SONYのカメラを買う前から、憧れていたレンズがありました。
それが、「SONY Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA(SEL55F18Z)」。
「傑作」とも呼ばれる単焦点レンズで、発売から6年以上経った2024年現在でも人気は衰えていません。
一眼写真の楽しさを、王道に味わえるレンズのレビューを紹介します。
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SONY Eマウントレンズ「SONY Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA(SEL55F18Z)」のスペック
SONY Eマウントレンズ「SEL55F18Z」のスペックは以下のとおりです。
名称 | SONY Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA |
---|---|
型名 | SEL55F18Z |
レンズマウント | ソニー Eマウント |
対応撮像画面サイズ | 35mmフルサイズ |
焦点距離 | 55mm |
開放絞り(F値) | 1.8 |
最短撮影距離 | 0.5m |
手ブレ補正 | なし |
外形寸法 | 最大径x長さ 64.4 x 70.5mm |
質量 | 281g |
発売日 | 2013年12月20日 |
ソニーストア価格 | 98,266円(税込み) |
SEL24105Gの良いところ
「カールツァイス」は170年以上の歴史を持つレンズメーカーです。
昔は「暗室の中で浮かび上がってくる画像を見ただけで、ツァイスレンズで撮影したか否かが分かる」と言われていたそうです。
今でもツァイスレンズの評価は高く、その描写力は、長年写真好きの憧れ。
SONY Eマウントのツァイスレンズは、αシリーズ用に作られた、ツァイスとSONYの共同開発によるレンズ群です。
- シャープな写りで解像感がすごい
- AF(オートフォーカス)が速い
- 軽い
- ボケがきれい
- 手が出せる価格
- 歪みが少ない
シャープな写りで解像感がすごい
ツァイスレンズは、その描写のシャープさと高いコントラストが評判。
たとえばこの写真の「けい留用ボラード」部分を、原寸で見るとこんな感じ。
層になったサビがパキっと写っています。
お花も見てみましょう。
花びらの厚みも感じますし、質感描写がすごい!
AF(オートフォーカス)が速い
AF(オートフォーカス)も速いです。
驚いたのは、煌めき☆アンフォレントの茉井良菜さんを撮影したとき。
髪がふわっと広がるほどの速めのスピードで、振り返ってもらいました。
後ろを向いているときにはピントを合わせていなかったのに、振り返る一瞬のあいだに、瞳AFでピントはバッチリ!
SONYの優秀な瞳AFを存分に活用できます。
軽い
重量は281g。軽くて、持ち運びが楽です。
SONY α7R IIIとのバランスも良い感じ。ミラーレスカメラは本体がせっかく軽いので、レンズも軽いと嬉しいですね。
ボケがきれい
ボケかたが、ふんわりとろっとしていて、きれいです。
F値1.8のボケは楽しい!
F値4.0の写真と比べてみました。
次に、以前レビューした別のレンズ「SEL24105G」と比べてみましょう。
よく比べてみると「SEL55F18Z」のほうが花びらのコントラストが高く、ボケかたがなめらかです。
(ズームレンズなのに「SEL24105G」もきれいで、すごい)
周辺のボケはレモン型になりますが、そんなに嫌な感じもしないかなと、わたしは思います。
手が出しやすい価格
ツァイスレンズはいくつかありますが、「SEL55F18Z」はその中で安いほうです。
似たようなスペックのツァイスレンズと比べてみましょう。
商品名 | マウント | 税込価格(2020年6月現在) |
---|---|---|
SEL55F18Z | ソニー Eマウント | 98,266円 |
MILVUS 2/50M ZE | キヤノン EFマウント | 約14万円 |
Otus 1.4/55 ZF.2 | キヤノン EFマウント | 約39万円 |
SEL55F18Zは、憧れのツァイスレンズを、ほどほどの価格で使えるといえます。
歪みが少ない
撮影時の歪み補正オフでも、それほど歪みません。
SEL24105Gのここがイマイチ
写りの美しさにとても満足していますが、イマイチだと感じる点もあります。
- 近接撮影に弱い
- AFとMFを切り替えるボタンがない
近接撮影に弱い
SEL55F18Zは、最短撮影距離が「0.5m」。
つまり、ピントを合わせるには、イメージセンサー面から被写体までの距離が50cm必要です。
これが、絶妙に「ギリギリなんとかなったり、ならなかったりする」長さ。
わたしは一人旅中、「左手で持ったものを右手で撮る」ことが多いです。
わたしの体格(身長156cm)だと、SEL55F18Zは「全力で左手を伸ばして上半身を精一杯のけぞったら、なんとかピントが合うかな」くらい。
たとえば、落ちていた桜の小枝を撮ったもの。
しっかりのけぞったので、一応ピントは合っています。
でも、ささっとは撮れず、1分ほどはなんとかピントを合わせようと頑張っていました。
カフェなどでテーブルの上の料理を撮るのも、ふつうに座ったままだと難しく、席を立つか椅子を引くかしたい距離感です。
AFとMFを切り替えるボタンがない
レンズに、物理的なフォーカス切替スイッチがありません。
わたしはこれまでAF(オートフォーカス)とMF(マニュアルフォーカス)はレンズのスイッチで切り替えてきたので、カメラ本体のメニューで切り替えるのは、ちょっと手間だなと感じます。
55mmの焦点距離ってどんな感じ?
焦点距離55mmとは、どのようなときに使えるレンズなのでしょうか?
焦点距離が「フルサイズ換算 40-60mm」のレンズのことを、「標準レンズ」といいます。目で見ている大きさや感覚に近いといわれます。
つまり、「標準レンズ」の単焦点は、見たものを、そのままの感覚できれいに写してくれるレンズといえるでしょう。
1本目のレンズに、「標準単焦点レンズ」をおすすめする人は多いんです。
街のスナップに便利
50mmや55mmは、フォトウォークや街角スナップに使いやすい画角です。
ある程度は風景も撮れます。
ポートレートも撮れる
ポートレート撮影の王道な焦点距離は、85mm。
55mmだとモデルさんとの距離は近くなるのですが、ポートレートもじゅうぶん撮影できます。
建物や風景は撮りにくい
広々とした景色や、近くにある大きな建物などは、写りません。
道路のすぐ脇にあった鳥居は、このとおり見切れました。
わたしは「もっと全体を撮りたい」と思ってしまうので、旅行ではあまり活躍できていません。
でも、大好きなフォトグラファーさんは、このレンズをメインに使って素敵な旅写真を撮っています。
まとめ
SEL55F18Zは、シャープできりっとした写りが美しいレンズ。
満足度が高く、使えば使うほど好きになり、「あぁ写真って楽しいなあ」としみじみ感じています。
吉野なこのカメラの話
当ブログでは、写真を愛する吉野なこ(@naco_ysn)さんが、大好きな写真や機材(カメラやアクセサリ)について解説する記事を連載しています。
メインの使用機材について
メインで使っているカメラは、SONY「α7R III(α7RM3 ILCE-7RM3)」。
- ミラーレスの開発力と技術力にわくわくする
- 瞳AFが優秀、動物瞳AFもある
- 動画の評判が良い
「こんなシーンも撮れるの?」「撮影が楽」と思うシーンは数知れず。
どんどん使って、学びながら気づいたことなどを詳しく解説していきます。