運営者チーの最新活動はXをチェック

スマホの緊急速報で通知される、避難準備・避難勧告・避難指示(緊急)って何が違う?岡山県倉敷市の豪雨体験を通じて感じたこと

飛び交う防災ヘリ

2018年7月6日〜7日にかけての大雨で、僕が住む岡山県倉敷市は堤防決壊などによる、浸水被害が多数発生しました。

最も被害が甚大だったのは、岡山県倉敷市真備町です。

真備町は僕が住んでいる所から、車で15分かかりませんし、水没した地域はわりと日常的に通る場所でもあります。

僕が住む場所は幸い被害はありませんでしたが、その他も道路が冠水するなど、僕の友人など身近な人が被災者になりました。

僕が生まれてから、初めて体験した自然災害でした

特に7月6日深夜〜7日早朝は、1時間おきには携帯の緊急アラームが鳴る状況で、まともに寝られませんでした。

ただ、1つ判断に迷ったこともあったので、今後のためにもこの日のことを振り返っておこうと思います。

  • 大雨の日の出来事(主に7月6日深夜〜7月7日早朝)
  • 避難勧告、避難指示など市町村から発令される避難情報

について簡単にまとめました。

この記事の掲載内容は、2021年1月3日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

2018年7月6日日中の岡山県倉敷市

僕が住んでいるのは、岡山県倉敷市中心部です。

この日は朝から大雨で、12時頃は叩き付けるような雨になり特に酷かったです。

この時、7月6日としては最初の緊急速報がなりました。

2017年7月6日の緊急警報 避難準備・高齢者等避難開始

避難準備・高齢者等避難開始

という内容です。

この時の僕の判断としては、

チー
注意はするけど、高齢者対象だしまだ問題ない

というものでした。

子供が保育園に登園していたので、この日は少し早めに迎えに行こうかなという程度です。

今にして見れば、悠長に新聞社の取材なんて受けていました。

その後、小雨になったりしつつ、雨がやむことはなく降り続け夜を迎えます。

2018年7月6日夜の岡山県倉敷市は緊急速報が増える

2017年7月6日夜になり緊急速報が増える

夜になり、緊急速報が鳴るペースが上がります。

この時、

避難勧告

というキーワードが出てきます。

「避難準備・高齢者等避難開始」よりは強い強制力を持ちそうですが、まだ「勧告」です。

地域も限定されていますが、この時ふと思いました。情報が、

  • 河川の名前
  • 地域の名前
  • 避難場所の学校名(小学校・中学校)

なんです。
その土地に長く住んでいる人なら馴染みのキーワードかもしれませんが、特に学校名なんて、長年住んでいるか・子供がいるか、じゃないと分からないですよね

岡山に移住してきた友人がツイートしていましたが、

出張などで一時的に住むにしても、非常時に備えて学区の確認は重要

と思いました。

21時を過ぎると緊急速報が鳴り続ける

そして、我が家は21時〜22時には寝るんですが、近隣で避難勧告も出ていましたし、万一に備えて、

  • リュックに着替えなどを詰める(子供用も含む)
  • 母子手帳、保険証、財布など貴重品をリュックに詰める
  • 水筒に水を入れて、パンなど最低限の食料を用意
  • モバイルバッテリーをフル充電する
  • スマホ、タブレット、PCをフル充電してまとめておく
  • 車、自宅の鍵を持っておく

状態にして、自宅2階の寝室の枕元に置いておきました。

高梁川氾濫の恐れとの通知

22時前には、子供も含めて寝ていましたが、22時頃から緊急速報が鳴り続けます

大雨特別警報が発令された7月6日深夜(7月7日)

2018年7月6日22時過ぎに大雨特別警報が発令 大雨特別警報の内容

そして、極めつけは23時前に岡山県に発令された、大雨特別警報です。

これまで、一部地域では既に発令されていた、

数十年に1度レベルの危険な状況

を意味する警報です。

それでもアラームが鳴って、それを確認してまだ寝ていましたが、24時頃のアラームで目が覚めました。

高梁川の水位が上がり避難勧告発令 避難勧告の詳細

対象地域に僕の住む地域は含まれています。

チー
これはさすがに避難するべきか?

ちょっと悩みましたが、避難場所として指定されたのが、校舎の3階以上です。

僕の家は、盛り土の家に建っているので、普通よりはかなり高い位置で、2階にいますし、そこまで状況が変わるとも思えませんでした。

さらに言えば、幼い子供2人を連れていくのも、なかなか難しい、、、

もう少し様子を見ようと決めて、僕と妻はいつでも避難できるように服を着替え、目を覚ました息子も服を着替えさせて、もう一度寝かせます。

僕は、そのまま起きて、インターネットで情報収集します。

小田川流域の真備町に避難指示が出る

なのですが、

チー
倉敷市はほとんど情報を発信してない、、、

緊急速報以外の情報が分かりません。
そんな時に、地震のような揺れを感じましたが、ひたすら情報収集しました。

こういう時役立つのは、東日本大震災の時も感じましたが、圧倒的にTwitterです。

リアルタイム性の近い情報が入ってきますし、トレンドのツイートを探せば、有益な情報を発信している人がすぐに分かります。

この時頼りになったのは、倉敷市のお隣、総社市長片岡聡一さんのTwitterでした。

このことで、地震のような揺れは、アルミ工場の爆発とわかりました

鎮圧(鎮火ではないが、これ以上広がらないと判断された状況)という情報だったので、気にするのはやめました。

同時に知ったのが、

高梁川の水位がヤバいということでした。

チー
高梁川の堤防が決壊したら、多分うちも水没する

そう思ったので、もう寝てる場合じゃなかったです。

夜中の2時頃になって、ようやく倉敷市が情報発信を始めます。

状況を見て、これなら車で高台に避難もありかもと思いました。

なので、ガソリンを満タンにするために外出しました。

深夜3時過ぎでしたが、わりと多かったです。

同時に、避難場所として指定された場所の1つである、イオンモール倉敷を少し見てみました。

その直前の情報では周辺が渋滞しており、既に避難できる場所はないなんて言われていましたが、渋滞もなくそんなに人がいるとも思えませんでした

さらに、同じく高層階の駐車場がある、JR倉敷駅前のアリオ倉敷・三井アウトレットパーク倉敷もチェックしました。

ここは、避難場所として指定されていません。
なので、当たり前ですが誰もいませんでした

有料の駐車場ですし、無料駐車場でゲートもないイオンモール倉敷と違い、簡単に開放できない事情は理解しますが、今後の対策としてここも使えるようにすることを是非検討して欲しいなと思いました。

避難指示(緊急)が発令された7月8日早朝

その後、高梁川の水位が下がってきたという情報が入ったので、少し寝ることにしました。

その直後に再びアラートが鳴ります。

小田川流域の真備町に避難指示(緊急)が発令 2018年7月8日午前4時に発令された避難指示(緊急)

今回浸水被害が発生した、真備町の住民向けに避難指示(緊急)が発令されました

緊急

と名が付くので、これはかなり危険なんだなと思いましたが、とりあえず眠って、朝7時頃におきました。

この時もまだ真備町の辺りは、道路が冠水している程度だったようです(Twitter情報)

その後、小田川の堤防が決壊し、報道などでも話題になっている、一面が水没するような状況になりました。

冒頭にも書きましたが、車で10分程度のところです。

会社の同僚、友人も沢山住んでいます。

現実のものとは思えなかったです、、、

防災の知識として知っておくべき「避難勧告」のガイドライン

僕もそうなんですが、岡山県は「晴れの国」なんて言われており、

  • 台風が来ても、大抵は『避ける』
  • 渇水などもほぼない
  • 地震も起こらない(今までは)

気候が温暖で住みやすく、天災がほぼないため、

危機が迫っていても、「岡山は大丈夫」

と思っていました。

今回この『神話(?)』が崩れてしまいました、1つポイントになったのは、避難勧告のレベルなのかなと思いました。

仮定の話ですが、

避難指示(緊急)が出た地点で行動したかどうか

ここが1つの分かれ道だったのではないかと思います。
浸水は防げないにしても、自宅の屋根で孤立するような状況は避けられた気がします。

避難指示(緊急)が出たのは2018年7月8日午前4時7分で、小田川の決壊はそこから数時間後です

緊急速報で、

  1. 避難準備・高齢者等避難開始
  2. 避難勧告
  3. 避難指示
  4. 避難指示(緊急)

という単語が出てきましたが、どれも見覚えのない単語です。

強制力があるのか?

など『ヤバさ』も含めて正直よく分かりませんでした。

ですが、地方自治体が発信している以上これは公的なものなんです。後になってしらべると、内閣府が制定したガイドラインであることがわかりました

詳しくは上記サイトを見てもらいたいですが、抜粋すると以下のような感じです。

上記サイトでは、避難指示は避難指示(緊急)に変更され、避難指示はなくなったように読み取れますが、今回「避難指示」が出ていました
避難準備情報 想定する状況 取るべき行動
避難準備・高齢者等避難開始 避難勧告や避難指示(緊急)を発令することが予想される場合
  • 避難に時間を要する人(ご高齢の方、障害のある方、乳幼児等)とその支援者は避難を開始する
  • 上記以外の人は、避難の準備を整える
避難勧告 避難勧告や避難指示(緊急)を発令することが予想される場合
  • 速やかに避難場所へ避難する
  • 外出することでかえって命に危険が及ぶような状況では、近くの安全な場所への避難や、自宅内のより安全な場所に避難する
避難指示(緊急) 災害が発生するなど状況がさらに悪化し、人的被害の危険性が非常に高まった場合
  • まだ避難していない人は、緊急に避難場所へ避難する
  • 外出することでかえって命に危険が及ぶような状況では、近くの安全な場所への避難や、自宅内のより安全な場所に避難する

誤解しないで欲しいですが、避難勧告だから、まだ避難する必要がないという意味ではありません。

ただ、

避難指示(緊急)が出たら、どんな人でも例外なくヤバい状況

という判断はしてもよいかと思います。

今回のような大雨の場合、いきなり堤防が決壊することはほぼありえません。

地震と違い、緊急速報から実際に災害が発生するまでには、それなりの時間があるため、落ち着いて準備して、速やかに避難するべきなんだなと思いました。

防災のために重要なのは「正しい情報」を入手する手段を複数持つこと

今回、結果として僕の住んでいる地域に特別な被害はなかったのですが、防災を意識した場合に、一般的に言われる防災グッズはもちろんですが、正しい情報を入手することが重要と感じました。

今はスマートフォンをほぼみんな持っています。

  • 自分の住んでいる地域(学区)
  • 避難勧告のガイドライン

などは、いざ警報が発令されてからでも、調べようと思えば調べられるので、余裕があるうちに調べておきましょう

そして、リアルタイムに違い情報を入手することも重要です。

東日本大震災の時と同じく、リアルタイムに違い情報は、ホームページよりもSNS、特にTwitterが有効です

今回で言えば、総社市長や倉敷市の情報は、ホームページよりもTwitterの方が早かったです。

被災中にアカウントを作る余裕なんてありません。

Twitterアカウントは、作っておいてそんはないと思いました。

Twitterは情報の性質上、時間が経てば経つほどデマ情報も増えます。

その後は、Facebookなど実名性の高いSNSの方が情報信頼度が高いですし、地方自治体などから正しい情報が発信されます。

Twitterにこだわるわけではなく、情報入手する手段を『複数持つ』

これは大事だと思います。

終わりに

日曜夕方でも閑散とした、JR倉敷駅・アリオ倉敷周辺

上記写真は、7月8日16時頃に撮影した、JR倉敷駅前にあるアリオ倉敷の写真です。

普段の週末なら、この時間帰宅する人達で渋滞していますが、この日は閑散としていました。

飛び交う防災ヘリ 防災ヘリ

そして、上空ではひっきりなしに防災ヘリが飛んでいきます。

一見何事もないように見えるんですが、普通でない状況が今も続いています

友達などから「困っていることない?なにか送ろうか?」と声をかけてもらったりもしましたが、僕は今のところ大丈夫です。

この記事は、今が大変だから助けて欲しいというわけではなく、僕自身の記録という意味と体験を通じて知って欲しいことがあったので書いています

もちろん、被災して困っている方は沢山います。

支援などについては既に地方自治体が中心になって、情報を発信しておりますので、以下のホームページをご覧の上で行動いただけたらと思います。