子供の誕生を控えて、わりと長い将来を考えた時に重要になるのはやはり保険。
最近は少子高齢化社会で今後もその流れが加速するのは明確なので、自分は長生きするし、支えてくれる子供は少ない。
となれば、年をとっても子供に迷惑をかけず、ある程度自分を守る手段を考えなければならない。
60歳まで生きてから死ぬなら、社会にもそれなりに貢献したはずだし子供も成長しているので、ある意味ノルマは達成したかなと思う。
ただ、今はそれよりも先の人生が長く、その頃からはどうしても病気が増える。医療保険というのは老後の生活を考える上でも重要だ。
なので保険料の支払いは60歳か65歳まで行い、その後の保証は一生涯という医療保険を契約しようと思った。
ただ、僕には出来ない。
なぜかと言えば、うつ病を患い通院・投薬の経歴があるからだ。
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保険契約時の健康状況告知
保険会社だって営利企業。
健康状態の悪い人と契約して、保険金をバンバン請求されたら割に合わない。
なので医療保険に限らず、保険の契約時には現在の健康状態を告知する必要がある。
保険によっては健康診断書のコピーも求められる。健康状態に関する告知書の内容は大体こんなものだ。
- 最近3ヶ月以内に、医師の診断・検査・治療・投薬を受けたことがありますか。
- 過去5年以内に継続して7日以上の入院または手術をしたことがありますか。
- 過去5年以内に【保険会社が指定する病気・症状】で、医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがありますか
- 過去5年以内に【保険会社が指定する病気・症状以外】で、医師の診察・検査・治療・投薬を開始してから直るまでの期間が7日以上になったことがありますか。
【保険会社が指定する病気・症状】という部分に入るのはがんや成人病など多岐にわたるが、若い頃になる事は比較的少ない病気だ。
なので若い頃なら保険に入りやすいというのはそういうことなのだが、その中には、
- 自律神経失調症
- そう病
- うつ病
- 気分障害
なんてものも含まれる。ちなみにこれらに該当すると保険にはほぼ加入できないと思った方がいいそうだ。
うつ病とかは内臓に異常がでるような病気ではないのになぜこうなるのか。
理由はほとんどの人が想像の通り、自殺のリスクだ。
つらかったらすぐに心療病院に行けという話との矛盾
うつ病にかかった人なら一度は心療内科に通ったことがあると思う。
この心療内科に行くという行為は、最初は相当ハードルが高い。
「最近、ちょっと気分が良くなくて調子悪いし、うつ病かもしれないから心療内科行ってみる」
なんて人は皆無だろう。僕もそうだったが親とか仲のいい友人とか会社の人に相談して、病院に行くことを勧められたり半強制的に命令されて渋々足を運んだのが最初、という人の方が多いんじゃないだろうか。
実際、経験者として言えば、うつ病の治療には心療内科に通うことが必須だと思う。
ただ、心療内科というのは当たり外れが大きくて、いわゆる名医だからと言って自分に合うとは限らないし、薬との相性も色々ある。
だから、心療内科に行くというのは信頼できる医者に出会うまではそれだけで結構大変なのだ。
そして、医者に行けば大抵の場合、まずは軽めの抗うつ薬が処方される。
この瞬間に保険の告知項目に抵触するため、最低でもそれから5年はほぼ保険に加入出来なくなる。
最近はうつ病患者が社会的に増えて問題になっているため、「うつ病は心の風邪です」なんて言われて、なるべく早く病院に行くことを勧められる。
それはそれで正しいと思うし必要な事だとは思うが、少なくとも保険業界は風邪なんて軽いものとは思っておらず、がんや脳卒中クラスに重い病気として扱う。
この事を知ったら、安易に心療内科に行くことを勧められないし、行きたくても行けなくなってしまうんじゃないかと思う。
ある意味うつ病治療時の注意点ともいえる話だ。
さらに、保険が契約できないということは別の問題も生む。
住宅ローンの団体信用生命保険(団信)
僕も子供が生まれると言うことで、今までは全く考えていなかったが住宅をどうしようかと思うようになってきた。
しかし、ここでもうつ病による通院・投薬歴が壁になる。
住宅を買う場合、ほとんどの人が銀行から金を借りて住宅ローンを組む。
その時に必須となるのが団体信用生命保険への加入だ。
これはもしもローンを組んだ人が死んだ場合に、保険金でローンがチャラになるという制度だが、簡単に言えば生命保険なので、健康状態を告知する必要がある。
ここでもうつ病だとほぼ加入は出来ない。
つまり住宅ローンも組めなくなるという事だ。
やれる策としては団体信用生命保険が必須でない、住宅金融支援機構が民間金融機関と提携して提供している「フラット35」でローンを組むか、親のすねをかじりつくして援助してもらうしかない。
ただ、団体信用生命保険に加入しないでローンを組めば、仮に数年後自分が死んだら借金が配偶者と子供に丸ごと残る。
今年になってうつ病もかなり良くなり、薬からも解放、通院もなくなり、ほっとしていて割と良い気分だったが、久しぶりに奈落の底に突き落とされたくらいに絶望した。
うつ病というのは完治しても再発リスクが高いと言われているので、それは気をつけないとと思っていたが、何もなくても「うつ病だったこと」が尾を引くなんて考えていなかった。
仮に年収1,000万を超えるような金持ちだったとしても、「うつ病だったこと」というこの1点が自分の社会的信用力をゼロにしてしまう。
僕は犯罪でもしたんだろうかという気分になる。
じゃあ黙っておくか?
これだけ自分を否定されるようなものだが、うつ病というのは体に傷が出来るわけでもないし、基本的に見た目上は普通の人と変わらない。
告知と言っても病院の通院歴を調べられるわけじゃないし、黙っとけばいいんじゃないか?と思ってしまう。
多分、現実的には可能だろう。証拠はない。
ただ、仮にうつ病が再発して、その時に保険会社が本気になって調べれば、多分過去の通院歴なんて調べるのは可能だろうから、「告知義務違反」と言う事で保険金は支払われなくなる。
そんなリスクを負ってまで保険を契約しようとは思わない。
現実的な選択肢
とはいえ、保険会社もそこまで鬼じゃない。
いわゆる持病のある方でも入れますよ、という保険は存在する。引受基準緩和型と呼ばれる保険だ。
これは保険料が高くなるが、告知項目が少ないため保険加入のハードルがグッと下がるもの。
例えば医療保険だと以下のようなものだ。
これだと会社にもよるが5年以内にかかった病気で引っかかるのはがんくらいになる。加入出来る可能性は非常に高い。
なので今のプランとしては2種類に分けられる。
- 今は保険に加入せず5年間何もない事を祈って、告知義務から外れたら通常の保険に加入
- まずは引受基準緩和型の保険を終身払いにして(=月々の保険料が一番安い)加入。5年後何もなければ解約し通常の保険に加入する
一応今は後者にしようかなと思っている。
あと、がん保険については特化型なのでうつ病歴を告知しても、
- 現在は通院していない
- 薬は飲んでいない
- 最後の通院から3ヶ月以上経っている
あたりの条件が整っていれば、加入出来る可能性は高そうという話だったので、ダメ元でチャレンジしてみることにした。
これは既に契約書類を書いていておそらく来週辺りには結果が出てくると思われる。
住宅ローンは家とかマンションの購入を進めているわけじゃないので何ともという感じだが、嫁と分割して嫁の信用力を元にローンを組むしかないんじゃないかなぁと言う感じ。
まとめ
うつ病は完治という概念があまりないのでそこに至るまでがかなり大変だが、仮に治ったとしても「うつ病だった」という事実がついて回ると言う事をうつ病患者は認識しておかなければいけないと感じた。
でも、本当にひどい時はそんな事まで考えたらますます落ちていくので、良くなってきた段階で教えてくれたらなぁと正直思う。
おそらく長い目で見ればうつ病というものに対する、社会的偏見も徐々に緩和するとは思う。それでも今は厳しい事に変わりない。
契約が絡むような事にはかなりの戦略が必要になりそうだ。
ちなみに、生命保険・医療保険はこの事で契約はかなり厳しいが、医療系だとがん保険は加入出来た(僕自身で実証済み)。
また、自動車保険・火災保険などは全く関係ない事を申し添えておく。
うつ病経験を経て、独立しました
2010年からうつ病を患い、休職などを経て会社員生活を続けていましたが、2018年7月に会社員を卒業し独立しました。
何度もごめんなさい。
誰でもはいれる保険はちゃんと払ってくれるかわかりません。先日紹介したプルデンシャルは、検診の結果などで、美点評価なるものがあり、BMIが多少超えてても、実際肝機能や高血圧などの目立った異常が無ければ、特別保険料がなくなったりしますよ。また、終身保険って、今扱ってるところ減ってるはず。みんな騙されて、過去の割のよかっった終身を定期に転換されてたりします。うちもやられてました。会社選びは重要です。
ご助言ありがとうございます。
まあどこまで保険会社を信用できるかって話に行き着いてしまう面もありますが、会社選びは慎重にしようと思います
誤解があるようなので指摘しておきます。
>保険会社だって営利企業。
相互会社という非営利もあります。
>健康状態の悪い人と契約して、保険金をバンバン請求されたら割に合わない
保険の商品(種類)は金融庁の審査が必要です。また、死亡率は業界で同じものを使ってると思います(あやふや)
保険料には本当の保険料の純保険料、手数料としての付加保険料に分かれています。つまり付加保険料が低ければ、事業者として勉強していると考えられます。
基本的に保険というものはみんなでお金を出し合い、その中から不幸があった人に手当てをするものです。不幸の確率が高いとお金は高くなるのは必然です。高くなりすぎると加入者が減りますので、リスクが高い病気は除外することで魅力的な商品になります。
ということで、死亡率は偏見でもなんでもなく単なる統計ですので誤解なきようお願いします。
うつ病の死亡率が統計的に高いというのはまあ分かります。ただ、うつ病だから糖尿病とかがんになりやすいと言う事はあるでしょうか。私はないと思います。
なので生命保険の加入が厳しくなるのはある程度納得ですが、医療保険の加入とかは無関係とまでは言いませんがそこまでは関係ないのでは?と思います。