2019年6月12日、ついに日本でも「Google Nest Hub」が発売された。
海外では既に「Google Home Hub」の製品名で発売されていたが、ブランド名変更に合わせて日本上陸となった。
このため、基本機能は海外版から変更されていない。
「Google Nest Hub」は、Google Homeシリーズに続く、Googleのスマートホームデバイスだ。
Google Homeシリーズが「スマートスピーカー」だったのに対し、Google Nest Hubは「スマートディスプレイ」。
つまり、Google Homeにディスプレイが内蔵された。
ディスプレイが内蔵されることで、Google Homeではできなかった、以下のようなことが可能になった。
- 視覚的な情報の提供
- タッチパネルによる操作
たったこれだけだと思われがちだが、できることの幅がグンと広がった。
この記事では、Google Homeを使い続けてきた僕が、ディスプレイ内臓でどう変わるのか、詳しく解説しようと思う。
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
「Google Nest Hub」開封レポート
「Google Nest Hub」の開封レポートを簡単に。
ちなみに価格は「15,120円(税込)」。
- Googleストア
- ビックカメラなど家電量販店
- 楽天などショッピングモール
で幅広く販売されているが、この記事を書いている2019年6月時点では、発売間もないため、値引きはほとんどないようだ。
まず箱を開けると、いきなり「Google Nest Hub」本体が現れる。
箱の中に入っているのは、以下の3点のみ。
- 本体
- 電源ケーブル
- 説明書
電源ケーブルを背面のコネクタに接続すれば、電源がONになる。
Google Homeと同じく、電源ボタンなどはない。
また、ディスプレイの裏には以下のボタンがある。
- マイクミュートボタン
- 音量ボタン(声やタッチ操作も可能)
物理ボタンはこれだけ。
正直押しにくい位置だが、「Google Nest Hub」の操作は基本的に、音声操作とタッチパネル。
つまり、ボタンはほとんど使わないので問題ない。
「Google Nest Hub」の基本スペック
「Google Nest Hub」の基本スペックは、以下のようになる。
ディスプレイサイズ | 7インチ LCD タッチ スクリーン |
---|---|
通信方式 | Wi-Fi および Bluetooth |
奥行 | 67.3 mm |
幅 | 178.5 mm |
高さ | 118 mm |
重量 | 480 g |
カラー | Sand
Aqua Chalk Charcoal |
Google Homeとの違いとして、ディスプレイの搭載有無がもっとも大きいが、カラーバリエーションが豊富なことも特徴かもしれない。
リビングに置かれることを想定しているからと思われる。
その他、Google Homeシリーズとスペック面を比較して、気になるポイントを紹介しようと思う。
電源は専用ケーブルから給電
電源は、「Google Nest Hub」に付属している、専用のケーブルで行う。
この点は、Google Homeと同じ。
しかし、Google Home Miniは、micro-USB給電だった。
このため、モバイルバッテリー駆動もできたのだが、これはできなくなってしまった。
ただ、「Google Nest Hub」は480グラムと案外重いので、持ち運ぶことはなく、基本的に家でしか使わないので、時に問題ないと思う。
ディスプレイ内臓でも「15,120円」。Google Homeの初期価格と同じ
次に、価格についても見ていこう。
Googleが日本で発売してきた、Google Homeシリーズと、値段を比較してみた。
製品 | 価格 |
---|---|
Google Home | 11,340円 |
Google Home Mini | 6,480円 |
Google Nest Hub | 15,120円 |
ディスプレイが搭載されたぶん、Google Homeに比べれば、高くなっている。
しかし、「15,120円」という価格、実はGoogle Homeの初期価格と同じ。
価格的には結構頑張っていると思う。
音量はGoogle Homeより小さめ
Google Homeは「スマートスピーカー」だったので、音質も評価対象にしていた人が多いと思う。
音楽再生時の音質は主観に左右されるので一概に言えないが、音量に関しては、Google Homeのほうが大きい。
音量を比較すると以下のような感じだろうか。
- Google Home
- Google Nest Hub
- Google Home Mini
これはおそらく、設置場所を考慮した設計なんだと思う。
Google Homeは、設置した部屋全域から、操作される。このため、スピーカーの音量もある程度大きくする必要がある。
それに対して、Google Nest Hubは、タッチ操作もあるため、近くで操作することが多い。
なので、音量はそこまで大きい必要はない、と判断したのだと思われる。
説明書は簡素。使い方はGoogleアシスタント聞いてしまおう
最近のガジェットは、説明書がとてもシンプルだ。
基本はネットで検索して、製品ページやPDFを参照してくださいという流れだが、「Google Nest Hub」も同じ考えだ。
説明書らしい説明はほとんどない。
ではどうするか?
「OK Google 何ができる?」などと聞くと、できることを教えてくれる。
また、将来機能が増えたとしても、紙の説明書とは違い、自動で更新されていく。
そして、「Google Nest Hub」は、ディスプレイ内臓のため、「できること一覧」を表示することも可能だ。
これが、かなり便利。
Google Homeだと、音声のみなので、質問しても以下のような流れになる。
- 「OK Google 何が出来るの?」
- いくつかフレーズの例を教えてくれる
- 「OK Google (教えてくれたフレーズ)
- 機能を試せる
一応動画を撮影したので、気になる方は見て欲しい。
正直、あまり役に立たない
しかし、「Google Nest Hub」、タッチパネルで機能を試すことができる。
- OK Google 何が出来るの?」
- Google Nest Hubが機能一覧を表示
- 使ってみたい機能をタップ
- 機能を試せる
こちらも動画を撮影したので、参考程度にご覧いただけたら。
この「機能一覧を表示」できることで、今まで知らなかった機能を知ることもできる。
しかも、1つ機能を利用すると、関連するフレーズが表示される。
これで、「こんなフレーズも使えるのか」と、気づくこともある。
夜中でも大丈夫!音量と明るさの自動調節機能が優秀
「Google Nest Hub」は、24時間常に動いている。
夜間(特に深夜)はどのような動作になるのか気になった。
- スピーカーの音量
- ディスプレイの輝度
夜中は音量を下げたいし、暗い中ディスプレイが光っていると、気になって眠れない。
そんなことを配慮して、「Google Nest Hub」には、2つの機能が搭載されている。
夜に音量を下げてくれる「夜間モード」
Google Homeにも搭載されているが、指定した時間帯に、音量を下げてくれる「夜間モード」という機能がある。
「夜間モード」を適切に設定しておけば、夜に大音量で「Google Home」や「Google Nest Hub」が、音楽を再生するなんてことはなくなる。
設定できる項目は、以下の3つ。
- 曜日
- 時間帯
- 最大音量
スマホのHomeアプリ(Google Homeアプリ)からも設定ができる。
照度センサーでディスプレイの輝度を自動調節
「Google Nest Hub」では、新しい機能として「照度センサー」が搭載されている。
僕は寝るとき、「Google Nest Hub」をベッドサイドに置いているのだが、そのままだと夜中まぶしくて寝られない。
しかし、照度センサーが内蔵されているため、部屋の明るさによって、ディスプレイも自動で暗くなる。
参考までに動画を見て欲しい。
部屋が暗くなると、ディスプレイも暗くなっているのが、わかると思う。
これなら、夜中にまぶしくて寝られないということもない。
スマホなら当たり前の機能だが、あるのとないのでは、かなり違う。
設定も、かなり細かくできる。
Google Homeと比較して、ディスプレイ内蔵でより便利になった機能
「Google Nest Hub」の基本的な機能は、Google Homeシリーズと大きく変わらない。
しかし、タッチディスプレイを内蔵したことで、表現の幅が大きく拡張された。
「Google Homeでもできたけど、ディスプレイ内蔵でより便利になった機能」について、見ていこうと思う。
スマートホーム家電のコントロールパネル
最近は、Google Home対応の製品も増えてきた。
Google Homeでも、そうした製品を音声操作可能だったが、「Google Nest Hub」では、タッチ操作も可能になった。
今までだと、声で一つ一つ操作する必要があった。
電気を消すなど、単純な操作なら良いが、明るさの調節や、エアコンの細かい温度設定は、正直使い勝手がわるく、リモコンを操作した方が早かった。
しかし、Google Nest Hubなら、タッチ操作で直感的に操作できる。
僕は持っていないが、Hueの照明などGoogle Nest Hub対応製品だと、さらに便利になる。
スマホのアプリでも同様のことは可能だが、製品ごとにアプリが別れていたり、そもそもスマホを取り出すのも面倒だ。
Google Nest Hubなら、家電を集中管理する、コントロールパネルとしても使えるのが便利だ。
天気情報もわかりやすくなった
Google Homeで、僕が毎日使う機能に、「天気の確認」がある。
今まででも、十分便利だったのだが、細かい天気の変化など、音声のみでは限界があった。
しかし、「Google Nest Hub」なら天気もビジュアル表示できる。
大まかな天気が知りたいときは音声のみ、詳細が知りたければ、更にディスプレイで確認ができる
今までだと、「結局スマホで確認し直す」ということが多かった。
しかし、今ではすべて「Google Nest Hub」で完結している。
ディスプレイ内臓で新たに加わった機能
ディスプレイ内臓で強化されたのは、既存の機能だけではない。
新しく増えた機能も、いろいろある。
次に、そんな機能について紹介していく。
使わないときは置き時計やフォトフレームとして
Google Homeの場合、使っていない時は「ただの置物」だ。
しかし、「Google Nest Hub」にはディスプレイがあるため、置き時計やフォトフレームとして活用できる。
設定できるのは、以下の機能。
- Googleフォト(アルバムなどから選択)
- アートギャラリー(アーティストの写真やイラスト)
- 時計(デジタル・アナログ)
- Facebook・Flickr(試験運用中)
これは、デジタル時計を表示したとき。
また、これはアートギャラリーを表示したとき。
僕は今一人暮らしをしているが、部屋に時計がない。
普段はGoogle Nest Hubに時刻を表示して、時計代わりに使っている。
動画視聴用ディスプレイとしても使える
「Google Nest Hub」は、対応した動画配信サービスで、動画を視聴することができる。
「Google Nest Hub」のディスプレイは7インチなので、動画視聴するにはちょっと小さいかもしれない。
では、どのように使っているかと言えば、「卓上テレビ」のような使い方だ。
僕は作業中、Youtubeなどで動画を垂れ流していることがある。
こんな時「Google Nest Hub」は、場所を取らないちょうどよいサイズ感だ。
今後「Netflix」にも対応するそうなので、更に便利になるだろう。
手が汚れても大丈夫、レシピを声で操作しながら表示できる
家で料理をする人なら、「スマホでレシピを見ながら料理をする」ことがあると思う。
野菜や肉を触った手で、操作するのは抵抗があるので、レシピをスクロールするたびに手を洗う必要があり、これが結構面倒。
これが「Google Nest Hub」だと簡単に解決できる。
Google Nest Hubに、
「○○の作り方を教えて」
などと聞くと、Cookpadなどから、レシピを検索できる。ここまでは、「Google Nest Hub」出なくてもできる。
しかし、「Google Nest Hub」では、候補のレシピが表示されるので、気に入ったものをタップすれば、説明がスタートする。
これでも便利なのだが、特に驚いたのは、
レシピが工程ごとに表示される
という機能。進みたいときは「OK Google 次へ」というだけだ。
一人暮らしで自炊を始めた僕にとっては、とても助かる。
Duoで通話が可能
最後が通話機能。
Googleは、「Duo」という通話アプリを提供している。
「Google Nest Hub」は、Duoによる通話が可能。なんてことはない通話機能だが、意外と便利。
何が便利かといえば、マイク感度がとても良い。
多少部屋を歩き回っても、十分声を拾ってくれ、ノイズも少ない。音声操作用のマイクのため、もともと集音能力は高いようだ。
一つ欠点を挙げると、通話中には音声操作が全て使えなくなる。
時間すら確認できないのは、少々不便だ。
Google HomeとGoogle Nest Hubはどう使い分けるのがよいか?
「Google Nest Hub」を使ってみると想像以上に便利だった。
と思うかもしれない。
しかし、「Google Home」と「Google Nest Hub」それぞれに、使い所がある。
Google Homeで「家中どこからでもアクセス」を実現
まず、Google Homeは「家の各部屋」に置く。
1年以上、Google Homeを使って思ったのは、やはり「家のどこにいても声で操作できる」ほうが、圧倒的に便利だ。
そのためには、比較的安価のGoogle Homeや、Google Home Miniを、各部屋に設置したほう良い。
Google Nest Hubは「家のコントロールパネル」としての親機的存在
そして、Google Nest Hubは「普段自分がいる、手の届く場所」に置く。
一般的な家庭だと「リビング」が多いと思う。
Google Nest Hubはタッチ操作が可能で、出来ることも多いので、「親機」のような扱いにすると良いだろう。
終わりに
「Google Nest Hub」が「Google Home Hub」という製品名で発表された時、
Google Homeにディスプレイがついただけ
そう思っていた。
しかし、実際に使ってみると、全くの別物だと感じた。
- タッチ操作による操作性の拡張
- ディスプレイ表示による表現力の拡大
やはりこの2つは、とても大きなものだ。
だからといって、Google Homeシリーズが、劣っているというわけではない。
機能としては別物だから、製品名が分けられたのも、今となっては分かる気がする。
Google HomeとGoogle Nest Hubを、上手く使い分ければ、更に便利なスマートホームが実現できそうだと感じた。
「15,120円」という価格は決して安くないが、これだけのことができるなら十分元は取れるだろう。