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Apple Musicとアーティストへの対価支払問題。早期決着も残念だった当初の姿勢

先日のWWDC2015で発表され、僕自身も使ってみようと思っている新サービス「Apple Music」。

日本円で月額980円と比較的安価で、様々なアーティストの楽曲が聴けるようになると言うことで(どの程度のアーティスト・レーベルが参加するかはまだ謎だが)、利用するメリットはあると考えていた。

だが、素人目にみても、アーティストに支払われるロイヤリティーってどんな仕組みになるのかと気になっていたが、その辺りに関してちょっと残念な出来事があった。

この記事の掲載内容は、2020年12月27日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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3か月の無料トライアル期間はアーティストへのロイヤリティは発生しないという方針

問題が発覚したのは、歌手のテイラー・スウィフトの発表。

内容としては、「Apple Music」が設けている3か月の無料トライアル期間中はアーティストへのロイヤリティは発生しない方向で契約が進んでいることに対して意義を唱え、自身の最新アルバム「1989」の配信をApple Musicから引き下げると発表したというもの。

詳しい経緯や関連するコラムは以下あたりを参照いただくと良いかと思う。

これを受けて、Appleはその日のうちに方針を転換し「無料トライアル期間内であってもアーティストへの支払いを行う」と発表した。

このスピード感はさすがと思うが、この事は色んな意味でショッキングな話だった。

「音楽文化」を大切にするAppleというイメージが揺らいだ

正直トライアル期間中に、アーティストに対してロイヤリティが支払われるかどうかなんて、ユーザー的には関係のない話だ。

ただ、Appleという企業の姿勢が見えてしまった。

問題は異議を唱えたら、その日のうちに方針を転換したというスピード感じゃない。言われなければトライアル期間中はアーティストに対して、楽曲の無償提供を求めていたと言うこと。

さらに言えば、今回声を上げたのが大物アーティストだったが、これが名も知れないアーティストだったらどうなったか。

ビジネス的観点から見れば、Appleがやっている事は特別おかしな話じゃないと思う。トライアル期間中はAppleも収益が上がらないのだから、アーティストに対して対価を支払う元手もなく、支払う義務もないというのは当然と言えば当然。

ただ、Appleという企業はiPodを発売して以来、いわゆる海賊版や不正コピーのような脱法行為に対して厳しく対応してきた。

iTunes Storeを他社向けに開放しなかったのも、そういった姿勢の一環だったわけだが、その根底にあるのは「音楽文化」、さらに言えば「アーティストへのリスペクト」があったからだと思う。

だからこそ多くのアーティストやレーベルが参加し、iTunes Storeという巨大エコシステムが成立し、それをユーザーは支持してきた。今回の件は、それが揺らいだような出来事のように僕は感じる。

こういう事があったから最近のAppleはダメだとか言う気は無い。が、「へ~、Appleってそう言う企業なんだ~」っと少し見る目は変わったと思う。

終わりに

近年のAppleは以前ほどの魅力がなくなったといわれる。

まあ、数年前が凄すぎたわけでそう言われるのは仕方ないと思うのだが、今回の件はつい考えても仕方のない仮定の話を思い浮かべてしまった。

スティーブ・ジョブズなら、今回のような対応をしただろうか

当然スティーブ・ジョブズはもう亡くなっているし、Apple Musicというサービスはジョブズが存命していた頃から検討されていた可能性は低いと思う。ただ、ジョブズの自伝を読めば、彼の音楽に対する強いこだわり・思いは嫌でも伝わってくるし、きっと違った対応になっていたんじゃないか。そう思わずにはいられなかった。

とはいえ、Appleも方針は転換したようなので、とりあえず日本でのサービス詳細が発表されるのを楽しみにしようと思う。

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