2015年12月に総務省有識者から携帯電話キャリアに対して、以下のような提言が発信された。概要としては、
- MNP乗換ユーザーに対する過度な優遇をやめよ
- キャッシュバックなど「実質0円表記」をやめよ
- データ通信は1GB、1ヶ月5,000円以下の安価なプランを設定せよ
というものだ。
この提言が適用されるのは、2016年2月頃からと言われているが、SoftBankがさっそく5,000円以下のプランを出してきた。
これ見てもう笑うしかないという感じだ。
目次
SoftBankが提示した「データ通信1GB」プランの概要
詳細は以下をご覧いただきたいが、
詳しく説明する必要すら実はなくて、ポイントはこれだけだ。
- 月額2,900円で1GBまで通信可能な「データ定額パック・小容量(1)」を開始
- 音声通話定額プラン「スマ放題ライト」「スマ放題」とセットで利用可能
- IPS利用料(S!ベーシックパック)と合わせて、4,900円または5,900円から利用可能
- 2年契約(いわゆる2年縛りが前提)の料金
総務省が、「1GB、5,000円以下」というので、「1GB、4,900円」というプランを用意しましたというなんとも簡単なお仕事。
総務省をあざ笑っているのか、清々しいくらいの5,000円以下だ。茶番劇と思わずツッコミたくなる。
5,000円以下なら安いという安易な総務省提言の問題点
一応料金の内訳としてはこんな感じになる(端末料金は別)。
内訳 | スマ放題ライトプラン | スマ放題プラン |
---|---|---|
基本プラン | 1,700円 | 2,700円 |
データ通信プラン(1GB) | 2,900円 | 2,900円 |
IPS料金 | 300円 | 300円 |
合計 | 4,900円 | 5,900円 |
今回の1GBプランは5,000円を基準に逆算されたのは明らか。
基本プランとISP料金が2,000円なので、残りは3,000円。ピッタリはあれなのでデータ通信は2,900円として、合計4,900円の料金が出来上がり。
別に携帯キャリアを擁護する気は無いが、ここでキャリアを批判するのは筋違いだと思う。
「5,000円以下」なんて具体的な金額を明記すれば、そのギリギリを設定するに決まっている。4,980円じゃないだけマシとも言える。総務省の仕事がお粗末なだけだ。
そもそも、5,000円が安いなんて誰が決めたのか。フィーチャーフォン(ガラケー)で電話しか使わない人にすれば、多分3,000円くらいでも高いと思うだろう。
問題は寧ろスマホを持つ事で基本プランが高くなることだと僕は思う。「安い」の定義なんて人それぞれなのに、そこに無理矢理金額を設定するからこんな事になるのだ。
スマホになると基本プランが高くなる理由は?
この意味がよく分からない方もいるかと思うが、2014年までスマホの基本プランとデータ通信プランの関係は以下のような特徴を持っていた。
- 基本プランは800円〜
- データ通信は6,000円程度(7GB)
ところが、2014年4月にdocomoが音声定額プランを発表。
この時音声通話定額となる代わりに、基本プランは2,700円に値上がりした。そして、データ通信プランは7GBではなく、3GB程度から選択可能という現在主流の形となった。
このプランは最終的に他社も追随。2015年は基本プランに時間と回数を制限した準定額プラン「ライトプラン」が登場したが、条件に違いはあるものの大手キャリア(docomo・au・SoftBank)の考え方は同じとなる。
つまり、現在主流の通話定額プランと従来型の従量課金プラン(使った分だけ料金が発生する)の組み合わせをまとめると、
プラン | 基本プラン | データ通信プラン |
---|---|---|
従来型 | 従量課金(800円) | 7GB固定(6,000円程度) |
通話定額型 | 音声定額(1,700円 or 2,700円) | 1GB〜(2,900円〜) |
という感じ。
従来型は基本プランが安いがデータ通信プランが高く、通話定額型は基本プランが高くデータ通信プランは安いものが選択可能、という感じになる。
こうして見ると、本当の意味で安いプランって何か見えてくる。
- 基本プランは従量課金プラン
- データ通信プランは1GBから安価なものが選択可能
ただし、電話のヘビーユーザーなど今のプランがよい人もいる。要するにこれらの組み合わせを、自由に選択可能とすればいい。確かにパターンは増え複雑化するという議論もあるだろうが、自分の契約だ。理解して納得して契約するのが本来の形。
「この組み合わせは出来ません」なんて言われる方が返って複雑だと思う。このことがユーザーにとっては不可解であり不利益。本来ならこういう部分を総務省として指摘するべきだと思う。だが、それに総務省は気づいていないし、携帯キャリアは言われないのでそれをやらない。
携帯キャリアは民間企業。自ら利益を減らして、会社の価値を落とすようなことはしない。
1GB5,000円プランに意義はあるのか
という感じで、正直全く意義を感じないプランではあるが、敢えて前向きに考えたら、とにかくこの料金でスマホが持てるということじゃ無いかと思う。
携帯キャリアとしても、スマホにどんどん移行して欲しい。その為に、今回問題になったキャッシュバックなどを駆使して促進してきたのだから。
そして、とりあえず1GBプランでスマホに移行してもらえば、キャリアとしてはメリットもある。長期的に見れば、使えば使うほど、1GBでは足りなくなり、上位プランに移行することになるからだ。
穿った見方をすれば、総務省の施策はユーザーではなくキャリアを利するだけと言いたくなる。
SoftBankの狙いと他社(docomo・au)の動きは?
今回2016年4月以降開始としていながら、SoftBankは随分早く動いた。
この動き2014年1月に発表し頓挫した「VoLTE時代の革新的な新定額サービス」を彷彿とさせる。
この当時も近々音声定額プランが出来るのではと言われていた。最終的にdocomoの「カケホーダイ&パケあえる」に全て持って行かれたのだが、狙いは同じと思われる。
つまり、総務省の動きに対応したプランをとりあえず発表して他社を牽制というもの。普通に考えたら、これと同種のプランを他社が発表して、この動きは終了となる。
終わりに
2014年にSoftBankが発表した「革新的な新定額サービス」は、条件付きの通話定額サービスだった。
これに待ったをかけたのが、条件のない完全通話定額を「カケホーダイ」というサービス名で実現したdocomoだった。
個人的に、今回の総務省の動きに対して一番誠実な対応をすると思うのがdocomo。
僕もそうだが契約年数が10年以上におよぶ長期ユーザーの比率が高いため、キーワードは「長期ユーザーの優遇」・「dポイント」であることは間違いないだろうが、さて、どうなるだろうか。
僕が思う本当の意味でユーザーにとってメリットのあるプランとは、目先の安さではなく、ユーザーに選択の自由があること。「この組み合わせは出来ません」なんて意味のわからないことを言われない、柔軟なプランが誕生すればいいなと思っている。
2016年3月までには発表されると思っているが、ここは注目ポイントだと思っている。
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