2016年12月に発売し、控えめに言っても「ワイヤレスイヤホン」の概念を変えたと思うのが、Apple「AirPods」だ。
左右のイヤホンが独立した、「完全ワイヤレスイヤホン」というジャンルを確立し、以来同種の製品が多数発売された。
各社しのぎを削る分野だったが、数年経っても接続安定性など「AirPods」を超える製品はほとんど登場していない。
そのためか、2年以上アップデートされず2019年を迎えていたが、2019年3月20日に第2世代となるAirPodsが発売された。
僕も早速購入したので、この記事では以下を紹介しようと思う。
- 第2世代AirPodsの概要
- 第1世代と比較して何がかわったのか
- 使った感想
- バッテリー消耗時の交換費用は?
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Apple「第2世代AirPods」の概要
2019年3月20日に発売されたApple「第2世代AirPods」のスペックのうち、僕が気になる部分のみピックアップすると以下の通り。
方式 | Bluetooth |
---|---|
対応コーデック | SBC, AAC |
通信方式 | 完全ワイヤレスイヤホン(左右独立型) |
電池持続時間(連続音声再生時間) | 単独:最大5時間 ケース込み:合計約24時間 |
防水 | なし |
ノイズキャンセリング | なし |
音声アシスタント | Siri対応 |
サイズ | 16.5 × 18.0 × 40.5 mm |
ケースサイズ | 44.3 × 21.3 × 53.5 mm |
重さ | イヤホン(左右各):4 g ケース:38 g |
価格(税込) | 通常版:19,580円 ワイヤレス充電対応モデル:25,080円 |
本体サイズやカラーにも変更はなく、正直スペック面だけみると、第1世代AirPodsから進化したのは、単独のバッテリー持続時間が「4時間から5時間に延びた」くらいしか目立つものがない。
ある意味一番大きな変更は、製品ラインナップに「バリエーションが出たこと」だろうか。
第1世代AirPodsと比較した最大の違いは「ケースが」ワイヤレス充電に対応したこと
第1世代AirPodsは単一モデルだった。
しかし、第2世代AirPodsは以下の3種類で販売されており、価格は以下の通り。
モデル | 価格(税込) |
---|---|
AirPods with Wireless Charging Case | 25,080円 |
AirPods with Charging Case | 19,580円 |
Wireless Charging Case for AirPods | 9,680円 |
第2世代AirPodsは、ケースがワイヤレス充電に対応した。
このため、ワイヤレス充電対応ケースを同梱するAirPods、従来通りLightning端子のみで充電するケースの2種類が販売されている。
また、ワイヤレス充電対応ケースも別売りされた。
なんて人向けの製品と言える。
つまり、AirPods本体は第2世代となったが、AirPods本体と充電器は、世代関係なく相互に利用できる。
「第2世代AirPods」開封レポート
簡単な開封レポートを。今回僕が購入したのは「AirPods with Wireless Charging Case」だ。
化粧箱はiPhoneなどと同じく、高級感のある作りとなっている。
箱を開けると、『Designed by Apple in California』のメッセージと、それをとるとAirPods本体が登場する。
同梱品は以下。
- AirPods本体
- 充電ケース
- Lightningケーブル
- 取扱説明書(日本語対応)
使う時は、iPhoneを近くにおいてケースの蓋を開けるだけで、ペアリングが始まる。
簡単に第1世代とも比較してみる。
パッと見たら分からないが、「Wireless Charging Case」は本体前面に通電状態を表すインジケーターが搭載されている。
充電中はこのような表示になり、視覚的に分かりやすい。
その他の部分は、若干の違いはあってもパッと見て世代を見分けられる人はいないだろう。
「第2世代AirPods」を使った感想
というわけで、「第2世代AirPods」を使い始めて数ヶ月経過したのだが、正直感想らしい感想がない。
良いところは、ほとんど第1世代も共通だが、以下だろうか。
- ポケットに収まるコンパクトなケース
- Bluetoothペアリングの手軽さは感動レベル
- Siriの起動に「Hey Siri」が使える
- ワイヤレス充電は便利!どうせ買うなら「Wireless Charging Case」がおすすめ
ポケットに収まるコンパクトなケース
AirPodsは発売前と後で評価が180度変わった製品だと思う。
発売前は懐疑的な声が多く、発売後は絶賛される、僕も同じで懐疑的だったから購入する気がなかった。
結局、口コミ評価の高さに負けて購入したのだが、使うと高評価となるのが納得できた。
そして、「完全ワイヤレスイヤホン」という製品に可能性を感じたので、その後様々な製品を試したのだが「AirPodsレベル」の製品はなかなか登場しない。
AirPodsの目玉機能と言えるのは以下の2点と思っている。
- コンパクトなケースで充電する利便性
- ケースの蓋を開けると、Bluetoothペアリングができる手軽さ
後者に関しては他社もかなり頑張っているが、コンパクトなケースというのが案外実現できないようだ。
手元にある以下の4製品を比較してみる。
- 第2世代AirPods
- SONY「WF-SP700N」
- Anker「Soundcore Liberty Air」
- Sudio「TOLV」
左からAirPods、WF-SP700N、Soundcore Liberty Air、TOLVの順番だが、AirPodsのコンパクトさが際立つ。
僕のようにたくさん持っている人は珍しいだろうが、音質や機能性の面でAirPodsより優れている製品はたくさんある。
特に「ノイズキャンセリング機能」などは最たる例だが、持ち歩くのはコンパクトさに勝るAirPods一択という状態だ。
- 自宅では高機能なイヤホン
- 持ち歩き用はAirPods
このような使い分けが僕のなかでは定着している。
Bluetoothペアリングの手軽さは感動レベル
魔法のような体験
これがAirPodsのキャッチフレーズといえるが、、発売当初も今も毎回感動するのはペアリング体験の素晴らしさ。
他社のワイヤレスイヤホンは通常以下の流れで、スマホとペアリングする。
- イヤホンを「ペアリングモード」にする
- スマホのBluetooth設定から、ペアリング対象の機器を選ぶ
- ペアリング完了
最近はケースからイヤホンを外すだけで、ペアリングモードになるモデルも多くかなり楽になった。
しかし、AirPodsはもっと楽だ。
- AirPodsのふたをあける
- iPhoneにダイアログが「自動」で表示されるので、「接続」ボタンをおす
- ペアリング完了
ほぼ自動で、凄く楽なので「ワイヤレスイヤホンは設定が面倒くさい」と思っている方には、是非使ってみて欲しい。
Siriの起動に「Hey Siri」が使える
第2世代AirPodsの進化ポイントは「Apple H1ヘッドフォンチップ」を搭載したことだ。
このチップの詳しい機能はあまり明かされていないが、2年振りの新モデルということで「高速化」している。
- 使うデバイスの切り替えは最大2倍高速
- 電話の通話への接続は1.5倍高速
- Siriを声で起動できる
- ゲームでのレイテンシが最大30パーセント低減
このあたりは「Apple H1ヘッドフォンチップ」のお陰だが、正直そこまで早くなったとは感じない。
ただ、Siriの起動に「Hey Siri」が使えることだけは、明確な進化ポイントだ。
従来はAirPodsをダブルタップすることでしか起動できなかったので、ハンズフリー操作できることは大きなメリットだろう。
ワイヤレス充電は便利!どうせ買うなら「Wireless Charging Case」がおすすめ
最後が、第2世代AirPodsの目玉とも言える、ワイヤレス充電対応だ。
従来はLightning端子を経由してしか充電できなかったが、ワイヤレスイヤホン充電に対応したことで、気軽に充電できるようになった。
これは使ってみないと分からないと思うが、想像以上に便利なので是非使ってみて欲しい。
第2世代AirPodsは、従来型のケースとワイヤレス充電対応ケースの2種類が販売されている。
ちなみに、使用するワイヤレス充電器はなんでもよいのだが、「充電パット」タイプの方がAirPodsは使いやすいと思う。
「第2世代AirPods」のここがイマイチ
「第2世代AirPods」に関してイマイチと思う部分はもちろんあるが、これも第1世代と共通の問題だ。
つまり、第2世代になっても僕の不満は全く解消されていない。
- iPhoneとiPadに同時接続できない(マルチポイント非対応)
- ノイズキャンセリング機能に非対応
iPhoneとiPadに同時接続できない(マルチポイント非対応)
前述の通り、AirPodsが最高に便利と思うのが、ペアリング操作が簡単であることだ。
1度でも接続すると、再度接続設定が不要なのはもちろん、iCloudを経由してiPadやMacにも接続情報が同期される。
なので、機器が変わってもペアリング操作は不要なのだが、AirPodsは1つの機器としか接続できない。
このため、接続するデバイスを切り換える場合、Bluetooth設定から「接続」する必要があるのだが、これが不便だ……。
iPhoneユーザーであれば、iPadかMacを持っていることが多い。
すべてとは言わないが、せめてiPhoneに加えてもう1台同時接続してくれたら、便利なのになぁと思う。
ノイズキャンセリング機能に非対応
AirPodsは一般的なイヤホンの形状をしている。つまり、「ノイズキャンセリング機能」には非対応。
「ノイズキャンセリング機能」は第1世代のころから欲しいと言われている機能で、僕自身もないよりはあった方がよいと思う。
僕はどちらかと言えば、外音が全く聞こえないのは「怖い」と思うタイプなので、ノイズキャンセリング機能はそこまで重視していない。
しかし、外出先で仕事をするときなど「集中」したいときに、ノイズキャンセリング機能があると便利なことも、対応機器を使ってわかったので、次期モデルでの対応を期待したい所だ。
その後、ノイズキャンセリング機能に対応した「AirPods Pro」が発売された。
- ノイズキャンセリング機能非対応だが安価な「AirPods」
- ノイズキャンセリング機能対応で高機能な「AirPods Pro」
このような棲み分けになるようだ。
AirPodsは「使い捨て」。バッテリー消耗時の交換費用は?
最後に大事な話だが、AirPodsを2年以上使って分かったことがある。
第1世代を2年以上使ってきたが、2年も経つと明らかにバッテリーが持たなくなる。バッテリーが「消耗」するのは、避けようがない。
この時、選択できるのは「買い替える」か「バッテリー交換」なのだが、AirPodsはバッテリー交換費用が高いのが欠点。
第2世代になって、価格が変わったかと思ったが、地味に440円(税込)安くなっていた。
安くなったのは嬉しいが、iPhoneと比較するとまだまだ割高感があるし、正直買い替えた方が安いと思う。
参考までにバッテリー交換費用を記載すると以下の通りだ。
▼AppleCare+未加入時モデル | バッテリーサービス | 保証対象外修理 | 紛失 |
---|---|---|---|
AirPods Pro | 5,940円(片方) | 10,780円(片方) | |
Wireless Charging Case AirPods Pro |
5,940円 | 10,780円 | 11,880円 |
AirPods | 5,940円(片方) | 8,580円(片方) | |
Charging Case | 5,940円 | 7,480円 | |
Wireless Charging Case | 5,940円 | 8,580円 | 9,680円 |
通常バッテリー交換するなら、AirPodsを両方(2つ)とケースになるだろう。
▼AirPodsの場合部品名 | パーツ毎交換価格 | 買い替え(with Charging Case) | 買い替え(with Wireless Charging Case) |
---|---|---|---|
AirPods 左 | 5,940円 | 18,580円 | 22,800円 |
AirPods 右 | 5,940円 | ||
充電ケース Wireless Charging Case |
5,940円 | ||
合計 | 16,200円 | 18,580円 | 22,800円 |
部品名 | パーツ毎交換価格 | 買い替え |
---|---|---|
AirPods Pro 左 | 5,940円 | 28,580円 |
AirPods Pro 右 | 5,940円 | |
充電ケース | 5,940円 | |
合計 | 16,200円 | 28,580円 |
「ワイヤレス充電」非対応のCharging Caseなら、交換するよりサクッと買い替えた方がよいと思う。
逆に「Wireless Charging Case」なら、バッテリー交換を利用するメリットはあるだろう。
2019年10月以降の購入なら「AppleCare+ for Headphones」に加入で、2年間バッテリー交換が無料に
AirPodsは実質「使い捨て」だから、バッテリー交換より買い替えが無難
これが2019年9月までの状況だった。
しかし、2019年10月に上位版という位置付けで「AirPods Pro」が発売され、同時に「AppleCare+ for Headphones」が開始した。
「AppleCare+」というサービスでみた場合、iPhone・iPad・Macと基本的には同じなのだが、特筆すべきは価格の安さ。
2年間「3,740円(税込)」というのはかなり安いと思う。
iPhone向けは年々値上げされ、2024年9月現在は1万円以上する。「AppleCare+ for Headphones」もそのうち値上げされるかもしれないが、2024年9月現在はかなり安いと言えるだろう。
ちなみに、「Headphones」と名付けられているとおり、同時発売された「AirPods Pro」専用ではなくAppleのヘッドフォン全般が対象だ。
- すべてのAirPods
- Beatsイヤフォン
- Beatsヘッドフォン
が対象となっており、2019年10月以降に購入した場合は加入可能。
それより前に購入した場合は加入できないのだが、「購入日から30日以内」に間に合うようなら今からでも加入することをおすすめする。
- 新しいヘッドフォンと同時に購入する。
- ヘッドフォンの購入日から30日以内に直営店のApple StoreかAppleに電話して購入する
「AppleCare+」におけるバッテリー交換条件は、
バッテリーが保持する容量が本来の容量の80パーセント未満になった場合
と規定されている。
iPhoneの場合利用シーンにもよるが、2年でこの条件に合致するケースは案外少ない。
しかし、AirPodsの場合は1年程度でもこの条件に合致する気がする。
僕は音楽をよく聞くタイプではないし、AirPodsを毎日使ったわけでも、長時間使ったわけでもない。
それでも2年経たないうちに、バッテリーは消耗した。
バッテリー消耗にともなうバッテリー交換は、2年間で回数無制限の無償対応だ。少なくとも2年使ううちに1度は使うと考えたら、サービス料の元は簡単にとれるだろう。
- 「AppleCare+ for Headphones」に加入する
- 購入時の製品を2年間使う
- AppleCare+の契約満了直前に、バッテリー交換する
- そこからあと2年くらい使える
そう考えたら、AirPodsはコスパの高い製品になったと思う。
そういう意味では高いけど「AirPods Pro」の価値は、4年使える高機能イヤホンという意味でさらに高まった気がするなぁ
終わりに
2016年に発売した、第1世代AirPodsは本当に衝撃的だった。
イヤホンにケーブルが「全くない」
たったこれだけで、これほど便利になるとは思わなかった。
第2世代AirPodsはスペック面でみると大した進化を感じないのは事実だが、それは第1世代の完成度が高すぎたから。
「ワイヤレス充電」対応は地味だが、AirPodsとの相性はよいし、長い目でみれば「Wireless Charging Case」の方が便利だろう。
第2世代で悪くなったことはないし(敢えていえば価格が少し高くなった)、iPhone・iPad・MacなどApple製品を使っている人なら持っておいて損はない。
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