今年に入って急に話題に上るようになった、大手キャリアが販売する携帯電話のSIMロック解除議論。正直僕はお上(総務省)のいらないお世話になると思っていて、以前こんな記事を書いた。
だが、どうもこの流れが確定の方向になりそうだ。SIMロック解除で一般的な利用者にメリットがあるのかを考えてみる。
SIMロック解除後のサポートにまつわる問題点
今回の方針については、以下の記事に詳しく書かれている。
概要としては2015年夏以降(時期は未定)に「発売する端末」については、原則的にSIMロック解除に対応する必要があるというものだ。
注意点は「発売する端末」であって「販売する端末」ではないこと。つまり、今(2014年10月現在)販売している端末については、2015年夏以降に購入してもこのガイドラインの適用対象外となる。
あと、このSIMロック解除については問題もある。
例えばdocomo製AndroidスマートフォンのSIMロックを解除して、SoftBankのSIMを差して使おうとし、何らかの問題があった場合、このサポートはどこがするのかという部分だ。
docomoにすればSIMロック解除し他社のSIM差して動作がおかしいといわれても知らんがなだし、SoftBankにしても回線だけ契約しているのだから端末については知らんがな、と言われるのは目に見えている。
そもそも利用者側からしてもどこに相談してよいかわからないだろうし、結局「自己責任」ということで落ち着く可能性が高い。要するに普通に使う人にとっては、返って混乱するだけで分かりにくくなる可能性が高い。
利用者へのメリットは
それでもメリットはある。
例えばdocomoの回線が障害で使えなくなったとして、他社のSIMを差せばとりあえず使える可能性が高いなど、手持ちの端末を簡単にバックアップ回線に移行できる。また、現在はほとんどdocomo回線を使っているMVNOがより使いやすくなる可能性も高い。
ただ、SIMロックを解除できるメリットが一番分かりやすく出てくるのは、世界中で販売されているグローバル端末。さらに言えば、その中で最大の販売数を誇るiPhone、iPadだろう。
グローバル端末iPhone・iPadのSIMロックが解除できるメリット
日本の携帯キャリアが使っている通信方式は、現在主流のLTEについては対応周波数は置いといて世界共通と言える。だが、その前の方式である3Gについては違う。docomo・SoftBankはW-CDMAだし、auはCDMA2000で名前は似ているが両者に互換性はない。
つまり、SIMロックを解除してメリットがあるのはdocomo・SoftBank間の話が中心で、特にauの3Gは難しいと言わざるを得ない。だが、その問題が発生しない端末がある。
iPhone・iPadだ。
iPhoneはiPhone 5s/5c以降、日本向けモデルはキャリアに関係なく同一のモデルが販売されている。iPadは2013年モデルから世界共通で単一モデル。つまり、SIMロックを解除すれば、少なくとも日本では他キャリアのSIMを差しても、ほぼ間違いなく使える可能性が高い。SIMロックを解除して、他社でも安心して使えるある意味一番確実な端末となる。
なので、この話が出る前から手数料を払うことでSIMロック解除に応じているdocomoすら、iPhone・iPadについては対象外としている。これが変わるというのはかなり大きな意味がある。
来年も9月頃に次期iPhone(iPhone 6s?)が発売されるだろうが、これが本当にSIMロック解除対象になれば利用者は今までよりかなり増えることは間違いないと思う。
SIMロック解除のデメリット
当たり前の話だが、SIMロック解除に応じればキャリアのビジネスモデルは崩れる。
世界的に見れば高級端末であるiPhoneが「2年間使えば実質無料」なんて価格になるのは、契約期間を縛ることでキャリアは利益をあげられるからだ。これがなくなるのであれば、キャリアは月々サポートみたいな形で端末価格を負担するメリットはなくなるし、最悪は販売の取りやめ(iPhoneならAppleストアの直販のみ)、良くても販売価格(実質負担金)の上昇は避けられない。
SIMロック解除に応じる基準が、例えば2年間という期間なのか、端末費用の完済なのか、はたまた無条件なのか、この辺りが今後の議論になるだろう。
終わりに
Appleが昨年からSIMフリー版のiPhone・iPadの販売を開始し、MVNOも安価でわりと使えるようになってきたことから、ようやく盛り上がってきた感のあるSIMフリー端末。
ただ、そこには当然デメリットもあるわけで、万人にとって望ましい方向性とはいえない。複雑すぎる携帯端末の選定や契約が面倒なので、少々高くてもキャリアに丸投げしたいという人の方が現実的には多いと思うからだ。
かといって今までの販売方法がおかしいというのもまた事実で、選択肢が生まれるというのは良いことだと思う。問題は色々あるかもしれないが、まずは開始して制度を運用しながら柔軟に変更していくことが、一番大事じゃないかなぁと僕は思う。
SIMフリースマホに関する記事
SIMフリー端末は、Android、iPhoneともにメーカー直販で販売されることが多いです。
定番は、Appleストアで購入するSIMフリー版iPhoneですが、現在ではキャリアで購入しても、SIMロック解除することで、SIMフリー化が可能です。

- 保証が弱く「AppleCare+」などの延長保証にも加入出来ない可能性がある
- 日本専売モデルだったiPhone 7〜iPhone XSまで、海外版には「技適マーク」がないため、厳密な意味で日本国内での利用は電波法違反
- 日本で修理対応を受けると「シャッター音」は復活する
販売地域 | iPhone 11 | iPhone 11 Pro | iPhone 11 Pro Max |
---|---|---|---|
カナダ、米国 | A2111 | A2160 | A2161 |
中国本土、香港、マカオ | A2223 | A2217 | A2220 |
その他の国や地域 ※日本含むグローバル版 | A2221 | A2215 | A2218 |
SIMロック解除まとめと確認方法
SIMロック解除方法は、キャリアや端末(iPhone・Android)によって違います。
その違いや、SIMロック解除後のSIMフリーになったかどうかの確認方法は以下の記事をご覧ください。

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