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avex(エイベックス)が投資家・株主に公開した事業戦略から、iDOL Streetリロードとの関係を読み解く

avex group成長戦略2020

以降の記事は以下で公開されている、「avex group成長戦略2020」に基づく私見となります。

その中にある「avex group 成長戦略2020(プレゼンテーション資料)」のPDFファイルを参照しました。スクリーンショットはこのPDFの内容となります。

また、この資料にもとづき、代表取締役社長CEO 松浦勝人氏が説明する動画(63分)の動画も公開されています。

PDF資料だけであれば、10分もかからず流し読み出来ると思うので、是非目を通してみてください。

avexグループの成長戦略

avex group成長戦略2020
avex group成長戦略2020

avexと聞いて、どんな企業だとイメージしますか?

僕は、

  • 浜崎あゆみなど多くの有名アーティストが所属する、CDなどの音楽メディアを販売する音楽レーベル
  • 映像事業などを手がけるエンターテイメント企業

辺りを連想します。少なくとも1つ目はほとんどの人が連想するんじゃないでしょうか。ちなみに元々はCDの輸入から始まった会社です。

この分野は、2016年においても事業の柱である事は間違いありません。

ただ、売上高は2010年前後で一度頭打ちになります。
2000年頃から始まっていた、CDが売れないという状況が決定的になったからです。DVDとのセット販売などで、延命はしましたがもうどうにもならなったのがこの頃です。

そして、2015年から再びこの状況が訪れます。
近年の売上げアップを支えたのは動画配信(dTV)でしたが、こちらも競合サービスの増加、コンテンツの調達価格の増加などで頭打ちになっていきます。

売上げ利益を伸ばすための成長戦略が必要というのが、2016年現在avexグループが置かれている状況です。

2015年以降売上げ・利益は落ち込み気味
2015年以降売上げ・利益は落ち込み気味

それをもって打ち出したのが「avex group成長戦略2020」です。

これは全社方針なので、iDOL Streetに限らずavexグループ全てが共有する思想・指針と言えます。

で、これをみるとavex経営層が持つ危機感と、iDOL Streetの設立は少しリンクしていると感じます。

iDOL Streetプロデューサー樋口竜雄氏のブログに以下のような記載があります。

キッカケは長年計画していたアイドルプロジェクトを中途入社してから5年目の秋に松浦社長、千葉副社長に私が所属するグループ会社の当時所属長とプレゼンしたところから始まりました。

樋口自身ですが、1998年頃大学時代から始めたWEB運営を始め、前職のSE時代に仕事と並行にファンサイトを運営してきたノウハウや、ファンコミュニティを通じて得た「ニッポンアイドルビジネスのスキーム」をavexでどのように実現させていくかを試行錯誤しながら、様々なタイミングがそろい実現につながったのがアイドルストリートです。

引用元:アイストリロード連載:00「ブログ再開」/01「リロードの意味」|iDOL Street スタッフオフィシャルブログ

この話は特にハロプロファンにはわりと有名な話で、ファンサイト(Ayaya-Styleという松浦亜弥ファンサイト)を、

「やりきったので次は夢だったアイドルを作るための活動する」

というような言葉を残して閉鎖しavexに入社。その後毎年のように企画書を出し続けて、ようやく実現したのがiDOL Streetだというエピソードです。

そう、avexに入社してすぐに出来たわけじゃないんです。
いろんなタイミングが合わさったのが2010年頃なんだと思います。

iDOL Streetは2010年から始まりましたが、企画やオーディションの期間を考えたら、プロジェクトとしては遅くても2009年初頭には始まっていたでしょう。

当時、CDの売上げを伸ばしていたアーティストはAKB48とジャニーズくらいです。

アイドルのCD販売ノウハウをavexグループとして蓄積して、他アーティストのCD販売に繋げたい

が設立のきっかけだったのかもしれません。

avexの成長戦略とリンクする「iDOL Street」のアイドル事業

全社の取り組みとして「成長戦略の強化」
全社の取り組みとして「成長戦略の強化」

2010年にiDOL Streetと第1弾アイドル「SUPER☆GiRLS」が誕生します。

ですが、この時既に音楽業界はさらに変わっていました。アイドルブームの到来です

CDは男性・女性関係無く、アイドルしか売れないみたいな状況になります。何故アイドルが強いのか。それは、

  • 握手会などのイベントとセット販売
  • 通常盤、初回盤などバリエーションを増やして、複数枚買いを誘導

などの販売手法が常態化していたこともありますが、それ以上にファンが狙って買い支えているという面が強いからです。

他のアーティストの楽曲はiTunesなどの配信で購入する人も、自分が応援するアイドルだけは、

  • CDという円盤で購入する
  • タワレコ、HMVなどのリアル店舗でなるべく購入する
  • 購入するのは発売週の火曜日(フラゲ日)~日曜日まで(=オリコンランキングの集計期間)

あたりを意識するのは、アイドルを応援している人ならほぼ常識です。
ただ、アイドルを応援している人以外はこんな事意識しないし、知らないと思います。

なので、ランキングを賑わすのがアイドルばかりで、相対的にアイドルのCDばかりが売れている(ように見える)という状態が出来上がり、世の中にアイドルが激増するという状況になりました。

同時に、アイドルに興味のない人は音楽そのものへの関心が下がっていきます。

そりゃあ面白くないですよ。
下手な歌やダンスしかできないアイドルばかり(アイドルファン以外はそう見ます)が、メディアやランキングを賑わす状況ですから。

音楽ファンをエンタメ業界に繋ぎ止める戦略

2010年代は余暇時間の取り合いなので、そうなったら大半の人は別の趣味に走り、音楽から遠ざかります

avexはもちろんアーティストとしてはこれが一番困るわけです。

CDは買わなくても、音楽、広い意味で言うとエンターテイメント業界からの関心を失って欲しくない。

そう考えた時のキーワードが以下だと思います。

「ライヴ」・「デジタル」事業を強化
「ライヴ」・「デジタル」事業を強化

特に強いのはライブです。
これはavexという企業が元々力を入れている分野であり、経営層もここだけは落ちないと認識している分野です。

いわゆる本来の音楽ファンって、本物が好きなんですよね。

ただ、そうじゃない層、いわゆるライトファンとか一般層っといわれる人はその狭間で悩んでます。

ライブって客の立場になれば分かりますが、いけば楽しいものの、最初に参加するハードルが高いんです。一度行けばたいていの人はハマるんですけどね。

そこで必要となるのは、こだわりの強いファンを満足させ、興味をもった人をつかみとるサービスです。

これが実現出来たら勝ちです。何故なら、そういう人はお金を使うからです。

その為の手法として、

  • ファンクラブ、ライブなどを通じてファンと直接接点をもつ
  • デジタル配信など、CDにとらわれない販売手法(限定モノ)、安価に知ってもらう仕組みを作る

をやろうとするのは自然な流れだったのかもしれません。

そして、この全てはアイドル業界では既に完成していた仕組みでした。
写真、映像、音楽はもちろん近年はブログやSNSを駆使して魅力を発信し、会いに来てもらう

なので、iDOL Streetのアイドル事業はCDの売上げを伸ばすノウハウ獲得では無く、新しいプロモーション手法や、それを得意とするアーティストの育成を行う、トライアルという雰囲気が強くなっていったのだと思います。

SUPER☆GiRLSは「従来のプロモーション」とデジタルを組み合わせるプロモーション

デジタルサービスとファンクラブの融合は、iDOL Streetは既に行っている
デジタルサービスとファンクラブの融合は、iDOL Streetは既に行っている

2010年にiDOL Streetと第1弾アイドル「SUPER☆GiRLS」が誕生します。

設立当初から、楽曲やパフォーマンスを見て、

  • 楽曲はハロプロ
  • プロモーションはAKB

なんて言われていましたが、ノウハウ蓄積と考えた場合まず先駆者の戦略を踏襲するのは当然だったんだと思います。

SUPER☆GiRLS(スパガ)は当時も今も王道アイドル路線と言われますが、基本的にはAKB48やモーニング娘。と同じフィールドで戦うことを義務付けられたユニットなんです。

なので、

  • レコード大賞新人賞を獲得し(取りに行ったんだと思います)
  • オリコンランキングや売上げ枚数にはこだわる
  • テレビ出演、雑誌掲載など芸能界に深く入り込む

というようなプロモーションと芸能活動をしています。
これは他のアイドルとほぼ同じ事ですよね。

しかし、ただ1つ、他のアイドルと変わっていたのは、ファンクラブ事業でした。

SUPER☆GiRLSのファンクラブは、後に増えて行ったアイドルグループを含めたiDOL Street共通のファンクラブです。ここはハロプロと同じなんですが、サービス方式がdocomoなど携帯キャリアの決済を利用した、月額課金のサービスという部分が大きく異なります。

ファンクラブとしては「S.P.C」と言ってますが、サービスとしては「マイドル」と呼ばれます。さらに言えば無料サービスがあります

チケットの先行予約・限定イベントへの参加申込みなどファンクラブ的なものはもちろん、ゲーム的な要素、超絶☆メールというアイドルからメールが届くサービスなど、これらを1つにまとめたサービスを展開しています。

IT業界的に言えば、月額課金のサブスクリプションモデルという近年の流行です。
従来は年額決済が主流でした。こうすることでお試し入会がやりやすく、退会しやすいというメリットが利用者にはあります。

もちろんiDOL Street独自とは言いませんが、2016年現在でも少ない形式です。

現実としては、年額にすれば少し高いし、月額課金って解約を忘れがちで、ズルズル続けてしまうというデメリットもあるんですが、間口を広げるというのは大きな意味があります。

このような形で、従来のアイドルプロモーションで売り出しつつ、ファンクラブとデジタルサービスをセットにしたサービスを展開するアイドルがSUPER☆GiRLSです。

Cheeky Parade(チキパ)とGEMはパフォーマンス路線を追求するアイドル

「人材発掘」も大きな方針
「人材発掘」も大きな方針

続いて2012年に第2弾アイドル「Cheeky Parade」(チキパ)、2013年に第3弾アイドル「GEM」が誕生します。

ですが、これらのアイドルはSUPER☆GiRLSとは明らかに違う路線でした。とりあえず楽曲の雰囲気が全く違います

アイドル楽曲と言えばポップでキャッチーなかわいらしい曲が主流というなか、激しいダンスナンバーや高い歌唱力を要求するような楽曲が多いです。

特にCheeky ParadeはももいろクローバーZを意識したなんて言われましたが、この路線に意味があるのかなって正直思ってました。

というのも、僕はアイドルにパフォーマンス論を持ち込むのは無意味と思っているからです。歌やダンスが上手いとかアピールされても正直困るわけです。

なので、僕はアイストの中でもあまり興味がないグループですが、逆に言えばそういう位置付けなんだと思います。本質的にアイドルじゃないんです

万人受けを狙わず、いわゆる玄人好み、分かる人にだけ分かればいいというアーティスト路線。
iDOL Streetリロードに辺り、アメリカ・ロサンゼルスに留学に行くメンバーが3名いますが、

  • Cheeky Parade山本真凜、鈴木真梨耶
  • GEM武田舞彩

偶然なのか必然なのか、Cheeky ParadeとGEMのメンバーなんです。
普通のアイドルが、

LA留学で積んだパフォーマンス見てください

なんて言われても「はぁ、、、」としか言いようがないです。アイドル活動の先にある、表現者としての成功を見据えているからなんだと思います。

人材発掘・育成・投資この3つが、アイストメンバーのLA留学には込められているように思いました。

海外展開の軸として「北米」が登場
海外展開の軸として「北米」が登場

そしてもう1つのキーワードが海外展開。
ロサンゼルスがあるアメリカは北米です。ここへのチャネルを広げて行く目的もあるんでしょう。

実際2016年になり、Avex International Holding Corporationというアメリカの子会社設立に向けて、千葉龍平副社長がavex本体の役員を退任し、こちらの代表取締役社長に就任予定です。

松浦勝人社長曰く「アメリカで現地アーティストを使ったレベールを作る」という話もあり、ロサンゼルスはavexグループのキーワードと言える場所。

ここに日本からも留学メンバーを含むスタッフを送るのは、大きな意味があるように思います。

わーすたは次世代ヒットやクリエイター育成を兼ねたアイドル

次世代ヒットの創出、クリエイター発掘は「わーすた」と深い関係がありそう
次世代ヒットの創出、クリエイター発掘は「わーすた」と深い関係がありそう

そして、2015年3月に誕生し、2016年5月にメジャーデビューしたiDOL Street第4弾アイドル「わーすた」です。

わーすたは今僕が応援している、ハマっているアイドルです。
きっかけはもちろん、楽曲やメンバーのビジュアルが好きって事だったんです。

ただ、わーすたの魅力を伝えるためにブログ記事を書き、その為に色んな事を調べる中で、従来と異なるプロモーション戦略の意図の方が実は気になるようになってしまいました。

僕は10年以上アイドルを見ていますが、それくらいわーすたって変なアイドルだなって思うんです。

前述の3グループとはもちろん全く違ったコンセプトのアイドルです。
万人受けを狙う王道でもなく、玄人好みのパフォーマンス路線でもなく、敢えて言えばゲームやアニメなどのサブカル系アイドルと言えますが、それは見た目の話。

その実態はSPEEDを意識したようにボーカルとパフォーマー(ダンス)を明確に分けた、ビジュアルはもちろんパフォーマンスレベルも高い高スペックアイドル

その他にも特徴としては、

  1. SNS、特にTwitterの利用をメンバーや運営が多用する(これは他のアイドルも基本は同じ)
  2. 「世界標準」を掲げ、海外での活動を活発化する(2016年6月より本格的にスタート)
  3. ライブ、イベント中にスマホ限定で撮影を許容し、SNSでの拡散を推奨する
  4. PlugAir(プラグエア)など新しいデジタルメディアの積極活用
  5. 「クリエイター女子」の名のもとに、制作陣を女性で固める
  6. オリコンランキングなど従来方式のプロモーションを無視している(ように見える)プロモーション戦略

くらいがあります。

沢山あるんですけど、個別で見ればどこかで見たことあるような気がするものの、これだけの要素が全て詰まったアイドルは珍しいと思うんです。

ただ、1~4はどちらかと言えば戦術的な話で、マネしようと思えば他のアイドルが簡単に真似できるものです。実際撮影を許可するメジャーアイドルは、徐々に増えています。

わーすたが1つの成功事例になれば、同じ事をするアイドルはどんどん増えるでしょう。

まあTwitterをあれだけ上手く使うアイドルも珍しいですし、アイスト含めてアイドルブログと言えばアメブロ(アメーバブログ)という時代の中、LINEブログとLINEアカウントによる訴求という新しい流れに乗ってるのも実は大きな違いなんですが。

いずれにせよこれは小さな話で、iDOL Streetというかavexがわーすたで実現した大きな事は最後の2つです。これはavexという大きな組織でなければなかなかできない取り組みだと思います。

つまり、ここは戦略だと思います。

「avex group成長戦略2020」の中にもそれと関係ありそうなキーワードが出てきます。

  • エンタメ業界での成功を目指す才能ある人材への投資・支援
  • 従来のヒットの法則にとらわれない、新たな次世代のヒットの創出

わーすたファンであれば、何となく分かるんじゃないでしょうか。

「クリエイター女子」の名の下に、制作陣を女性で固める

楽曲や衣装はかなり特徴的
楽曲や衣装はかなり特徴的

わーすたは以下のようなコンセプトで生まれた、コンセプト特化アイドルです。

世界に照準を合わせ活動し、SNSとリアルアイドル活動を通じて世界にKAWAIIジャパンアイドルカルチャーを発信します

このなかでKAWAIIという部分にはかなりこだわっていて、大きな特徴は男性が考える可愛い女性像ではなく、女性が考える可愛い女性像なんです。

その証拠が、クリエイター女子の名のもとに、制作陣はもちろんスタッフもほとんど女性で固めていることです。例えば制作スタッフとして名前を聞いた事があるレベルで、

役割 名前 備考
楽曲 鈴木まなか メンバーの選定含め総合プロデュース
振付 高田あゆみ
衣装 木村優
たけうちはるか
1stアルバム衣装
制服衣装など多数

という感じで見事に女性ばかりです。

わーすたは何かやると大抵制作陣の話が出てきます。普通はせいぜい楽曲くらいです。全員アイドル業界では名の知れた方ですが、制作スタッフとして度々名前が出るのは珍しいと思います。

この事からいえるのは、彼女たちはavexからその才能を認められた上で、抜擢されているんだと思います。

これは人材への投資であり、同時に結果を求められている事を意味します。仕事ですから。

エンタメ業界での成功を目指す才能ある人材への投資・支援

というavexの事業戦略そのままと思いませんか。

従来の投資というのはアーティストが中心でしたが、これをスタッフはもちろん、「芸能界で一旗揚げてやろう」みたいな野心家にも投資するというのが今回のポイントだと思います。

ちなみに松浦勝人社長曰く、avexとして過去に投資したアーティストの一人は「元EXILEのhiro」だそうです。

これはまさにアーティストへの投資というケースですが、わーすたの制作陣には形の違った投資をしているように感じます。

オリコンランキングなど従来方式のプロモーションを無視している(ように見える)プロモーション戦略

派手だが限定的なプロモーション
派手だが限定的なプロモーション

わーすたは、2016年5月3日に1stアルバム「The World Standard」でメジャーデビューしました。

アルバムというアイドルには不利なメディアであることを除いても(アイドルCD販売は握手会などのイベントがセットになるため、単価が上がると売上げは落ちる)、このプロモーションは変わっていました。

  • アルバム発売前に「先行予約特典会」みたいなリリースイベントを行わない
  • 原宿ジャックやイラストレーター岸田メルさんとのコラボイラストなどのプロモーションを、アルバム発売後に実施
  • 「HMV凱旋Plugツアー」と称したリリースイベントを、アルバム発売後に実施

アイドルのCD販売は完全に初動型なので、ランキングや売上げは初日でほぼ決まりです。

だからこそ、ほとんどのアイドルは発売前~発売週の日曜日(ここまでがオリコンランキングの集計対象)までイベントを行います。逆に言えば、終わった後はガクッと減ります。

これがアイドルのCD販売のセオリーです。
わーすたは何故かこれをやりませんでした。iDOL Street運営がこれを理解していないわけがありません。何故なら、SUPER☆GiRLSはこのパターンで売り出すからです。

なので、わざとやった、オリコンは無視したとしか思えないんです。

じゃあどうやってプロモーションするのか。キーワードは2つあると思っていて、

  • 地方
  • インターネット

です。

中央(東京)と地方を繋げる

芸能界などのエンターテイメント業界は言うに及ばず、日本の政治・経済全ての中心は東京です。

大きな事をしよう、夢を叶えよう、と思ったら東京にいくしかない

これは多くの人が1度は感じた事じゃないでしょうか。僕もそうです。

インターネットの普及で、以前程東京じゃないとダメというものは減りましたが、それでも東京は日本の中心であり、今後もそうであり続けるでしょう。

同時に東京とそれ以外の分断も始まっていると思います。アイドル業界で言えば、地方アイドル・ご当地アイドル(ロコドル)と呼ばれる人達が増えている事がその象徴と思います。

東京に行けない、帰ってきた、行かないことを決断した人達は、その地域で何かしようと考えています。そう言う人達は東京とかメジャーみたいなものに、敵対意識が強くなります。

僕は岡山という地方都市に住んでいるので、この意識は強く感じます。

東京を倒すぞ~!!

見たいな空気感。でも僕はそれって違うと思ってます。対抗意識持ったところで勝てるわけないんです。

勝ち負けじゃなくて、いいところもらって後はこっちで好きなようにするって言うのが理想だと思ってます。

アイドルに話を戻すと、地方出身のアイドルが東京で成功して、その地域の宣伝や凱旋コンサートみたいな感じで、時々戻ってきてくれる。出身地の事を忘れないで、愛してくれている

こういうのはとてもいいことだと思うんです。自分の出身地から成功した人を恨む人は少ないですから。

わーすたメンバーはメジャーアイドルとしては珍しく、首都圏出身のメンバーがいません。

北海道、愛知、兵庫、広島、福岡出身で、メンバー全員に共通しているのが郷土愛を語ることです。多くのアイドルは東京に行くと、それをあまり出さないようになります。東京に染まったように見えるんです。

ですが、わーすたメンバーってそれが無いので、地方在住の人間としては凄く親近感が持てるんです。

これは狙ったものかどうかは分かりませんが、わーすたというグループの魅力を語る上で今後は重要な要素になると思ってます。

SNSなどインターネットを使ったプロモーション

dogcatmv

わーすたはSNSを通じて発信する「デジタルネイティブアイドル」と言われますが、情報発信はSNSに限りません。

  • PlugAirなどを通じた動画配信
  • ブログ

など様々なツールを使っています。ですが、これ自体は、2010年代アイドルの標準装備と思います。

写真撮影とSNSシェアを推奨していることから、ファンによる情報発信も非常に多いです。

そして、少し変わったアプローチをしていると思っている部分は、メディアとの関わりだと思います。大手メディアではなく言うなれば個人メディアとでも言うべきでしょうか。

その一例は僕自身と言えるかもしれません。

僕は2016年に入ってわーすたにハマり、2016年3月からわーすたの紹介や面白さを伝える記事を書きまくって来ました。

長年ブロガーとして様々な記事を書いたノウハウを詰め込んでいるので、自分でいうのもなんですがそこらのプロには負けない内容と自認してます。まあ遊びじゃないので。

そして好きだからこそ書ける「熱意」みたいなものはかなり意識しているので、読んでくれた方には「愛のある記事」なんて言われます。これはとても嬉しい事です。

ですが、あくまでも僕は一人のファン(ヲタク)に過ぎず関係者ではありません。普通、そういう人が書く記事に、特に大手のアイドル運営の人やアイドル自身はほぼ反応しません。

ところが、かなりの頻度で紹介してくれます。僕の経験上、これはあり得ないことです。
恐らくSNS発信とも恐らく関係して、インターネットを通じてプロモーションするというわーすたの戦略に、僕のブログ記事がたまたまマッチしたからなんだと思ってます。

僕が今年わーすたにハマるなんて、僕自身も予想できなかったわけですしw

個人ブログなど従来のメディア以外と企業がタッグを組んだプロモーションは、既に製品の分野では何年も前から増えています。

アンバサダープログラムなんかはその代表例です。

  • ポエムのように綺麗な文章で良いことしか書かないプロモーション記事(記事広告)
  • 多少文章は稚拙でも、その製品やメーカーが好きで良いことも悪いことも正直に書いた上でお勧めする、書き手の感情(熱意)が伝わる記事

両者はお金が絡む(ステルスマーケティング)かどうかとか善悪の話ではなく、どちらが情報としての信頼性が高いのか読者の共感が得られるかがポイントと思います。

20世紀はテレビCMを筆頭に前者のプロモーションが最強であり、「みんなと同じが正義」でした。ですが、これはもう難しいと思います。

何故かと言えば21世紀は価値観が多様化しているからです。アイドルを例にするなら、国民的アイドルなんてもう生まれないと思ってます。

わーすたは個人による情報発信が主流となった時代のプロモーション手法を模索するという役割も担っているのかもしれません。

いうなれば、アイドルアンバサダープログラムみたいな

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2児の父親でありながらアイドルヲタクという、残念な大人ですが、記事を書き続けていることには、それなりの理由があるんです。
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