2020年3月に5Gスマホを色々実験したいと思い、SoftBankの「AQUOS R5G」を購入した。
あくまでも「実験用のサブ回線」なので、メイン回線ではないのだが、ドコモで当たり前にできていたことが、SoftBankではできないことに気づいてがく然とした……。
使っているスマホは全てSIMロック解除した「SIMフリー端末」。
つまり、SIMロックによる制限で通信できないわけじゃない。
実は、SoftBankのSIMはIMEI(個体識別番号)によって通信可否を制限しており、
IMEI制限(IMEIロック)
にかかっていたためだ。
時代遅れともいえるこのロック。
- IMEI制限とはなんなのか
- SoftBank回線利用時の注意点
をこの記事では紹介しようと思う。
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IMEI制限(IMEIロック)とは
今回僕は、IMEI制限(IMEIロック)に引っかかった。
IMEI(個体識別番号)はスマホ毎に振り分けられている「一意な番号」で、この番号から以下を読み取ることができる。
- 製造メーカー
- モデル番号
2015年からロック解除が義務化された「SIMロック」は、SIMカードの携帯キャリア情報をもとに、指定したキャリア以外での通信を行えないようにする制限。
このため、例えば同じiPhoneでも、ドコモで購入したiPhoneはドコモのSIMでのみ通信可能となり、SoftBankなど他社のSIMでは通信できなくなった。
対して、IMEI制限(IMEIロック)は、「通信キャリア」ではなく「端末」によって制限をかける仕組みだ。
通信キャリアはスマートフォンなどの端末を販売している。このため、「自社が販売した端末」は全て把握している。
自社で販売したスマホ以外、通信不可とする仕組みが「IMEI制限(IMEIロック)」
といえる。
と思う方も多いだろうがその通り。
IMEI制限をキャリア行う理由は「メーカー独自カスタマイズ」
このように書くと「IMEI制限は悪」みたいな印象を持つだろうが、キャリアにも言い分がある。
「自社で販売したスマホ以外、動作保証ができない」という理由だ。
確かに、他社から持ち込まれたスマホできないとして、サポートを求められるのはメーカーではなくキャリア。
「知らんがな」とはいえない以上、ガードする仕組みとしても必要と思う。
iPhone・Google「Pixel」は例外として、それ以外のスマホは例えば「AQUOS R5G」という製品でも、キャリア毎に独自のカスタマイズが施されているからだ。
このため、同じ製品でも型番などは分けて販売される。
- ドコモは「AQUOS R5G SH-51A」
- auは「AQUOS R5G SHG01」
- SoftBankは「AQUOS R5G」
といった感じ。
という意見もあるだろうが、そのおかげでセットアップ中にキャリア独自のカスタマイズが行えたりするわけで、これは市場原理にもとづいて導入されている。
2024年現在はかなり減ったとはいえ、Androidのややこしさが招いた事態とも言えるかもしれない。
SoftBankはSIMカードの種類が多く、Android用は細かいIMEI制限に注意
IMEI制限は、2024年現在SoftBankとY!mobileで行われることが多い。
他社も多少は行っているのだが、一般的な利用で困るシーンは少ないと思う。主なキャリアの対応方針を簡単にまとめると以下の通り。
キャリア | IMEI制限 | 備考 |
---|---|---|
docomo | なし | |
au | 一部あり | ガラケーの一部で実施 |
SoftBank | あり | Android用SIMで実施 |
楽天モバイル | なし | |
Y!mobile | 一部あり | iPhone用SIMで実施 |
UQ mobile | なし |
SoftBankだけがかなり厳しい対応
SoftBankはSIMの種類によって、IMEI制限を行っており、2024年現在主流の「nano USIM」に絞って紹介してもこれだけある。
「多いこと」だけ理解してくれたらOKです!
USIMカード種類 | 対応機種 |
---|---|
iPhone 専用 nano USIM カードA(C2) | iPhone 6シリーズ以降 |
iPhone 専用 nano USIM カードA(C) | iPhone 5s、iPhone 5c |
iPhone 専用 nano USIM カード | iPhone 5 |
データ通信専用 nano USIM カードA(C2) | iPad mini 3以降 |
データ通信専用 nano USIM カードA(C) | iPad Air、iPad mini 2 |
データ通信専用 nano USIM カード | iPad mini |
nano USIMカード | Google Pixelシリーズ HUAWEI など |
NFC nano USIMカード | 2016年モデル以降のXperia 2016年モデル以降のAQUOS LGなど |
スマートフォン NFC nano USIMカード | ARROWSなど旧モデル中心 |
スマートフォン NFC nano USIMカード(2) | Xperia Z5 Xperia Z4 Xperia Z3 AQUOSシリーズの旧モデル |
スマートフォン nano USIMカード(C) | Nexus 6P |
スマートフォン nano USIMカード | シンプルスマホの旧モデル中心 |
僕もそう思うし、覚えることに意味はない。ポイントは以下の2点。
- iPhone・AndroidでSIMカードの種類は分かれている
- Android用SIMはメーカー・モデルによってさらに細かく分かれている
僕が購入した「AQUOS R5G」は「NFC nano USIMカード」だった。
このため、SoftBankのAQUOSであれば基本は使えるが、iPhoneでは利用できない。
iPhone・AndroidでSIMカードの種類は分かれている
SoftBankは元々iPhoneを日本で一番最初に販売したことで、シェアを拡大したキャリアだ。
以前ほどではないが、SoftBankのiPhoneユーザーは多い。
なので、iPhone同士の互換性は確保されていることが、ポイントといえる。
「iPhone 専用 nano USIM カードA(C2)」は、iPhone 6以降に対応しているので、2024年現在使われているほぼ全モデルで利用可能。
しかし、データ通信専用SIMとは分かれているため、iPhoneのSIMをiPadに挿して使うことはできない。
実はSoftBankのSIMで最も「汎用性が高い」と言われているのは、このiPhone用SIMだ。
- iPhone全般で使える
- APN設定することで、Androidの一部モデルで通信できる
という特徴がある。
Android用SIMはメーカー・モデルによってさらに細かく分かれている
対して、Androidは本当に種類が多い。
iPhoneのように、メーカーで統一されているならまだいい。しかし、実際はシャープの「AQUOS」・SONYの「Xperia」など同一メーカーでも、モデルによって対応するSIMが異なる。
古いモデルと新しいモデルでSIMが変わるケースがほとんどだが、正直理解不能。
例えば、僕が購入した「AQUOS R5G」は「NFC nano USIMカード」。
- 2016年モデル以降のXperia
- 2016年モデル以降のAQUOS
これらに対応しているSIMでわりと汎用性は高そうに見える。
というわけで、手元にあるスマホでいくつか試してみたのだが……。
「iPhone 11 Pro」は予想通りダメ(3Gのアンテナピクトは立った)。
AQUOSシリーズだが、ドコモ版「AQUOS sense3」で試してみてもダメ。
なお、楽天モバイルでは通信できるので、SIMロックが原因でないことは分かるかと思う。
サブブランドのY!mobileで購入した「HUAWEI P30 lite」もダメ。
なぜか、「nano USIMカード」にのみ対応していると言われる、Google「Pixel 4」は普通に通信できた。
とにかくややこしい……。
SoftBankにおいては、SIMの差し替えは非推奨と言わざるを得ない。
余談だが僕のメイン回線であるドコモのSIMは、完全に自由。
- iPhone
- Androidスマホ
- iPad
- Wi-Fiルーター
一部モデルはAPN設定が必要になることもあるが、大多数のモデルは「SIMを挿せばすぐに使える」。
APN設定をすればなんとかなる?
このような問題に直面したとき、詳しい方は「APN設定をすればなんとかなるかも」と考えるだろう。
ただ、IMEI制限(IMEIロック)は端末毎に設定されているため、APN設定をしてもどうにもならない。
Android用のSIMにはIMEI制限がかかっている
という状況が変わらない限りどうしようもないのだが、ここで気になるのはiPhone用SIMの存在。
色々調べた結果、非公式の情報として「iPhone 専用 nano USIM カードA(C2)」はIMEI制限がかかっていないということが分かった。
他社のiPhoneでも使えるので、IMEI制限をかけていないことは想像できたが、さらに続きがある。
APN設定をすれば、Androidスマホも使える
僕自身はこのSIMを持っていないため、未検証だがAndroidスマホで以下のAPN設定をすれば使えるそうだ。
APN名 | jpspir |
---|---|
ユーザー名 | sirobit |
パスワード | amstkoi |
認証タイプ | PAP |
ただ、このような「裏技」を使わないといけない地点でおかしく、SoftBank本体がこの対応を改めてもらうのを祈るしかない。
終わりに
など、行政主導によるキャリアへの介入で、通信業界は分かりにくくなる一方だ。
本来の思想は、
ライフラインともいえる通信サービスを、なるべく安価に通信キャリアの縛りなく使えるようになること
だと僕は思うのだが、結局行政(総務省)よりキャリアの方が一枚上手ということだろう。
とりあえず、この記事で伝えたいのは1点。
SoftBankを使う場合、同時購入したスマホ以外にSIMをさしても使えないことが多い
この点は注意して欲しい。
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