うつ病患者のスマホ活用仕事術。一番のメリットはメールチェックの時間短縮でした【うつを受け入れて強く生きる方法-7-】

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うつ病を患ってから、会社・サラリーマンという働き方そのものに対する認識が大きく変わったが、同時に仕事のやり方も変えた。

というのも、うつ病の治療中・休職中など かなり病んでいる時期 というのは、会社や周りの人など他人のせいにしがちだ。その時はそれでもいいと思う。そうしないと、自分自身の精神が持たないし、自分が悪いと思うとどんどん落ちていくからだ。

ただ、ある程度回復してくると冷静になってくる。うつ病になった原因として、仕事が忙しすぎた、プレッシャーが強かったなどの外的要因も当然あるが、段々 自分自身の仕事の進め方にも問題があった と思うようになった。

そう思うようになった2011年頃、急速に普及し始めたものがある。スマートフォン(iPhone)だ。スマホの活用と現在に至るまでの僕の仕事術は切っても切れない関係がある。

今回はその辺りを紹介しようと思う。

連載「うつを受け入れて強く生きる方法」の目次

小山龍介氏の「HACKS!シリーズ」との出会いと、このシリーズで学んだ事

きっかけは僕が休職していた時(2010年12月〜2011年4月)に遡る。
休職中僕は本をよく読んでいた。と言っても、自己啓発系の本とかは疲れるので、基本はあまり深く考えずに読める、小説(東野圭吾が多かった)をよく読んだ。

ただ、基本的に避けていたビジネス・自己啓発系の本だが、たまたま出会って読んだのが、当時「ライフハック」の第一人者と呼ばれ、HACKS!シリーズの書籍を多数かいていた、小山龍介氏の「クラウドHACKS!」という本だ。

この本には色々衝撃を受けた。まず、DropboxSugarSyncなどクラウドストレージなどというものが存在する事をこの本で初めて知ったし、何よりこういうサービスやそれを利用する為のスマホを ガンガン仕事に使う という事にだ。

僕の仕事はプログラマー・システムエンジニア。つまり、こういうものと比較的相性のよい業界で仕事しているのだが、案外使う人はいなかった。何故かと言えば、やはり顧客データを扱うなどの関係上、セキュリティなどには厳しく、当時(2011年)はまだフィーチャーフォン(ガラケー)が多かった時代だが、個人デバイスの業務活用(BYOD)は グレーゾーン だった。

なので、僕もどちらかと言えば遠慮していたのだが、この本を読んで 今までの仕事のやり方で本当にいいの? と問われた感じがして、思い切って使いまくることにした。

スマホを仕事に使ってみて失敗したことはタスク管理

で、とりあえずスマートフォン(iPhone)を使って、仕事をするようになった。

と言っても、ドキュメント作成やコードを書く事はスマホではできないため、あくまでも補助的な利用に留まる。具体的には、メール閲覧・スケジュール管理・タスク管理 辺りだ。

これだけでも随分楽になった面はある。だが、失敗したなと思ったのはタスク管理(TODO管理)だ。

最初僕はやることをiPhoneのタスク管理アプリにとにかく登録するようにした。そうすると、当然数が増える。最初はゲーム感覚なのだが、時間が経つにつれて ずらりと並ぶタスクを見るとプレッシャーを感じるようになった 。そして、やるのが嫌になっていく。

当時は職場復帰はしていたものの、うつ病の通院や投薬は続いていた。このプレッシャーは曲者で、仕事が嫌になり落ち込むという本末転倒な状態に繋がっていった。

結果として、僕は仕事上はタスク管理アプリを使うのをやめた(個人的には今でも使っているが、あくまで仕事上の話)。

メール返信などすぐ出来る事はすぐに対応する

タスク管理をやめてから取り組んだのは、すぐにできる事はすぐに対応する って事だ。こうすれば、タスクはたまらない。

一番多いのはメール返信だろうか。仕事上のメールなので、必要に応じてある程度は返信する義務があるわけだが、僕はこれを貯め込むことが多かった。だが、それをやめて見た瞬間に返せるメールは、すぐに返信するようにした。

1つの基準は 5分以内で返信出来るかどうか 。これを超えるなら、タスクとして積み上げる。5分で書ける文章なんてしれてると思うかもしれないが、これはブログを長年やっているという経験が生きた。多分僕はそこらの人より、5分で書ける文章量・構成力は段違いに高い。

周りをみてて、メール返信ごときで何をそんなに悩んでるのかって思う事があるが、文章を書き慣れていない人はそこにつまずくものだ。それも、自分が出来るようになって初めて気がついた。

メールをいつでも読むことで席に着いたらすぐに仕事が始められる

スマホを仕事に使って一番分かり易い成果・メリットはメールだと思う。

今の業務はシステム業界に限らず、メールが起点になることが多い。なので、出社して、席に着いて、パソコン起動して、まずやることはメールのチェックって人は多い。

メールの量は人によるし、業務にもよると思うが、このチェックや返信に30分程度使っている人は多いだろう。「メールチェックで午前中が潰れたよ〜」なんてちょっと自慢げに言う人も多いが、逆に言えばこの人午前中は何もしてなかったって事だ。「メールチェック=仕事」と勘違いしている人は、特に偉い人には実に多い。スマホで事前にメールを見ておけばこれがほぼ無くなる。

「それって休みの日とか、プライベートでも仕事のメールを見るって事?」と問われたら、答えは「YES」だ。この作業時間を付けるのかとかそんなことは考えないことにしている。

逆に言えば メールを見るだけ に大した時間はかけないと言うことだ。僕がプライベートでも業務メールを見る上で、ルールにしているのは以下の3点。

  • 緊急事態を除き返信はしない
  • 添付ファイルは開かない(セキュリティ的にも問題あるので)
  • スマートフォンには必ずセキュリティを設定する

という事だ。これなら、大した時間はかからない。
これをやったら、出社してやることはメールチェックではなく、メール返信や資料の確認などになる。まあほとんどの場合10分は掛からないので、すぐに仕事が開始できる。

これは忙しい時期ほどメリットが大きい。

会社が明確に「禁止」している場合は従うしかない

特に大企業の場合、会社のメールは個人端末(スマホ)で受信してはいけないとルール付けられていることが多い。さらに、業務エリア内では個人携帯の利用や持ち込みそのものを制限する会社もある(特に工場は昔からカメラ付き携帯は持ち込み禁止が多かった)。そういう場合は、コンプライアンス的にも好ましくないため、僕がやっているような事はできない。そこまでしてやるべきでもない。

僕が現在働いている会社では、この部分を明確に禁止にはしていない。僕が聞く限り、中小企業はこういうスタンスが多いと思う。そして、セキュリティと業務効率化のどちらをとるべきかという問題で、大企業であればセキュリティを重視するのはある意味しかたのない話だ。

しかし、僕が属するIT業界は、大企業に派遣とか出向とか常駐 みたいな事がよくある。そうなると僕のワークスタイルも使えなくなるのだが、これはある程度仕方ないと割り切っている。疑問はあってもルールはルールなので。

1つだけ言える事は、こういう形でのワークスタイルを認めない会社には、今後は絶対就職しないって事だろうか。

終わりに

こんな感じで仕事の中でスマホを使うようになると、本当に色々便利になったし早くなった。結果として、残業などが減り、負担が軽減されることで、うつ病再発も今のところ無いまま現在に至っている。

ここでも僕は良い会社を選択したなと思った。前述の通り、こういう事はどの会社でも出来るわけではないし、この手段が全てという訳でもない。だが、現状を変える・改善できる可能性があるというのは希望 だ。この記事で伝えたいのは仕事でスマホを使いましょうという話ではなく、変えようとする意思が重要 という事だ。スマホはツールに過ぎない。

これができないのだとしたら、うつ病になった人間は丸腰で元の仕事に戻らないといけなくなる。それは当然再発リスクが高くなるし、ものすごく怖いことだ。もし、それが見込めない、変えることを認めない風土の会社だとしたら、その時こそやめる事を決断する時かもしれない。

ただ、2015年現在もそうだが、個人デバイスの業務活用(BYOD)というのは明確な規定がない。例えばスケジュールにしても、

〜さんと打合せ

ならOKだろうが、

〜さんと 〜開発案件に関する 打合せ

と登録すれば若干怪しい感じもしてくる。だが、こんなものは紙の手帳でも同じ事が言える。明確な規定など作りようがないと思う。そして、会社としても効率があがるならどんどん活用して欲しいだろうが、かといって漏洩事故などが発生したら、会社そのものの存続が危うくなる。

結果として今のグレーゾーンという状態が長く続いているのだろう。

ただ、色々使ってみて思ったことがあって、少なくとも会社で使う場合 タスク管理もスケジュール管理も、メールだけでほぼ何とかなってしまうな って事だった。

次回はそれを紹介しようと思う。

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