれだけではない。社会的な立場や信用まで失ってしまう。
当然会社ではそうなると誰もが思うだろうが、実はそこに留まらない。これは体験してみないと分からない部分であり、元気になっても付きまとう分、ある意味一番面倒な話だ。

次回は、「うつ病になって失ったもの」の後編として外部面(社会的な部分)を紹介しようと思う。

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うつ病治療中、回復後の出来事などは以下の記事をご覧ください

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