iPhone 8シリーズ・iPhone Xはその見た目や、ワイヤレス充電(Qi)が比較的ピックアップされているが、隠れた目玉機能は、
USB Power Deliveryによる急速充電への対応
だと思っている。
USB Power Delivery(通称:USB-PD)は、Appleとしては2015年発売の12インチMacBookで初めて採用し、以来Macでの採用が進んでいる。
将来的にはほぼ全ての端子が『USB-TypeC』に集約されると言われているが、iPhoneは従来のLightningコネクタはそのままで対応してきている。
早速試してみたので紹介しようと思う。
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USB Power Delivery(USB PD)とは
- 従来のUSB-Type Aと比較して小型の端子
- 表裏一体
という特徴をもつ、USB-Type Cは標準規格として、最大5V/3Aで充電可能となっている(従来のUSBでは最大5V/1.5A)。
そして、上位規格として最大20V/5Aの100W充電が可能となるのが、USB Power Deliveryだ。
100Wともなれば、かなりの製品に対して電力共有ができる。
これ1つでほとんどの機器が充電できるという夢の規格なのだが、その分条件は厳しい。
- 充電器
- ケーブル
- 利用機器
この全てが対応している必要がある。
2018年現在、数は増えているものの、対応機器はまだ少なく
が有名どころ。つまりApple製品を中心に採用が進んでいる。
そして、2017年以降は、
- iPad Pro(2017年モデル)
- iPhone 8、iPhone 8 Plus
- iPhone X
とiOS機器でついに導入された。
USB-PD対応機器について
前述の通り、USB-PDで充電するには、充電器・ケーブル・利用機器の全てが対応しておく必要がある。
だが、逆に言えばそれさえクリアすれば、充電器・ケーブルは汎用的な製品が使える。
USB-PD対応の充電グッズはまだ少ないが、それでも2015年当時と比較すれば増えたし、値段も下がった。
100円ショップで扱われる日もそのうち来るかもしれないが、大容量の電流を扱うので、発火や爆発が一番怖いわけで、正直安物はお勧めできない。
僕が12インチMacBookで使用している、USB-PD対応機器は以下の4つだ。
- RAVPower 20100mAh USB-C PDモバイルバッテリー
- Anker PowerPort+ 5 USB-C Power Delivery
- エレコムUSB-PD対応ケーブル
- Anker PowerPort ll PD
基本的にApple純正品は使っていない。
これで充電環境が整うことが魅力の1つでもあるわけだが、iPhone 8・iPhone Xで使う場合、1つだけ難点がある。
USB-C LightningケーブルはApple純正品しか存在しない
ということだ。
一般的なUSB-Cケーブルは、両端がUSB-TypeCだが、iOS機器用は片方がLightning端子になる。
まさに、Apple製品専用で、2018年7月時点としてはApple純正品しか存在しない(Appleから認定されたMFI認証付き製品すらない)。
Apple純正USB-C Lightningケーブルを買ってみた
というわけで先日入手したiPhone 8 Plusで使うべく、AppleでUSB-C Lightningケーブルを購入した。
価格は2018年7月時点で、
長さ | 価格 |
---|---|
1m | 2,200円 |
2m | 3,800円 |
という感じだ。
1mはUSB-A(iPhone本体に同梱されているケーブル)対応品と同一価格となっており、今から買うならUSB-C対応ケーブルの方がおすすめだ。
ちなみに、2mはかなり高くなっているが、これには理由がある。
以前はUSB-Aとよりも、3割程度高かったのだが、1mだけ2018年に値下げされたからだ。
2018年モデルのiPhoneは、USB-C Lightningケーブルが同梱されると噂だが、その前触れだと思っている。
価格が高いので、MFI認証無し製品を購入したくなるかもしれないが、大電流を流す故に、正規品以外は絶対におすすめしない。
粗悪品を使って、ケーブルが燃えるならまだしも、iPhoneが壊れては元も子もない。
で、このケーブルLightning端子の反対側が、USB-A(いつものUSB)からUSB-Cに変わるだけと思っていた。
当然端子は異なるが、
よく見ると、Lightning端子の大きさやケーブルの太さも違う。
全体的に大きく・太くなっていた
これは恐らく大電流を流すための対応だろう。
USB-PDでiPhone 8(iPhone Xも同様)を急速充電してみた
というわけで、早速急速充電の性能を試してみた。
iPhone 8 Plusはバッテリー残量がほぼゼロからフル充電するには、付属の5V/1A充電器だと、2~3時間かかる。
これが、公称値の場合、
30分で50%充電されるという。
補足事項としてApple公式サイトには以下の記載がある。
iPhone 8、iPhone 8 Plusの試作ハードウェアとソフトウェア、Apple USB-C電源アダプタ(29WモデルA1540、61WモデルA1718、87WモデルA1719)アクセサリを使用し、2017年8月にAppleが実施したテスト結果によります。
高速充電のテストは、バッテリーを完全に消費したiPhoneハードウェアを使って実施しました。充電時間は環境条件によって変わり、実際の結果は異なる場合があります。
Appleの検証は純正のACアダプタだったが、僕は家で常用しているAnker社のマルチポート充電機を使用した。
この時の様子が以下。
電流チェッカーで計測するとわりと変動は激しかったが、上記画像のシーンで9.22V/2.02A。
つまり18.6Wと通常のACアダプタの5Wと比較して『3倍以上』の速度で充電ていることが分かった。
そして、確かに1時間かからず80%まで充電されたのだが、その後勢いは低下。
12インチMacBookに付属しているApple 29WUSB-C電源アダプタに切り替えたが、満充電が近づくとほぼ通常の5Wの充電になった。
恐らく過充電を防ぐための対策と思われる。
しかし、80%ぐらいまでの充電速度は圧倒的で、これは便利だと思った。
ちなみに余談だが、 USB-C – LightningケーブルでUSB-PD非対応のiPhone(iPhone 7以前)も一応充電は可能だが、定格以上での充電は不可能となっている。
iPhone 8・iPhone Xの急速充電はモバイルでこそ生きる
この便利な急速充電機能。
じゃあ、常用するかと言えば僕はそのつもりが無い。理由は大きく分けて2つある。
1つは、就寝中の充電は最低でも5時間くらいあるので、急速充電は不要であること。
もう1つは、急速充電はバッテリーの寿命を縮めると思うので、常用するのはあまり好ましくないと思っているからだ。
では、いつ使うのかと言えば、モバイル(=外出中)だ。
外出中が一番バッテリー切れを起こしやすいが、モバイルバッテリーに繋ぎながら長時間使用するのは不便だ。
そんな時のために僕はサブスマホを持っているわけだが、
たった30分で50%くらいまで充電されるなら、ちょっとした移動中でもかなり回復するということだ。
これはかなり便利だと思う。
幸い僕は、USB-PD対応のモバイルバッテリーを持っている。
- USB-PD対応モバイルバッテリー
- USB-C – Lightningケーブル
の組み合わせって最強じゃないかと思う。
終わりに
12インチMacBookを使い始めてから、
USB-PDに充電環境を統一できたら楽そう
とずっと思ってきた。
iPhone 8とiPhone XのUSB-PD対応で、これが一気に現実的になって来た。
外出先でいつでも急速充電できて、バッテリ切れと無縁な生活が間近になって来たと感じる。
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2011年発売のiPhone 4S以来、iPhoneを毎年購入している管理人が、これまで書いて来たiPhone関連レビューを、iPhoneカテゴリートップページでは整理して紹介しています。
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