こんにちは!坂井(@sakaimi)です。
今回は、アイドルの縦型MVに関する話題です。
4月27日にメジャーデビューを控えたヒップホップアイドル、lyrical school(以下リリスク)がデビュー曲「RUN and RUN」のミュージックビデオ(MV)を発表しました。
なんと、スマートフォンでの閲覧を推奨している縦型のMVなんです。
従来のMVといえばテレビや街頭ビジョンでの放送、DVD等のソフト化などを意識して作られたものが多く、当然ながらテレビ画面に合う横型の映像です。これをリリスクは縦型にしたのです。
さらにスタッフが運営するTwitter公式アカウントではスマホ閲覧推奨とまでアナウンスしています。そこまで徹底し告知されたMVを実際に見てみると、スマホで見るべき理由がわかる、そんな仕掛けがふんだんに盛り込まれた映像でした。
発表と同時にその斬新なMVはTwitterを中心に瞬く間に拡散され、4月9日までに
- Yahoo!のトップページにトピックが掲載される
- その他ニュースサイトで縦型MVに関する記事が掲載される
- 「めざましテレビ」など関東エリアのテレビ番組に取り上げられる
- 著名人・有名人がTwitterで触れたり感想をツイートする
などなど、様々な媒体を介して広まっています。
この広まりの理由に、演出として盛り込まれた仕掛けはもちろん、縦型MVそのものの新鮮さ、見やすさも関わっているんじゃないかと思いました。
リリスクのことを知らなくても、アイドルが好きじゃなくても、ぜひ一度は体感してほしい。今回はそんな縦型MVを紹介します。
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実はわたし、lyrical school(リリカルスクール)が大好きなんです
はじめに明かしますと、わたし、リリスクが好きなんです。グループ改名前のtengal6時代からずーっと好きで、娘が産まれてからは娘同伴で現場に行くほど。ほんとにほんとに大好きなんです。
曲を聞くと心がはずみ、楽しくて顔がにやけちゃう。ステージ上における本人達のパフォーマンスもかわいくてかっこよくて、いつ見ても進化を実感できる。活動6年目にしてこの春メジャーデビューを控えた6人組ヒップホップアイドル、それがlyrical school(リリカルスクール)です。
もーほんと好きでいくらでも記事を書けてしまうほどなんですけど、それだとわたしがアナザーディメンションをジャックしてしまう事になるので、リリスクの話はそこそこに、今回は彼女たちが発表した縦型MVを紹介したいと思います。
Appleユーザー、モバイル好きの方に見てほしい
日頃からアナザーディメンションを読んで下さっている方の中には、
- 単なるアイドルのMVの記事がなぜ出てくるの?
- ハロプロでもアイストでもないのに?
- へなぎさんプロデュースでもないのに?
と、今回の記事を疑問に思われるかもしれません。でも、そんな疑問を持った方にこそ見てほしいMVなんです。
準備はいいですか?スマートフォンを縦にして再生してみてくださいね!
リリスクがスマホをジャック!? これが異例の縦型MVです
新曲「RUN and RUN」MV公開されました!スマートフォン環境推奨の縦型MVになっています!https://t.co/o7F3s5159I
#リリスク #RUNandRUN— lyrical school (@lyri_sch) 2016年4月5日
上下に半分近くの余白が生まれてしまう従来の横型MVと違って、縦型MVはスマホ画面いっぱいに楽しめます。今回はそこにTwitterやメール画面、通知などいつも見るものを忠実に再現し、リリスクが笑顔で歌い、踊る。
まるでリリスクがスマホをジャックしたような感覚!
わたしもこのMVを初めて見た時はすごーく驚きました。普通に曲が始まるかと思いきや…、
え、え、amiちゃんからメール?何?
と思ったら次はパスコードを入力?
またメール?五里霧中からノリノリ夢中へ〜♪って、
今の歌詞が通知に出てる?なんで?
FaceTime?接続?meiちゃんから?えぇ??
画質がリアルに荒い〜!!
すごい!iPhoneが勝手に動いてるみたい!
とても戸惑いました。
いつも使ってるアプリやホーム画面などいろんなものが畳み掛けるように出てくるんです。しかし、そこはMVらしくきちんとラップの歌詞のタイミングで映像や演出を切り替えてあるので、不快感がありません。むしろ体がノリノリ夢中にリズムを刻みます。
そしてあっという間に3分48秒が経ち、曲はおしまい。
これ何?すごい。楽しい。もっと見たい。
一度見ただけじゃ細部がよくわからなくて、もう一回、もう一回と繰り返し…気づけば何度も見てしまいました。
同じような人がたくさんいたようで、さらにファンのみならず色んな人がこのMVの感想をTwitterでつぶやいたり拡散されたことも重なって、MVが公開された4月5日夜には「RUN and RUN」というワードがTwitter上のトレンドランキング上位に登場していました。
スマホユーザーならニヤリとする、細部までこだわったMV
このMVが注目を浴びた理由は、特にiPhoneユーザーならニヤリとしてしまうたくさんのこだわりが散りばめられているからではないでしょうか。
- 特にiPhoneユーザーに既視感のある演出(アプリや通知など)
- そこに、普段なら絶対連絡なんてこないであろうアイドルの名前が含まれる意外性と嬉しさ
- FaceTimeやインカメラ使用時の画質の低下まで演出にしてしまう
- Twitterのタイムラインやツイート入力画面に現れるラップ歌詞の表示が、寸分狂わずリズムにぴったり。目で追ううちにリズムも追える楽しさ
- そもそも、ラップというジャンルと今回の演出はとても相性が良かった
- ダンスや衣装など視覚的なアプローチが必要なアイドルに縦型MVってアリだった
とはいっても、
- Twitterとか普段利用しない
- そもそもiPhoneを使ってない、スマホすら使ってない
なんてユーザーもいるはずですから、このMVを見てもピンとこない人だって少なくないでしょう。
なのにここまで話題に上ったのは、この遊び心いっぱいのPVがとにかく丁寧に作られてその上アイデア満載で、たった一部の層に爆発的に広まったからだと思います。
多くの人に何度か見てもらうより、一部に中毒者が続出したというバズの濃さが重要だったのかもしれません。
- iPhoneでTwitterやメールをメインに利用している人
- リリスクのファン層のメインである20〜30代
今回のMVは、ここを的確に狙ったんじゃないかと推測します。アイドルとして知名度を上げるならここが大正解ですよね。活動のフィールドを広げるにも、まずここに知ってもらう必要があるはずです。
極端に言えば、いきなりおじいちゃんおばあちゃんに知ってもらうよりもある程度親和性の高そうな年齢、性別から狙う方がCD売上やライブ動員数など結果に結びつきやすいですよね。そういう意味でも、狙いの絞り込みは重要です。
家族から「リリスク」というワードが出るほどに
余談ですが、わたしの夫によると「普段アイドルの話をしない友人たちがリリスクのMVすごいって言ってた」そうです。Facebookでお友達がリリスクMVをシェアしている記事を見たとか。
アイドルに興味の無い夫の口から自発的に「リリスク」というフレーズが出てきたのでわたしがびっくりしました。
で、縦型MVを見た夫は、わたしと同じように「これすごいね!おもしろいね!」と興奮していました。ふふふ。そうでしょ、このMVすごいのよ。
そもそも縦型MVってアイドルにはぴったりでは?
おはようございます!!
lyrical school 新曲「RUN and RUN」MV公開されました!スマートフォン環境推奨の縦型MVです!是非♪https://t.co/o7F3s5159I
#リリスク #RUNandRUN pic.twitter.com/3Wa9bSBCKD— lyrical school (@lyri_sch) 2016年4月5日
今回の縦型MVを見て、アイドルのMVで縦型っていいかもしれないな〜と思いました。今回のリリスクのような凝った演出はしなくても、ただ踊るだけのMVでも縦型と横型じゃ印象が違ってくるんじゃないでしょうか。余計な背景がなく画面にぴったりフィットしてある分、アイドルに集中できそう。
横型の映像をスマホで縦で見る時の黒い余白(レターボックス)って、意外と気が散りますし…。なんだかひっそりとストレスになるんですよね、あの黒いの。
もちろん、映像を見る時は横にしたらいいんですけどね。わたしなら面倒臭くて縦のまま見ます。ロック外すのいちいち面倒で…。
なので今回のリリスクの縦型MVは、その煩わしさも無く楽しめました。
これ、横型で同じ演出をされていても、あまりピンとこなかったかもしれません。ほとんどの人がスマホを触る時間の大半は縦型で使ってるのではないでしょうか。そう仮定してみると、縦にこだわったのは正解だったんじゃないかなーと思います。
縦型MVをiPhone以外で閲覧するとどうなる?
今回のMVは縦型というだけでなく、iPhoneの画面に合わせられているというのも大きなポイントでした。
ですけど、iPhone以外のスマートフォンやタブレットで見るとどうなるのか気になりませんか?答えは分かっているかもしれませんが、調べてみました。
iPhone 6sでの表示
まずは今回のメインターゲットとなるiPhone 6sの場合。
これはもう見た目含めて違和感ありません。iPhoneがジャックされた!って状態。
iPad Air 2での表示
続いて、同じApple製品かつiOSを搭載していますが、画面の比率も変わってしまうiPad Air 2の場合。
iPadがiPhoneになって画面が拡大されちゃった!って感じです。
こちらは、画面の比率が大きく異なる(iPhoneなどのスマートフォンは縦が長いですが、iPadは4:3と正方形に近いため)、黒い余白が出来てしまいました。
縦型に最適化されているため、PCなどで閲覧した時逆に余白が出来てしまいますが、タブレットはそれと同じ状態になります。
Androidでの表示
最後に、スマホではありますが、OSがAndroidだとどうなるか。
端末はXperia Z3 Compactを使いました。
AndroidがiPhoneになってジャックされた!って状態です。
これはこれで面白いですね。
アイドルとスマートフォンの親和性
また、アイドルオタクはスマートフォンの使用率が高いように感じます。Twitterでアイドルの情報を得たり、特典会で一緒に写真を撮ってもらう時にスマホがあると荷物がかさばらないし、PlugAirなんてものも存在するし…。
そう考えると、今後、MVなどアイドルが関わるコンテンツはスマートフォンでの閲覧を意識すべきなんじゃないかと感じます。だってオタクは、というかわたしは縦型でアイドルの全身を画面いっぱいに見たいんで!
avexが仕掛けているスマプラムービーも(というか個人的にも大注目のアイドル、わーすたのスマプラムービーこそ)ぜひ縦型を意識してほしいな〜と思いました。
そのうち、縦型の映像がアイドルのすたんだーどになるかもしれませんね。
※調べてみたところ、スマプラムービーでは2016年1月に発表された倖田來未さんのMVが縦型だそうです。他のアイドルやアーティストもぜひ続いてほしいところです。
その他にもPlugAirというイヤフォンジャックに差し込んでMVなどを取得&閲覧するなんてものもあります。
スマホとアイドルはどんどん親和性が高くなってきています。
そして縦型MVはトイストーリーの監督さんにまで届く
Clever Japanese music video. Watch it on a phone. https://t.co/HirJI8AYRA
— Lee Unkrich (@leeunkrich) 2016年4月7日
そして驚きの展開へ。リリスクの縦型MVはついに海を越えて、トイストーリー3の監督であるリー・アンクリッチ氏にまで届いたようです。このジャンルレスな広まり方はTwitterが存在する現代ならではですよね。
きちんと作られたものはきちんと認められる。今回のネット上でのバズが、リリスク本人やスタッフの皆さんへのいい刺激になるといいな〜と思いました。
もっと見たい!縦型MVと、アイドル×スマホの未来
本来なら宣伝手段のひとつであるMVを、主流と異なる縦型で制作し、さらにスマホ閲覧推奨であるとアナウンスするってなかなか勇気が要ったことでしょう。でも、結果として、この縦型MVは動画再生回数も100万回を越えました。この挑戦の答えがこの再生回数に繋がっているとわたしは思います。
知らない人に動画を見てもらうって本当に難しい。
わたし自身も、リツイートなどで知らないアイドルの動画が回ってきても最後まで見ることはなかなか無いです。途中でやめてしまうかクリックすらしません。テレビなど受動的な媒体と違ってユーザーに行動を選ばせるインターネットはその難しさから逃れられないなと、自分の行動から考えます。
知名度もまだまだのリリスクが、縦型MVという新しい表現に挑み、インターネットという難しい環境の中でこうしてバズれた。これって胸を張れる事だと思います。
今回の流れで、縦型MVという新しい魅せ方がアイドル界隈や他ジャンルでも受け入れられるようになれば、リリスクの今回の挑戦にはより価値が増すことでしょう。いちファンとしてもとても嬉しいです。
そして、他のアイドルのみなさんにも縦型MVを作ってみてほしい!これはひとりのアイドルオタクとしての気持ちです。
縦型MVや、前述のスマプラをはじめとしたスマートフォンを舞台にしたアイドル絡みのコンテンツなど、スマホとアイドルの関わりをこれからもたくさん体験してみたいです。
他のアイドルの運営のみなさん、縦型MV作ってみませんか?
終わりに
縦型MVでおなじみ、リリカルスクールの新曲「RUN and RUN」は4月27日発売です!
わたしですか?先日の予約会で4枚予約しました。記事冒頭の写真はその時の予約特典として撮影してもらったものです。ふふふ。新曲楽しみだな〜。
リリカルスクール大好き!
アイドルに関するコラム
2000年頃からのハロプロファンで、以来ハロプロ以外も含めてアイドルを応援し続けています。
今おすすめのアイドル、好きなアイドルに関する記事を紹介します。
▲原点とも言える「モーニング娘。」は、今でも応援しています。
▲2016年からハマった、iDOL Streetの「わーすた」。
▲ハロプロヲタク時代の友人「へなぎさん」がプロデュースする、「煌めき☆アンフォレント」。