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22年間本当にありがとうございました。道重さゆみ LIVE TOUR 2025『SAYUMINGLANDOLL~SAMSALA~』ファイナル レポート

Zepp DiverCity

『SAYUMINGLANDOLL~SAMSALA~』ファイナル

さて、ここまでで既に2,500文字ほどあるが、ここからがようやく、道重さゆみ LIVE TOUR 2025『SAYUMINGLANDOLL~SAMSALA~』ファイナル当日のお話(笑)

会場前

会場のZepp DiverCityには15時くらいに到着した。
グッズが買えそうなら買おうと思ったが、想像以上の行列だったので諦めて、近くのカフェに待避。仕事しながら時間を潰して、17時30分くらいに会場周辺に戻ることにした。

ダイバーシティ東京5階にいたが、下りるにつれて増えるピンクのTシャツ、会場前はこの状態。

開場30分前

開場時間の18時にはさらに増えて……

開場時間

改めて、とんでもない場所に来てしまったと思った……。

「限定道重」の僕が来るとこじゃないと思いつつ、「22年間のありがとうを伝えよう」と入場列に並んだ。

会場内部へ

Zepp DiverCityに入場すると、お決まりのお花などが並んでいた。

お花

大森靖子さんのお花は、「永遠道重」という独自デザインで目を引いたが、正直なところ思いのほか少ないなと感じた。

大森靖子さんのお花

この手のライブだと、芸能事務所・メディア会社などからのお花がズラッと並んでいるものだが、どちらかといえば「個人」が中心のように感じた。

つんく♂さんなど

「引退」だしそういうものかな。辞退したのかな

と思いつつ会場内部へ。
整理番号が600番台だったので、1階席の前方エリアはすでに埋まっており、オールスタンディングライブではある意味定番の「女性限定エリア後方で、ポールがあるところ」を陣取って開演を待った。

その後も、続々とピンクのTシャツ・過去衣装のコスプレなどを着た人たちが入って来て、1階オールスタンディングエリアは満員となった。

その間、開場中BGMが流れていたが、事前に道重さんが案内していた通り「特別バージョンのさゆみんプレイリスト」だった。
僕の印象で、モーニング娘。楽曲のカバーが多かった気がして、「もしかしてこのために録音した?」と思ったが、開演後に「過去ライブ音源のメドレー」と話していた

18時50分くらいになると、会場が一時ざわつき、2階席を見る人が増えた。
位置的にまったく見えなかったが、おそらくモーニング娘。など、OG含むハロープロジェクトメンバーが来たのだろう。

そして、定刻の19時から少しだけ遅れてOvertureが流れ、いよいよ道重さゆみ最後のライブが始まった。

道重さゆみ最後のライブの内容

全体では2時間50分と長いライブだったので、大きく6部構成で紹介しようと思う。

  • 前半
  • 中盤
  • 後半
  • アンコール後のメッセージ
  • 終演
  • 終演後

前半

ステージに張られていた白い幕が上がると、会場の空気は一気に最高潮へ。

ソロになってからの定番曲「OK!生きまくっちゃえ」から始まり、しばらくは上げ曲が続いていく。前半2回あったMCも、以下のような内容。

MCの概要
  • はじめてソロライブを開催したのがZepp DiverCityなので、ここでまたライブができて嬉しい
  • 前日に前髪を切りました
  • 毎回、キレイになるまで2・3日必要だから、前日はよくないと言いながら、最後までこれかよ
  • 今回のツアーは仙台・名古屋・山口・大阪に行ったけど、すべて前日入りだった。なので、各地の名物とか食べられて、私への配慮かと思っていたけど……マネージャーさんの都合だった
  • 昨日(8月13日)は一人焼肉に行った
  • ライブ前日だし、サラダと温かいお肉が食べたかったけど、店員さんに「ローストビーフサラダがおすすめ」と3回勧められた。けど、断固断った
  • 今日は楽屋のランチが「焼肉弁当」だったけど、余っていたのももらって三個食べた

普段通り」の話で、ことある毎に「かわいい〜」と言わせる(?)のも、もはや伝統芸能とすら感じる。

中盤

中盤は2017年に「再生」してから、COTTON CLUBでの公演で披露していた楽曲のメドレーが中心。メドレーはなんと「21分」におよぶ内容だったと、後のMCで明かしていた。

デビュー当時を知っている身としては、歌もダンスもできなかった子が、一人でここまでのパフォーマンスができるようになったことに驚くし、並々ならぬ努力を感じた。

また、このメドレー中に衣装の右袖が取れるアクシデントが発生した。
途中まで手に持っていて、自然に回収してもらっていたが、その後は二の腕があらわに。

後のMCで「ある時期から、二の腕を出すのは封印していた」と語っていたが、「案外ノリノリでやれたし、みんな気にしなくていいよ。でもどうせなら左腕の方が細いから、そっちがよかったなぁ」と笑いを誘うあたりはさすがだなと思った。

そして、アンコール以降を除き、「普段との違い」を感じたのは、この後の3曲だったかもしれない(調べたらこの日だけ披露されたわけではないらしい)。

  • unknown cloud
  • オレンジブルー
  • DESTINY~タピオカモード~

当日ステージには大型スクリーンが設置されていたが、歌詞が表示されるのは基本的に「新曲」だけだった。ところがこれらの曲は新曲ではないのに、歌詞がスクリーンに表示されていた

歌詞はあえて引用しないので、検索してください。

いわゆるミディアムバラード曲ではあったが、「道重さゆみの苦悩」を表現していた楽曲だったのかなと感じた。

後半

その後、ツアーを共にしたダンサーのHiKARU☆さん、MoMocoさんを紹介し、感謝の言葉を述べていた。

HiKARU☆さん、MoMocoさんも泣きながら、「大好きです」とコメントし会場が暖かい空気に包まれてからの「彼と一緒にお店がしたい!」。

モーニング娘。時代の代表曲の一つだが、アンコール後を除けば一番盛り上がった時だと思う。はじめて聞けることに感動したのだろうか。僕の前にいた女性客数名が、イントロが流れた瞬間に泣いて喜んでいたのが印象的だった。

その後は再び上げ曲が続き、最後は「サユミミライ」で本編は終了した。

この時確か20時50分くらい。
アンコールは当然あるけど、「あと30分ほどで、終わっちゃうのか……」そんな気持ちになりながら、今じゃほとんど叫ぶこともない「さゆみんコール」をしていた。

いよいよここからが、道重さゆみラストステージだ。

アンコール後のメッセージ

「さゆみんコール」に後押しさせるように、ツアーTシャツをアレンジしたドレスを身にまとった道重さんが登場した。

ステージにはスタンドマイクが一本。
これから何が始まるかは全員理解しているので、緊張する道重さんの息づかいがマイクを通じて流れるほど会場はシーンと静まり返っていた。

そして持ち出したのは「手紙」。
11年前のモーニング娘。卒業時に、おそらく強いこだわりで持ち出さなかった手紙をこの日は手にしていた。

本当は手紙にはしたくなかったけど、今日伝えたいことを全て伝えられる自信がなかった。
あとで「あれを伝えられなかった」と後悔したくなかった。これが今の私なんです。ごめんね。

と話しながら、手紙を読み始める道重さん。

僕はここがライブ中で一番辛かった。
僕は「手紙を使わずに語る」と思っていたが、おそらくこれも「できなくなってきたこと」の一つだったのだろう。期待が分かっていて、それに応えられないもどかしさを想像したら、涙が流れてきた。

初回掲載時に、記憶の範囲で手紙の内容を記載していましたが、公式ブログで全文公開されたので削除しました。

私を愛してくれた全てのみなさんへ | 道重さゆみオフィシャルブログ「サユミンランドール」Powered by Ameba

便せん12枚をときどき言葉を詰まらせながら最後まで読み上げた。

「芸能界引退」という言葉は使わず、「道重さゆみを作ってくれたファンに対する、感謝と別れの言葉」だったように感じた

会場内のいたるところから、すすり泣く声が聞こえていたが、やがて拍手と「さゆー!ありがとう!!」という声援が増えていった。

終演

そして、手紙でも紹介された「YES!最幸でしょ♡」が始まった。
その後「白い羽根」が続き、ある意味お待ちかねの「ラララのピピピ」で会場は再び最高潮に。終わった後「ララピピ超いい曲〜!」と満面の笑みだった。

最後はツアータイトル曲でもある「SAMSALA」で終了と思いきや……ここから最後のMCが入る。

モーニング娘。時代につんく♂さんが「ラララのピピピ」を作ってくれて、私の代表曲になりました。

その後、ソロになってから「ララピピ」を越える曲を作ろうと、天才ディレクターさんが曲を、天才大久保薫さんが編曲を、天才で超歌手の大森靖子さんが作詞をしてくれて「OK!生きまくっちゃえ」が生まれました。

これが私の今の代表曲です。もう一回「OK!生きまくっちゃえ」!

最初の曲をもう一度歌うという演出。
ライブで代表曲を二回歌うというのは最近では珍しくないが、曲振りからの流れがすごすぎて「天才か!」と思った。最後にこの流れはズルすぎる。

そして、道重さゆみさんのラストステージが終了。
ステージ上で皆にお礼を伝え、ステージ中央へ。

道重さゆみでした!バイバイ!

と笑顔で伝え、客席には振り向かずステージ奥に消えていった。

終演後

しばらくして「すべての公演が終了しました〜」のアナウンスが流れるが、帰ろうとする人は誰もおらず「さゆみんコール」が続いている。というのも、ステージ中央には「SAYUMINGLANDOLL」のメインイメージが映し出されていた。

まだ何かある

多くの人がそのように感じていた中、終演BGMとして「赤いフリージア(道重バージョン)」が流れ始める。

「まさか!もう一度」と思ったが、道重さんが再びステージに戻ることはなかった。しかし、「赤いフリージア」はしっかり最後まで流してくれて、これがファンに対する最後の贈り物だったのかなと思った。

再び流れる「すべての公演が終了しました〜」のアナウンス、今度こそ終わりだという証としてメインイメージの投影も終了した。

終わってしまった……。

この時時計を見たら21時50分。
全体では2時間50分、アンコールに入ってからでも約1時間経っていた

帰途につくファンの表情をみると悲壮感はなく、ある種の満足感にあふれていて、道重さんは最後までアイドルとして演じきったんだなと思った。

おわりに

終演後

道重さゆみというアイドルをすごいと思うのは、僕の主観ではあるが、原点である「モーニング娘。」はもちろん、アイドルとしての「道重さゆみ」を常に意識し続けていたことだと思う。

なぜそこまでストイックに取り組んだのかは分からない。
ただ、その世界に魅力を感じ、認め、尊敬する人がいるから、この日多くのファンがピンクのTシャツを身につけて集まったのだろう。

僕の記憶の範囲で、道重さんが自身のファンを「変な人」と呼んだのは、モーニング娘。卒業コンサートの時だったように思う。そして、この日のMCでは「変な人」という言葉が多かった。

明日から、もしかしてみんな「さゆロス」ってやつ?
でも、私も一緒だよ。私も絶対「変な人たちロス」になるよ。

そのように語った道重さんは、最後までファンに寄り添い、ファンのために活動した。

喪失感は確かにある。
今の活動をさらにあと10年、20年と続けたら、どんな世界ができあがっていたのだろうと考えると、すぐに割り切るのは難しい。

だけど、それは言わない約束。そんなことは言わなくても道重さんは分かっているし、分かった上での決断だからだ。

出会うことができなくなっても、どこかできっとつながっている。
そう信じて、今日も明日も最幸な日々を、生きまくろうと思う。

道重さゆみさん、22年間本当にありがとうございました。

セットリスト

  1. OK!生きまくっちゃえ
  2. マインとパンゴー
    • ~MC~
  3. Fantasyが始まる
  4. ちーぎゅう♡
  5. フレンズレンズ
  6. へヴんな人たちに捧げる歌
  7. さゆみるふぃーゆ
    • ~MC~
  8. 再生~わたしはここにいるわ~
  9. キラキラは一日にして成らず
  10. ありえない遊園地
  11. SHIBUYAのファビュラス
  12. バラバラWONDER
  13. SAYUTOPIA
  14. WHO IS BABY
  15. PINK FREEDOM
  16. 青空09
    • ~MC~
  17. unknown cloud
  18. オレンジブルー
  19. DESTINY~タピオカモード~
  20. 彼と一緒にお店がしたい!
  21. 瞬間Watcher
  22. 形而上的熱視線
  23. サユミミライ
    • アンコール
    • 道重さゆみ 手紙朗読
  24. YES!最幸でしょ♡
  25. 白い羽根
  26. ラララのピピピ
  27. SAMSALA
    • ~MC~
  28. OK!生きまくっちゃえ
    • 終演BGM:赤いフリージア