Appleが販売するSIMフリーiPhoneは、「iPhone 5s」が最新モデルだった、2013年11月から日本で販売されている。
- 全モデル定価販売
- 基本は一括払いのみ
- 下取りプログラム(Apple Trade In)による割引はあり
- SIMロック解除は不要で、最初からSIMフリー
これらが特徴となるが、日本で販売されているモデルについては、ドコモなど大手キャリアが販売する「キャリア版」と違いはない。
SIMフリーiPhoneはキャリアのような分割払いではなく、一括払いが前提となるため、相対的に価格が高く見えてしまい、どちらかといえば「Appleファン」や「詳しい人」が購入する傾向にあった。
しかし、2019年10月からは改正電気通信事業法の施行に伴い、全キャリア「分離プラン」が導入され、端末値引きが制限された。
そのように考える方も今後は増えるだろう。そして、SIMフリーiPhoneを購入すれば、通信キャリアの縛りもなくなる。
「ついでに格安SIMへ乗り換えてしまおう」と考える方も増えるだろう。
この記事では以下を紹介しようと思う。
- SIMフリーiPhoneの販売状況
- キャリア版、海外版SIMフリーiPhoneとの違い
- 設定が楽な通信キャリア
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SIMフリーiPhoneの販売状況
2024年12月時点における、Appleや大手キャリアにおけるiPhoneの販売状況は以下の通り。
モデル名 | 発売年月 | Apple | 大手キャリア | 格安SIM | 実勢価格 |
---|---|---|---|---|---|
iPhone XS | 2018年9月 | × | × | × | 販売終了 |
iPhone XR | 2018年10月 | × | △ ※在庫限り |
× | 販売終了 |
iPhone 11 | 2019年9月 | ○ | ○ | ○ | 61,800円〜 |
iPhone 11 Pro | 2019年9月 | × | × | × | 販売終了 |
iPhone SE(第2世代) | 2020年4月 | ○ | ○ | ○ | 49,800円〜 |
iPhone 12 / 12 mini | 2020年10月 | ○ | ○ | ○ | 69,800円〜 |
iPhone 12 Pro / Pro Max | 2020年10月 | × | △ ※在庫限り |
× | 販売終了 |
iPhone 13 / 13 mini | 2021年9月 | ○ | ○ | × | 86,800円〜 |
iPhone 13 Pro / Pro Max | 2021年9月 | ○ | ○ | × | 122,800円〜 |
iPhoneは「廉価版モデル」を提供しないかわりに、型落ちとなった「旧モデルiPhone」を値下げし、販売継続する形で価格重視ユーザーの要望に応えている。
近年は、発売から3年程度販売するのが「慣例」となっており、直近では2021年9月の「iPhone 13シリーズ」発表に伴い、以下のような変更が行われた。
- iPhone 12 Proは販売終了
- iPhone 12は値下げされ販売継続
- iPhone 11は値下げされ販売継続
- iPhone SE(第2世代)はわずかに値上げされ販売継続
価格的には、2019年までは2年以上使えばキャリアで買う方が安く、SIMフリー版は高いという状況だった。
しかし、2019年10月の改正電気通信事業法の施行にともない、iPhoneを販売する全キャリアの販売方式は変わった。
各社名称はさまざまだが、4年契約の「リースプラン」とい位置付けで、2年後の端末返却を前提に値引きするというもの。
ドコモの販売価格を例に紹介すると、以下のような価格になる。
容量 | 価格 | ||
---|---|---|---|
Apple | docomo | ||
定価 | スマホおかえしプログラム 実質負担額 |
||
64GB | 49,800円 | 57,024円 | 38,016円 |
128GB | 55,800円 | 62,568円 | 41,712円 |
256GB | 販売終了 | 75,240円 | 50,160円 |
- 定価はキャリアの方が高く、2年で買い替えるなら安い
- 2年以上使うなら、端末が手元に残るし、SIMフリー版の方が安い
このような構図になり、特にiPhoneは今や3年以上使う方も珍しくないため、キャリアで購入するメリットは薄いと思う。
この時、1つ覚えておいて欲しいことがある。
日本国内版(Apple・キャリア)と海外版iPhoneに違いはあるのか?
iPhoneは同じ製品(iPhone 11など)でも、国よって対応するLTEバンド・周波数が異なるため、販売国によって「モデル番号」を分けている。
日本に関して言うと、「iPhone 7」以来、長らく日本専売モデルが存在したのだが、2019年9月発売の「iPhone 11」以降は専売モデルではなくなった。
つまり、日本で販売されているモデルは、キャリアで買おうとAppleで買おうと同じもの。
ざっくり、区分けすると以下のような感じだ。
モデル名 | 日本で販売されるモデル | |
---|---|---|
日本専売モデル | グローバル版 | |
iPhone 6sまで | × | ○ |
iPhone 7〜iPhone XS・XR | ○ | × |
iPhone 11以降 | × | ○ |
日本専売モデルが登場したのは、「Apple Pay」がFeliCa方式に対応したことと深い関係があると思われるが、公式には発表されていない。
日本専売モデルを日本で買う分には特にデメリットはないのだが、海外版を購入する場合、「技適マーク」がないため厳密な意味で日本国内での利用は電波法違反になるという難点があった。
海外版SIMフリーiPhoneは「カメラのシャッター音が消せる」が、対応するLTEバンドに注意
そして、iPhone 5の頃まで「ドコモ回線が使える」と、一部の人達がもてはやした「海外版SIMフリーiPhone」。
日本国内でも普通に販売されるようになった今、為替相場によっては日本より安く買えることが注目されがちだが、海外版SIMフリーiPhone最大のメリットは「カメラのシャッター音が消せること」。
日本においては盗撮防止などを目的に、「メーカーの自主規制」として、シャッター音はマナーモードであっても必ず鳴る。
しかし、そのような制度がない海外において、シャッター音はボリュームと同じく調整可能となっている。
また、iPhone XS以降は、「eSIM」によるデュアルSIMにも対応したが、中国・香港版のみSIMカード2枚挿しによるデュアルSIMに対応している。
これらのメリットを重視し、わざわざ海外版を輸入する人も一定数はいる。
最新モデル「iPhone 12シリーズ」に関していえば、中国版も日本で使えるLTEバンドは全てサポートしているため、日本国内での利用に支障は無い。
また、海外のApple Storeで購入するならAppleCare+など延長保証にも加入可能だが、輸入すると保証面が弱いという欠点もある。
SIMフリーiPhone購入後、通信キャリアを乗り換える方に伝えたい「大事なこと」
以降は、SIMフリーiPhoneの購入を機に、通信キャリアを乗り換えようと考えている方向けの情報。
SIMフリーiPhone購入を機に通信キャリアを乗り換えようと思う方に、1つ知っておいて欲しいことがある。
ドコモ・au・SoftBankはSIMをさせば、SIMフリー版もすぐ使える(APN設定不要)
大手キャリア(ドコモ・au・SoftBank)のSIMカードを挿してiPhoneを使う場合、SIMを挿してしばらく待てば勝手に通信できるようになる。
これが「当たり前」と思っている方が多いが、これはiPhoneを公式に販売するキャリアだからできることだ。
いわゆる「格安SIM」で利用する場合は、「通信設定プロファイル」というものをインストールする必要がある。
手順そのものは大した手間ではないのだが、大手キャリアと比較すると「面倒な作業」であることには変わりない。
また、よくある事象として、SIMカードを差し替えたとき、元々のプロファイル設定が残っていて、通信できないなんてことがあるので、色々ややこしい面がある。
その点、大手キャリアはiPhone本体に通信設定情報(APN情報)が組み込まれており、SIMを挿せばすぐに使えるようになる。
Y!mobile・UQ mobileなど「サブブランド」も一部モデルはプロファイルインストール不要
APN設定不要で使ええるという特徴は、「大手キャリアに許された特権」ともいえたのだが、例外と言える格安SIMがある。
「サブブランド」と呼ばれる、以下の格安SIMだ。
これらの業者は格安SIMに分類されるが、グループ会社のメリットを活かし、iPhone SE(第2世代)を公式に販売している。
ただ、サブブランドでも実は対応が分かれている。
Y!mobileは自身が販売しないモデルも、プロファイルインストール不要。
比較して一覧にまとめると以下のようになる。
モデル名 | プロファイル設定の要否 | |
---|---|---|
Y!mobile | UQ mobile | |
iPhone 5s | ○ | × |
iPhone 6 | × | |
iPhone 6s | ||
iPhone SE(第1世代) | ||
iPhone 7 | ||
iPhone 8 | ||
iPhone X | ○ | |
iPhone XS | ||
iPhone XR | ||
iPhone 11 | ||
iPhone 11 Pro | ||
iPhone 12 | ||
iPhone 12 Pro | ||
iPhone 13 | ||
iPhone 13 Pro | ||
iPhone SE(第2世代) | × |
「iPhone 13」も、プロファイルインストール不要で使えるのがポイント。
ここは同じサブブランドでも「UQ mobile」との大きな違いだろう。
格安SIMは基本的に通信設定プロファイルのインストールが必要
そして、残る格安SIMについては、基本的にすべて「通信設定プロファイル」のインストールが必要となる。
一部例外はあるが、その点は認識しておいた方がよいだろう。
SIMフリーiPhoneでおすすめのキャリアは「Y!mobile」
前置きが長くなったが、ここまでの内容を踏まえて、SIMフリーiPhoneを利用する場合、おすすめのキャリアを紹介しようと思う。
Y!mobileをおすすめするポイントは、Apple本体とも強い関係を構築していることがあげられる。
Apple StoreでSIMフリーiPhoneを購入するとき、実はY!mobileのSIMを無料でもらうことができる。
「ワイモバイル SIMスターターキット」と呼ばれるものだ。
契約事務手数料が「無料」になるのでメリットも大きい。
ただ、SIMフリー版を購入する方は、ネットで通信契約が普通にできる方が多いと思うので、「SIMスターターキット」より各種キャンペーンを活用した方がお得だと思う。
- 大手キャリア並みの通信速度でも、月3,000円以下で使える
- 最新キャンペーンをチェック
終わりに
SIMフリーiPhoneを買う
というのは、はじめての時みんな緊張する。
キャリアで購入する場合「分割払い」が多いため、心理的ハードルが下がるが、Apple Storeでは「一括払い」が基本なので金額の高さにビビってしまう……。
しかし、このハードルを乗り越えて、「SIMフリーの自由さ」を体感すると大抵はリピート購入するイメージが強い。
この記事では、SIMフリーiPhoneを使う場合の通信キャリアとして、「Y!mobile」をおすすめしたが、せっかくのSIMフリーなので、いろんなSIMを使って「自由さ」を体験して欲しい。
今一番コスパの高いモデルは「iPhone 12」
iPhoneの最新モデルの「iPhone 13」と「iPhone 13 Pro」は、価格が高いです。
2019年モデルの「iPhone 11」は、2度目の値下げが実施され今が底値ですが、高コスパモデルとしては「iPhone 12」をオススメします。
- 契約事務手数料が無料の、オンラインショップを活用する
- ストレージは「128GB」を推奨
- カラーはトレンドに左右されず、「好み」で選ぶ
今はとにかくスマホが高いので、少しでも節約しましょうね。
なので誤解されがちだけど、SIMロック解除すればSIMフリー版とまったく同じものになります