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「スマ得パック」でキャリア発のiPhone向けコンテンツビジネスは成り立つか

今年の3月からauが自社のAndroid端末向けに始めた「auスマートパス」という定額制コンテンツ配信サービスは非常に評判がいいそうだ。山ほどあるアプリの中からお勧めを教えてくれたり、それらを月390円の定額で使い放題というお手軽さがうけているらしい。

特にAndroidにおいては「安心して使えるアプリ」というのはとても重要なので、キャリアのお墨付きというのはユーザーからしてもメリットが大きいのだと思う。docomoも似たようなアプローチでdマーケットを始めているが、基本はGoogle Playへの誘導にすぎないらしい。で、SoftBankは基本的にiPhone一辺倒だから全てAppleにお任せせざるを得ない状況だったが、ついに打開を図るそうだ。

正式発表の情報ではないが、特にSoftBankは土管屋化が進んでいるので、こういうのをやりたいのは事実だと思う。なので、本当であれば、iOS向けの携帯キャリアビジネスとしては注目かもしれない。

この記事の掲載内容は、2020年12月21日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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「スマ得パック」の概要

「スマ得パック」と呼ばれるこのサービスの特徴は以下だと思う。

  • Yahoo!プレミアム会員であれば携帯キャリア関係なしでも使える
  • 月額399円の定額制
  • キャリア課金が可能
  • Android・iOS関係なしに利用できる
  • アプリではなくWEBコンテンツとして提供

僕はヤフオクで出品をしたりするので、Yahoo!プレミアムに契約している。毎月出品するわけではないので無駄だなぁと思いつつ、その都度加入・退会を繰り返すのも面倒なので結局そのまま。先日10/1から料金が上がるという発表があって、ますますどうしようか悩んでいたが、続ける意味が出てきた。

注目ポイント

個人的に一番の注目は「WEBコンテンツとして提供」という部分。
iPhoneは発売当初、開発者向けにSDKを公開せずネイティブアプリの追加を許さなかった。代わりに推奨されたのがWEBアプリケーションをホーム画面等にショートカットとして配置する機能だ。ただ、Jailbreak(脱獄)してネイティブアプリをインストールするユーザーが増えて問題になったため、SDKを整備したという経緯がある。

それ以来、Android含めてどれだけのアプリが生まれたかは皆が知っている話で、つまりスマホ=アプリというイメージを持っている人は非常に多い。技術者的観点でみても、「今後はHTML5だけでiOSもAndroidも行ける!」、「長期的にはアプリは減っていく」なんて話がありつつも、やはりアプリの存在は果てしなく大きいため、アプリの存在を無視できない(=技術情報にアンテナを張り続ける必要がある)。

なので、WEBベースになると言われる「スマ得パック」がビジネスとして成り立つかどうかは非常に興味深い。これが成り立てば、スマホ=アプリ、つまりアプリを通じて様々なWEBサービスを実現するものではなく、スマホ=サービスという形に変って行くような気がするので。

まあ、現実的には窓口になるようなアプリをiOS・Android向けに提供してそこから利用してもらう形になりそうな気がするけど。

終わりに

仮に「スマ得パック」が普及したからと言ってアプリがなくなるとは思わない。アプリを提供するメリットはめちゃくちゃある。ただ、今は無理にアプリじゃなくて良いようなサービスも、アプリとして提供しなければ使ってもらえない、というような状況になっているように思う。だから、最近はスマホ向けアプリの技術者が引っ張りだこな訳だし。

サービスにはふさわい姿があるはずで、何でもかんでもアプリじゃなくて、内容によってはアプリじゃなくても理解されるようになればいいなぁと思うのだが。大手キャリアの中で最初にスマホ重視に舵を切ったSoftBankだし、元々Yahoo!プレミアムなので利用も出来るため、是非試してみたい。発表が待ち遠しい。