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mobidec2011レポート

遅くなったが先週東京出張した主目的であるmobidec2011のレポートを軽くまとめた。終日聞いていたんだが、正直微妙な内容もあったので個人的に興味深かったセッションのみ取り上げようと思う。
一応有料イベントということもあるので、ここで内容を細かく書くのは控えておくが1日中主にスマートフォン(iPhone・Android)をテーマにしたセッションの連続で、お腹一杯と言うか最後の方はもうぐったりであった。

この記事の掲載内容は、2021年6月16日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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1.神尾 寿氏・阿佐美 弘恭氏・新居 眞吾氏:スマートフォン市場の今後と通信キャリアのビジネス戦略

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ITジャーナリストと大手キャリア幹部によるキャリアとしてのビジネス戦略に関するセッション。一番楽しみにしていたのだが、大手ゆえかあまり話せないこともありそうな感じで一般に知られているような話しか聞けなかったのは残念だった。
総合して言えるのは、これまでキャリア主導で垂直統合だったモバイルコンテンツビジネスはスマートフォン時代になって、誰でもCPとなることができるようになった。その時代であっても、今までのようにキャリアとCPがWin-Winの関係を築けるように取り組んでいくという話であったように思う。

2.田中 良和氏:ソーシャルビジネスのモバイル戦略

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GREEといえばソーシャルゲームの会社。そう思っている人は多いだろうし、僕も事実そうだった。どこかの講演で「売れるゲームはパクリまくれ」みないな発言をしていたという話も聞いたことがあり、正直あまり良いイメージは持っていなかった。
しかし、この日の講演で語られたのはGREEが本当に目指しているもの、大きなビジョンだったように思う。10億人が使えるサービスを日本発で作り、GREEがその実例となりたい。ゲームに限らず、今後は新たな分野に進出しインターネットを通じて世の中を変えていきたい。ゲームはあくまでも現時点での手段であって、本当に見据えているものは違うという事がひしひしと伝わった。

3.辻 正隆氏:進化する『mixi』の近況と今後の方向性について

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国内最大手のSNS企業であるmixiに関する講演。
mixiと言えば、当初は招待制、友達のみに日記を公開するなど、どちらかと言えばクローズドなSNSだったと思う。ところが最近はmixiページを始めたり、mixi外での動きが活発化している。ただ、FacebookやGREEなどの後追いの感は否めず、「国内最大手のSNS」ということのみが売りになってきていて、若干パッとしない印象を受けた。

4.小林 賢治氏:スマートフォン時代に向けたmobageの戦略

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GREEと比較される事の多いDeNAの講演。
なのだが、この講演で感じたのはGREEとMobageの考えてるソーシャルビジネスのビジョンの違いだった。GREEはどちらかと言えばゲームは現時点での手段で、将来的には別のことを考えているという感じだったが、DeNAはゲームで行きますという感じだった。そして、そのためのツールや仕組みを用意しますというスタンスだ。
スマートフォンでビジネスを考えるとグローバル化が必須というのは両社共通の見解で、実際よほど良いものでなければこういった大手企業と組まないと難しいのは事実だと思う。だが、どちらと組むかはサードパーティー毎にSNSで何をしたいのかによってよく考える必要があるなと感じた。

5.斉藤 徹氏:ソーシャルシフト 〜 企業と生活者の新しいコミュニケーションのカタチ

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個人的に一番興味深かったセッション。
休止期間も多くあるがWEBで文章を書き始めて通期で行くと今年で10年になる。この間、サイトに多くのアクセスを呼び込んだのはYahooなどの大手サイトからのリンク、検索上位によるアクセスと変わったが、ここ1年くらい強く感じるのはSNSによるアクセスだ。Twitterの拡散、Facebookのいいね、はてなブックマークなど、これらはこの講演で語られた「知人の推薦マーク付き情報」に該当するものだと思うが爆発力は圧倒的にこっちが上になった。

その中でのキーワードは「共感」である。そしてこの共感は時に一市民が大企業に勝つくらいの力を持つようになる。その実例などを交えてソーシャルシフトというキーワードで講演が行われた。これからは企業もこれに向き合う必要がある。そして、これはコントロールできるものもなければ、そうすべきでもなく、自社のサービス・製品・顧客に真摯に向き合うことで結果がついてくるものなのではないかと感じた。今お手伝いをしている羽毛布団の通販サイトはまさにこの手法で行くべきかもしれない。
一概にSNSの力で本当にいいサービス・製品が選ばれるようになるとは思わないが、そういう情報に敏感な人はこれから確実に増えていくし、大規模な広告を打ったり・大手と提携できないような企業はSNSの活用を考えるべきなのかもしれない。

6.佐藤 進氏・水野 和寛氏・矢吹 通康氏・石森 博光氏:アンドロイドアプリベンダーが必ず直面する「3つの壁」とトップランナー達が見据える次のステージ

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Androidアプリの大きな課題は有料アプリしか売れないことであるというのは、この日行われた他の講演でも語られていた。そういう意味でアクティベーションされる端末の台数は今もこれからもiPhoneよりAndroidの方が圧倒的に多いだろうが、マーケットとしてはiOS端末の方が大きい。
また、Androidアプリの作成に当たっては以下の壁がある。

・開発
・露出
・サポート

乱立する端末とそのサポートによる負荷が大きくなり、マーケットが大きいが故に露出が難しくなるというものだ。その壁を打破するためのアプローチとしてこれらが取り上げられた。

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SNSの活用とかは予想通りだったが、個人的に興味深かったのはアイコンのデザインとアプリ名には気を遣った方がいいというものだ。確かに、アプリ作成者はプログラマーが多く作るのは好きだが、こういう部分は案外おざなりになる。アプリの世界でもやはりデザインって重要なんだなと思った。

長くなったが、この辺で終了。
久しぶりに会社の金を使って出張しいろんな講演を聞いたが、すぐには実践できないかもしれないが色々と勉強になったし刺激を受けた。