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注目の新サービス「Apple Music」。「iTunes Match」との関連性など気になる事をまとめてみました

先日行われたWWDC2015の基調講演で発表された、新サービス「Apple Music」。

iPodとiTunesで音楽業界を大きく変えたAppleが、再び送り出す音楽サービスと言う事で注目度合いは高いと思う。とはいえ、音楽のストリーミング配信サービスは既に日本国内でも、先行サービスがいくつもある。

真新しいように見えて、実は後発組であり、後出しジャンケンと言われても仕方ないが、それ故によく考えられているとも思う。僕もこのサービスは始まったら使ってみようと思っているが、気になるポイントを紹介してみる。

ただ、現状はまだ始まっていないサービスのため、気になる事を書いただけで、結論は出せていないことを予めご理解くださいませ。

この記事の掲載内容は、2020年12月27日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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「Apple Music」の魅力と懸念事項

「Apple Music」はConnectと呼ばれる仕組みが中心にいて、イメージ的にはTwitterとかでいうフォローみたいな感じで、お気に入りのアーティストを登録すれば、そのアーティストの楽曲がストリーミング配信で聴けるようになる。

面白いなーと思うのは、アーティスト(レコード会社)がそのユーザーに対して情報を発信する事もできるし、双方向でやりとりすることも仕組みとしては可能である点。こういうサービスは、特にアイドル業界では独自サービスとして提供している事が多いが、正直こういうのはファンクラブに入るくらい「濃い」ファンじゃないとなかなか入らない。

「Apple Music」はこれを統一的な仕組みかつ、サービス契約者全てに提供することで、サービスを提供する側・利用する側双方にとってハードルを下げている。これは、「Apple Music」というサービスが普及すれば、ものすごい可能性を秘めていると思う。

逆に懸念事項は、日本においてこのサービスに参加するアーティスト(レコード会社)がどの程度いるかって事だろうか。仮に、現在iTunes Storeで楽曲を販売している全てのアーティストが対象であれば、これはサービス開始時からかなり期待できるサービスになるのは間違いない。

音楽販売サービス、配信サービスは国内でも数多く存在するが、ユーザー数・参加アーティスト数・サービスとしての信頼性、どれをとってもiTunes Storeに勝てるサービスはないと思うので。

「iTunes Match」との関連性は?

もう一つ気になる点があって、それは日本では昨年ようやく開始した「iTunes Match」との関連性。僕はこのサービスを開始当初から利用していて、とても便利だと思っている。

「iTunes Match」も「Apple Music」もクラウド(iCloud)上にある、楽曲を再生するという部分は共通なので、サービス内容的に重複する部分があるように感じる。この点、公式サイトにおいては、以下のような記述があるのだが、

Apple MusicはiTunes Matchと連係しますか?
はい。Apple MusicとiTunes Matchはそれぞれが独立したものですが、補完的な関係にあります。

正直よく分からない。

自分なりに考えてみると、「iTunes Match」の基本的な考え方は、PC・MacにあるiTunesライブラリをiCloud上に丸ごと保存してしまうというサービス。

iTunes Storeで提供されている楽曲とマッチングした場合、そちらで聴けるようになるが、iTunesライブラリのバックアップサービス的な意味合いが強い。

「Apple Music」はサービスを契約している間、Apple Musicの楽曲がライブラリになるイメージなので、バックアップ的な意味合いはほとんどない(一応iTunesライブラリに存在しない楽曲をアップロードするような機能はあるようだが)。そこが大きな違いなのかもしれない。

「Apple Music」でダウンロードした楽曲の扱いは?

ただ、そうなると気になる事がもう1つ出てくる。

それは、ダウンロードした楽曲の扱い。
「Apple Music」は3ヶ月のお試し契約が可能となるそうなのだが、有料会員になる大きなメリットの1つが「オフラインで聴くために音楽をダウンロードして保存できる」こと。

じゃあ、ダウンロードした楽曲というのは、購入した楽曲という扱いなのか、DRM(デジタル著作権)機能が付与され、例えばダウンロードから数日間しか再生できないようなものになるのか。

iTunes Storeの楽曲は数年前からDRMフリーとなっているため、その辺りとの兼ね合いが気になる。仮にiTunes Storeと同じ楽曲データがダウンロードされるのだとしたら、原理的には再配布が自由になるし、これを「iTunes Match」で取り込めば、契約解除後も「Apple Music」を契約している時とほぼ同義のサービスレベルとなってしまう。

ユーザ的にはこれくらい自由度があれば嬉しいが、ここまで自由に出来たら、特に日本においては10年程前にあったCCCDのように何らかの形で制限しようとか、参加するアーティストが少なくなるなんて形になるかもしれない。

まあ、個人的には価値観が多様化している中で、音楽の重要性は相対的に低下しているし、知ってもらってなんぼだと思うので、あまりガチガチにしないで欲しいなあとは思う。

終わりに

色々気になる点を書いてきたが、スティーブ・ジョブズ在任時代からAppleという企業は「音楽」という文化を非常に大切にしている。

その根底にあるのはアーティストに対するリスペクトだと僕は思っていて、それ故にアーティストの権利をいたずらに低下させるような事は絶対にやらない。色々叩かれても、iTunesというアプリケーション上でしかサービスを提供しないし、その盲点を突くようなサービス・アプリが出たら、絶対に許さないのは自社のサービス権益を守るためだけではないと思う。iTunes Storeから始まった、1曲単位での販売サービスが頭打ちになってきているという現実があるにしてもだ。

かといって、余りに縛りをキツくしたら、日本のサービスが全く受け入れられなかったように、ユーザーからそっぽを向かれてしまう。「Apple Music」は後出しジャンケン故に、その辺りのバランスを上手く考えているだろう。
そして、Mac・iPhoneなど自社製品だけでなく、WindowsやAndroidでもサービスを提供する辺り、これはiTunes Storeが始まって以来の大きな転換点になるんじゃないかと思う。

ここまで書いてきたとおり分からない事も多い。だが、「Apple Music」楽しみだ。

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