75歳を越え、世間的には「後期高齢者」に入った僕の母親は、2019年時点で「iPhone 6s」を利用している。
シニア(高齢者)向けの携帯と言えば、以下を想像する方が多いだろう。
- らくらくフォン
- らくらくスマホ
- フィーチャーフォン(ガラケー)
基本的には、従来型携帯電話(フィーチャーフォン/ガラケー)を使っている方が多いと思う。
- 昔から変わっていない
- 電話しか使わない
- 料金が安い
しかし、スマホはタッチパネルという強みがある。
このため、スマホの方がシニアには向いていると思っており、色々試行錯誤したが、利用者が多い「iPhone」を使うのが無難という結論に至った。
この記事では、以下を紹介しようと思う。
- スマホがシニア(高齢者)に向いていると思う理由
- シニア(高齢者)向けスマホの選び方
- iPhoneとAndroidのどちらがよいか
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高齢者がガラケーを使う「内的要因」
今や若者でフィーチャーフォン(ガラケー)を使っている人は、皆無と言って良いと思う。
ただ、ガラケーユーザーは根強く残っている。僕のイメージでガラケーユーザーは、以下のような方。
- 複数デバイスを使いこなし、通話専用端末として利用
- 会社から支給されているなど、業務用端末として利用
- 高齢者が使い続けている
1番と2番は、ガラケーの特性を理解した上で使っている人だ。
業務上カメラやインターネットの存在が好ましくないため、敢えて電話しか連絡手段がないようなところは、例えば工場など普通に存在する。
では、3番の高齢者がガラケーを使い続けている理由って、なんなのだろうか。
ほとんどの場合、今までと同じだからだと思う。
高齢者は「変化を望まない」
僕の親を見ても、特に慣れないモノは「今までと同じであること」が安心感に繋がっている節がある。
自分でそう考えて選ぶ分にはまあ、それでもよいかと思う。
高齢者がガラケーを使う「外的要因」
しかし、高齢者がガラケーを使っている理由はそれだけではないと思う。
これは、どちらかと言えば僕のような「子供世代」の考え方の問題だ。
僕も体験があるのだが、親に新しいものをプレゼントしたりすると、「全ての説明」を求めてくることがある。
説明書を見ればすむようなことも、質問されると、イライラする。
結果として、親世代には新しいものを与えないという人は多い。
しかし、時代は変わった。
僕もまさにそうなのだが、昔はあれほど使いこなしていた、ガラケーの操作を忘れてしまっている(笑)
つまり、ガラケーの質問に応えられないストレスが出始めてきた。
僕の場合はそれが理由で、僕が使っているスマホと同じものに変えてしまった。
高齢者にはガラケーよりスマホが向いていると思う理由
そんな感じで、僕の母親(1944年生まれ)は2015年から、iPhoneを使うようになった。
その前に、iPad miniを使っていたこともあるが、比較的抵抗感無く使っている。
ただ、出来ることは極めて少ない。
- 電話の受発信
- Yahoo!アプリを使ったネット検索
- 音楽を再生する
これくらいだ。
「スマホ使う意味あるの?」と思うだろうが、僕は親にスマホを使いこなして欲しいとか思っていない。
とりあえず、自分のやりたいことだけ出来てくれていれば、それでいいと割り切っている。
そう言う意味で、高齢者で親にスマホを使ってもらうメリットは以下の2点だ。
- タッチパネル操作なので直感的
- 子世代が使うスマホと基本的に同じ操作性である
タッチパネル操作なので直感的
ガラケーと比較したスマホの強みはたくさんあるが、タッチ操作が前提というのがある。
テンキー(数字のキー)というハードウェアボタンがあることが安心感に繋がる、という意見もあるが、高齢者の多くがガラケーを使いこなせなかった理由は、「テンキー」にある。
なので、僕はテンキーが勝る部分は、「物理的なボタン」であること以外にはないと思っている。
実際、親に使ってもらっても、操作に関する説明は受けても、ボタンが分かりづらいといわれたことはない。
子世代と使うスマホと操作性が同じになる
これは、前述の通りだが、スマホが普及してかなり時間が経過した結果として、
ガラケーの操作が分からない(忘れた)
という現象が起こっている。
僕も久々に使うと悩むんですよ(笑)
なので、親の携帯がスマホになれば、そういう悩みはなくなる。
親のスマホとしてiPhone、Androidどちらにするのかは、この後解説するが、基本方針は、
子世代が使っているスマホと同じにする
だと思う。
シニア向けスマホととしてAndroidとiPhone(iOS)のどちらがお勧めか
というわけで、主に親世代のシニア(高齢者)にスマホを買う場合、iPhoneとAndroidがありどちらが良いのか。
これは正直かなり主観が入るが、特別なカスタマイズをしなくても使えるという意味でやはり、iPhoneが良いかと思った。
Android端末は僕も様々な端末を使ってきたし、「Goole Pixel 3」なんかはiPhoneもビックリの完成度と機能を誇っている。
しかし、Androidが長年抱えている問題は、メーカーによって操作性がバラバラであること。
近年のAndroidは徐々に統制をとって、アップデートなどもGoogle側で制御しようと努力しているが、2019年時点では道半ば。
なので、子世代の家庭でAndroidを使っているならともかく、
- iPhoneを使っている
- iPhone・Android両方使っている(使える)
のであれば、iPhoneの方が無難だと思う。
「iPhone 8」までのiPhoneは、ホームボタンを搭載している。
いざとなったらホームボタンという方程式がある
というのが、安心感としては大きいと思う。
富士通の「らくらくスマートフォン」は通信費を安く出来るのが魅力
高齢者向け携帯の代表格は、富士通の「らくらくフォン」と「らくらくスマホ」。
らくらくフォンは本当に良く出来た携帯だと思うが、らくらくスマホはあまり存在感を発揮できていないと思う。
最大の欠点は、操作性向上のために作り混んだ機能が、スマホの魅力を消し去ってしまうことだと思っている。
そう思っている方はきっと多いのだろう。僕もそう思う。
スマホ単体で見ると確かに魅力は薄い。しかし、1つだけ選択するメリットがある。
ドコモに限った話だが、らくらくスマホは「docomo with」対応なので、1ヶ月の維持費を安く出来る。
この記事をご覧の方は、大半が僕と同じく子世代のドコモユーザーで、親のスマホ購入を検討している方と思う。
であれば、まずやることは、
- 親の回線を、パケットシェアパックの「子回線」にする
- 親の回線は、スマホ契約に切り替え「シェアオプション」を申し込む
こうすることで、3万円程度の端末費用は発生するが、最安では月280円で永年維持出来るようになる。
以下の記事は僕が、子供用に契約した回線の解説記事だが、「学割」を「ウェルカムスマホ割」に読み替えれば、同じことが出来る。
タブレット+ガラケーとスマホはどちらがお勧めか
高齢者向けのガジェットとして、よく検討されるのは、
- 電話はガラケー、データ通信はタブレット
という組み合わせだ。
高齢者は老眼持ちが多く、大画面の方がよいという発想からこの考えを持つ人は多い。
僕もそうで2015年2月まで母は、docomoのガラケーとau版iPad mini(Cellular版)で利用していた。
この構成には1つ問題があった。
それは、
タブレットは必要な時(=ネットが見たい時)しか使わない
ということだ。
頻度は人それぞれだろうが、こういうものは年齢関係なく最初は抵抗あっても、使わないと覚えないし、メリットも実感できない。
正直そんなに使っている印象がなかったので、ガラケー+タブレットという構成は、『技術の習得』という意味で必ずしも良いとは思えなくなって来ていた。
これがスマホに一本化だと、電話を含めて嫌でも触ることになるので、使用頻度は劇的に増える。
それよって挫折する人もいるかもしれないが、上手く使えたらそれに越したことはないし、2019年時点としては料金的なメリットも薄い。
高齢者用スマホとして見たiPhoneのおすすめモデルは?
では、親にiPhoneを買うことに決めたとして、こんどはどのモデルを買うのがよいのか?
『老眼』という避けがたい現実があるため、コンパクトであることは必ずしもメリットにはならない。
なので、ものには限度はあるがある程度画面が大きい方がよい。
2019年現在販売されているiPhoneは多数あるが、最新モデルである「iPhone X」系はおすすめしない。
理由は単純で、価格が高いことと、ホームボタンを搭載していない。
高齢者向けiPhoneとしては、
- iPhone 6s
- iPhone 7
- iPhone 8
これが無難な選択肢だと思う。
ここから先は、子世代が契約している回線に依存する面があるため、一概におすすめは断言出来ないが、大枠では以下のような感じになる。
- 格安SIMで利用するなら、iPhone 6sかiPhone 7を買う
- 大手キャリアで利用するなら、iPhone 8を買う
老眼対策に拡大表示が有効
iPadって実は画面は大きいものの、OSレベルでの拡大機能というのはなかった。
しかし、iPhone 6/6 Plus以降のiPhone 6sには、『拡大機能』というものがあり、ホーム画面のアイコン表示列が1列減るが全体的に大きく表示される。
さらに文字を太くしたりする事も出来るので(これは以前から出来た)、いわゆるらくらくフォン的な表示にかなり近づける事ができるのだ。
高齢者用スマホとして重要なのは、ある程度大きな画面であれば(5インチ前後)、その先重要なのは文字が大きくできるかどうかだと思う。
カメラは「光学式手振れ補正」を搭載したiPhone 7以降がおすすめ
スマホのカメラは年々進化しており、2019年現在のトレンドはカメラを2つ搭載した(デュアルカメラ)スマートフォンだ。
ただ、高齢者向けとしてここまでの機能は不要と思う。
カメラの機能として重要なのは、
- サクッと撮影できること
- 設定などを意識せず、それなりに高画質な写真が撮影できること
だと思うので、その点でいうとiPhoneのカメラはやはり使いやすい。
iPhoneのカメラは、iPhone Xシリーズや、iPhone 7 Plus以降のPlus系はデュアルカメラを搭載している。
前述の通りここまでの機能は不要と思うが、光学式手ぶれ補正機能の搭載有無は大きな違いとなる。
2019年現在で一般的に購入できるモデルで比較すると、以下のようになる。
機種名 | 光学式手ぶれ補正の有無 | 備考 |
---|---|---|
iPhone 6s | × | |
iPhone 6s Plus | ○ | |
iPhone 7 | ○ | |
iPhone 7 Plus | ○ | 望遠レンズは非対応 |
iPhone 8 | ○ | |
iPhone 8 Plus | ○ | 望遠レンズは非対応 |
iPhone X | ○ | |
iPhone XR | ○ | |
iPhone XS | ○ |
ポイントはiPhone 7以降なら、Plusでなくても光学式手ぶれ補正に対応しているということだ。
長らく販売されていた「iPhone 6s」も、2019年にはついに販売終了しそうな気配だ。
今から選ぶなら「iPhone 7以降」が無難と思う。
無印かPlusのどちらがよいか
無印かPlusのどちらにするかは、わりと迷う面があるが、基本的には無印で良いと思う。
スペック面のポイントは光学式手ぶれ補正の有無で、これは前述の通りiPhone 7以降は全モデル対応している。
なので、基本的にはお好みで良いと思うが、母の事例を紹介しておこうと思う。
僕の母親は、2015年3月にiPhone 6 Plusを購入し、以来2年間使用した。
約2年間使って出た本人の声は、
特に不便はないが、大きいので電話の時使いづらい
というもの。
スマホはデータ通信端末なので、画面が大きい方が見やすいと思っていたが、高齢者は結局電話でのコミュニケーションが多い。
このため、電話の使い勝手が満足度に大きく左右するようなので、Plusはデカすぎるという結論になった。
その後、母はiPhone 6sを使用しており、「こっちの方が使いやすい」と本人は満足している。
ストレージ(ギガ)は最小容量で十分
ストレージもわりと悩む要素だが、基本的には最小容量で十分だと思う。
各モデルの最小ストレージは、2019年時点では、
モデル名 | 最小容量 |
---|---|
iPhone 6s系 | 32GB |
iPhone 7系 | 32GB |
iPhone 8系 | 64GB |
iPhone X以降 | 64GB |
となっており、通常利用で足りなくなることはまずない。
注意点としては、中古スマホなどで販売されている、iPhone 6sの16GBモデルは購入しないように注意しよう。
価格だけ見れば16GBを買いたくなるが、シニア向け端末として考えると機種変更ペースは速くて2年後となる。
その間、写真を何枚撮るかは分からないが、バックアップなんてほとんどやらないと考えた場合、ストレージはある程度余裕を見ておく必要がある。
さらに言えば、OSをバージョンアップしようとして、写真を沢山削除する必要に迫られたりして、面倒なことになりかねない(そういう作業は多くの場合、子供がやることになるので)。
ちなみに僕の母親の場合64GBを購入したのだが、2年使っても15GB程度しか使っていなかった。
つまり、16GBでもなんとかなったが、さらに長く使うことを考えたら厳しいので、
32GBとあれば十分
と言えそうだ。
終わりに
高齢者のスマホは色々悩ましく、僕も長年試行錯誤を続けて来た。
- らくらくフォン
- ガラケーの拡大モード(らくらくフォン化)
- タブレットとガラケー
- スマホのみ(大型のiPhone 6 Plus)
- スマホのみ(小型のiPhone 6s)
もちろん一括りに高齢者と言っても、ICT機器に対する成熟度、年齢、性別などによって思考は異なっている。
70代の母にとっては、最終的に今の形が一番不満が少ないようなので、我が家は当分この価値になると思う。
高齢者向けスマホ選定の参考になればと思う。
高齢者(シニア)向けのスマホはどれがいい?
親に子供が携帯を買うケースは多いですが、高齢者向けと言えば「ガラケー」と思っていませんか?
プランをうまく選べば安く維持出来ますし、何より子世代の僕たちと同じスマホにすれば操作に悩むこともありません。
ガラケーだって昔は使えたけど、もう使い方忘れちゃったよね……。
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