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菊池雅志「孫正義が語らない ソフトバンクの深層」と幹部の奮闘

iPhoneを持つようになってから、AppleはもちろんだがSoftBankという会社にも強い関心を持つようになった。なので関連する書籍を色々読んだりしたが、その中でも一番面白くて興味深い本だったので紹介してみる。
「孫正義が語らない ソフトバンクの深層」という本だ。

この記事の掲載内容は、2018年10月11日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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SoftBankの社長はもちろん孫正義だ。なのでSoftBankという企業を語るときには孫正義抜きには語れないし、書籍も孫正義を中心に扱われることが多い。昨年は新30年ビジョンも発表し、日本ではスティーブ・ジョブズ並みにカリスマ的な扱いを受けるようになって来ている。

「情報革命を通じて、人々を幸せにする」というビジョンは一見曖昧に見えるが、携帯電話・通信ましてやiPhoneなどという言葉を使っていないのがポイントだと思っていて、その時代に応じた形で業態が変化する・できると言うことを示唆している。

ただこのビジョンは孫正義によってだけで作られた訳ではない。社員20,000人といわれるSoftBankは社長だけで続いている訳ではない。
この本は孫正義をあえて脇役に添えて、その配下にいる部下達の奮闘を中心に記されているところが面白い。宮川潤一・榛葉淳・宮内謙といった役員の名前は聞いたことはあったが、どういう経緯でSoftBankに入りどんな役割を担っていたかなんてあまり知らなかった。

Yahoo!BB、ボーダフォン買収、スーパーボーナス、ホワイトプランとここ数年の通信業界で話題の中心だったSoftBankがその裏で、孫正義の意見に役員全員が反対して覆したりといったエピソードがリアルに描写される。SoftBankという企業が決して孫正義の独断だけで今日の地位を気づいた訳ではないと言うことがよく分かる。

そんな内容が小説のように細かに描かれていて、ノンフィクションなんだけどハラハラしながら読んでしまった。SoftBankという企業に興味を持つ中で、孫正義という人物にばかり目が行っていたが、会社のイメージが一新された気がする(よい意味で)。