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SoftBankの営業利益が初の1兆円超え。改めて感じる孫正義氏の先見性

昨日SoftBankの決算発表が行われた。

初めて営業利益1兆円を超え、「ドコモをあらゆる方向から抜いた」と息巻いた発表で、色々マジックはあるにせよ凄いことだと思う。が、久々にこういう場に現れて決算以外の話を聞くと、孫正義氏ってやはりモバイル業界で一番先を見てるなぁと思ってしまった。

その辺りを紹介してみる。

この記事の掲載内容は、2020年12月22日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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「発表会という形式は終わった」

SoftBankは他社と比べてiPhoneの販売比率が非常に高い。
iPhoneは言うに及ばずAppleが端末仕様やサービスの全てを決定するため、基本的に携帯キャリアの付け入る余地は無い。逆にAndroidは多少自由度があるため、携帯キャリアの独自サービスを盛り込んだ端末というのは自然とAndroidになるが、SoftBankはそれほど力を入れていない。

また、Androidもかつては国内・海外の端末メーカーがこぞって販売していたが、今はグローバル端末としてSamsungのGalaxyとSONYのXperia、国内端末として富士通のARROWSとシャープのAQUOSにほぼ集約された印象がある。

つまり、多少機能やサービスの違いはあっても、Androidもキャリア毎の違いはほとんど無くなった。auとdocomoが発表する夏モデルもほとんど同じだし、正直以前のようにワクワクする発表会ではなくなった。今日はauの発表会があったが、差別化要素になるのはauオリジナルの「isai FL」くらい。

そんな時に「発表会という形式は終わった」といいい、やめてしまう孫正義氏はさすがだなぁと思う。
まあ、auに関して言えばモーニング娘。さんがお世話になっているし、発表会やめたら?とは少し言いづらいのだがw

音声定額「NTTはちょっとズルい」

先日docomoが発表した完全なる音声定額「カケホーダイ」。
遅かれ早かれ他社も追随せざるを得ないだろうが、いつもに比べて追随が遅いのには理由がある。それは、接続料というものだ。

簡単に言えば他社の回線に接続する場合お金がかかるというもので、シェアの低いキャリアは必然的に他社への通話が多くなる事を逆手に取って生まれたのがSoftBankの「ホワイトプラン」。逆に言えば、シェアが高いキャリアは他社への通話が減る。ここを利用したのがdocomoの「カケホーダイ」だ。

さらに言えば他社への通話というのも2種類あり、固定電話はNTTが圧倒的なシェアを持っているため、docomoとしては費用が発生するが、支払先はNTT東西なので実質的にグループ内通話。このカケホーダイプランは特にビジネス用途で契約されることが将来的に増えると僕は思っているが、ビジネス用途では固定向けの発信が多いのでこれは大きい。

逆にauやSoftBankは対docomo向けだけじゃなく、固定向けの通話も考慮する必要があるため、発生する接続料はdocomoの比ではないはず。それが「NTTはちょっとズルい」という言葉に繋がっているのかと思う。

それでも、「方向性として、音声サービスはVoIP、VoLTEが世界の流れ。音声の定額は時間の問題で、当たり前になる」と話していたように、SoftBankが徐々に切り開いた音声定額への道を、ここでdocomoに譲るわけにはいかないだろう。

終わりに

SoftBankの端末発表会はなくなり、基本的にはアメリカに注力。日本国内では存在感が薄くなってきたようにも感じるが、孫正義氏から発信されるメッセージってやはり強いなぁと改めて思う。

色々議論を巻き起こすし、嫌いな人も多いかもしれないが、結果的にSoftBankが携帯に参入してこの業界は大きく変ったし、その過程で語られた未来の多くは現実のものになっている。この業界もかなり成熟してきたとも思うが、この先の展望が一番気になるのはやはりSoftBank。

Sprintを足がかりにしたアメリカ進出という壮大な夢を追いかけるSoftBank。今は利用者ではなくなっているものの、これは応援したいなぁと心から思う。