ドコモ光のセット割が分かりにくい理由と、スマートバリューとの違いを考察

昨年、NTTがフレッツ光のサービス卸し(光コラボレーションモデル)を発表し、ついにdocomoが固定と携帯のセット割を開始すると話題になった。

そして、昨日遂にその全貌が明らかになったわけだが、昨年時点で「パケット定額に応じて割引額が変わる」と発表されていて、微妙なものになる予感はしていたものの、その予感は的中。何が魅力なのかさっぱり分からない、サービスとなっていた。

今回発表された「ドコモ光」について思う所を、何回かにわけて紹介しようと思う。第一弾は、サービス概要と何が良くないのかという部分。

「ドコモ光」の概要

詳しくはドコモの公式サイトおよび、発表会の内容を紹介した記事を参照いただきたい。

気になるポイントとしては、

  • 「ドコモ光」のサービスは、携帯回線と紐付ける形で提供される(=ドコモユーザー以外契約できないし、解約すると光サービスも解約となる)
  • 割引は紐付ける携帯回線のパケット定額プランに依存する
  • 割引額はパケット定額プランによって異なる(800円~3,200円)
  • フレッツ光からは「転用」という形で、移行が可能

といったあたりだろうか。
ネットでの反応や、モバイル系ジャーナリストの発言・記事を見る限り、評価は非常に低い。その根底にあるのは、とにかく 分かりにくい という事だ。

固定と携帯のセット割「ドコモ光」のサービスとして分かりにくい部分

何が分かりにくいかと言えば、契約方法と割引額に集約されると思う。

携帯のパケット定額プランと完全に紐付いている

「ドコモ光」を契約するとパケット定額プランは、ドコモ光の料金を含んだ専用の料金プランとなる(光シェアパックなど)。つまり、携帯の契約と完全に紐付く 事となる。

このデメリットはすごく大きい。
まず、docomo回線を解約するとドコモ光も解約となる。携帯と固定は「通信」という部分は一緒でも、利用用途や範囲は大きく違うのにこれをセットにされたら、基本的に解約ができなくなる。「ドコモ光」はdなんたら系と同じ、1つのサービスに過ぎないという位置付けなのだ。

これこそがdocomoの狙いだとは思うが、あまりにえげつないと言わざるを得ない。固定は1度契約したら、そんな頻繁に変更するものじゃないにしても、サービス提供側がそれを2重3重に縛るのはあまりに酷い。

携帯と固定の契約更新が同時に訪れるように契約日を調整しなければ、解約時はどちらかの契約または両方で必ず違約金が発生するような状態になるからだ。

誰がどれだけ割引を受けられるのかが分かりづらい

前述の通り、ドコモ光を契約すると専用プランに移行する。
パケットパックの契約容量が大きいほど、割引額も大きくなると言う仕組みだが、割引額が可視化されない。さらに、誰が割引を受けられるのかもハッキリしない。

ちなみに答えは、ドコモ光と紐付けられている携帯回線の契約者。
その配下にいる回線(家族など)については、ほぼ関係ないと言っていい。これも、docomoの戦略が色濃く出ていると感じる。

昨年発表されたカケホーダイ&パケあえる新料金プランは、パケットパックが個人向け(データ●パック)と家族向け(シェアパック●)に分かれている。ただ、重きを置いているのは明らかに「家族」。しかも、夫婦+子供2人くらいが携帯を使う家族だ。

この為、docomoとしてはより高額なシェアパックを契約して欲しかったのだろうが、実際は一番安価なデータSパックを契約するユーザーが多いと言う。ちなみに、僕もdocomoユーザーだがデータSパックを契約している(今年後半にはシェアパックを導入予定だが)。

それによって収益が大幅に悪化したという経緯があるためか、家族向けプランを契約しなければ、ドコモ光の割引の恩恵はほとんど受けられない形となっている。

auスマートバリューとの違い

固定と携帯のセット割と言えば、「auスマートバリュー」が有名だ。
ご存じの方も多いと思うが、これはKDDIが指定する固定回線(auひかりなど)を契約していれば、携帯回線のパケット定額料が1回線毎に1,410円割引かれる(最初の2年間のみ。以降は934円)というもの。

携帯と固定が紐付いてはいるが、契約までは紐付かないため、どちらかを解約したとしても「auスマートバリュー」の権利を失うだけだ。また、割引も1回線毎に一律割引されるため、誰が何円得するのかが非常に分かり易い。

これは、docomoとauの携帯回線の契約に対する考え方の違いの影響も大きいと思う。
docomoは前述の通り圧倒的に「家族」、auは「個人」だ。もちろんauだって「家族」は重視しているが、イメージは個人の集合体としての家族なんですよね。docomoは「家族」という固まりで扱おうとしている。

終わりに

ドコモ光が始まるにあたり、一番強く抵抗したのはKDDIだった。
「auスマートバリュー」はそれくらい訴求力のあるサービスだったので、真似されてはたまらないという思いがあったのだと思う。が、KDDIとしては拍子抜けだったんじゃなかろうか。

光コラボレーションモデル自体が骨抜きにされたなど政治的な要因もあるかもしれない。また、この価格を見みると、そもそも光コラボレーションモデルを採用したサービスでは調達価格が一定かつ高く、案外価格の自由度はかなり低いのだろうなぁというのも感じる。実際、総務省が公開している資料をいくつか見てみたが、バルク料金など大口顧客向け(ドコモが想定されていると思われる)卸価格はかなり議論になったようだ(基本的に1回線毎で販売するイメージになる模様)。

この為、電力系の光サービスとの競争が激しいNTT西日本管内では、フレッツの方がむしろ安くなるようなケースもありそうだ。また、「割引」の部分が強調されすぎたし、メディアもユーザーもそれを期待しすぎた面もある。

そういった事情はあると思うが、MNP転出を減らしたい、パケット収益を改善したいという、docomoのエゴが強く出過ぎている事が「ドコモ光」を厳しい評価に繋げていると思う。

サービス内容をある程度理解できれば、素人でも同じ印象を持つだろう。僕は昨年からdocomo回帰を進めているので、「ドコモ光」が始まったら導入しようかなぁと思っていたのだが、月額たった1,000円程度の割引のために、ここまで強い契約縛りを受けるのなら、やめとこうかなと考えるようになった。

しかし、新しい試みだとは思うので、サービスを提供する中で良くなってくる部分もあるとは思う。まずはそこを見守るのが正解かなぁというのが第一印象だ。

そんな微妙なサービスではあるが、一応メリットがなくもない。その辺りを次回の記事では紹介してみようと思う。

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