iPhoneの2017年モデル、
- iPhone 8シリーズ
- iPhone X
が発売し、購入を検討している人も多いと思う。
この頃よく聞かれるのが、
- 通信費の節約のため、格安SIMにしたい
- だけど、iPhoneしか使ったことがないので、iPhoneを使い続けたいがどうしたらいい?
という話だ。
iPhoneユーザーは格安SIMで、節約できるのか?
ほとんどの人は「できる」と思い込んでおり、安易に格安SIMへ行っているのだが、僕が毎回言うのは、
『最新の』iPhoneを使う分には、節約効果が薄いよ
ってことで、契約内容・利用形態は様々だが、
- 10GB以下の少容量データ通信
- 10GBを超える大容量データ通信
での料金比較を例に、僕の考えを紹介しようと思う。
なので、docomoユーザー以外でもご覧いただけたらと思います。
目次
キャリアとAppleのどちらで買うか?基本的な考え方

iPhoneはキャリア?SIMフリー?
まず、本題の価格比較に入る前に、2017年現在の比較軸としてよくある、
- 従来通り、大手キャリア(docomo・au・SoftBank)で購入する
- AppleでSIMフリー版を買い、格安SIMを利用する
このどちらが安い(お得)なのか?
という議論について。
僕の考えは、
- 格安SIMを使わないなら、大手キャリアの特にオンラインショップで買うのがおすすめ
- 『最新の』iPhoneが使いたいなら、格安SIMはおすすめしない
- 手持ちの端末を使うか、Androidを使うなら格安SIMは節約効果が大きい
という感じになる。
つまり、今回の記事は最新のiPhone価格をキャリアとAppleで比較するというものなので、基本的な考えは、
素直にキャリアで買った方がいいよ
というのが結論だ。
余談だが、当ブログの格安SIM連載は、3つ目のパターンでの移行というスタンスで書いている。
では、Appleで買うメリットは皆無なのかと言えばそうでもなく、それは、
- 複数のスマホを使っている人
- 『毎年』最新のiPhoneを使っている人
に限定すれば契約縛りがないという意味でメリットがある。
なので、基本的に僕みたいなガジェットヲタクしか、Appleストアで購入するメリットは薄い。
日本で使っていると忘れがちだが、
iPhoneは『高級品』である
ということは、認識しておくべきだ。
節約を第一に考えるなら、そもそもiPhoneを使うこと自体をやめるべきだし、iPhoneを買うことそのものが贅沢だと思う。
ドコモオンラインショップとApple公式の販売価格

悩ましい購入先
まず、ドコモとAppleストアでの端末販売価格の比較を。
docomoは新規・MNP・機種変更の契約種別関係なく、同一価格です
ドコモオンラインショップ | Appleストア | |
---|---|---|
iPhone 8 | 64GB:88,776円 256GB:106,920円 | 64GB:85,104円 256GB:103,464円 |
iPhone 8 Plus | 64GB:100,440円 256GB:118,584円 | 64GB:96,984円 256GB:115,344円 |
iPhone X | 64GB:125,064円 256GB:143,856円 | 64GB:121,824円 256GB:140,184円 |
端末価格は、
iPhone 8 < iPhone 8 Plus < iPhone X
の順に高くなる構図はどちらも変わらず、
Appleストアの方が3,000円〜5,000円程度安い
ということが言える。
ただ、これだけをみてAppleがお得と考えるのは早計だ。
キャリアは、docomoの場合『月々サポート』と呼ばれる、端末値引きを行う。
かつて、
2年間使えば、実質0円です
なんて言われていたのはこのためだ。
docomoの月々サポートを含めた『実質負担金』

月々サポート
というわけで、docomoの月々サポートを含めた、実質負担金で比較すると以下のようになる。
ドコモオンラインショップ | Appleストア | |
---|---|---|
iPhone 8 | 64GB:31,752円 256GB:50,112円 | 64GB:85,104円 256GB:103,464円 |
iPhone 8 Plus | 64GB:43,632円 256GB:61,992円 | 64GB:96,984円 256GB:115,344円 |
iPhone X | 64GB:68,472円 256GB:86,832円 | 64GB:121,824円 256GB:140,184円 |
Appleの価格は全く変わらず、docomoの価格がかなり安くなった。
docomoの月々サポートは大体『57,000円』
なのでその分安くなっている。
ただ、この割引を受けるには条件がある。
- 月々サポート対象機種のご購入
- 指定「基本プラン」へのご加入
- 指定「パケットパック/シェアオプション」のいずれかのご加入
- 満額の割引を受けるには、2年間の継続利用が必要
1についてはiPhone購入で満たされるが、2と3は人によって色々異なると思う。
ただ、docomoは基本的に家族での契約を訴求しているし、僕もその契約形態だ。
この場合、
- 基本プランは最安月額980円の『シンプルプラン』
- シェアパック(家族でパケットを共有)は主回線が契約済
- iPhoneを購入する回線は子回線(シェアオプションを設定)
が一番多く安くなるであろうケースだが、このケースでも月々サポートは適用される。
そして忘れてはならないのが、
この割引は、キャリアで購入した時のみ適用される
ということだ。
格安SIMにすれば単純に安くなるわけではない

格安SIMで安くなる?
あなたは今、大手キャリアを契約していますか?
該当する方には、さらに質問。
スマホの料金(通信費)はいくらですか?
もちろん、利用状況にって様々だとは思うが、概ね5,000円以上という人がほとんどではないかと多う。
スマホの料金を安くしたくないですか?
「No」と答える人はいないだろう。
格安SIMにすれば、月額1,000円『から』使えますよ
そう言われたら、なびく人も多いのではないだろうか。
この質問は、家電量販店などで格安SIMの営業マンが、勧誘する常套手段だ。
5,000円が1,000円になるなら、これはものすごい節約だ。だが、この内訳について考えたことはあるだろうか。
多くの場合、
キャリア | 通信費 | スマホ本体料金(端末代金) |
---|---|---|
大手キャリア | 含む | 含む |
格安SIM | 含む | 含まない |
という構図になる。
誤解の無いように言えば、通信費単体は、格安SIMの方が全てにおいて安い。
だが、端末代金を含めずに比較するのは不公平だと思う。通信費の基本的な傾向は、
- 小容量(10GB以下)は、格安SIMが圧倒的に安い
- 大容量(10GBより上)は、大手キャリアとの価格差がかなり縮まる
という感じだ。
docomoとdocomo系格安SIM大手であるIIJmioを比較すると、
容量 | docomo(個人向け) | docomo(家族向け) | IIJmio |
---|---|---|---|
1GB | – | – | – |
2GB | 3,500円 | – | – |
3GB | – | – | 900円〜 |
5GB | 5,000円 | 6,500円 | – |
6GB | – | – | 1,520円〜 |
10GB | – | 9,500円 | 2,560円~ |
15GB | – | 12,500円 | – |
20GB | 6,000円 | – | – |
30GB | 8,000円 | 13,500円 | 5,660円~ |
40GB | – | – | 7,560円~ |
50GB | – | 16,000円 | – |
100GB | – | 25,000円 | – |
という感じで、家族向けプランは高くなるが、
- 5GBで5,000円と10GBで2,500円程度とギガバイト単価が4倍違う
- 30GBくらいになると、個人利用の場合価格差が3,000円以下になる
というのが読み取れると思う。
格安SIMを使う人は、通信量が少ない人と非常に相性がよいと言える。
格安SIMのよくある欠点は、
- 通勤時間帯、夜間
- 平日のランチタイプ(12時〜13時)
のピークタイムの速度低下が著しいことだ。
このような欠点も、元々データ通信量が少ない人ならそれほど大きな問題にならない。
そして、ここに端末価格が加わってくる。
通信費と端末代金を合計した料金比較

2017年9月に購入したiPhone 8 Plus 64GB
2017年売れ筋モデルは、
- iPhone 8 64GB
- iPhone X 64GB
の2つになるかと思う。
これらの端末を
- 音声契約あり
- 個人向けプラン(シェアプランではない)
- データ通信は5GB程度と、30GB
で2年間利用した場合の価格を比較する。
個人向けプランで契約した場合の、データ以外の通信プランは最安値のプランと想定すると、
docomo | IIJmio | |
---|---|---|
基本プラン | シンプルプラン:980円 | みおふぉん:700円 |
ISP | SPモード:300円 | – |
というような構成になる。
この場合の2年間運用価格を、
- 小容量通信(10GB以下)
- 大容量通信(10GBより上)
で比較してみる。
小容量通信での料金比較
まず、2年間使用した場合の、月額利用料の内訳。
- ドコモは5GB(データパックM)
- IIJmioは6GB
としている。
明細毎の2年間運用価格。
docomo | IIJmio | |
---|---|---|
基本使用料 | 23,520円 | 16,800円 |
ISP料 | 7,200円 | 0円 |
データ通信料 | 120,000円 | 36,480円 |
iPhone 8実質負担金 | 31,752円 | 85,104円 |
iPhone X実質負担金 | 68,472円 | 121,824円 |
合計金額比較。
docomo | IIJmio | 差額 | |
---|---|---|---|
iPhone 8 64GB | 182,472円 | 138,384円 | 44,088円 |
iPhone X 64GB | 219,192円 | 175,104円 | 44,088円 |
2年間の運用価格差は、約44,000円で、月額にすれば2,000円。
これだけ違うと、格安SIM契約のメリットは大きいと感じる。
大容量通信での料金比較
次は大容量通信で、2年間使用した場合の、月額利用料の内訳。
- ドコモは30GB(ウルトラデータLLパック)
- IIJmioは30GB(ファミリーシェアプラン+大容量オプション20GB)
としている。
明細毎の2年間運用価格。
docomo | IIJmio | |
---|---|---|
基本使用料 | 23,520円 | 16,800円 |
ISP料 | 7,200円 | 0円 |
データ通信料 | 192,000円 | 135,840円 |
iPhone 8実質負担金 | 31,752円 | 85,104円 |
iPhone X実質負担金 | 68,472円 | 121,824円 |
合計金額比較。
docomo | IIJmio | 差額 | |
---|---|---|---|
iPhone 8 64GB | 254,472円 | 237,744円 | 16,728円 |
iPhone X 64GB | 291,192円 | 274,464円 | 16,728円 |
2年間の運用価格差は、約17,000円で、月額にすれば700円。
グッと価格差が縮まってきた。
格安SIMとSIMフリーiPhoneは結構高い

iPhoneは高級品
このことから言えるのは、冒頭でも記載したが、
iPhoneを使うと高くなる
ということだ。
大手キャリアはiPhoneを主に売っているし、これは各社共通であるため、あの手この手で割引をしている。
敢えて記載しなかったが、
- 下取りプログラム
- 機種変更応援プログラム
- 割引クーポン(大体2年使っているとiPhone発売時期に届く)
などを駆使すれば、実質負担金はさらに数万円下がることが多い。
SIMフリーiPhoneをAppleで購入しても、Appleの下取りプログラムは利用できるが、docomoで機種変更するなら、docomoの制度を利用した方が割引は大きい。
大手キャリアを使うなら『2年毎にキッチリ機種変更する』

キッチリ2年で機種変更する
そして、もう一つのポイントは、
大手キャリアを使うなら、iPhoneは『2年毎にキッチリ機種変更する』
ということだ。
2017年現在でも発売から4年以上経った、iPhone 5sを大事に使っているような方
まわりにいないだろうか?
結構いると思う。
大事に使うことを否定はしないが、大手キャリアの上得意様(=カモ)だと思う。
月々サポートが終わった端末を、使い続けるのは損
これは言い切れる。
2年間キッチリ使って、それを下取りに出して、また2年使う。これが、大手キャリアを使う基本であり、メリットだ。
同じ端末を長く使うなら、節約効果は格安SIMが圧倒的に大きい。
今回の価格比較は『2年間』が基準になっているが、今やスマホの進化は少なくなっているので、3〜4年使うことも珍しく無い。
2017年11月時点で2年前の端末と言えば、iPhone 6sになり、僕自身もまだ持っているが、著しく遅いと感じることは少ない(もう1つ前のiPhone 6になると流石に苦しいと感じるが)。
ただ、2年くらい経ってくると調子が悪くなるのも珍しく無いので、今docomoを契約していて、格安SIMへの移行を検討している方は、
- 2年毎にdocomoで機種変更を続ける
- 今使っている機種の月々サポートが終わる(=2年使う)タイミングで格安SIMへいく
この2択がおすすめだ。
ただ、格安SIMへ行ったあと、再びiPhoneを購入する場合、新品購入はApple公式にほぼ限られるので、10万円程度の出費が発生する(キャリアのように分割払いで基本は購入できない)ことは認識しておく必要がある。
機種変更はオンラインショップを使うことになれておく

ドコモオンラインショップを使うメリット
格安SIMへの移行を検討したが、色々検討した結果、大手キャリアに残ることを選択する
僕が主催イベントである岡スマで、格安SIMの相談を受けたとき、iPhoneユーザーにこの記事で紹介したことを説明すると、多くの方はこの選択になる。
そうなった場合に、覚えておいて欲しいことは、
機種変更はオンラインショップを使うようにする
ということだ。
2017年現在、ドコモショップ店頭での手続きは非常に高い。
2015年頃までは、機種変更の手数料(税抜き2,000円)くらいしか価格差がなかったのだが、2017年現在は『頭金』という制度が生まれている。
一般的な頭金は、本体代金の一部負担金だが、ドコモショップにおける頭金は『手数料』と同義となっている。
しかも、この費用が端末や契約形態(新規・機種変更など)にもよるが、1万円程度と非常に高い。
つまり、
ドコモショップ店頭での購入は、オンラインより1万〜1万5千円高い
ということになる。
オンラインで購入するのに抵抗がある方は多いようだが、ここは本当に節約効果が大きいので、是非ドコモオンラインショップを利用してほしい。
終わりに

納得感のある契約をして欲しい
今やライフラインとも言える、データ通信は人によって、利用頻度や使い方は様々だ。
だからこそ、
こうすれば『必ず』安くなる、お得になる
という方法は存在しないと思っている。
無駄なお金は誰だって払いたくない。だが、
格安SIMにすれば安くなる
と安易に考えないで欲しい。
この記事で紹介したのは一例だが、この記事で一番僕が伝えたいのは、
言われたことだけ信じないで、自分でよく検討して欲しい
ということだ。
- まだ、料金の高いdocomoなんて使ってるの?
- 格安SIMにしたらめっちゃ安くなったよ〜
なんて言う人は実際いるし、僕も言われたことはあるが、僕はiPhoneユーザーで
- 端末価格
- 料金
- 通信スピードなど安定性
- 各種割引
- 家族単位での契約
を総合的に検討して、docomoを使い続ける選択としている。
目先の安さではなく、納得感を持って選択していただけたらと思う。
iPhone Xを購入する
iPhone XはAppleおよび、大手キャリアから販売されています。
AppleではSIMフリー版が、キャリア版はSIMロック版ですが、条件を満たせばSIMロック解除可能です。
キャリアで購入するなら、手数料や頭金がないオンラインショップがおすすめです!