近年のスマホカメラは、複数のカメラ(デュアルカメラ・トリプルカメラ)を搭載し、AIで被写体を自動判定して、補正を入れる(自動レタッチ)する機能が主流となった。
高画質化へのアプローチは常に進化し続けているが、スマホカメラの高画質化の「元祖」と言えるのが、「ポートレートモード」だろう。
人物やモノ(食事など)を撮影した時、一眼レフの写真のように「背景がボケた」いい感じの写真が撮れる機能で、初めて搭載した2016年発売の「iPhone 7 Plus」は、スマホファンの度肝を抜いた。
以来しばらくの間は、「高性能なスマホカメラの象徴」とも言えたが、2024年現在は5万円以下のミドルクラススマホでも搭載されており、「当たり前の機能」になった。
さらに言えば、撮影のコツがあり、被写体を選ぶなど、難しいところもあり以前ほど使われなくなったような印象もある。
この記事では、iPhoneのポートレートモードについて以下を紹介しようと思う。
- iPhoneのポートレートモードの対応状況
- iPhone XR利用時の注意点
- 最新モデルiPhone 11シリーズでの進化
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iPhoneポートレートモードの特徴
iPhoneのポートレートモードは、2016年9月に発売した「iPhone 7 Plus」で初搭載された。
「ポートレート」、つまり人物を「いい感じに撮る」ことが最大の目的となる機能だ。
- 背景がボカされて
- 人物が浮き上がったように強調される
簡単に言えば、これがポートレートにおけるよい写真で、カメラの世界では、F値(レンズの明るさ。低いほど光を取り込む量が多いので明るく撮れる)が低いレンズで撮影することで、実現することの多い写真。
F値の低いレンズは高いので、一般人には手が出なかったが、iPhoneのポートレートモードはその利用ハードルを大幅に下げた。
結果、他社スマホにも普及したのだが、基本的なアプローチは初登場時から変わっていない。
複数のカメラで撮影した写真を、「合成」してできあがる
このため、ユーザーはカメラアプリで「ポートレートモード」を選択し、写真を撮るだけで使えるが、iOS(ソフトウェア)は以下のような流れで処理する。
- それぞれのカメラで写真撮影
- 2枚の写真を合成する
- 撮影結果の写真を画面に表示する
高性能なCPUを搭載しているスマホならではのアプローチと言え、専用機としてのカメラではなかなかできないことだろう。
合成写真なので、iPhoneのカメラアプリ上から「ポートレートモードを無効化」や「ボケ具合(被写界深度)の変更」なんて操作も可能。
すごい機能なのだが、合成写真である以上、一眼レフなど本物のカメラで撮影した写真にはどうしても劣る面はある。
また、「背景ボカし」はメインの被写体との境界線が明確でないといい感じにならないため、被写体と背景の色が似ているとうまくボケないなど、向き不向きもある。
ポートレートモードに対応するiPhone
2024年11月現在販売されているiPhoneのうち、ポートレートモードへの対応状況をまとめると以下のようになる。
モデル名 | 発売年月 | ポートレートモード対応 | 備考 |
---|---|---|---|
iPhone 6s | 2015年9月 | × | |
iPhone 7 | 2016年9月 | × | |
iPhone 7 Plus | ○ | ||
iPhone 8 | 2017年9月 | × | |
iPhone 8 Plus | ○ | ||
iPhone X | 2017年11月 | ○ | |
iPhone XS | 2018年9月 | ○ | |
iPhone XR | 2018年10月 | △ | 被写体が人物のみ対応 |
iPhone 11 | 2019年9月 | ○ | |
iPhone 11 Pro | |||
iPhone SE(第2世代) | 2020年4月 |
2017年発売の「iPhone X」以降は、基本的に全モデル対応している。
ただ1つ注意点があり、それは「iPhone XRは人物のポートレートモードのみ対応」という点。
つまり、食事など「モノ」を撮影する時、ポートレートモードは使えない。
これは、iPhone XRがシングルカメラであることが原因といわれている。
2枚の画像を重ねるのではなく、ソフトウェアで背景をぼかすため、被写体を限定することで実現しているようだ。
ちなみに、同じシングルカメラでもGoogle「Pixel 3」は、被写体を選ばずポートレートモードを実現している。
- 全てソフトウェア(AI)で処理するPixel
- カメラ毎に撮影した写真+ソフトウェアで処理するiPhone
というアプローチの違いはあるが、使いやすさでいうと実はPixelの方が上だと思う。
iPhone XRは人物しかポートレートモード撮影できない
実際、iPhone XRで食事を被写体にしてポートレートモード撮影しようとすると、画面上に「誰も検知できませんでした。」という表示が出る。
後継モデルにあたる、「iPhone 11」はこのような制限がないので、大きな強みだと思う。
ただ、実際「モノ」を対象にポートレートモード撮影できるのがメリットかと言えば、そうでもない。
iPhone 11シリーズは全モデル被写体を限定しないポートレートモードに対応
iPhone 11およびiPhone 11 Proは、被写体を限定しないポートレートモードに対応している。
なので、ポートレートモードを重視するなら、iPhone 11シリーズを選んだ方がよいと思う。
ただ、iPhone 11とiPhone 11 Proのポートレートモードは少しアプローチが異なる。
それは「望遠カメラの有無」に起因する。
モデル名 | 広角カメラ | 望遠カメラ | 超広角カメラ |
---|---|---|---|
iPhone XSまで | ○ | ○ | × |
iPhone XR | ○ | × | × |
iPhone 11 | ○ | × | ○ |
iPhone 11 Pro | ○ | ○ | ○ |
iPhone XSとiPhone 11は「デュアルカメラ」という意味では同じだが、搭載するカメラの種類が異なる。
iPhone 11シリーズは、共通仕様として「超広角カメラ」を搭載しており、「望遠カメラ」は搭載していない。
iPhone XSまでのポートレートモードは、望遠カメラ(光学2倍)で動作するモノだったが、iPhone 11およびiPhone XRは「広角カメラのみ」で動作する。
このため、ポートレートモードに切り替えた瞬間の挙動が若干異なる。
これが、iPhone 11 Pro。
「望遠カメラ」で起動する。
「広角カメラ」への切替も可能。
iPhone 11は「広角カメラ」で起動する。
iPhone 11は広角カメラで動作するため画角が広いが、人物をアップで撮影する場合、かなり寄らないといい感じの写真にならない。
「iPhone 11 Pro」および「iPhone XS」では、広角カメラと望遠カメラを切り替えて利用できることは、大きなメリットだと思う。
ポートレートモードで撮影した写真
- iPhone XRは人物のみ対応
- それ以外のポートレートモード対応モデルは、被写体を選ばない
このように言うと欠点のように感じるだろう。
しかし、実際はそんなに困らない。
これが、iPhone 11 Proのポートレートモードで撮影した「から揚げ定食」。
背景がいい感じにボケているとは思うが、「もうちょっと寄りたい」と思わないだろうか?
こんな感じに。
ポートレートモードは「寄れない」
というのは案外大きな欠点で、被写体との距離が50cmから2m程度がベストと思う。
そう考えると、やはり「人物」を撮るのに一番適した距離感だ。
これはライブで撮影したものだが、とてもいい感じ(最前列だったので、大体1〜2m程度の距離感)。
「ブツ撮り」でポートレートモードはそれほど活躍しない、というのは知っておいて欲しい。
終わりに
近年のスマホカメラの進化は目を見張るモノがある。
「シングル→デュアル→トリプル」と数が増えていることが注目されがちだが、本当にすごいのは、ソフトウェア(AI)の進化だ。
スマホカメラが一眼レフにどうしても勝てないのは、本体サイズがコンパクトなので、大型センサーを搭載できないこと。
スマホに限らず、コンパクトカメラにとって「超えられない壁」だったのだが、スマホカメラは高性能なCPU(プロセッサ)を搭載していることから、ソフトウェアでいい感じに処理できてしまう。
この分野はまだまだ進化するし、何より同一メーカーであれば、流用が簡単というメリットもある。
「ポートレートモード」は、その進化を図る上で重要な機能なので、是非一度使って見て欲しい。
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