2020年は5G元年。
その目玉は「5G対応スマホ」で、僕もこれまでいくつかの機種をレビューしてきた。
ただ、正直2024年11月現在としては、真新しい使い方ができるわけでもなく、エリアが狭く5G通信もほぼ使えない。
「5G」のメリットを体感することはほぼないが、通信契約としての「5G」には、4G(LTE)にない魅力がある。
大手キャリアの回線が「無制限」で使えるというインパクトは大きい。
「通信量無制限ルーター」は月額5,000円程度で数多く販売されているが、実はトラブルを多く抱えており、評判はあまりよくない。
その点、大手キャリアであれば、価格は多少高いが、通信品質が高いので安心して使える。
そう考えると、
自宅の固定回線すら置き換えてしまう可能性を持っている
と僕は思っている。
というわけで、2024年現在としては唯一販売されてる、5G対応ルーター「Wi-Fi STATION SH-52A」を紹介しようと思う。
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なぜルーターなのか?スマホのテザリングではだめか?
そう思う方は多いと思う。
確かに、スマホのWi-Fiテザリング機能を使えば、iPhone・Android関係なく、Wi-Fiルーターのように利用することは可能。
iPhoneとMacの場合「Instant Hotspot」という便利な機能もある。
ただ、スマホのテザリングには欠点がある。
- スマホのバッテリー消費が早くなる
- テザリング機能のWi-Fi速度は遅い
1つ目は誰もが想像するだろうが、2つ目は意外な盲点。
例えば、5Gスマホである「Galaxy S20 5G」は、Wi-Fiアクセスポイントとしては「IEEE 802.11n(Wi-Fi 4)」にしか対応していない。
Wi-Fi 4の最大通信速度は「600Mbps」。
どちらも理論値上の最高速度だが、モバイルデータ通信とテザリング側の速度を比較すると、以下のようになる。
通信方式 | 最大通信速度 |
---|---|
Wi-Fi 4(テザリング) | 600Mbps |
4G(LTE) | 下り:1.7Gbps/上り:75Mbps |
5G | 下り:3.4Gbps/上り:182Mbps |
上りは問題ないが、下りは「モバイルデータ通信の方が早い」
という逆転現象が起きており、実際1Gbpsなんて速度が出ることは皆無としても、Wi-Fiアクセスポイント機能がボトルネックになって、遅くなるのはもったいない。
4G(LTE)までは無制限で通信はできなかったし、ヘビーユーザーでない限りそこまでこだわる理由もなかったが、固定回線の置き換えと考えたら、少しでも快適に通信したいはず。
そんな時こそ「専用機のモバイルWi-Fiルーター」の強みが生きてくる。
- アクセスポイントとしても、Wi-Fi 6に対応
- 4G(LTE)はPREMIUM 4Gに対応し、受信時最大1.7Gbps、送信時最大131.3Mbpsに対応
- 5Gはミリ波にも対応し、受信時最大4.1Gbp、送信時最大480Mbpに対応
5G対応ルーター「Wi-Fi STATION SH-52A」は、2024年11月現在としては最高の通信速度で、今後も新しいモデルは登場するだろうが、通信速度は当分最速のままだろう。
- 公式ショップだから安心して購入できる
- 機種変更は「モバイル回線からの注文のみ可能
5Gルーターは「Wi-Fi STATION SH-52A」一択。比較検討できる機種はない
前置きが長くなったが、そんな理由で5Gルーター「Wi-Fi STATION SH-52A」を購入した。
4G(LTE)対応ルーターは、多くはないが数種類のモデルが販売されている。
しかし、2024年11月時点では「Wi-Fi STATION SH-52A」しか選択肢がない。
なお、「SH-52A」はドコモ向けの型番で、この記事ではドコモ版を紹介するのだが、他社でも、以下の製品名で販売されている。
- ドコモは「Wi-Fi STATION SH-52A」
- auは「Speed Wi-Fi 5G X01」
SIMフリー版などもまだなく、大手キャリアで購入するしかない状況で、価格もドコモ版は「68,904円」で割引もないためかなりお高い。
しかし、これはドコモに限った話ではなく、どこで買っても同じ。
モデル名 | docomo | au |
---|---|---|
Wi-Fi STATION SH-52A | 68,904円 | 71,500円 |
特にauは一応販売しているが、どちらかといえば「法人向け」の位置付けとなっており、auオンラインショップで購入できないし、店頭でも事前予約が必要となっている。
このため、5Gルーターを買うなら「ドコモのWi-Fi STATION SH-52A一択」という状況だ。
- 公式ショップだから安心して購入できる
- 機種変更は「モバイル回線からの注文のみ可能
Ethernet(有線LAN)搭載。Wi-Fi・USBなど3種類の接続ができるが「デカい」
また、「モバイルルーター」といえば、Pocket WiFiのように「手のひらに収まるサイズ感」を想像する方も多いだろう。
しかし、まず驚くのは「大きさ」。
5Gモジュールがまだこなれていないので、省電力・小型化が難しい事情はあると思う。
しかし、5Gルーターは「自宅・会社に据え置きで使う」ことを想定しているという理由もかなり大きいと思われる。
何よりもの証拠が、Ethernet(有線LANポート)を搭載していること。
自宅の無線LANへのWAN端子へ接続すれば、自宅の固定回線を置き換えるような運用も可能となる。
- Wi-Fi(無線LAN)
- 有線LAN
- USB接続
3種類の方法でネットに繋げられるので、かなり汎用性が高い。
「モバイル」ルーターらしくない、高機能さだ。
- 公式ショップだから安心して購入できる
- 機種変更は「モバイル回線からの注文のみ可能
通信プランは音声通話もできてしまう「5Gギガホ」
今回僕が契約したのはドコモ版で、通信契約も当然ドコモになるのだが、ドコモはルーターなどデータ通信専用プランを提供していない。
このため、契約プランは「5Gギガホ」。
通話も可能なプランで、正直ムダが多いのだが、キャンペーンで「データ通信量が無制限」となることがポイント。
ちなみに「データプラス」で契約しなかった理由は、データプラス回線は「通信量30GBまで」という制限があるため。
正直一般的な用途ならこれで十分だが、今回は「無制限プラン」にすることが目的の1つなので、この形で契約した。
開封レポート
簡単な開封レポートを。
パッケージはいたって普通。
蓋を開けると本体がドーンと登場。
同梱品は以下。
- 簡単セットアップマニュアル
- 保証書
- SIM取り出しツール
- USBケーブル
実にシンプル。
本体の外観をチェック。
電源ボタンや、Ethernetなど各種端子は側面に配備されている。
全体的に大きく、ツルツルの筐体だ。
SIMは「nano-SIM」に対応。
モバイルルーターとしてはかなり大きな液晶を搭載しており、タッチ操作ができる。
WPSなどにも対応しているが、個人的に便利だと思ったのが、QRコードを読み込むと、アクセス可能になる機能。
イベント会場などで、案内する時「アクセスポイント名とパスワード」を掲示しても、操作方法の問い合わせを受けることが多いので、これは楽だなと思った。
ただ、あくまでも「ルーター」なのでスマホと異なり、特筆するような機能も外見的な特徴もない。
電源を入れたら、スマホ・パソコンを繋いで使うだけだ。
- 公式ショップだから安心して購入できる
- 機種変更は「モバイル回線からの注文のみ可能
「Wi-Fi STATION SH-52A」を使った感想
「Wi-Fi STATION SH-52A」を購入したのは、2020年6月の話。
以来数ヶ月使って来て、感想は大体まとまってきた。
ポイントは以下の4点だろうか。
- 通信スピードは4G(LTE)環境でもかなり早い
- 月額7,000円程度で「無制限のモバイルルーター」と考えたら安い
- 持ち運ぶにはかなり大きいし、熱くなる
- 有線LANでの接続は時々切れるので少し不安定
通信スピードは4G(LTE)環境でもかなり早い
5Gルーターだが、この記事を書いている2024年11月現在、僕が住む岡山県倉敷市ではドコモの5Gが使える場所はどこにもない。
このため、通信は全て4G(LTE)エリアで行っているが、それでも全体的にスピードが速い。
同じ場所で、iPhone 11 Proを使ったLTE通信、「Wi-Fi STATION SH-52A」へWi-Fi接続した時のスピードを比較すると以下のような感じ。
接続方式 | 下り | 上り |
---|---|---|
スマホ単体 | 28.22 Mbps | 6.30 Mbps |
ルーター経由 | 60.42 Mbps | 8.70 Mbps |
色んな場所で試したが、スマホ単体での通信速度がルータ経由を上回ることはなく、ルーター経由の方が常に早い感じだった。
正直体感的には変わらないのだが、このスピードなら安心して使える。
また、「無制限プラン」ということで、知人が行っていたWEB・リアルのハイブリッドセミナー(2時間くらい)などでも、「ホスト」として利用したがわりと普通に使えた。
しかし、Zoomのホストになる場合、「上り(送信)速度」が重要になりますが、それでも大丈夫でした
自宅でも、使ってみたが余程大きなファイルをダウンロードしない限り、仕事も十分行える通信速度。
- 「Wi-Fi STATION SH-52A」に直接接続
- 自宅無線LANルーターのWANポートに、有線LANで接続
いずれの使い方もOKで、自宅の固定回線に通信障害などが発生したとき、バックアップ回線としても使えると感じた。
月額7,000円程度で「無制限のモバイルルーター」と考えたら安い
今回僕は、ドコモの「5Gギガホ」で契約している。
「データプラス」としていない理由は、「データ量無制限キャンペーン」を適用するためで、その分月額利用料は少々お高くなる。
これが、2020年7月分の明細。
が適用され、3,000円割引きされている。
このうち、「みんなドコモ割」は適用条件が低いので(家族内で3回線以上ドコモユーザーがいればOK)、キャンペーン期間終了後「月額7,000円」くらいかかるイメージ。
この数字だけみると少々高く感じるが、ドコモ光でも「月額5,200円〜」。
- 持ち運びできる
- 引越が多い
- 1人暮らし
なんて方なら、固定回線を契約するより利便性は高いと思う。
その分、スマホの通信契約は低容量にできるからだ。
とはいえ、「データ量無制限キャンペーン」が今後も続くならという条件はつくことを忘れないで欲しい。
- 公式ショップだから安心して購入できる
- 機種変更は「モバイル回線からの注文のみ可能
有線LANでの接続は時々切れるので少し不安定
以降は、不満だが安定性を求めて有線LAN接続したら、通信が切れる現象が多発した。
有線>>無線
「安定感」という意味では絶対「有線が上」と思っているので、特にWEBセミナーで利用する場合、あえて有線LAN接続していたが、それが仇になった。
今後のアップデートで解消するかもしれないが、有線LANに過剰な期待をしない方がよいと思う。
持ち運ぶにはかなり大きいし、熱くなる
最後は繰り返しになるが、やはり「大きさ」は気になる。
「カバンにいれておけばよい」と思うのだが、もう1つ気になるのが「熱」。
実際「高熱になったことで本体が電源OFF」になったこともある。
安定して使うためには「熱対策」も重要で、カバンやポケットなどに押し込むのではなく、なるべく開放的な場所においた方がよいと思う。
終わりに
モバイル回線でデータ量無制限通信
通信回線に詳しい人なら「夢環境」と思うだろう。
もちろん、金に糸目をつけなければ昔から可能だが、「月額1万円以下」という現実的な価格で、利用できるメリットは本当に大きい。
- 業務利用として、リモートワーク・ライブ配信の増加
- 固定回線の置き換え
夢は広がる。
スマホで使うだけだと体感できないメリットが、5Gとデータ通信量無制限サービスにはある。
5Gの目玉は「Wi-Fiルーター」
と僕は思っていて、今はキャンペーンとしてデータ通信量無制限となっているが、恒久的なサービスになるためには、「使う側のリテラシー」も問われるだろう。
無制限を逆手に取って、ムダにトラフィックを増やすユーザーが増えれば、キャリアは封じてしまう
このことは肝に銘じておくべきで、「電波」という限りある資源を使う意識はユーザーも持つべき。
という祈りも込めつつ、大事に使っていこうと思う。
- 公式ショップだから安心して購入できる
- 機種変更は「モバイル回線からの注文のみ可能
ドコモでスマホを買うならオンラインショップがおすすめ
購入手続きはオンラインショップで行うのがおすすめです。
利用するメリットは、以下のようなものがあります。
- 24時間受付可能
- 2,750円以上の購入で送料無料
- 全手続きで事務手数料が「完全無料」
- キャンペーンが多い
- 公式ショップだから安心して購入できる
- 機種変更は「モバイル回線からの注文のみ可能
ドコモ最新キャンペーンページで詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください!
注目の料金プラン「ahamo」・「5Gギガホプレミア」
2021年3月以降、料金プランが大きく変わります。ほとんどの方はプラン変更する価値があるので理解しておきましょう。
「ahamo」が目立っていますが、1,000円値下げされて、テザリング込みで「データ通信無制限」の「5Gギガホプレミア」はヘビーユーザー要チェックプランです
元携帯ショップ店員の僕も驚くようなプランで、各社同種のプランを出しましたが、以下の記事で詳しく解説しています