2013年から日本でもApple自身がSIMフリー版のiPhone・iPadを販売するようになり、以前ほど海外版のSIMフリーiPhone・iPadはもてはやされなくなった。
個人的に「SIMフリーiPhone」が最高に盛り上がったのは、iPhone 4Sの時代だと思う。
当時電波の弱さに悩んでいたSoftBankユーザー、iPhone発売直後で不安定だったauユーザーと比較して、3G回線網としては抜群の強さを誇っていた、「docomoのFOMA」と「SIMフリーiPhone 4S」の組み合わせは最強だったからだ。
しかし、その後国内販売の開始に伴い、人気は低下していった。
以下の記事でも紹介したが、SIMフリーiPhoneを選ぶことで得られる「自由さ」はプライスレス。
しかし、多くのユーザーにとってそれは重要なことではなく、通信費や端末価格の方が関心としては大きい。
なので、特に価格的メリットが薄い「海外版SIMフリーiPhone・iPad」に関して、2021年現在として僕は強くおすすめしない。
しかし、あえておすすめをあげればiPhone 11シリーズとiPadは購入を検討する価値がある。
この記事では、海外版SIMフリーiPhone・iPadについて考察しようと思う。
目次
海外版のスマホ・タブレットを購入する方法

スマートフォン・タブレットはフィーチャーフォン(ガラケー)と違い、基本的に世界中で販売されているグローバル端末だ。
代表はiPhone・iPadだが、他にも日本でよく聞くメーカーだとSamsungのGalaxyシリーズやSONYのXperiaは海外でも販売されている。
日本で主に大手キャリアが販売する同種の端末は、「おサイフケータイ」や「ワンセグ・フルセグ対応」など日本向けのローカライズが施されているが、基本的な作りは同じ。
だから、海外で購入し日本で使うこと自体は可能だ。
では、どのように入手するかといえば、主に2つだろうか。
- 海外旅行・海外出張時に現地店舗で購入
- 個人輸入の通販サイトで購入する
海外旅行・海外出張時に現地店舗で購入

一番真っ当な方法が、海外旅行や出張時に購入するというもの。
別に自分が行く必要はなく、例えばハワイに海外旅行に行く友人がいれば、ハワイのAppleストアで購入を頼んで入手することもできる。
しかし、余りに数が多いと、税関などで引っかかる可能性があるので、特に友人・知人に頼む場合転売目的で買わせるのはNGと思った方がよいと思うが。

個人輸入の通販サイトで購入する
もう1つが業者を使う方法。
いわゆる「個人輸入」の扱いになるが、例えば「EXPANSYS」など有名どころの通販サイトであれば、リスクも低い。
ただ、信頼できる業者かは製品が届くまでわからないし、価格的にはどうしても高くなってしまうなど、リスクは承知の上での購入となる。
また、「ヤフオク」などにも多数の端末が出品されているが、基本は自己責任になる事を認識した上で利用することになるだろう。

海外版SIMフリーiPhone・iPadを購入するメリットは?

では、そこまで手間をかけて海外版を入手するメリットはあるのか?
海外版のメリットは主に3つある。
- 基本的に「SIMフリー」であること
- 為替相場によっては安く買えることがある
- カメラのシャッター音を「なし」に設定できる
基本的に「SIMフリー」であること

1つ目は「SIMフリー」であることだ。
海外版のスマートフォン・タブレットはiPhone・iPadに限らず、基本的に全てSIMフリー版で販売されている。
つまり、購入した端末はドコモなどの大手キャリアはもちろん、格安SIMでも利用可能だ。
かつてはこれが最大の魅力だったのだが、2019年時点としてはそれほど大きな魅力ではなくなった。
- iPhone、iPadはApple JapanがSIMフリー版を販売している
- SIMロックされているキャリア版も、条件を満たせば「SIMロック解除」できる

為替相場によっては安く買えることがある
また、海外版ということで「為替相場によって価格が変動する」。
日本人目線だと、円高なら安く、円安なら高くなる。
参考までに、アメリカのApple Store、日本のApple Store、EXPANSYSで比較すると、比較時は「円高」ということもあり、アメリカで買うのが一番安い状況となった。
モデル名 | 販売価格(税込) | ||
---|---|---|---|
アメリカ | 日本 | EXPANSYS | |
iPhone XS | 105,894円 ※$999 | 124,080円 | 124,168円 |
カメラのシャッター音を「なし」に設定できる

そして、2021年現在海外版を購入する最大のメリットといえるのが、「カメラのシャッター音を無音」にできることだ。
正確には、「ボリュームに従って調整可能」と言った方が正確なのだが、
マナーモード(サイレントモード)時などでカメラのシャッター音が「OFF」に設定できる
というのが、唯一無二の魅力といえる。
日本においては盗撮防止などを目的に、「メーカーの自主規制」として、シャッター音はマナーモードであっても必ず鳴る。
しかし、そのような制度がない海外において、シャッター音はボリュームと同じく調整可能となっている。
機能をまとめると以下のようになる。
シーン | 通常 | サイレントモード |
---|---|---|
写真撮影 | ○ | × |
写真撮影(バースト) | ○ | × |
動画撮影 | ○ | × |
スクリーンショット | × | × |
ただ、これは海外版のスマホすべてに言えるものではなく、あくまでもiPhone・iPadの場合だ。
例えば、SONYのXperiaの場合、海外版であっても「日本のSIM」を挿せば、シャッター音が鳴る。
SIMカードによって、利用している国を判定しているからで、Androidスマホにおいてはこのような機能が搭載されるモデルがあるが、Apple製品では海外版を日本で使ってもシャッター音を消すことが可能だ。

海外版SIMフリーiPhone・iPadを購入時の注意点

このように多少ハードルは高いものの、購入するメリットはあるのだが、注意して欲しいことも当然ある(むしろ注意点の方が多い)。
個人輸入にはリスクが伴うというのはもちろんだが、「海外版」独特なものも多いからだ。
特に「AppleCare+」と日本国内で修理を受けた場合など、故障時の対応については詳しく紹介しようと思う。
保証が弱く「AppleCare+」などの延長保証にも加入出来ない可能性がある

海外で購入した端末は、基本的に現地で使用することが前提となる。
通常購入後1年間はメーカー保証が付いているものだが、日本国内でも適用されるかは良く確認しておく必要がある。
ちなみにiPhone・iPadについては、日本のAppleストアに持ち込んでも対応可能と言われているが、店舗によってはダメと言われた情報もあり、一番確実なのはAppleのコールセンターに電話で確認することのようだ。
僕が海外版SIMフリーiPhoneを入手したときは、「友達が代行で購入」するケースだったのだが、店舗とコールセンターで対応が分かれており、最終的には契約出来たが少々大変だった。
ただ、こんなことができるのは世界中で端末を販売しているApple製品くらいだ。
それ以外のメーカーだと延長保証どころか、通常のメーカー保証も受けられない可能性が高いことは認識しておくべきかと思う。
日本で修理対応を受けると「シャッター音」は復活する
そして、これが一番重要な話。
海外版iPhone・iPadを購入する最大のメリットである、「シャッター音が消せるという機能」は、日本国内で修理保証を受けて、新品交換されると国内版(シャッター音が消せない)になってしまうということだ。
海外で購入してそれと同じものが手に入る訳ではないため、何としても壊さないようにする必要がある。
海外版SIMフリーを購入するなら「iPad」がおすすめ

では、実際買うとして何を買うのがよいか。
- iPhone
- iPad
買う気になればなんでも買えるのだが、前述のようなリスクがある。
なので、僕は海外版SIMフリーを購入するなら、「iPad」にすることをおすすめしている。
理由は2つある。
iPadはカバンに入れて持ち歩くので「壊れにくい」
1つ目は壊れにくいからだ 。
iPhoneはポケットやカバンに入れて常に持ち歩く。触る機会も多い。
つまり、落としたりして破損するリスク、機械的に故障するリスクは高い。
修理して交換になったら、前述の通り海外版を高いお金で購入したメリットが消えてしまう。
しかし、iPadはカバンに入れて持ち歩くので、落としたりして壊すリスクが低い。

使用期間が長くなる傾向にある

iPhoneは機種変更サイクルが長くなったとはいえ、大半の人は2〜3年に1度機種変更する人が多い。
では、iPadはどうか?
2011年に発売した「iPad 2」を未だに使っている人がいる。
2011年に発売したiPhoneは「iPhone 4S」だ。さすがに僕の周りで使っている人はもう見ない。
つまり、iPadの製品寿命は長く、使用期間が長くなる傾向にある。
海外版SIMフリーiPadを購入した場合、長く使えるモデルの方がメリットは体感しやすいだろう。
なので、僕はあえて買うならiPhoneよりもiPadをおすすめする。
iPhone 11シリーズは海外モデルも「技適マークあり」

なお、余談だが2019年9月に発売された「iPhone 11 Pro」および「iPhone 11」は海外版であっても、技適マークを取得している。
理由は、日本で販売されるモデルが日本専売モデルではなく、グローバル版となったため。
地域別のモデル番号は以下の通りだ。
販売地域 | iPhone 11 | iPhone 11 Pro | iPhone 11 Pro Max |
---|---|---|---|
カナダ、米国 | A2111 | A2160 | A2161 |
中国本土、香港、マカオ | A2223 | A2217 | A2220 |
その他の国や地域 ※日本含むグローバル版 | A2221 | A2215 | A2218 |
このため、海外で購入してもグローバル版であれば、技適マークがあるため日本でも問題なく使用できる。
ちなみに、2021年現在海外モデルとして人気があるのは、「中国本土、香港、マカオ版」。
理由は、DSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)が、nano-SIM2枚に対応していることから、日本で人気が高まっているからだ。
しかし、「中国本土、香港、マカオ版」は技適マークがないため、厳密な意味では日本国内での利用は、海外渡航客以外が利用するのは違法となる。
使えるか使えないか、だと「使える」のだが、利用は自己責任でという感じになる。
- 回線を目的に応じて切り替え可能
- 申込み手順を知りたい方はこちら
終わりに
海外版のスマートフォンやタブレットを購入するなんて事を考えるのは濃い人が多いと思う。
僕も正直この手の製品にあまり詳しくない人にはおすすめできないが、特に海外旅行で購入しようか悩む人は多いと思うので、参考になればと思う。
SIMフリースマホに関する記事
SIMフリー端末は、Android、iPhoneともにメーカー直販で販売されることが多いです。
定番は、Appleストアで購入するSIMフリー版iPhoneですが、現在ではキャリアで購入しても、SIMロック解除することで、SIMフリー化が可能です。

- 保証が弱く「AppleCare+」などの延長保証にも加入出来ない可能性がある
- 日本専売モデルだったiPhone 7〜iPhone XSまで、海外版には「技適マーク」がないため、厳密な意味で日本国内での利用は電波法違反
- 日本で修理対応を受けると「シャッター音」は復活する
販売地域 | iPhone 11 | iPhone 11 Pro | iPhone 11 Pro Max |
---|---|---|---|
カナダ、米国 | A2111 | A2160 | A2161 |
中国本土、香港、マカオ | A2223 | A2217 | A2220 |
その他の国や地域 ※日本含むグローバル版 | A2221 | A2215 | A2218 |
SIMロック解除まとめと確認方法
SIMロック解除方法は、キャリアや端末(iPhone・Android)によって違います。
その違いや、SIMロック解除後のSIMフリーになったかどうかの確認方法は以下の記事をご覧ください。

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