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Lucky Bag狂想曲。Appleはいつまでファンの良心に頼ったイベントを続けるのか

Appleファンにとって新年を迎えて、最初のイベントと言えばLucky Bag(福袋)の購入じゃないかと思う。

以前は一部の人がちょっと盛り上がっている程度のイベントだったが、iPhoneの普及などでApple製品を使う人が急増。結果、年々購入自体が困難となり、年明け早々からの行列がある意味恒例となっていた(最近は年末から並ぶ人もいるとか)。

そして、今年も同じ状況だったのだが、今回は基本的に何日も前からの行列禁止、並ぶ場合も椅子やテントの設置は認めず、荷物も置かず立ち続けてくれというものだったそうだ。これは警察の指導によるものと思われるが、普通に考えたら、やめるべきだと思う。

というか、iPhoneでは昨年からやめたにも関わらず、Appleはいつまでファンの「良心」に頼るような、行列というイベントを演出し続けるのだろうと。

この記事の掲載内容は、2020年12月27日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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行列でテントや椅子の設置を認めない理由

2013年までは恒例行事となっていた、iPhone発売日前のAppleストア銀座の行列。
テレビなどでも話題になるので1度は目にしたことがある人も多いだろうが、あそこに並んでいる人達はある意味行列のプロになっている人が多い。具体的には、椅子はもちろんテントや発電機まで持ってきて、そこで「生活」できるような体制を組んでいる。

ただ、そこは店舗内の駐車場でもないし、もちろんキャンプ場でもない。公道だ。
そこには通行人もいるし、別の店舗もある。普通に考えて許可無しにそんな事やっちゃいけないんですよ。公道を私的に占拠するイメージなので。だから、警察から店舗側に指導が行われ、店舗から並ぶ人に「お願い」という形で伝えられる。

じゃあ、なんで今まで良かったのかと言えば、ある意味イベントとして定着していたし、Appleとしても警備員を雇うなど、それなりの努力はしてきたから、目をつむってくれていただけなんじゃないかと思う。で、昨年のiPhoneから全て予約販売に切り替えられたが、目をつむれるレベルの騒ぎじゃなくなって来た事と、経費もバカにならなくなったからではないかと予想される。

そうなると、Lucky Bag(福袋)はなぜiPhoneと同じにしないのかって思っちゃいますよね。

ファンの良心に頼ったイベントを行う店側のメリット

Apple製品にそれほど興味のない人でも盛り上がるiPhoneと違い、Lucky Bag(福袋)は完全にAppleファン向けのイベントだ。より純度の高い、いわゆる「信者」向けのイベントって、店舗にとってはある意味非常に楽だ。

何故かと言えば、信者だから言う事には素直に従うし、仮にそこで混乱が起こっても当時者同士で自浄作用が働いて、解決してくれる事が多いからだ。つまり、トラブルが起こるリスクが低い。

僕はApple製品で行列に並んだことはないが、チケット購入など徹夜で行列に並んだことは何度かある。こういう時、特にアイドル業界だと「おまいつ(おまえいつもいるな)」と呼ばれる常連客が、警備員がいないことの多い深夜早朝でも列を取り仕切ったりする。もちろん、トラブルが発生しないわけではないのだが、こういう事を自主的にやる人がいるので、案外大きな問題は発生しないし、あっても目立たない。

逆にそういう人がいないことも関係して、大トラブルに発展した行列として記憶に新しいのは、東京駅100周年 限定Suica発売で見られた混乱だろう。

Suicaなんかで、「おまいつ」はいるはずがないし、信者も少ない。こういうもので行列を助長するような販売方法をとったら、混乱するのは明らか。それは、昨年のiPhone販売時から予約販売に切り替わり「おまいつ」がいなくなった結果、発売日に一部の人達が店舗で起こしたトラブル(何で買えないのかって騒ぎまくったとか)でも見て取れる。

Appleはいつまでファンの良心に頼り続けるのか

Lucky Bagの販売で大きな混乱が見られないのは、Appleがちゃんと管理しているというより、並んでいる人(Appleファン)が良識ある大人であるからという理由が非常に大きいと僕は思う。

実際、毎年のように並ぶ人を何人か知っているが、少なくとも行列に切れて騒ぐような人には見えないし(並びをしているとそういう人は実に多い)、紳士なのだ。要するに、Appleはそういう人に頼ってイベントを盛り上げている。

まあ、それも好きな人が楽しんでいるならいいと思う。が、Lucky Bagの販売時期は当然の事ながら、真冬だ。

上記サイトの画像は多少極端な例としても、ここまでして行われるイベントに、一体どれだけの価値があるんだろうと思わずにはいられない。

当日希望した店舗に受取に来られる人限定で、事前にWEBから抽選方式で受付ても良いだろうし(過去に似たような事をやっていた)、1月2日のオープン後一定時間希望者対象でくじを配布して、そこから当選者を決めるでもいい。今時徹夜で並ばせる必要はどこにもないと思うのに、なぜこんな事を今年も継続したのか疑問でならない。

終わりに

限定商品というのは、人を狂わせる。
僕もこの手の商品に過去色々振り回された。こういう商品って自分が所有したくなるのはもちろんなのだが、手に入れると色んな人から羨ましがられて、「〜円払うから譲って」なんて言われる。最初は純粋に欲しいだけで買った人も、その時限定ものは金になるって気づく。

例えば複数買えるなら不要でもMAXで購入しヤフオクで転売、1つであってもしばらく愛でたら熱気が残っているうちにヤフオクで転売。結局お金が目的になってしまうんですよね。

今年のLucky Bag狂想曲を見ていると、良識あるAppleファンに頼ったイベントをいつまで続けるんだろうと思わずにはいられなかった。そろそろこの販売手法は限界に来ているし、僕みたいにファンでも疑問を呈する人が増えてきたら、そのうちいわゆる転売屋だけが残って、大きな混乱が発生しないかと危惧する。

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チー
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3件のコメント

こんにちは。同じ山陽地域から時々拝見しております。
今年の立席待機ルールは都条例に準拠するためだったらしいですね(銀座・表参道・渋谷)。今年の福袋商戦は、AppleStoreに限らず周辺の店舗においても、外国人旅行者も加わって、例年以上にヒートアップしたそうですし、Store側は行列打止め制も敷いて一層強力にコントロールしていた印象が有ります。経営判断としてはonlineStoreでの値下げセールとの二者択一だったのかもしれませんねぇ…個人的には元旦の日中に行列が長々と発生する時点で、おっしゃるとおり周囲に迷惑を掛けますし、このイベント=ム〜リ〜!と思ってますけど。。

話し変わりますけど、1/2だったか”100分で名著SP”と言う番組(NHK-E)の終わり頃くらいに、Steve_Jobs氏のアイデアの源(の一部)になったらしい日本の書籍が紹介されてました。僕的にかなり興味深く観てました。
でわ。

はじめまして!
なるほど。都の条例だったんですか。まあいずれにせよ、外国人観光客なども参戦し始めると、色んな意味でトラブル含みで限界が近い気がしますね。