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倉敷市災害ボランティアセンターに関わって感じた、システムの導入(IT化)は簡単でも、運用は難しいと感じた話

倉敷市災害ボランティアセンターの入り口

2018年7月7日の平成三十年7月豪雨以来、倉敷市災害ボランティアセンターのお手伝いをする機会が増えています。

当初僕が声をかけられた理由として一番大きかったのは、

岡山ブログカレッジなどのイベント運営で、集客システムに詳しい

と思われたからのようです

この結果として、Peatixというイベントチケット販売システムを使い、災害ボランティアのWEB事前受付という仕組みを導入しました。

別に僕だけがやったことではないんですが、結果的にメディア掲載時は先頭に立ってしまったんですけどね(笑)

導入には色々課題もありましたが、1週間以上運用してある程度落ち着いて来たと感じます。

そして、Peatixに限らず、裏ではITの仕組みが徐々に導入され始めていますが、別の課題が発生しています。

システムを導入しても、現場の人が使えていない(活かせていない)

というものです。

この記事の掲載内容は、2021年1月3日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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災害ボランティアセンターは「予測」を元に立ち上がらない

倉敷市災害ボランティアセンター
僕はシステムエンジニアなんで、基本的な立ち位置として、

  • 紙書類にメリットなんてない、即刻辞めるべき
  • IT活用しなければ、回せない

と思っています。

ですが、それはあくまでも平時の話

多少の予測は立っても、災害は突然訪れるもので、ボランティアを受け入れるための災害ボランティアセンターも急遽立ち上がります。

災害の状況によって、モバイルデータ通信はもちろん電気すらまともに通っていないこともありえるわけで、立ち上げ段階でシステムが導入が難しいことは現場をみるとよく分かりました

ですが、災害からもうすぐ1ヶ月(記事を書いているのは8月5日です)経ち、そういう意味での混乱は収まってきています。

なので、ボランティアセンターの運営はもちろん、被災者の方を継続的にサポート出来るように、システム導入の流れが出てきています。

導入された様々なツールやシステム達

システムの導入は、僕みたいな「詳しい人」が大抵は行ってます。

もちろん大企業が使うような、専用のシステムではなく、既にある仕組みを使うわけですが、得てして起こるのが、システムを入れたけど一部の人しか使えないという状況です。

ボランティアセンターの運営は、運営母体となる地域の社会福祉協議会はもちろん、様々な団体・個人が関わっています。

年代も経歴もバラバラなので、ITスキルにもかなり隔たりがあります

そういう状況をみて思うのは、システムを導入するだけではダメなんだなということです。

システムエンジニアとして10年以上働いていたので、そんなことはもちろん分かっているんですが、災害ボランティアセンターというちょっと特殊な環境こそ重要なんだなと思いました。

現場での運用をどうするかが一番の課題

今日(2018年8月5日)も、システム運用の課題検討で災害ボランティアセンターへ行きました。

ある程度時間も経っているので、僕なんか目じゃないくらいすごい方も集まってきて、検討するんですが、そういう方はどこまで行っても「スポット参戦」なんです。

  • システムを使うメリットと意味
  • 使い方の説明
  • 現場に浸透するまでサポートしてくれるという安心感

これがないと、実際使う現場の人にはなかなか浸透しないと痛感しました。

さらに言えば、日々の運営もボランティア中心なので、現場の人もコロコロ変わります。

1度人または部署が決まれば、ある程度の期間は使う人達が固定化する、通常のシステム運用とは全く違う世界がそこにはあります。

こういう現場では、一気通貫で理解している人が、ある程度張り付かざるを得ないというのを感じました。

終わりに

10年勤めたシステム会社を退職して、しばらくはシステムの世界とは無縁になると思っていたんですが、プログラミングなどの実装スキルより、よっぽど難しいシステム開発に携わっている気分です

ピープルソフトウェア株式会社

正直フリーランスという立ち位置で、どこまで携わるべきなのか、悩むところはあります。

当初は地元のためにできることをやりたいと思っていましたし、今もそうですが、ベッタリ張り付いた結果、そこにいる人達にも情がわいてしまいました。

できる範囲で、倉敷市災害ボランティアセンターのIT化を頑張ってみようと思います。