インクジェットプリンターのランニングコストの高さに不満を感じ、レーザープリンタを購入した。
家庭用プリンターと言えば一般的にはインクジェットプリンター。今回僕が購入したのは家庭用のレーザープリンターですらなく、Canonのモノクロ複合機Satera「MF224DW」だ。価格は約2万円。
これは、主に業務用(スモールオフィス向け)のレーザープリンターなのだが、ありなのか。
結論から言えば、2024年年現在で既に購入から5年以上経過しているがとても満足しているし、未だに現役。
ただ、当然メリット・デメリットはあるので、僕の機種選定ポイントや使ってみての感想を紹介しようと思う。
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家庭用としてのレーザープリンタースペック選定ポイント
前提条件として我が家の状況を説明しておこうと思う。
- 一戸建て住まい
- 設置場所はウォークインクローゼットを想定(邪魔なので)
- 無線LANは設置済み
レーザープリンターを販売しているメーカーはインクジェットプリンターと似ていて、
- Canon
- EPSON
- ブラザー
- NEC
あたりがメジャーだ。家庭用プリンターメーカーとしては撤退してしまった、NECもこの分野ではまだ生き残っている。
しかし、レーザープリンターということで一般家庭向けというより、オフィスでの利用を想定したビジネス用が多い。つまり、インクジェットプリンターはスタイリッシュな機種が多いが、デカくてゴツい機種がほとんど。
一応、一般家庭向けの比較的コンパクトなものは存在するが、デザインに関しては考えないことにした。
その上で選定したスペックの概要はこんな感じ。
- モノクロレーザー
- コピーもできる複合機
- ADF(原稿自動送り装置)対応
- 無線LANおよびAirPrint対応
以下、選定ポイントなどを紹介する。
モノクロかカラーか
一番最初に悩むのがモノクロレザーにするか、カラーレザーにするかの問題。本体価格は当然カラーが高いが、差額はそれほどでもない。
カラー印刷はできるに越した事はない。だが、カラー印刷を実現するためには当然インク(レーザープリンターの場合トナー)が必要になる。トナーはインクジェットプリンターのインクに比べたら、相当高いため(1色で数千円〜1万円くらいする)カラー印刷の頻度が多くなければ割に合わない。
僕の場合元々の経緯として、カラー印刷(特に写真プリント)はほぼ使わないという理由でレーザープリンタを購入しようとしているのだから、ここでカラーレーザーを購入しては本末転倒だ。
どうしてもカラー印刷が必要な場合は、コンビニプリントを使用すると割り切って、モノクロレーザーを選択する事にした。
プリントのみかコピーも出来る複合機か
次に悩むのがPC・Macからのプリントのみに対応した、単一機能のプリンターか、コピー・FAXなども可能な複合機とするべきかだ。
FAXについては不要なのだが、コピーはかなり悩んだ。というのも、例えば免許証など証明書類のコピーって今でも案外必要な事が多くて、そういう事をやるのは大抵深夜。今まで使っていたインクジェットプリンターは年賀状シーズン以外、ほぼコピーに使っていた。
コンビニに行けばコピーは出来るが、ちょっと面倒なんですよね。カラープリントの利用頻度よりははるかに高い。
値段が2倍くらい違うなら検討しないが、実質的には5千円上がる程度(単機能は1万~。複合機は1万5千~という感じ)。最低でも5年、壊れるまで使おうと思っているプリンターなので、ここでケチると後々後悔する気がした。
というわけで、コピーも可能なモノクロレーザー複合機を購入することにした。
ADF(原稿自動送り装置)対応
複合機にしたことでもう1つ検討したのが、ADF(原稿自動送り装置) 対応。
ADFは会社とかにある大型の複合機(主にCanon・Epson・RICOH製)には必ず搭載されていて、コピーしたい紙を本体上部の差し込み口にセットして、コピーボタン押したら自動的に読み込んでコピーしてくれる機能。
1枚だと大してメリットは感じないが、複数枚のコピーではこれがあると凄い楽なんですよね。我が家ではプリントに加えてコピーの機会も増えたので、かなり悩んだ。
今回僕が購入したCanonのモノクロ複合機Satera「MF224DW」の下位モデルに当たる「MF222DW」との違いはこのADFの有無だった。差額は実売価格で約3,000円。
しかも、「MF224DW」に搭載されているADFは片面(両面だと両面コピーも自動で出来る)。だが、後付け出来るものでもないしADFを搭載する機種を購入することにした。
無線LANの対応有無とAirPrint
無線LANは必須機能。
レーザープリンタは主にオフィスなどビジネスでの利用が中心なので、USBによる直接接続に加えて、ほぼ確実にネットワークプリントに対応している。
ネットワークプリンタになる事で、使用中のPCと直接繋がなくても、オフィス内のネットワーク(LAN)から参照してプリントアウトが可能になる。だが、このネットワーク機能は有線LANが中心。対して家庭用となると現在は無線LANが中心だ。
今回は自宅(戸建て住宅)に設置するし、無線LANの対応有無は重要なポイントだ。というのも今まで使っていたインクジェットプリンターも無線LANに対応していたが、あると無いとでは設置場所の自由度が段違いだ。
特にレーザープリンターは全体的に大型の製品が多い。オフィスだと気にならないが、一般家庭だとめちゃくちゃデカい。少なくともリビングに置くなんて不可能だと思った方がよいと思う。こういうものの購入を検討するのは男性が多いだろうが、妻の了承なんてとても得られない。
なので、クローゼットなど目立たない場所に置く方がお勧めだ。もちろん、プリント頻度が高い場合は取りに行くのが面倒だが、そこは妥協するしかない。
スマートフォン(iPhone)からダイレクトにプリントできる「AirPrint」
もう1つ無線LAN対応に合わせて僕が重視したのは AirPrintの対応有無。
AirPrintという機能について詳しくは以下をご覧いただきたいが、
簡単に言うと、プリンタドライバのインストールやケーブル接続無しで、iPhone・iPadからダイレクトにプリントできるという機能。今は自宅にPCが無いと言う人も珍しく無い。そんな時スマホからプリントできたら便利だと感じるだろうが、それを実現する機能。
簡単に操作方法を紹介すると、対応プリンターとスマホ(iPhone)を同一ネットワークに接続しておく。その状態で、WEBページなど印刷対象を開いた状態からメニューを表示し、
「プリント」ボタンを押して、
あとはプレビューを確認して、実行すれば終わり。プリンタ側にもスマホ・タブレット側にも特別な設定が要らないことが最大の魅力だ。
検討しなかったこと
ここまで書いたとおり、結構色々検討したのだが、逆に検討対象から外したこともある。
デザイン・サイズに関しては前述の通りだが、他にも大きく分けると2つある。
画質
僕はモノクロレーザープリンタを購入した。レザープリンターにおける画質は解像度(DPI)で測られており、勿論数字が大きい方が画質はいい。
だが、所詮はモノクロプリント。さらに言えば、長期保管するなど重要書類ではなく、一時確認用または配布用のプリントだ。どんな画質でも、モノクロプリントに関してはインクジェットプリンターよりは上と思われ、ここは敢えて検討しないこととした。
そういう意味でメーカーについてもあまり考えなかった。
トナー価格や再生トナーの有無
レーザープリンターのインクはトナーと呼ばれる。
これが大型なので本体も自然と大きくなってしまうのだが、同時に値段も高い。サイズや機種にもよるが、1色5,000円〜10,000円と思った方が良い。インクジェットプリンターのインクとは桁が違う。
だが、それ1つで印刷出来る枚数も桁違いで、数千枚印刷可能だ。だから1枚当たりのコストは安くなる(普通紙のモノクロプリントでインクジェットプリンターは大体10円くらいだが、レーザープリンターは3円くらい)。
そして、トナーにはメーカー純正と再生トナーと呼ばれるものがあり、再生トナーは当然安い。これが使いやすい事がレーザープリンターの大きなメリット。再生トナーを使えばランニングコストを更に安く出来る。
インクジェットプリンターもかつては、再生インクや詰め替えインクを使うことでランニングコストを下げることが可能だった。
だが、最近はメーカー自体がこれを排除する方向になっており、そもそも互換インクみたいな製品が減ったし、扱いも非常に難しくなった(僕は互換インクを使ったら目詰まり起こし、一発で壊れたので以来純正しか使わなくなった)。
業務用レーザープリンターを一般家庭で使ってみて感じたメリット
そんな感じで購入したのがCanonのモノクロ複合機Satera「MF224DW」。
見ての通りデカい。とにかくデカい、、、
クローゼットにおいてもこの存在感だ。圧倒的過ぎる。そして、スタイリッシュさのかけらもないデザイン。ここだけオフィスという感じがしてくる。
だが、業務用のレーザープリンターを一般家庭で使うデメリットはそれくらいだった。
最大のデメリットは場所を取ること。
これさえクリア出来れば、あとはメリットしかない。ほんと家庭用はインクジェットプリンター、オフィス用はレーザープリンターなんて誰が決めたんだ、って思った。
起動が速い
我が家では増えたとは言っても、毎日印刷するような事はない。
なので、普段はプリンターの電源を切っている(コンセントには繋いでいる)。なので、印刷またはコピーしたい場合は、まずプリンターの所に足を運び、電源を入れる作業から始まる。
電源を入れると「ウィーン」とか音が出始めて起動するが、これが早い。
今まで使っていたインクジェットプリンター(CanonのPIXUS MG6130)が遅すぎたこともあるが(3分~5分)、電源OFF状態からの起動でも30秒〜1分で使用可能になる。
モノクロプリントの画質が圧倒的に綺麗で早い
これはある意味当たり前の部分だが、Word・Excel・PowerPointなどのOfficeドキュメントを普通紙に印刷した際の画質は、圧倒的に綺麗だ。文字のくっきりさが違う。
もう今までのインクジェットプリンターは何だったんだと思うくらい綺麗。ドキュメント内に写真を配置していても、モノクロだが十分視認可能でかなり綺麗だ。
もちろんレーザープリンターの魅力である印刷スピードも早い。印刷スピードに加えて、印刷が始まるのが早いので、体感的には滅茶苦茶早くなったと感じる。
コピーが高機能
業務用のレーザープリンターなのでコピー機能は充実している。両面コピーや複数の用紙を1枚に集約してコピーする集約コピーなどだ。
だが、一番便利だったのはIDカードコピー機能。
クレジットカードの発行などで免許証のコピーを封書に同封することがあるが、両面コピーが必要となる。こういう時、今までは2枚の紙にプリントすることが多かったが、IDカードコピー機能を使えば1枚の紙に、いい感じでコピーしてくれる。
家庭用としてはこれが一番便利だと感じた。
普通紙だけ保管しておけばよくなった
レーザープリンターは通常カセット(本体内)に普通紙をセットしておく。ほとんどはA4普通紙になると思うが、逆にこれ以外の用紙を印刷する場合、非常にややこしい。
基本的には手差しトレイと呼ばれる所に紙をセットして、最悪の場合1枚ずつ印刷するという形になる。ハガキや封筒などわりと一般的な用紙は大丈夫だが、正直面倒だ。
これはある意味デメリットでもあるが、逆に言えば他の用紙を使って印刷しようという気が消えた。
インクジェットプリンターを使っている時は、普通紙に加えて、マット紙、フォト用紙など用途に応じて何種類かの用紙を一応持っていた。が、これが不要になった。
さらに言えば、印刷時の設定で迷うような事があったが(どの用紙設定にするか、カラーなのかモノクロなのか、など)、モノクロレーザープリンターだと悩みようがない。
基本的には 何も考えずにプリントでOKなので実に気楽だ。
終わりに
僕がPCやインターネットを使い始めた90年代後半だと、家庭用のレーザープリンターなんてとても高くて買えなかった。
だが、今はモノクロレーザープリンターなら家庭用のインクジェットプリンターとほぼ変わらないか、少し高い程度だ。カラー印刷の用途が年賀状だけって人は今や多いと思うし、そういう人であれば、レーザープリンターを購入するのはありじゃないかと思う。
年1回の年賀状だけなら、インクを購入するコストを考慮すれば業者に委託した方が安いし、何より楽だと思う。
そして、レーザープリンタを使う最大のメリットは何と言ってもランニングコストの安さ。購入時に同梱されているトナーは小容量で1000枚程度しか使えないそうだ。だが、
購入から2年経ってもまだトナーを使い切れない
使い切れない事にも驚くが、インクジェットプリンターのように使わなくても勝手にインクが減ることがないというのがうれしい。
その間にインクジェットプリンターのインクは何回買うかを考えたら、レーザープリンターの方がむしろ安いくらいになるかもしれない。
一般家庭にレザープリンターっているの?
って思っている方、設置場所の件を除けば前向きに検討しても後悔はしないと思う!
僕が購入したモデルである「MF224dw」の後継モデル「MF244dw」は2017年6月時点で実売20,000円。
十分元はとれると思うので、印刷が多い方は是非検討してみて欲しい。
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