2018年に発売したスマホで、驚いた機種が3つある。
HUAWEI P20 Proは、トリプルカメラとAIを搭載し、スマホカメラの画質をさらに高めたこと。
iPhone XRはスマホカメラ高画質化のトレンドを作った、「ポートレートモード」をシングルカメラで実現したこと(被写体が人物限定)。
そして、Pixel 3はiPhone XRと同じくシングルカメラでポートレートを実現出来るが、AIの力であらゆるシーンで「ポートレートモード」を実現したこと。
全て、カメラの話なのだが、AIがカメラにも活かされるようになったのが、大きなトピックだと思う。
もちろん、レンズが多い方がより高画質だろうが、部品が増えれば価格も高くなる。
この3機種で似ているのは、シングルカメラのiPhone XRとPixel 3なのだが、iPhone信者からみてもPixel 3の性能は「ヤバい」と思った。
この記事では、
- スマホカメラのトレンド
- iPhone XS・XRとPixel 3の撮り比べ
- iPhoneのポートレートモードの欠点
などを紹介しようと思う。
ミドルレンジのスマホは、今後シングルカメラとAIがトレンドになる
と僕は感じている。
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スマホカメラのトレンドはレンズを増やすこと
2016年9月に発売された「iPhone 7 Plus」は、カメラを2つ搭載した「デュアルカメラ」が目玉機能だった。
これまでも、デュアルカメラのスマホ自体は存在したが、多くのスマホは、
- 標準レンズ
- 広角レンズ
という2種類を搭載し、画角を切り替えながら使っていた。
ドコモが販売していた「V20 PRO L-01J」は、まさにそんなモデルだったと思う。
ところが、iPhone 7 Plusは広角レンズと望遠レンズを搭載し、ソフトウエア制御で合成しながら、一眼レフで撮影したような「背景ボケ」写真が撮影できる、「ポートレートモード」で訴求した。
「ポートレートモード」の衝撃は大きく、僕は「わーすた」というライブ中にスマホ撮影出来るアイドルファンなので、僕はもちろん多くのファンが飛びついた。
最前列じゃないと厳しいなど、位置取りが全てな面はあるが、あとはスマホ一発でこんな写真が撮れてしまう衝撃……。
以来、Xperia・Galaxyなどハイエンドスマホではデュアルカメラが増えたし、極めつけは「HUAWEI P20 Pro」のトリプルカメラだったと思う。
ただ、2018年あたりから少々行きすぎている印象も強くなっていた。
カメラが増えれば、価格が上がり、大きくなる。
そんななか、同じ時期に登場したのが、シングルカメラだがソフトウェア(AI)の力で高画質化する技術を採用した、「iPhone XR」と「Pixel 3」だ。
シングルカメラでもソフトウェア(AI)で高画質化するスマホ
スマホカメラの高画質化で訴求する部分は、ここ数年大体決まっていた。
- 人物、食べ物撮影時の「ポートレートモード(背景ぼかし)」
- 夜景撮影
高画質化をアピールしやすい面もあるだろうが、スマホカメラとして一番良く使われるシーンなのだと思う。
そして、「iPhone XR」と「Pixel 3」もこの部分をアピールしているのだが、実は対応範囲が機種によって全く異なる。
iPhone XRの上位モデルとなる、iPhone XSも含めて比較すると以下のようになる。
機種名 | カメラ数 | シーン | ||
---|---|---|---|---|
人物ポートレート | 人以外のポートレート | 夜景モード | ||
iPhone XR | 1 | ○ | × | × |
iPhone XS | 2 | ○ | ○ | × |
Pixel 3 | 1 | ○ | ○ | ○ |
これがスペック表だけをみて感じた、僕の正直な感想。
このブログ「アナザーディメンション」はApple系ブログで、僕自身が「iPhone」のファンだ。
毎年買い換えるような「信者」と言えるし、「Apple Pay」のキャッシュレス決済、デュアルカメラによるカメラの高画質化など、スマホのトレンドを作るのはiPhoneと信じて疑わないタイプだ。
しかし、
シングルカメラとAIによる高画質化はGoogleに負けた
正直ちょっと複雑な気分だったのだが、実際に触ってみると認めざるを得なかった。
- 公式ショップだから安心して購入できる
- 機種変更は「モバイル回線からの注文のみ可能
Pixel 3のポートレートモードは「寄れる」ので料理などブツ撮りに最適
特に料理の撮影をするときに、どのように撮影するか?
「寄って」撮影することが多いと思う。
全景を捉えるより、寄った写真の方が「おいしく見える」からと思うが、そのように撮影する人は多い(グルメブロガーさんは、「シズル感」を出すために寄ると言っていた)。
一眼レフで料理を撮る場合、
- マクロレンズ
- 寄れる単焦点レンズ
を使うことが多いのだが、これは「背景がボケやすい」からだろう。
では、Pixel 3で撮影するとどうなるのか。
ここまで寄ることができる。
これが撮影した写真。
iPhone XSのポートレートモードは寄れない
では、iPhone XSで撮影するとどうなるのか。
もちろんポートレートモードで撮影出来るのだが、全く寄れない。
Pixel 3と同じような画角で撮影しようとすると、「離れてください」と表示される。
なので、離れるのだが、
これぐらい離れる必要がある。
以前も検証したが、50cm〜100cmくらいは距離を取る必要がある。
Pixel 3ではこれくらい、寄れるのに……。
結果、撮影した写真はこんな感じになる。
背景はキレイにボケているが、いかんせん遠い。ここからトリミングすれば、Pixel 3と同じような写真にはなるが、Pixel 3は無加工、iPhoneはいちいちトリミングでは話にならない。
iPhone XRのポートレートモードは人物のみで「ブツ撮りには使えない」
では、iPhone XRのポートレートモードはどうなるかと言えば、
人物撮影のみが対象なので、ブツ撮りには使えない
ハンバーグを被写体に、ポートレートモードを起動すると「誰も検知されませんでした」と表示される。
iPhone XS・XRと比較したPixel 3カメラの強みは「ブツ撮り」
Pixel 3のポートレートモードは、AIにより背景を「縁取りして」ボカしている。
iPhone XSのポートレートモードは、2枚の写真を合成してボカしている。
この違いが分かりやすく出るのは、人物を撮影した時だと思う。
ではなく(笑)
iPhoneのポートレートモードで、キレイに背景がボケているこの写真。
- 1枚目の写真は「ポートレートモードを無効化」
- 2枚目の写真は「ポートレートモード」
1枚の写真のように見えて、実は2つのカメラでそれぞれ撮影しており、微妙に違うことが分かる。
続いて、Pixel 3で人物をポートレートモードで撮影すると、背景と人の境界線が分かりやすくでてくる。
1枚の写真をソフトウエアで解析しているため、写真編集ソフトでレタッチしたような雰囲気になる。
基本的な処理の考え方は、iPhoneと同じでPixel 3のポートレートで撮った場合は、ボケあり・なしが両方保存される。
そして、被写界深度と前ボケ調整はGoogleフォトの機能として実現されているというイメージのようだ。
どちらが良い悪いの話ではなく、似たような結果でも、アプローチが随分違うことは分かるだろうか。
撮影シーン・場所・被写体にもよるのだが、全体的に言えるのは、
- Pixel 3のポートレートモードは「ブツ撮り」に強い
- iPhoneのポートレートモードは「人物撮影」に強い
という印象を僕は持った。
ポートレートの本来の意味は、背景ぼかしではなく「人が映っているもの」
ポートレートとは元々「人が映っているもの」という意味だ。
なので、背景をボカす撮影モードが「ポートレートモード」、という認識は実は誤っている。
iPhone XRは人物のポートレートモードしか対応しない
というアプローチは、元々の意味から言えば「正しい」。
実際、スマホカメラの用途として一番多いのは、家族・友人などの写真を撮ることだ。
僕のようなブロガーは「ブツ撮り」が多いのだが、一般的にはそうでもないと思う。
この辺りは、スマホカメラに対するAppleとGoogleの考え方の違いも表れているように感じた。
スペックだけで語れない、シングルカメラの可能性を切り開いたPixel 3
- 人物もモノも撮れる
- 寄れる
iPhoneが一般的にした、スマホ写真をもう一歩高める技術「デュアルカメラ」と、その後のカメラ数競争に、Pixel 3のカメラは一石投じたと思う。
ソフトウェアの進化で機能が増える、改善する
Pixel 3のカメラを、スペックで論じれば大したことはないのだが、ソフトウェアを含めた「総合力」ではかなりよい写真が撮れる。
「星までうつす」夜景モードは、僕もさすがに驚いた。
ハードとソフトウェアの総合力で勝負するデバイス。これってまさに、「スマートフォン」だ。
iPhoneのポートレートモードは、距離と位置合わせが難しい。
ポートレートモードで撮影したつもりが、うまく撮れていなかったことはよくあるのだが、Pixel 3ではそれがない。
- 誰でも簡単に使える
- サクッと使える
- モードを意識しなくてもよい
終わりに
- プロセッサの「速さ」
- 通信速度
- ディスプレイの大きさや解像度
- カメラの画素数
これらが差別化ポイントになる時代は、スマホの世界でもすでに終わったと思う。
2019年1月時点の販売に目を向ければ、
- 一番売れているのは「1世代前のiPhone 8」
- Androidも「夏モデルなど1世代前のXperia・Galaxy」
という感じで、1年で劇的な進化がなくなったので、型落ちになった「コスパの高い旧モデル」を選ぶ傾向が強まっている。
そんな中、Google Pixel 3のカメラは久々にワクワクする完成度だった。
日本でようやく販売された、Googleリファレンスモデルとなる「Pixel」は、Androidの未来とGoogleのものづくりに対する考えを知る上で、是非使ってみて欲しいスマートフォンだ。
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Google Pixel 3/Pixel 3aを購入する
Pixel 3シリーズはGoogleおよび、docomo・SoftBankから販売されています。
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