ワイヤレス充電器を使ったことがありますか?
日本では「おくだけ充電」という名前で、2010年頃からドコモが普及を図っていたので、名前くらいは聞いたことがある方もいるだろう。
Androidの世界では採用が進んでいたものの、普及していたとは言い難かった。
そんな状況が変わったのは、2017年9月に発表された「iPhone 8」および「iPhone X」がワイヤレス充電(Qi方式)を採用したことだ。
このことで、以下のような流れができ上がった。
- いくつかの規格が存在したが「Qi方式」がスタンダードとなった
- 対応機器が激増
かつては家電量販店の隅っこで少しだけ売っていたワイヤレス充電器も、2024年現在はかなり多くの製品が販売されるようになっている。
そう考えて、とりあえず一番安いものを買う方も多い。
この記事では、以下を紹介しようと思う。
- ワイヤレス充電器の機能について
- 選び方のポイント
- おすすめ機種
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2024年9月現在僕が今使っているワイヤレス充電器
本題に入る前に、この記事を書く僕が使っている、ワイヤレス充電器を紹介しておこうと思う。
僕は主に3つの充電器を使っている。
- リビングでは「Freedy 15W FAST Wireless Charging Pad(EA1702)」
- 寝室では「Freedy フレックス 10W ワイヤレス充電パッド(EA1201S)」
- デスクでは「Freedy「デュアルワイヤレス充電パッド EA1202WH」
これらには共通する特徴がある。
大型で、価格が6,000円程度と少し高い
Amazonなどをみれば、ワイヤレス充電器の売れ筋価格帯は2,000円〜3,000円程度だ。
それらと比較すればかなり高いのだが、これには僕なりの理由がある。
ポイントは以下の3点だろうか。
- 高速充電対応
- 大型
- 熱対策
ワイヤレス充電(Qi規格)は「近距離での無線充電技術」
2024年現在販売されているワイヤレス充電器は、基本的に全てワイヤレスパワーコンソーシアム(WPC)が策定した、「Qi(チー)」という規格を採用している。
ユーザー視点からみると、規格策定団体などを覚えておく必要は無いが、規格名の「Qi(チー)」だけは覚えておいた方がよいだろう。
ワイヤレス充電(給電)と聞くと、無線LANのように数メートル離れても、充電できるように思う方もいるだろうが、
数センチ(最大4センチ)という、近距離での無線充電技術
ということは知っておこう。
このように思う方もいるだろうが、その通り。
ワイヤレス充電は電磁共鳴技術を使った、『誘導充電』というもので、特別新しい技術ではない。
ワイヤレス充電を使うメリット
特別新しい技術でも無い、ワイヤレス充電が何故今さら増え始めたのか?
それは、スマートフォンの普及で、とにかく手軽に充電したいというニーズが高まったからだと思う。
一般的にスマホを充電する場合、以下の動作だと思う。
- ACアダプタをコンセントに繋ぐ
- ケーブルをスマホに挿す
そして、充電が終わると、ケーブルをスマホから抜くという作業がある。
これって、急いでいるとき面倒に感じることもある。
これが、ワイヤレス充電器を使うと、「充電パットにおく、とる」の一動作ですむ。
就寝中の充電よりも、日中に手軽に充電できることが最大のメリットかと思う。
もう1つの理由は、近年のスマートフォンは主に充電端子が主に3種類ある。
- Lightning(iPhone・iPad)
- micro-USB(Android)
- USB-C(Android)
スマホに繋ぐ場合、対応しているケーブルを利用する必要があるが、ワイヤレス充電を行う場合、Qi規格に対応さえしていれば、端子を意識する必要が無い。
将来スマホを機種変更しても、そのまま使える可能性が高いのは利用するメリットと言える。
ワイヤレス充電のデメリットと使用時の注意点
ただ、お手軽なワイヤレス充電だが、欠点もある。
僕が考える、ワイヤレス充電器の欠点は主に3点。
- 充電が遅い
- 位置をキッチリ合わせないと、充電してくれない
- 充電しながらスマホが操作できない
充電が遅い
実はワイヤレス充電には、いくつか規格があるのだが、大多数の製品は5W(Basic Power Profile)にしか対応していない。
近年のスマートフォンはバッテリーが大型化しているため、USB-PD・QuickChargeなど高速充電規格を採用しているが、ワイヤレス充電に関してはそれほど普及していない。
ワイヤレス充電は便利だけど遅い
と言う方が多いのは、このような事情がある。
しかし、2018年3月に策定された、最新規格の「Qi ver.1.2.4」は15W(Extended Power Profile)を採用しており、充電器とスマートフォン双方が対応すれば高速充電が可能となる。
位置をキッチリ合わせないと、充電してくれない
ワイヤレス充電は、充電パットにおくだけで簡単に充電出来るのだが、ちょっとあたっただけでずれてしまい、充電が止まってしまうことがある。
僕は以前、就寝中の充電に使おうとしたのだが、寝ている間にずれてしまい、朝起きたら充電が途中で止まっていることが多かったので、使うのをやめてしまった。
位置合わせが重要
というのは、ワイヤレス充電器を使う上での注意点となる。
この問題を解消するために、価格が高めの充電器は、充電コイルを複数搭載するなど、位置合わせ意識せず充電出来るような対策が施されている。
充電しながらスマホが操作できない
そして、ワイヤレス充電器を初めて使った方が、わりと驚くことが、
充電しながらスマホが操作できない
ということだ。
スマホ操作するために、充電器からパッと取り上げれば、充電が止まる。
考えてみれば当たり前なのだが、僕も使って初めて気がついた(笑)
なので、本当にバッテリーが切れかかっていて、早く充電したいけど、操作もしたいなんてシーンで利用するのには向いていない。
ワイヤレス充電器の選び3つのポイント
これらのデメリットを解消するために、ワイヤレス充電器選びは慎重に行うことをおすすめする。
まず一番避けた方がよいと思うのが、
コンパクトなワイヤレス充電器
これは実際僕も使ってみたが、手軽さは認めるもののとても使いにくかった。
位置合わせが厳密すぎて、手軽に充電出来るというメリットが無くなってしまった。
この経験を踏まえて、僕がワイヤレス充電器選びで注意しているのは、以下の3点だ。
- 高速充電規格に対応していること
- 大型またはスタンドタイプであること
- 構造上壊れにくいので、熱対策をしているなど値段より品質重視
高速充電規格に対応していること
1つ目は、高速充電規格に対応していることだ。
前述の通り、最新規格の「Qi ver.1.2.4」は15W(Extended Power Profile)を採用している。
2024年9月時点では、対応製品が少ないのだが、将来的に増えて行くのは間違いないので、ここは重要なポイントだ。
ただ、高速充電規格といっても非常にややこしく、
- ワイヤレスパワーコンソーシアム(WPC)に申請した出力
- メーカー独自で対応した高速充電
この2種類が存在している。
例えば、「Pixel 3」はWPCの管理上、5W(Basic Power Profile)にしか対応していない。
しかし、純正のワイヤレス充電器と言える「Pixel Stand」を利用すると、10Wの高速充電が出来る。
iPhoneシリーズも「iPhone 8」以降、ワイヤレス充電に対応しているが、WPCの管理上は、5W(Basic Power Profile)にしか対応していない。
しかし、iPhoneも対応する充電器を使えば、7.5Wの高速充電が可能となる。
このような状態なので、メーカー純正のワイヤレス充電器を使うか、より高出力に対応した充電器を買うのがよいと思う。
参考までに、充電するスマホとワイヤレス充電時の最大出力を、ざっくりまとめると以下のようになる。
製品名 | 最大出力 | 備考 |
---|---|---|
iPhone 8以降のiPhone ※iPhone XSなど |
7.5W | 7.5W充電は対応する充電器のみ |
Galaxy S8以降のGalaxy | 9W | 9Wは対応する充電器のみ |
Google Pixel 3/Pixel 3 XL | 10W | 10W充電はPixel Standのみ |
Xperia XZ2・XZ3 | 11W | Extended Power Profile対応 |
HUAWEI Mate 20 Pro | 15W | Extended Power Profile対応 |
上記以外 | 5W | Basic Power Profile |
数少ないExtended Power Profile対応のスマホである、「Xperia XZ3」で充電してみたところ、5W(Basic Power Profile)と比較すれば明らかに早く充電出来ることは確認できた
充電時間 | 5W充電 | 11W充電 |
---|---|---|
0分 | 10% | 10% |
30分 | 27%(+17) | 39%(+29) |
60分 | 46%(+19) | 65%(+26) |
90分 | 63%(+17) | 83%(+18) |
120分 | 76%(+13) | 93%(+10) |
なので、利用するスマホが対応しているなら、高速ワイヤレス充電に対応した充電器を買う方が良いし、将来的に増えるので、どうせ買い替えるなら今のうちに買っておく手もある。
大型またはスタンドタイプであること
2つ目は、大型またはスタンドタイプであること。
「お手軽に使えるワイヤレス充電器なのに大型?」と思う方もいるだろうが、よく考えて欲しい。
持ち歩くなら普通の充電器でいい。
つまり、ワイヤレス充電器は、自宅ならリビング・寝室、会社ならデスクなど置く場所は固定される。
多少大きくても、ドスンとおきやすい方が使いやすいと思う。
ただ、いわゆる「充電パット」だと、充電中に画面が見づらい。
これが、スタンドタイプだとクレイドルのようなイメージに近くなり、見栄えもよいし、なんなら動画を再生しながら充電も出来る。
ワイヤレス充電器は平置きの充電パットが多いのだが、今後はスタンドタイプが増えて行くのではないかと僕は思っている。
構造上壊れにくいので、熱対策をしているなど値段より品質重視
最後が、熱対策をしているなど値段より品質重視で選ぶということだ。
ワイヤレス充電器はケーブルの抜き差しがなく、荒々しい使い方をされることはほぼない。
つまり、壊れにくい。
ただ、ワイヤレス充電器が登場した当時問題になったが、熱がこもって充電出来ないなどの問題が発生した。
ワイヤレス充電器で実は重要なのは熱処理なので、ファンを搭載するなど、熱対策を施している製品を買う方がよいと思う。
- 高速充電対応
- 大型
- 熱対策
これらが全て揃った製品となると、2,000円程度のワイヤレス充電器はほぼ対象から外れ、5,000円前後の製品が中心になると思う。
Amazonの売れ行きなどをみると、実売2,000円程度の安価な製品が主流なのだが、僕はここまで紹介してきたような理由から、価格は多少高くても品質重視で選ぶことをおすすめする。
おすすめのワイヤレス充電器
前置きが長くなったが、ここまで解説してきた内容を踏まえて、僕がおすすめするワイヤレス充電器を紹介しようと思う。
以下の4製品だ。
- Freedy Qi規格ワイヤレス充電パッド EA1203
- Freedy フレックス 10W ワイヤレス充電パッド EA1201S
- Freedy デュアルワイヤレス充電パッド EA1202WH
- Anker PowerWave 7.5 Stand
以下、理由などを簡単に紹介する。
【高品質】Freedy Qi規格ワイヤレス充電パッド EA1203
1つ目は「Freedy Qi規格ワイヤレス充電パッド EA1203」。
これは、よくある充電パットなので、誰にでもお勧めしやすいタイプのワイヤレス充電器だ。
- 15W出力(Extended Power Profile)対応
- 傾斜がありスマホを充電しながらでも使いやすい
- 裏面に通気口があり、熱対策も万全
これらの特徴を持っている。
価格は「6,750円」と少々高いのが欠点だが、メーカー保証が2年あり、品質も高いので安心して使えるワイヤレス充電器と思う。
【スタンドタイプ】Freedy フレックス 10W ワイヤレス充電パッド EA1201S
2つ目のおすすめが、同じくFreedyブランドで販売されている「Freedy フレックス 10W ワイヤレス充電パッド」だ。
1つ目との違いは、主に以下の2点。
- スタンド型としても使える
- 横向きでも充電出来る
- 出力が10Wまで
通常の充電パットとしても使えるのだが、最大の魅力はスタンド型として使え、横向きでも充電できることだと思う。
このおかげで「動画をみながら充電」なんてことが出来るので、僕が今一番使っているワイヤレス充電器だ。
価格は「5,940円」と1つ目と同じく、少々高いのだがメーカー保証が2年あることも含め、品質は高いと感じている。
また、Freedyブランドは家電量販店でも販売されているのが特徴なので、店頭で確かめたい方は、Joshinなど大型家電量販店でチェックしてみることをおすすめする。
【2台同時充電】Freedy デュアルワイヤレス充電パッド EA1202WH
ワイヤレス充電に対応する製品が増えた結果、1つでは足りないという状況になってきた。
とどめを刺したのが、ワイヤレス充電対応ケースを搭載した「第2世代AirPods」の発売。
これにより僕の場合、常時持ち歩く3製品がワイヤレス充電対応となった。
さすがに3つ同時に充電することはないが、デスクでは複数台充電したいと思うようになったので、現在は「Freedy デュアルワイヤレス充電パッド EA1202WH」も使用している。
【3,000円以下】Anker PowerWave 7.5 Stand
ここまで紹介してきたワイヤレス充電器は、5,000円以上の製品なのだが、
という方もいるかもしれない。
そんな方におすすめしたいのは「Anker PowerWave 7.5 Stand」だろうか。
「Anker PowerWave 7.5 Stand」は、
- スタンドタイプ
- iPhoneを7.5W高速充電出来る
という最低限の機能を持ち、3,000円以下と安価なことが特徴だ。
このクラスの製品は非常に多く、選択が難しいのだが、スマホアクセサリメーカーとしてはお馴染みで、信頼と実績の「Anker社」を選んでおけば間違いない。
「Anker PowerWave 7.5 Stand」は僕自身で所有していないが、同タイプのレビューとして以下を参考にしていただけたらと思う。
終わりに
ワイヤレス充電器は、2017年あたりから一気にメジャーになった感があるが、実は歴史が長く少しずつ進化して現在に至っている。
ワイヤレス充電も高速充電対応が進んでいる
ここがポイントだと僕は思っていて、せっかく便利なワイヤレス充電器も「充電が遅すぎるから使わない」では意味が無い。
しかし、ワイヤレス充電器の現実は、高速充電対応の対応有無は関係なく「ワイヤレス充電」にまとめられていると思うので、購入時は注意して欲しい。
おすすめのワイヤレス充電器
ワイヤレス充電器は、Amazonなどで実売2,000円〜3,000円の製品が売れ筋ですが、僕は以下の観点で選んでいるため、5,000円程度と少し価格が高めとなる。
- 高速充電規格に対応していること
- 大型またはスタンドタイプであること
- 構造上壊れにくいので、熱対策をしているなど値段より品質重視
この点から、一般的な充電パットタイプとしておすすめは、「Freedy Qi規格ワイヤレス充電パッド EA1203」。
高速充電対応が「10Wまで」と少し劣るが、スタンドタイプかつ横向きでも充電出来ることから、動画視聴に向いているスタンド型が僕は一番おすすめ!
「Freedy フレックス 10W ワイヤレス充電パッド」は、充電パット・スタンド両方で使えるのが便利。
iPhoneと第2世代AirPodsを使っている方には、2台同時充電できる「Freedy デュアルワイヤレス充電パッド EA1202WH」も使いやすいと思う。
ここまで紹介した製品は「実売6,000円程度」と少し高い製品となるが、3,000円程度の安価な製品であれば、「Anker PowerWave 7.5 Stand」が最有力だ。
iPhoneの7.5W高速充電に対応しているので、iPhoneユーザーには特におすすめ。
最後にオマケ的に紹介したいのが、車載用のワイヤレス充電器。
車載ホルダーは多数販売しているが、「AUTOWIT Qi車載ワイヤレス充電ホルダー」は高速充電にも対応しており、実売3,000円程度なので使いやすいと思う。