Androidは細かい設定ができるので便利だが、メーカーごとに違い過ぎて使いづらい
特にiPhoneを愛用する人で、Androidも使ったことがある方は、このような意見をよく言う。
これには僕も同意するのだが、Androidを開発したGoogle自身も問題意識を持っているようで、近年はメーカーによるカスタマイズを「統制」しようとする動きが強まっている。
その流れもあってか、Google自身が「リファレンスモデル」を販売しており、それが「Pixelシリーズ」。
日本では、2018年11月に「Pixel 3」が初めて販売された。
「3」の名の通り、海外では「1」と「2」が発売されていたが、日本では未発売。
以来、日本では以下のモデルが販売されている。
- Pixel 3
- Pixel 3a
- Pixel 4
僕は「iPhone信者」なので、Pixelにはあまり興味がなかったが、使っている人の話を聞いて「これはすごい!」と思うようになり、購入するに至った。
以来、1年ほどPixel 3を使ってきたのだが、この記事では長期利用レビューとして以下を紹介しようと思う。
- Pixel 3を購入した理由
- Pixel 3シリーズのどれがおすすめか
- Pixel 3のよいところ・イマイチなところ
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Pixel 3を購入した理由
「Pixel 3」は、Googleが販売するAndroidスマートフォンだ。
- SONY
- サムスン
- シャープ
- HUAWEI
日本国内においては、Androidスマホといえば上記メーカーのシェアが高いので、「Googleスマホ」の認知度は低いのだが、Androidは元々Googleが作ったスマホ用OS。
かつては「Nexus」というブランド名で、「Googleが監修」という感じのスマホを販売していた。
その後、Pixelシリーズにリニューアルし、PixelはGoogle自身が製造・販売を行うスマホとなった。
Googleが主導するようになるにあたり、意識したのはやはり「Apple iPhone」のようだ。
- パッケージ(化粧箱)
- 同梱品(USB充電器・ケーブルを全て同梱する)
- 開封体験
- 高級路線
この辺りはiPhoneそのもの。
なので、iPhoneユーザーがなんの違和感もなく、乗り換えられるようになっている。
正直「他メーカーのAndroidから乗り換えるより、iPhoneからの乗り換えの方が違和感がないのでは?」と思うくらい。
僕は毎年iPhoneを購入し、何台ものスマホを持っている「ガジェットヲタク」だが、正直Pixelには興味がなかった。
購入のきっかけは、「夜景モード」に代表される、カメラ機能に衝撃を受けたから。
ただ、実際に購入してからの開封体験や、操作性を色々検証する中で、この思いが強くなった……。
操作性が「iPhone X」シリーズに近いので、iPhoneユーザーも乗り換えやすい
Pixel 3を購入して、使うようになって驚いたのは、操作性が「iPhone X」以降のiPhoneによく似ていた点だ。
Android最大の欠点は、メーカーによって操作方法が異なることだと思っている。
「ホームアプリ」と呼ばれるもので、全体的な見た目・操作性をメーカーがカスタマイズできるのだが、メーカー・バージョンによってガラッと操作性が変わってしまう。
これがカスタマイズ性の高いAndroidの魅力ともいえるが、正直分かりづらい。
さらに言えば僕はドコモのAndroidを触ることが多いが、ドコモのホームアプリ「docomo LIVE UX」が好きじゃない。
なので、ドコモのAndroidをセットアップしてまずやるのは、ホームアプリをメーカー標準にすることなのだが、Pixelの場合「docomo LIVE UX」がなく「Pixel ランチャー」がデフォルト!
この「Pixel ランチャー」は、iOSの操作性に近いので、iPhoneユーザーでも使いやすい。
具体的には、以下の部分だ。
- 画面下部からのスワイプで、よく使うアプリと起動中のアプリが一覧表示
- さらに下からのスワイプで、ドロワー起動
この操作は「iPhone X」以降を使っている方なら、簡単になじめると思う。
Android 10の「ジェスチャーナビゲーション」でさらにiPhone寄りの操作
これだけでも十分「iPhoneっぽい」と感じていたが、さらに驚いたのがAndroid 10の「ジェスチャーナビゲーション」。
Pixelシリーズは、「3年間のアップデート保証」があり、最新OSが一番早く適用できることも魅力。
「ジェスチャーナビゲーション」はPixel向け機能ではないのだが、いち早く試せるという意味でPixelへ最初に導入された。
Android 10なら「設定→システム→ゼスチャー」から設定可能
これには僕も驚いた。
- 下からスワイプで「ホーム画面へ戻る」
- 左端のスワイプで「戻る(エッジスワイプゼスチャー)」
これらはiPhoneユーザーであれば、おなじみの操作。
質感がiPhoneに似ていることもあり、パッとみた感じiPhoneとPixelは区別がつかないくらい「そっくりの操作性」になった。
Pixel 3とPixel 3aのどちらがよい?
2024年11月現在、Pixelシリーズは日本で3モデル発売されている。
モデル名 | 発売時期 | 価格(Googleストア) |
---|---|---|
Pixel 3 | 2018年11月 | 96,800円〜 |
Pixel 3a | 2019年5月 | 49,500円〜 |
Pixel 4 | 2019年10月 | 89,980円〜 |
最新モデルはPixel 4で、Pixel 3の後継モデルと位置づけられている。
このため、Pixel 3は在庫限りの販売となり、Pixel 3シリーズとしては、ミドルクラスとなる「Pixel 3a」が主力という位置付けだ。
Pixel 4は最新モデルのため価格が高く、この記事での紹介は割愛するが、Pixel 3シリーズを買うなら「Pixel 3a」がおすすめと思っている。
Pixel 3とPixel 3aを比較すると以下のような感じ。
モデル名 | Pixel 3 | Pixel 3a |
---|---|---|
ディスプレイ | 5.5インチ(有機EL) | 5.6インチ(有機EL) |
バッテリー容量 | 2915mAh | 3000mAh |
プロセッサ | Snapdragon 845 | Snapdragon 670 |
内蔵メモリ(RAM) | 4GB | |
内蔵メモリ(ROM) | 64GB | |
アウトカメラ | 1220万画素 | |
インカメラ | 800万画素 広角と望遠のデュアル |
800万画素 |
画像処理プロセッサ | Pixel Visual Core | – |
サイズ | 145.6(高さ) × 約68.2(幅) × 約7.9(厚み) mm | 151.3(高さ) × 約70.1(幅) × 約8.2(厚み) mm |
重量 | 148g | 147g |
LTE通信速度(受信) | 最大794Mbps | 最大500Mbps |
LTE通信速度(送信) | 最大75Mbps | |
防水・防塵機能 | IP52 | IP68(IPX8) |
ワイヤレス充電 | ○ | × |
材質 | アルミ製フレーム(ハイブリッド コーティング加工)、Corning Gorilla Glass 5 ソフトタッチ ガラス(背面) | ポリカーボネート製ユニボディ |
「Pixel 3a」は「Pixel 3の廉価版」という位置付けだ。価格は半額近いので、当然それはスペックに反映され、普通は廉価版がスペックを上回ることはない。
スペック比較したとき、コストダウン要素になったのは以下と思われる。
- プロセッサの性能が落ちた
- 画像処理プロセッサ「Pixel Visual Core」がカットされた
- フロントカメラが、シングルカメラに変わった
- 背面、フレームの素材が「ポリカーボネート製ユニボディ」に変わった
- ワイヤレス充電非対応になった
しかし、画面・バッテリー容量が少し大きくなるなど「進化」した部分もある。
両者を比較すると、比べれば確かに「材質の違い」を実感するが、かといって「Pixel 3a」が安っぽいとは思わない。
色合いもほぼ同じなので、パッと見て違いが分かる人はいないだろう。
Pixel 3のよいところ
僕がPixel 3を購入したのは2019年3月の話。
実際に購入して、よかったと感じた点を紹介を紹介しようと思う。5点ある。
- 食べ物の撮影でも「寄れるポートレートモード」
- 分かりやすくキレイに撮れる「夜景モード」
- nanacoなどもプリペイト型ICカードも使える「Google Pay」
- 「USB-PD」対応の充電器・USB-Cケーブルが同梱されている
- コンパクトで軽く「持ちやすい」
食べ物の撮影でも「寄れるポートレートモード」
近年のスマホカメラといえば、カメラを複数搭載(デュアルカメラなど)したモデルが主流だ。
見た目のインパクトもあり、差別化しやすいため各社力を入れているが、デュアルカメラの威力を世に知らしめたのは、iPhone 7 Plusの「ポートレートモード」だと思う。
スマホのカメラで、一眼レフのような背景がボケた写真が撮れることには驚いたし、実際ビックリするくらいキレイな写真が撮れる。
上の写真はiPhone Xのポートレートモードで、大好きなアイドル「わーすた」を撮影したものだが、最初は本当に感動した。
しかし、iPhoneのポートレートモードには欠点がある。
1メートル程度離れていないと作動しない
被写体にもよるのだが「距離」が重要なわけで、例えば食べ物を撮るために「寄る」ことができない。
上の画像はiPhone XS MaxとのPixel 3でのポートレート比較だが、どちらがPixel 3か分かるだろうか?
答えは2枚目。
そして撮影時の写真が以下。
「寄れる距離」が全く違う。これは使い勝手に左右する。
Pixel 3のポートレートモードはAI(ソフトウェア)で処理する。このため、被写体との距離は関係なく、むしろ背景の方が重要だったりする。
ポートレートモードも2024年11月現在は、5万円以下のミドルクラススマホにも搭載され「普通の機能」になった。
だが、正直使うシーンを選ぶのであまり使わなくなっていたのだが、Pixel 3のポートレートモードは本当に使いやすい。
分かりやすくキレイに撮れる「夜景モード」
スマホカメラがいくら進化しても、決定的に苦手なものがある。
夜景撮影
暗いところを撮影する時は、センサーサイズが大きなカメラと明るい(f値が小さい)レンズで撮影するのがセオリー。
スマホはコンパクトなので、センサーサイズを大きくしようにも物理的な限界がある。
ところがこの分野も、PixelのAIがある程度解決してしまう。
「手持ち」で驚くほどキレイに夜景はもちろん、星まで撮影できるほどの威力!
Pixelシリーズは正直日本市場ではマイナーな存在だが、僕のようなガジェットヲタクが驚いたのが「夜景モード」。
これがスマホカメラの新たなトレンドを生み、その後Appleは「iPhone 11シリーズ」で「ナイトモード」を搭載する。
機能的には大体同じものなのだが、2024年11月時点ではPixelの「夜景モード」の方がまだ上かなと感じた。
上記写真を見れば分かるが、Pixel 3の方が明らかに明るい。
ただ、肉眼に近いのはiPhoneで、この辺りはAppleのカメラに対する姿勢が表れている。
なお、Pixel 3aはPixel 3と比較して、画像処理プロセッサ「Pixel Visual Core」を搭載していないため、処理速度の面で若干遅くなる。
このため「連射」は厳しい。
しかし、僕が触った感じだと、数秒レベルで差はあった気がするが、気になるレベルの違いはなく、むしろ「Pixel 3a」でここまで撮影できることに驚いた。
nanacoなどもプリペイト型ICカードも使える「Google Pay」
Apple製品ではFeliCa方式に対応した「Apple Pay」というサービスがある。
- iPhone 7以降のiPhone
- Apple Watch Series 2以降のApple Watch
が対応しており、サービスインから4年ほど経過し徐々に利用者が増えてきている。
対して、Androidの世界ではガラケーの時代から受け継がれた、「おサイフケータイ」というサービスがあった。
「おサイフケータイ」がGooleのサービスとして、生まれ変わったのが「Google Pay」だ。
厳密な意味では、Androidスマホではまだおサイフケータイの概念が残っているのだが、2024年現在は置き換えが進んでいる。
「Google Pay」を使う最大のメリットは、登録が簡単かつ機種変更時のデータ移行が楽なことだ。
僕も経験があるのだが、過去に「おサイフケータイ」を使っていた方で、辞めるきっかけのトップは「データ移行の面倒くささ」だったと思う。
それくらい分かりづらかったし、手間がかかったが、「Google Pay」では基本的にGoogleアカウントにカード情報が保存されるため、かなり楽になった。
さらに、おサイフケータイの流れを組んで、多様な決済手段に対応していることも魅力だ。「Apple Pay」と比較すると以下のような感じ。
決済手段 | Apple Pay | Google Pay |
---|---|---|
Suica | ○ | ○ |
PASMO | × | ○ |
QUICPay | ○ | ○ |
iD | ○ | ○ |
nanaco | × | ○ |
楽天Edy | × | ○ |
WAON | × | ○ |
だったのだが、2020年春からはこの構図がさらに変わる。
モバイルPASMOがGoogle Payに対応
僕のように地方在住であれば「Suicaがあれば十分」と思うかもしれないが、定期券はSuicaエリアでないと使いないという欠点があった。
例えば、僕が住む岡山県倉敷市はJR西日本の「ICOCA」エリアなので、定期券を使う場合カード型のICOCAを持つしかなかったのだが、首都圏では「PASMOエリア」の方が同じ苦しみを味わっていた。
首都圏のPASMOエリア在住の方には待望のサービスと思う。
「USB-PD」対応の充電器・USB-Cケーブルが同梱されている
iPhoneもそうだが、近年のスマホは大容量バッテリーを搭載しているため、急速充電を使わないと恐ろしく充電に時間がかかる。
すでに対策はされており、「USB-PD」と呼ばれる急速充電規格が普及しており、2024年現在発売されているスマホの大部分が対応している。
しかし、スマホ購入時に同梱されている、充電器は対応していないか、そもそも同梱されないことが多い。
iPhoneに関していえば、2017年発売の「iPhone 8」以降のモデルは対応しているのだが、対応する充電器・ケーブルが同梱されているのは、2019年発売の「iPhone 11 Pro」のみ。
対して、Pixelはハイエンドモデルにあたる「Pixel 3」はもちろん、ミドルクラスの「Pixel 3」でも急速充電対応の充電器を同梱している。
随分安くなったが、対応機器を全てそろえたら「5,000円」くらいはかかる。
コンパクトで軽く「持ちやすい」
最後は小さな話だが、Pixelシリーズはコンパクトで持ちやすい。
近年のスマホは、大きく・重くなる傾向が強い。
iPhoneに関して言えば、2017年発売の「iPhone X」で画面の大型化・重量アップは一段落ついたと思ったのだが……。
モデル名 | 重量 |
---|---|
iPhone X | 174 g |
iPhone XS | 177 g |
iPhone 11 Pro | 188 g |
対して、Pixel 3は「148g(3aは147g)」。
ひょいと持ち上げた時に、ハッキリ分かる軽さ!
Pixel 3シリーズも「XL」という大画面モデルはあるのだが、スマホはせめて150g以下にして欲しいと思う……。
Pixel 3のイマイチなところ
続いて、Pixel 3のイマイチなところを紹介しようと思う。
2点ある。
- 価格が高い
- 顔認証は非対応。指紋認証センサーが「背面」で使いづらい
価格が高い
Pixel 3が2018年11月に発売した時、ガジェットファンですら少しざわついた……。
2017年に発売した「iPhone X」が10万円を超える価格になったことから、各社のフラグシップスマホは同じような価格のモデルが増えた。
これらのモデルに共通している仕様は、以下のようなものだ。
- ディスプレイは有機EL(OLED)
- 画面が大きい
- カメラは2つ以上搭載している(デュアルカメラ)
- アルミニウム、ステンレスなど高級感のある素材を使っている
Pixelは前述の通り、ハードウェアよりもソフトウェア(AI)によって、機能性を高めたスマホ。
このため、単純なスペック比較は無意味なのだが、スペック比較されて「高い」と酷評されることが多かった。
有機ELは搭載していたが、画面サイズ・カメラの数などは「分かりやすく見劣りした」からだ。
その結果、半年後にほぼ同じスペックの「Pixel 3a」が登場した。
2024年11月現在も、日本においてPixelの知名度は低いのだが、主に価格面で不利な展開となっていることが原因。
顔認証は非対応。指紋認証センサーが「背面」で使いづらい
ここまで紹介してきたように、正直欠点らしい欠点がないPixelだが、唯一僕が受け入れられなかったものがある。
スマホの生体認証は「顔認証」が主流になった。
僕も「iPhone X」以来、顔認証を使っているが、例えばマスクを付けたら認証しないなど、どうにもならない欠点がある。
顔認証と指紋認証は併用できれば最強
これが、2024年時点における結論と僕は思っていて、事実GalaxyやHUAWEIはそのようなアプローチをとっている。
対して、Pixel 3は指紋認証のみ、かつ指紋認証センサーは使いづらい本体背面に……。
これは僕自身が使った実感としても、「使いづらい」。
ちなみに次期モデルである「Pixel 4」では、顔認証が採用されており、この欠点は時間の経過とともに解消するだろう。
終わりに
日本のスマホ市場は「iPhone」が圧倒的に強く、残りのAndroid陣営はSONY・サムスン・シャープ・HUAWEIあたりでほぼ占められている。
Androidを開発したGoogleの「純正スマホ」
といっても正直ユーザーに魅力は伝わりづらく、販売的にも苦戦しているようだ。
事実、2019年10月に発売したPixel 4においては、docomoの販売モデルから外れた。
docomoはPixel 3の販売にかなり力を入れていたと思うが、数字が伴わなかったためと僕は思っている。
これが難しいところなのだが、一度触ってみればクセのないAndroidスマホは使いやすいことが分かるはずだ。
ここまで記事をご覧いただいた方で、Androidスマホを購入しようと思っている方は、是非Pixelを候補に入れていただけたらと思う。
Google Pixel 3/Pixel 3aを購入する
Pixel 3シリーズはGoogleおよび、docomo・SoftBankから販売されています。
GoogleではSIMフリー、キャリア版はSIMロックされていますが、条件を満たせばSIMロック解除可能です。
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