携帯契約数、月ごとの公表中止へ。役割の終わったTCAによる事業者別契約者数の公表

先日、大手3キャリアがTCAへの月毎の契約者数情報の提供を、取りやめることを検討しているという報道があった。

時事ドットコム:携帯契約数、月ごとの公表中止へ=競争過熱で-大手3社


以前からMNP過当競争の原因の1つとされ、やめるべきではないかと言われていたが、遂にその方向になったようで、個人的には良いことなんじゃないかと思った。

理由としてはMNP競争の商材にされてしまっていることと、そもそもこの数字にどれだけ意味があるのか疑わしいと思うからだ。

「純増No.1」、「MNP転入No.1」に意味があるのか?

この手の数字を使って最初に宣伝を始めたのは、auとSoftBank。

MNP開始直後はauが有利と言われていて、実際その通りになり「一番選ばれているのはau」みたいなCMをよく見た。その後、この数字をより積極的に活用したのがSoftBank。

第3位のキャリアで、SoftBank参入直後はエリア的にも端末的にも他社に劣っていたことから、価格競争をしかけて加入者数を伸ばし、その数字を宣伝に利用した。実際相当効果はあったんだと思う。僕の周りでも、iPhone登場前から、特に若い人でSoftBankユーザーが増えていった。

この頃はまだiPhoneなどスマートフォンの登場前。iモードなどは既に存在していたが、データ通信端末なんてものはほとんど存在せず、1人1回線が主流。ところがiPhone発売以降、電話としては使えない、Wi-Fiルーターやフォトフレームなど「データ通信端末」が増えていく。

また、PlayStation Vitaが発売した時、docomoの契約者が大幅に伸びて話題になったが、単に3G版を購入したユーザーがカウントされただけだ。さらに言えば最近増えて来たMVNOの契約なんかは、全てdocomo回線の契約として感とされたりするとか。

つまり、データ通信回線が絡むと、本人も余り意識しないところで契約が増えて複数回線契約なんて珍しく無くなる。データ回線はMNP出来ないが、それでも音声契約に切替出来るので、似たようなものかと思う。

1人複数回線契約が当たり前の時代に

そして、現在は1人1回線しか携帯回線を持っていない人って少なくなった。スマートフォンとタブレット、ガラケーとタブレット、スマートフォンとWi-Fiルーター、さらに多くの端末を持つ人もいる。

こうなると契約数の数字ってあまり意味がない。契約数が多いのは分かっても、それがユーザー数が多い(=一番選ばれている)ということに繋げるのには無理があるからだ。今や同一キャリアで複数回線持っている人は、スマートバリューみたいな割引施策とか、ゴミなんて言われるフォトフレームとかが理由で、何となく持っている人がほとんど。

そういう人に限って1人で5回線くらい契約しているのだから、本当に意味がないと思う。ちなみに、よく聞かれるのだが僕が今契約している回線は全部で7つ。内訳はこんな感じだ。

【docomo】

  • 僕が使うメインのガラケー
  • 母親が使うメインのガラケー
  • 昨年契約した回線1(2015/3まで月額780円で寝かせ中)
  • 昨年契約した回線2(2015/3まで月額780円で寝かせ中)

【au】

  • 嫁のiPhone 5回線
  • 僕のiPhone 5s回線
  • 母親のiPad mini回線

こんな事する人、以前は少なかったが今やそれほど珍しく無い。これ見て、例えばdocomoが人気あると判断できますかね?

ちなみに金額ベースで見れば、docomoは4回線あっても月4,000円くらい。auは3回線だけど月10,000円くらい払っている。

終わりに

TCAによる事業者別契約者数の公表が終わっても、携帯キャリアはまた別の宣伝材料を見つけて、他社から顧客を奪おうとするだろう。「一番繋がる」、「LTEエリアNo.1」みたいなものが、増えていくかもしれない。

まあそれでも、意味があるようで無い数字よりも、サービスでやり合ってくれる方が好ましいと思う。数字の威力は案外でかいので、「人気です」と言われ何となく契約してしまう人も多い。サービスなら、多くの人がもう少し慎重になるだろう。

また、1つの基準が無くなっただけで、これがMNP過当競争の収束に繋がるわけでもないと思う。何だか、いつの間にか競争が悪みたいになっているが、あまりに不公平なキャッシュバック等が問題になっているだけで、競争自体は悪じゃ無い。

そのお陰で日本の携帯サービスは世界一進んでいると思うので。
とはいえ、サービスの宣伝なんて自社の都合の良いようになんとでも出来るため、そこを判断する能力は顧客に求められる。「契約」が絡むという事を忘れずに、顧客自身が情報を吟味して判断することが重要だと思う。

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2 件のコメント

  • 契約者数は毎月公表した方がいいと思います。どのような商売をしているかわかるので。もちろん数字がキャリアの強さを示していないことは確かですが、統計情報の公表を少なくする考えは「隠蔽」とも取られかねないのではないでしょうか?

    しかしキャリアは「客の奪い合い」しかやることないですから、数字は気にするはずです。今回の件は意味のない談合と言えるでしょう。

    • 一定の意味はあると思いますが、今や商材と化しているので、悪い面の方が強いかなと。
      もちろん今回はキャリアが「やめたい」からそうしている面はあるにせよ、キャリアも客も踊らされすぎているかなと思いますね。