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iOS 6のマップ問題。スティーブ・ジョブズ神格化に思う事

iPhone 5の発売前にiOS 6がリリースされた。
今回は地味な変化が多かったのだが、そんな中で一番大きな変化はマップアプリのデータがGoogleマップではなく、Apple純正となった事だろう。ぶっちゃけランドマークなどのデータが圧倒的に不足しているし、欠陥品といっても良いレベルだとは思う。ティム・クックCEOが各国に謝罪コメントを流すとか、珍しい事態にもなっていて、それに関しては批判されても仕方ないとは思う。

ただ、同時によく聞く話がある。簡単に言えばスティーブ・ジョブズを神格化するようなコメントだ。

この記事の掲載内容は、2020年12月24日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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スティーブ・ジョブズの神格化

スティーブ・ジョブズがなくなったのは昨年の10月5日。iPhone 5やiOS 6はジョブズ亡き後に出た大きな製品・サービスのため、普通よりも注目度は高くなる。iPhone 5は例年通り大きな話題になったが、Mapアプリの低品質さがAppleの今後に対する不安を焚き付けたのかもしれない。

  • ジョブズだったらこんな事は許可しなかった
  • こんな失敗ジョブズがいた頃はあり得なかった
  • ジョブズなら謝罪なんてしなかった

そんな話をよく聞く。ジョブズ亡き後のAppleがそれまでと変わっているのは事実。それは情報流出の多さなんかからも伺い知れるが、ジョブズなら失敗なんてしないっていう話はとんでもない勘違いだと思う。

事実は失敗なんて山ほどしていたし、謝罪やミスジャッジも一杯していた。

比較的近い話だと

自らが作ったAppleを追放されてNeXT社を作った頃とか歴史をたどれば色々あるが、僕がApple製品を使うようになった2007年以降でも以下のような出来事があった。

  • MobileMeの移行時の大障害
  • iPhone 4のアンテナ問題

特に「.Mac」の後継サービスとなる「MobileMe」(現在のiCloudの前身サービス)はかなり酷かった。僕は使っていなかったが、無料期間を延長するなどサービス開始時の混乱っぷりは今よりもある意味話題になっていたと思う。

またわりと記憶に新しいiPhone 4のアンテナ問題もBumperを無償配布するなどで対応したが、かなり話題になった。

他にもあるだろうがジョブズがいた頃だって、問題は色々あった。特に新製品・新サービスの開始時には他の会社と同じようにトラブルを抱えていたわけで、今に始まった話ではない。

だからといって

という事情がこれまでにあったからと言って、今回のような品質でリリースするのが良いのかと言えば良くないとは思う。だから、間違っていたことは認め修正・改善を最速でやる必要があるだろう。

GoogleマップがAjaxを使ってブラウザ上でなめらかな地図表示を実現した事は当初話題になったが、地図としての情報はお世辞にも充実しているとは言えなかった。何年もかけてブラッシュアップしてきた結果、今のように使いやすいGoogleマップになっている。

そういう意味で、地図情報やナビゲーションというのは、長年のデータ蓄積やノウハウがかなりものを言う世界であることが改めて分かったわけで、AppleのマップアプリがすぐにGoogleマップ並に使えるようになると言うのは難しいと思う。なので、比較的長い期間Mapアプリについてはティム・クックCEOが言うように他社のサービスを使った方がよいだろう。

Appleは顧客志向と良く言われるが、顧客に媚びるとは意味が違う。一部の顧客が望んでいても例えばFireWireみたいなインターフェースを切り捨てたりして、自らの考える顧客の為になる製品・サービスを生み出す企業だ。その精神が生きている限り、Mapアプリは将来的にはきっといいサービスになるはず。今はそう信じて待つしか無いと僕は思う。

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