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羽毛布団ってどうやって作られる?工場で目にした製造工程と本物の羽毛

このサイトをわりと長く見てくれている方はご存じかもしれないが、一昨年亡くなった友人の実家が布団の製造業を行っていて、そこがECサイトを運営していたためお手伝いをしている。

それ以来色々布団の事を調べるわけだが、僕は仮にもSEとして仕事をしている事もあり、ITスキルはそれなりにあっても、逆に布団作りの事なんて全く分からない。

製品の魅力とかをサイトで伝えようにも知らないものは書きようがないわけだ。

なので、今年1月友人の墓参りを兼ねて、布団作りの事を色々教えてもらうために、友人の実家がある富山県高岡市に再び足を運んだ。

それで、布団作りの現場を見せてもらったわけだが、この年で社会科見学をした感じでとても興味深く、正直目から鱗という感じだったのでまとめてみる。

この記事の掲載内容は、2020年12月24日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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羽毛布団の製造に抱いていたイメージ

IT機器・家電・交通網、、、生活を便利にするものがいくら普及しても、人間が絶対やめられないもの。

その代表は食事と睡眠だと思う。当然布団というものは睡眠をサポートするものだ。素材の主流が真綿から羽毛に変わる事はあっても、その形状や目的は昔から変わっていない。

ただ、その製造工程というのは昔とは変わっているんだと思っていた。

というのも一昔前、布団というのは結構値段の張る物だった。ところが最近は高級品だと思っていた羽毛布団ですら、1万円くらいから購入できるようになっている(もちろん中味はピンキリ)。

それは車のようにライン作業でオートメーション化が進み、大企業とかはFA(Factory Automation)が導入されて量産効果で安くなったんだと僕は勝手に思い込んでいた。

ところが実際は自動化されているような部分はほとんどなく、今でも手作業が中心なのだそうだ。

つまり、布団と言うのは工業製品というより、職人手作りの製品なんだと感じた。

実際の工程を以下に書いていくが、もちろん機械は使う。

でもそれは全部長年の経験と勘によって培われた技術に基づいて使われるものであって、スイッチ入れたら後は機械がやってくれるなんてものではない。

裁断

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当然だが布団は布で覆われているので、まずは生地の裁断から始まる。

羽毛布団の側生地は綿が主流のようだが、これもまあ色々種類があるようで素人には口で説明されてもよく分からないが、実際の生地を触るとその質感の違いがよく分かる。

布団は基本的にカバーを付けるので、この部分が直接肌に触れることはないのだが、耐久性などの面で良い生地を使う方が当然いいらしい。

これをサイズ(シングルやダブルなど)に合わせて裁断する。

大きな会社では機械がやるのかもしれないが、基本全て手作業で行われる。

縫製

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裁断した生地を次は縫う。

縫うと言っても縁を縫うなんて単純なものではない。羽毛布団というのはマスと呼ばれる小部屋のようなものがあり、そこに均等に羽毛を詰めて出来上がる。

なので、このマスを縫製しながら作る必要がある。店で羽毛布団を見ると、

  • ノーマル立体キルト
  • 2層式立体キルト

なんていうのがあるがこれはそのマスの構造を表すようなものらしい。

ノーマルは単純に4×5とかで区切られた構造、2層式というのはこれを重ね合わせるようなイメージになり、より保温効果が高くなる。

ただ、縫製の難易度・手間も2倍になるので、それがそのままコストに反映されるわけだ。

そして、このような複雑な縫製を自動で行うことは出来ないらしく、全てミシンを使って行われる。

羽毛詰め

これが一番驚いた部分。この機械何だと思います?

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これ、羽毛を詰める機械なんですね。

例えば一つの羽毛布団に2kgの羽毛を詰める場合、20個のマスがあるとすると一つ100gずつ詰めることになる。

それを計算しながら行うものらしい。と言ってもオートメーション化されているのはそれくらいで、

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マスに詰めるグラムを設定して、スイッチオン。

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ゴゴゴゴという音と共に羽毛が入っていく。

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これをひたすら繰り返すわけだ。見てたら案外簡単そうに見えるが、羽毛投入口というのはそんなに大きくなく(大きかったら羽毛が他のマスに移動してしまう)、狙った場所に正確に入れるのはかなり難しいらしい。

羽毛投入口を詰める

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羽毛を詰めたら今度はその投入口を縫製で閉じて終了。

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こんな感じで羽毛布団が出来上がる。

この事を教えていただいた、小川寝具さんは小さな布団製造業者だ。

小さいからこんな感じで、例えば布団と聞いたらまず思い浮かべる西川みたいな大企業であれば、機械化が進んでるのかと聞いてみたら、投入できる人員や機械の新しい古いがあるくらいでやってる事は基本変わらないだそうだ。

なんか驚きじゃないですか?

と、同時に今でも数十万するような布団が売られていて、それが売れる理由も分かる気がした。

職人芸故に、歴史のある業者が品質もよいと判断されるということなんだろう。

じゃあその品質って部分は実際の所、大手とそれ以外でどういう部分が違うのか。その辺りを次回のエントリーで解説してみる。

今回写真撮影等に協力してくださった、小川寝具さんのウェブサイトも興味があれば是非ご覧ください!

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3件のコメント

会員登録はしたんですよ!
でも、まだ購入には至っていません!次の冬までには購入しようかなって思っています。
布団が出来るまでってあまり見ることないから興味深く読みました。
これは是非購入しなくては!!今は先立つものが・・・(^0^;)

まじっすか!ありがとうございます。
次の冬にご入り用でしたら是非ご注文ください〜