本日2024年11月6日は、僕が立ち上げた会社「一般社団法人はれとこ」の設立5周年。
非営利で運営しているので、一般的な株式会社・合同会社と比較することに意味はないのだが、正直よく続いたなと思う。
設立者なので「作った責任」はあるし、自分なりに努力はしてきたつもりではあるものの、11月が会社の期首にあたるので、今何人関わってくれているのだろうと数えてみたら……
- はれとこ役員:11名(僕を含む)
- 倉敷とことこ・備後とことこライター:25名
- はれとこ所属Yahoo!ニュースエキスパート:14名
- はれとこ所属地域おこし協力隊:2名
合計52名
えっ?こんなにいたの?多くね!
正直驚いたわけで、真面目な話は「はれとこ側のリリース」に書いたので、ここでは5年間の法人運営の裏側を少し紹介しようと思う。
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そもそも法人を立ち上げる気なんてなかった
昔からこのブログを読んでくれている読者が今どれくらいいるのか分からないが(ブログもすっかり廃れましたね……)、僕は元々アイドルやiPhoneなどのガジェットが大好きな人間だ。
2010年〜2020年にかけて、ブログで「自分の好きなものの情報」を発信していただけで、人前に立つのは今でも好きじゃない。ある程度の匿名性を保ちつつ発信できる、ホームページ・ブログというのは性に合っていた(YouTubeは顔出しが前提ですし)。
2010年代は、今思えば牧歌的な時代だったので、それである程度収入が得られた。なので、2018年7月で会社をやめたわけだが、システムエンジニア業がちょっとしんどくなっていたので「少し休もう」くらいのものだった。
今だから言うが、当時(2017〜2018年あたり)のブログ売上は「年間250万円」程度(給与で言えば「総支給額」)。
副業としてみれば大きいが、妻子を抱える身としてはさすがに心許ない収入だった。
会社をやめてフリーランスになったが、この程度の収入なので、会社を作ることなんて考えたこともなかったし、目指してもいなかった。「社長になる憧れ」なんて皆無なので。
それでも、会社を立ち上げることにしたのは、平成30年7月豪雨をキッカケに立ち上げた、Webメディア「倉敷とことこ」を継続的な取り組みにするためだった。
明日自分が死んでも継続できる仕組みが作りたかった
個人ブログはその名の通り「個人」が運営しているもので、運営者が死ねば閉鎖するでよいと思っている。
ただ、チームで運営する前提で作った「倉敷とことこ」は、僕が死んだとして閉鎖してよいのかと言えば、それはダメだろう思った。作成した記事は取材対応いただいたお店や団体、取材したライターさんの想いが詰まっているものなので、「残す責任」はあるはず。
そう考えたら、組織的な仕組みにする必要があり、そのためには「法人という箱」が最適だった。そして、法人にはより多くの志の近い「仲間」が必要だった。
2019年当時は、まだ「ブログは稼げる」と言われていた時代。
今稼いでいる・稼ぎたい知り合いは正直たくさんいたが(どちらかといえば僕は、「稼いでいる側」で横の繋がりは作りやすかった)、地域との繋がりを重視していたり、テキストで残す意義を理解してくれる「仲間」はほとんどいなかった。
志の近い「仲間」が増えれば、明日僕が死んでも何からの形で引き継いでくれると思うので、探したい。
そう考えて立ち上げた「はれとこ」という法人は、法人運営(特にメディア運営)に関わる仲間を増やすというのが裏ミッションだった。
今はだいぶその目標には近づいたと思っている。
売上・数字などの「お金」には日々苦しんで病みそう
ただ、会社経営は想いだけではできない。売上・数字(お金)という現実が常について回り、これには本当に苦労している。
何度見たところで変わるわけはないのに、会計ソフトの売上や利益を頻繁に見て、頭をかかえる日々が何年も続いている状況(正直ちょっと病んでると思う)。
法人会計はもちろん、簿記の知識も皆無だったが、フル外注するような余裕はないので、今でもほぼ全ての会計処理は僕が行っている。おかげさまで人並み以上の知識は得られたが、分かってきたが故に、
売上ー経費=利益
というシンプルな図式に苦しんでいる。
売上とは収入、経費は支出だ。売上よりも経費が多ければ赤字になるわけで、赤字を避けるためには、売上を増やすか経費を減らすしかない。
経費は既に絞っているので、できるのは「売上を増やす」なのだが、これが実に難しい。
メディア運営は「儲かっている」と思われがち
はれとこは非営利法人(厳密にいうと「非営利徹底型一般社団法人」)なので、売上の中には寄付や会費収入も含まれるのだが、一見儲かっているように見える「メディア運営」がメイン事業なので、「お金に困っている」といっても理解されずらい。
これは分かっていたことなので、5年間はホームページ制作などの仕事を請け負って、その利益をメディア運営にまわしてなんとか継続した。しかし、ここ1年くらいは、冒頭に書いたとおり50名以上の人が関わる活動になっているため、運営側の負担はかなり上がり、「稼げる仕事」をこなす余裕もなくなってしまった。
ここでさらに無理をして、5年かけて増やして来た志の近い仲間の離脱を招いたら本末転倒。
なので、今後は運営規模を縮小し、今まで作った活動を「維持」しながら、頑張り過ぎない感じで続けるようにしようと思っている。
おわりに
- 正直身体的にも精神的にもしんどい
- なんでここまで頑張っているのか、自分でも意味が分からない
「5年間続けられてすごいでしょ」なんて威張る気は全くなく、楽しいよりもしんどいことの方が多かったと思う。
ただ、一つメリットと感じているのは、役員だけでなく本当に多くの「仲間」が応援してくれていることだ。
僕は今45歳だが、40代半ばにもなると「人生のゴール」みたいなモノがぼんやり見えてくる感覚がある。社会的な地位・収入・人脈がある程度固定化されていて、これをくつがえすのは難しいと「悟る」からだ。それは同年代の人をみればよく分かる。
そんな中僕は、10年後どうなってるか分からないという「異常性」がある。人脈だけは無限に広がる感覚があり、予測不能だからだ。古い友人に会えば最近は、
「戸井は何やってるのかよく分からんけど、なんか楽しそうだなぁ」
といわれるわけで、どうなるか分からない自分自身を楽しんでいる側面は確かにある。
はれとこが10周年を迎える頃、僕は50歳になる。
この頃にはもう少し余裕のある経営ができるようになり、代表理事を後任に譲るというのが今の目標だ。そこまでは頑張りたいと思っている(余談だが、はれとこの二代目以降の代表理事は女性にして欲しいと、遺言として書き記しておく)。
ここまで読んでくれた方は、きっと「僕」または「はれとこ」の活動に何らかの関心がある方だと思うので、ゆるりと応援いただけたら。
▼真面目なはれとこ5周年に関する話は、以下のリリースをご覧ください!
https://haretoco.or.jp/5th-anniversary