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Appleが車載機器「CarPlay」を発表。iPhone(スマホ)とカーナビ連動として魅力だが、日本人として感じる複雑な気持ち

「iOS in the Car」という名前で出るぞ出るぞと言われていた、車載用iOS機器を先日ついにAppleが発表した。

「CarPlay」というサービス名称。

日本の自動車メーカーでもトヨタ、ホンダ、日産などが対応車種を今後発売すると発表しており、AppleファンおよびiPhoneユーザーには非常に興味深い話題だ。

が、車載機器の代表格「カーナビ」分野へのApple参入は、ちょっと複雑な思いもある、、、

この記事の掲載内容は、2020年12月26日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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「CarPlay」の概要

てっきりiOSが車載機器に搭載されるのかと思っていたが、さすがAppleというか非常にシンプルな構成だ。

Lightningケーブル対応のiPhone(iPhone 5/5c/5s)とCarPlay対応車を接続すれば、iPhoneの電話・マップ・音楽などを操作することが可能。もちろんSiriにも対応する。Siriはリリース当時から車での使用と相性がいいと言われていたが、本格的に活躍する場を得ることになる。

車載機器には多くの機能を搭載しないため、おそらく自動車メーカー的にも導入のハードルは低く、価格も安価になる可能性が高いというのが最大の特徴だろう。逆に割り切った機器なので、iPhoneユーザー以外には全くメリットがない。

とはいえ、iPhoneユーザーにはかなりインパクトがある。実際僕は興味津々だ。それは、今使っているカーナビに対する不満に起因する。

購入して分かったカーナビの不満点

僕が今乗っている車は購入から7年程経過したカローラルミオン。
この車には、その前の車から使用していたカーナビを搭載している。「Panasonic Strada CN-HDS935MD」という機種で購入から約10年経過している。HDD搭載カーナビかつ液晶の解像度はVGAという事で当時は最先端。20万円弱くらいで購入した、ものすごく大きな買い物だった。

今にしてみればカーナビに数十万もよく投資したなと思う。でも、自分の車に乗るようになって「カーナビの搭載」って1つの憧れだったのだ。このカーナビ今でも現役で使えて高い買い物だったが、これだけの期間使うならある意味安い買い物だったという捉え方もある。

が、当然不満もあるし、実際購入してみるとカーナビってほとんどお飾りなのだ。

購入して分かったカーナビの不満点

その不満として一番大きいのは、地図情報としての使い勝手が悪いことだ。

例えば、今いるところから観光スポットを探そうとして、電話番号等がわかればダイレクトに検索できるが、それ以外の方法となると都道府県から選択する必要がある(しかも五十音順)。岡山にいるのに、秋田の観光スポット検索することなんて皆無だと思う。折角GPSあるんだから、現在地から選ばせて欲しい。

そして、この地図情報は更新しないとどんどん古くなるが、この更新には数万円のお金がかかる。そこまで投資する価値があると言われたら微妙に感じてしまい、結果データは古いままとなる。

また、これはそもそも論だがナビを使うシーンなんて案外ない。
近所を移動する時は普通道を覚えているから使わないので、大抵は遠方に行く時だろう。ただ、僕の場合はちょっと特殊かもしれないが、ハロプロヲタ時代に車遠征を繰り返していたから、西は広島、東は名古屋あたりだとまずはナビ無しで出発するw
で、目的地周辺に近づいて初めてナビを動かすのだ(コンサート会場とかだとそれすらないがw)。それか、渋滞にハマった時迂回路を探す時だろうか。

正直、営業マンなど未開の地に頻繁に訪れるような人じゃないと、投資金額に見合うようなメリットってないというのが正直なところ。当時はそんなものなかったものの、今ならスマートフォンで十分という人は多いと思う。

僕の場合ナビは何に役だったかといえば、移動中にDVDが試聴できたことだと思うw

「CarPlay」の魅力的なところ

で、話を「CarPlay」戻すが、これはiPhoneとの連携を前提にしていることがポイントだと思う。

要するに、音楽や映像などエンタメ系のデータ、地図情報などのナビデータ、これらはiPhoneにあるデータを使い、車載機器はiPhoneとの相互連携と映像出力だけを担う。

このシンプルな構成であれば、価格は安くなる。と言うか、安くないと売れないように思う。Apple製品といえばブランド力が1つの魅力だが、車載機器に関して言えば自動車メーカーに依存するわけで、いかにこのシステムを安く提供するかにかかっているんじゃないかと思う。

で、例えば仮に5万円くらいで提供されたらこれは相当インパクトがありそうだ。特に日本メーカーは相当打撃を受けると思う。

終わりに

7・8年前名古屋で仕事をしていたことがあったのだが、当時組み込み系の開発をしている人って携帯電話(ガラケー)が大半だと思っていたが、カーナビという分野が相当でかいということを知った。

ガラケーはiPhoneの上陸と共に、国内ではほぼ駆逐されてしまった。今や国内でガラケーの開発に携わっている人は、10年前の半分以下だろう。カーナビもスマートフォンの普及と車を購入する人が減った関係で、一定の市場は失われただろうが、それでも日本発の製品としてまだまだ強い分野だ。

使ってわかるが携帯電話と違い、カーナビの使用期間は非常に長い。新車購入時に搭載すれば買い替えまで変わらない事が多いので、10年位は平気で使用される。この辺りのノウハウはまだまだ日本メーカーに一日の長があるかもしれないが、今は製品の開発技術なんて、あっという間にキャッチアップされる時代。

Apple製品が車で使える事自体は、ファンとしては嬉しいものの、一人の技術者としては業界がどうなってしまうか心配でちょっと複雑だ、、、。自動車は日本の基幹産業だと思うので。

負けないで欲しいなぁ。