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スマホ撮影・女性ファン・オリコンにみる、わーすたのプロモーション戦略とは 〜iDOL Street樋口竜雄プロデューサーに聞きました vol.3〜

樋口Pインタビュー企画

avexのアイドル専門レーベル『iDOL Street』の、樋口竜雄(ひぐちたつお)プロデューサーにわーすたの事を質問した、インタビュー記事第3弾(最終回)です。

第1弾は、メジャーデビューなど2016年わーすたの活動を振り返る話が中心

樋口Pインタビュー1

第2弾はわーすた結成前の舞台裏が中心でしたが、

最終回となる第3弾は、

  • 樋口竜雄Pが考える『今の人気の指標』とオリコン
  • スマホ撮影OKというわーすたのプロモーション
  • 女性ファンを意識したプロモーション
  • ファンサイトとの付き合い方

をお伝えします。

アイドル記事ですけど、社会人の方がビジネス論として読むと色々考えさせられる内容だと思います。

記事内で使用している画像は、所属事務所・レーベルから掲載および撮影許可を得ているものです。

この記事の掲載内容は、2021年1月2日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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樋口竜雄Pが考える『今の人気の指標』とオリコン

1stアルバムリリース時は、HMVを中心に展開
1stアルバムリリース時は、HMVを中心に展開
わーすたのプロモーションを見ていると、iDOL Street内の他グループも含めて、アイドルが一番意識している『オリコンランキング』をあまり意識していないように感じます。

こちらについては戦略・考えなどがあるのでしょうか。

樋口
正直に言えば、CDがなかなか売れない時代なわけです。

これはマーケティング論的になりますが、例えば、

  • Twitterのフォロワーが多いと「人気あるんだな」と認識されてキャスティングが決まったり
  • YouTubeの再生数が多いと「この曲聴かれてるんだな」って注目してもらえたり

することがあります。

そういう意味で、人気の指標がもう『オリコン順位』と『CDの売上枚数』が全てではない、というのはお客さんも皆感じているところで、

  • ライブの動員数
  • YouTubeの再生数
  • Twitterのフォロワー数

など・・・だと思っています。今は。

そこに集中させるためにどうするかを考えています

特典会はアイドルライブ・イベントのある意味メインとも言える
特典会はアイドルライブ・イベントのある意味メインとも言える

特典会についても、変わってきてますよね。
昔、アイドルのライブは、ライブそのものを楽しむのはもちろんですが、全会場にいたり、オークションで前のほうを取ったりするのは『出席確認』の意味合いもありました。

メッセージボードとか書いたのも、

「ここに来てるよ!」

って見せたいとかあったんですよね。

それが、今多くは『CD1,000円の握手会』で出席確認が毎回できたり、時代は変わっていくものなので、そこに合わせてやっているというのが実情です。

良し悪しありますが、「もうちょっといいバランス取りたいな」って言うのは、スパガ初期の頃からずっと考えています。

やっぱりステージ上の人なので、会いたいなって思ったり、芸能人・タレントとしての距離感って価値でもあるので必要だと思うんです。

なので、多少高いメージがあるとおもうんです。『アイストのコスパ』といわれるものが。

良いバランスとは・・・をいつも考えながらやっていますね。

握手会や特典会は、お客さんとのコミュニケーションという意味で重要であり、必要です

無くすことはないですし、そこの価値が上がるように考えてます。

スマホ撮影OKというわーすたのプロモーション

いい写真を撮るには位置撮りが全てだが、スマホで写真が撮れるのは満足度が高まる
いい写真を撮るには位置撮りが全てだが、スマホで写真が撮れるのは満足度が高まる
わーすたの『スマホ撮影OK』というプロモーション手法は、初めてではないものの、大々的に採用した事例は珍しいと思います。

ファンの立場からすれば、思い出に残しやすい、会場(現場)に行けなくてもファンが撮影した動画を見られるなど、デメリットはほぼないですが、運営側から見れば別の見方もあるのかと思います。

このプロモーションについて、実際効果があったと考えているのでしょうか。

樋口
確かに、撮影可能自体は他のアイドルさんでも無くはなかったはずです。

見せ方とかやり方であって、わーすたはスマホ限定としたのも良かったのですが、『写真も・動画も撮影OK』と初めからやったのでインパクトはあったと思います。

それと、発足時からわーすたチームとしても、

CD枚数、順位を重視しないような、それこそCDは作らなくてもいいくらいのやり方を作っていけないか?

ということで進めています。
その上で、

  • ライブにお客さんが来ているか
  • 世の中が注目しているか
  • ワクワクするものかどうか

っていう『ピュア』なところを考えながら進めているつもりです。

その結果、全国ツアーがSOLD OUTした要因として1つあると思っているのが、やはり『スマホの撮影OK』です。

昔は、

  1. 地方のテレビ・ラジオ局で「何月何日にライブやります」みたいなプロモーションをし
  2. あの子達が来るんだって言うのを知って
  3. さらにファンになって
  4. お金も払うくらい好きになって

『いくつものハードル』を越えた人達がライブに来たんだと思います。

ですが、わーすたはファンがスマホで撮影した動画があり、それをアップしてくれるから、みんな曲やライブパフォーマンスを知ってます。

  • このかわいい子達がくるんだ。じゃあ行こう。
  • いぬねこ。見たい!

という感じで、ハードルが凄い低くなっているのではないかと思います。

ファンの皆さんが撮影してくれた『良く撮れている動画』がちゃんと拡散していて、曲を知ってる人達が既に全国というか全世界にいるので、規模は小さいけど100人とか200人とかが今の段階で来てくれるんだとおもいました。

普通にCDだけ売っていたら、絶対ここまでにはなっていなかったと思います

最初から異常なレベルの熱気だった神戸のライブ(引用元:@tws_staff)
最初から異常なレベルの熱気だった神戸のライブ(引用元:@tws_staff)

例えば神戸のライブ(2016年11月12日にKobe SLOPEで行われたわーすた1stライブハウスツアー)は、他の会場に比べると少しキャパが大きかったんです(広島・福岡・札幌・名古屋は200〜300、神戸は400)。

これは別に大きくしたかったわけではなく、そこしか取れなかったからで、逆に「400だとSOLD OUTはちょっと厳しいかもな、、、」って思っていました。

ところが、神戸が地方の最終公演だったこともありましたし、広島から始まって、新曲もあったりで、福岡・札幌・名古屋と続くうちにドンドン熱量が上がっていって、チーさんが記事にも書いてくれたように、盛り上がる空気感が出来上がって、神戸でパーフェクトな状態になったと思ってます。

そういう意味でも、スマホ撮影OKにして得られた成果はすごくあって、今のところ悪い所はありません

最初、メンバーは気が緩めないというか、

「いつも撮られてるっていうのが慣れない」

って言ってましたけど、それも沢山のステージを経て慣れて来たと言っていました(笑)

女性ファンを意識したプロモーションは最初から意識していた

かわいらしさ全開で女性ファンを意識していることは明らかだった
かわいらしさ全開で女性ファンを意識していることは明らかだった
スマホ撮影OKに加えて、わーすたのプロモーションで変わっていると思うのが『女性』を意識したプロモーションです。

とにかく、女の子のファンが多いと思います。恐らく狙いはあったと思っていますが、この結果はどのように見ていますか?

樋口
とにかく『女の子のファンを増やす』っていうテーマのもと、女性クリエイターから始まり、女性半額もそうですが、そういう狙いでやってきています。

原宿に力を入れたメジャーデビュー時の『GW原宿ジャック』もそうですし、うるチョコ衣装で木村優さんにお願いしたのもそうです。

木村優さんとの出会いはもう少し前なんですが、優さんのファンは90%くらい女の子のファンだそうです。

  • 外務省公認の『KAWAII』大使
  • ロリータ系ファッション・モデル
  • 『ゆめかわ』が得意ジャンル

ということで女性クリエイターとしてわーすたにバッチリ合うことから、「わーすたのデザインをお願いしたいです」と依頼しました。

2016年2月28日のデビュー発表ワンマンライブで登場してもらって。それから何回もデザインをやってもらってます。

このように、女性を意識して色々クリエイティブをやってきましたが、2016年の夏明けにその結果を目の当たりにしました。

『わ-3』の時にこれはすごい!

と思いました。

わ-3における女性専用エリア
わ-3における女性専用エリア

この時は、ステージの下手(しもて)左側に女性専用エリアを設けていました。

「こんなに女性専用エリア取るの?」

って言うぐらい取ってたんですが、それがパンパンだったんです

1stシングルリリース時に開催した『完全なるアイドルcafe』も、「平日は半分以上女子高生なんですよ」って報告されて、ビックリしました。

とはいえ、作品は音楽にしても、映像にしても、男性ファンが手を出せないくらい『女子寄り』になっているクリエイティブではないです。

この絶妙なバランスが、わーすたの今なんだと思います

良い方向に結果が出ている、と感じています。

ファンサイトとの付き合い方

運営側の樋口Pより、度々記事を紹介していただいた
運営側の樋口Pより、度々記事を紹介していただいた
プロモーションという意味で、もう1つ驚いたのが僕自身の体験です。それは僕が書いた記事を樋口さんが繰り返しTwitterでRTとかしてくれたことです。

通常運営やメンバーがファンサイトのことを言及することはありえないと思っていて、本当に驚きました。とはいえ、樋口さんはかつて松浦亜弥さんのファンサイトを運営されていましたし、ファンサイドの知見もお持ちです。

ファンサイトとの付き合い方について、何かお考えがあったのでしょうか。

樋口
そんなに不思議なことと思って、RTとかしていないというのがまずあります。

僕がRTしたりするのは、影響力があったりするっていうのはもちろんですが、応援しているアイドルのことを発信するサイトの作り手の気持ちが分かるからです。

チーさんの記事は自分がやっていた事に近いというのもあります。

すごい愛情たっぷりでやってるから、影響力も含めて意味があること。応援してくれるパワーは味方です。

当時僕のサイトもどうやら事務所さんにも認知はあったようです。後から聞いた話ですが。いわゆる『黙認』というやつで、「閉鎖してください」とか「警告」とかは一回もなかったです。

良いものは良いと、素直に思います。
ルールや常識の範囲ではもちろんありますが、言うまでもなくアツく応援してくれるメリットが非常に大きいですし、まずその情熱を持っているものは、僕は全然オッケーにする必要があるかなって思ってます。

今は情報が溢れていて、どこに信頼性があるのかとか考えると、ここは一番苦労するところですけど、定期的に更新するとか、内容の確実性もありながら、

そのサイトがちゃんと存在し続ける事も大事

だと思ってます。
そして、継続してやり続けることがとても大変だってことを僕は知ってます。

毎日更新しないといけないっていう、もはや恐怖観念があったりしましたし(笑)

「世の中に今日のニュースが出てるのに、自分のサイトに掲載してないのはまずい!」

って、飯も食わずにやってましたし(笑)

あと、チーさんの記事の画像に関して言いますと、記事に記載の『画像利用が公認』っていうのは、別に特別与えられているものじゃなくて

そもそもわーすたは、ライブ撮影がオッケーなものだから、その範囲でのブログなどの使用は公認

基本それでいいんですよ。
※わーすたでも他の権利範囲のものは守ってください

是非撮影されたわーしっぷさんとOK取り合っていただいて良いものを載せてください^^

それと、もっと個人ファンサイト・・・増えないかなと思ってます(笑)

終わりに

2016年3月からわーすたの記事を書き始めて、それ以来様々な形で樋口さんから教えていただいた事を、インタビュー記事として再構築し、3本の記事にわけてお届けしました。

僕は2000年頃からハロプロを中心にアイドルを見てきたアイドルヲタクですが、わーすたは見れば見るほど、悪い意味ではなく、

変なアイドルだな

って思います。それは、

  • アイドルとファンの関係がいい感じ
  • プロモーションスタイルが他のアイドルと変わっている

って辺りを見て感じていたことなんですが、樋口さんの話をお聞きして、その理由の裏付けがとれたなと思ってます。

そして、結果としてますますわーすたというアイドルが好きになり、そのバックのスタッフさんの事にまで興味が出てしまいました

2017年現在としてはメンバー・運営(大人)・ファン(わーしっぷ)が良好な関係を築けていて、雰囲気がよい・平和というのがわーすたの魅力でもあります。

活動3年目に入るわーすたは、2017年が勝負年になるでしょう。

このまま行けるところまで行って欲しい

そう思っているのは多分僕だけじゃ無いと思います。
この記事がわーすたというちょっと変わったアイドルの魅力・注目度を上げることに繋がる事を祈りつつ、樋口竜雄プロデューサーインタビュー記事を一旦締めたいと思います。

末筆ですが、本来であれば企業媒体などに掲載するような内容を、ファンサイトである当ブログにお話いただいた、avexの樋口竜雄プロデューサーには深く御礼申し上げます。

ありがとうございました。

また、第4弾以降が書けたらいいなぁ。

わーすたのまとめページ

2016年3月から、100以上書いた記事を整理したページです。

今でも応援していますが、家庭の事情などもあり、わりと頻繁に足を運べた2018年頃までの出来事が中心となります

▼まとめページは以下の画像をタップしてね

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好きでないと3万文字の記事とか書けない

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チー
2児の父親でありながらアイドルヲタクという、残念な大人ですが、記事を書き続けていることには、それなりの理由があるんです。
アイドル記事を書き続けている理由
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