ノイズキャンセリング機能付きの完全ワイヤレスイヤホンが欲しい!
2016年に「AirPods」が登場して以来、左右独立型の「完全ワイヤレスイヤホン」が急激に増え、2019年現在は主流と言えるくらい普及した。
しかし、ノイズキャンセリング機能を搭載する製品はそれほど多くない。
- BOSE
- SONY
この2社がノイズキャンセリング機能は高いノウハウを持っているのだが、完全ワイヤレスイヤホンの参入は出遅れたというか、足踏みしていたためだ。
そして、ようやく製品が販売され始めたのが2018年後半。
ノイズキャンセリング機能は確かに便利だが、接続安定性・動画再生時の遅延・バッテリー駆動時間など課題の多い製品だった。
SONY「WF-SP700N」なんかは、「過渡期であることを感じた」典型的な製品。
そして、2019年に入ると「完全ワイヤレスイヤホン」は一気に、技術的にも成熟してくる。
特に遅延やバッテリー駆動時間の改善はめざましく、5,000円クラスでも今や遅延する製品は少なくなった。
そんななか、SONYが満を持して発売したのが完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM3」だ。
- 本体のみで「6時間駆動」
- 接続安定性が向上し、動画の遅延も低減
- ノイズキャンセリング機能は、完全ワイヤレスイヤホンでは最強クラス
その反響は大きく、2019年7月の発売から品薄となり、購入まで1ヶ月待ちという状況が長く続いた。
この記事を書いている、2024年11月時点でようやく納期問題は解消したが、値段は多少高くても、「完全ワイヤレスイヤホンの決定版」と言える品質の高さからユーザーの高い評価を得ている。
この記事では、SONY完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM3」を紹介しようと思う。
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
SONY完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM3」の概要
今回紹介する、SONY完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM3」のスペックのうち、僕が気になる部分のみピックアップすると以下の通り。
方式 | Bluetooth 5.0 |
---|---|
対応プロファイル | A2DP, AVRCP, HFP, HSP |
対応コーデック | SBC, AAC |
通信方式 | 完全ワイヤレスイヤホン(左右独立型) |
電池持続時間(連続音声再生時間) | 単独:6時間/8時間(ノイズキャンセリング機能OFF) ケース込み:合計約24時間 |
防水 | なし |
ノイズキャンセリング | あり ※外音取り込み機能もあり |
音声アシスタント | Siri・Google Assistant |
イヤホンサイズ(幅×高さ×奥行) | 非公表 |
ケースサイズ(幅×高さ×奥行) | 非公表 |
重さ | イヤホン:8.5 g ケース:非公表 |
カラーバリエーション | プラチナシルバー ブラック |
価格 | 25,880円 |
SONYの完全ワイヤレスイヤホン最大の欠点は、バッテリー駆動時間が短いことだった。
今回はその問題を解消したのが最大の魅力だが、弊害として本体サイズ(特にケース)が大きくなっている。
SONYとしてはそこをあまり突っ込まれたくないのか、イヤホン本体の重量以外のサイズ・重量は非公表という対応をとっている。
これが僕の率直な感想だ。
なので、詳しいレビューを読む前に僕が伝えたいのは、ポケットに入れて持ち歩きたい人にはおすすめできないということだ。
- イヤホンケースはカバンに入れている
- 自宅やオフィスなど、ある程度決まった場所で使う
そんな方におすすめできる、完全ワイヤレスイヤホンだと思っており、実際僕は自宅で仕事をする時に使うのが主な用途だ。
SONY「WF-1000XM3」開封レポート
簡単な開封レポートを。
今回は「ブラチナシルバー」を購入した。
SONYのフラグシップモデルとも言える完全ワイヤレスイヤホンなので、コンパクトだが梱包は丁寧で、全体的に高級感のある作り。
同梱品は以下。
- イヤホン本体(左右)
- 充電ケース
- USB Type-Cケーブル
- ハイブリットイヤーピースロング(SS,S,M,L各2個)
- トリプルコンフォートイヤーピース(S,M,L各2個)
- 保証書
- 取扱説明書(日本語対応)
- 使用上のご注意
イヤーピースは以下の2種類が同梱されている。
- ハイブリットイヤーピースロング
- トリプルコンフォートイヤーピース
本体に装着済みなのは「ハイブリットイヤーピースロングSSサイズ」のようなのだが、僕はこれがしっくりきたのでそのまま使っている。
最大の欠点と言えるのは、充電ケースが大型であること。
「AirPods」と比較すると、その大きさが分かると思う。
同じSONY製品である「WF-SP700N」と比較しても大きい。
しかし、完全ワイヤレスイヤホンなので、イヤホン自体はコンパクト。
AirPodsと比較すれば大きいが、タッチセンサーで操作することもあり、利便性を考慮すると全く気にならないサイズ感。
初回利用時は、イヤホンをケースから外すと自動的にペアリングモードとなり、スマホ側で接続すればセットアップ完了だ。
慣れている人なら1分かからない。
装着するとこんな感じ。
AirPodsでよく言われる「耳からうどんをぶら下げている状態」にもならず、スッキリしている。
ケースの充電はUSB-Cを利用する。
2024年現在はUSB-Cがかなり普及してきたので、これは高評価。
フル充電状態だと、イヤホン単体で「最大6時間」、ケースからの充電を含めれば「最大24時間」持つので、完全ワイヤレスイヤホンの中では、かなりの長時間駆動だと思う。
SONY「WF-1000XM3」を使った感想
「WF-1000XM3」はSONYの完全ワイヤレスイヤホンとしては2回目の購入となる。
1回目に購入した「WF-SP700N」は、「過渡期であることを感じた」典型的な製品。
- ノイズキャンセリング機能
- iPhoneでも使えるGoogleアシスタント対応
- 長時間装着しても「耳が痛くならない」
- 遅延がひどく、動画視聴には使えない
- バッテリーが「持たなすぎる」
イマイチだったところが「WF-1000XM3」で、どこまで解消されているかが気になった。
- ノイズキャンセリング機能と外音取り込み機能が便利
- 音質はさすがのSONYクオリティ。動画再生時の遅延もほぼなし
- バッテリー持続時間は「6時間」で十分
- カナル型だが、耳が痛くならない
ノイズキャンセリング機能と外音取り込み機能が便利
「WF-SP700N」で初体験した「ノイズキャンセリング機能(ノイキャン)」。
そう思っていたのだが、特にPC作業時の集中力が増して便利と感じた。
「完全ワイヤレスイヤホン」もかなり普及した結果、ノイズキャンセリング機能を差別化要素に使うメーカーも多く、各社注力している分野と言える。
「WF-1000XM3」ではさらに強化されており、SONY製品の中でも「WF-SP700N」より高い性能を有している。
実際使った感想としても、ノイズキャンセリング機能はさらに高まったと感じた。
PC作業時の音は以下のようなものが多い。
- PCファンが回る音
- キーボードのタイプ音
これらの音は「作業している感」を感じる面もあるのだが、無くなると快適で、集中力が増すのでPC作業者にも便利だと思う。
他社製品と比較していないが、これ以上はあまり比較の意味が無いのでは、と思うくらいの静寂が訪れる。
そして、ノイズキャンセリング機能が高まると、逆に「外音取り込み機能」も重要になる。
こちら性能が上がっており、イヤホン本体をタッチするだけで切り替えできるので使い勝手もよかった。
音質はさすがのSONYクオリティ。動画再生時の遅延もほぼなし
SONY「WF-1000XM3」の音質面での売りは、以下の2点。
- 「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1e」搭載
- 高解像度音源にアップスケーリングする高音質技術「DSEE HX」を完全ワイヤレスで初搭載
まあこれだけ言われても、詳しい人じゃないと正直よく分からない。
ここに関しては、「使ってみてください」としか言いようがないのだが……。
さらに言えば、専用アプリがあり音源に応じて、設定を変えることができる。
僕は正直こういう知識が薄いので「デフォルト設定」で聞いているが、オーディオに詳しい方にも対応するような機能を用意しているのがSONYクオリティと感じた。
また、完全ワイヤレスイヤホンの重要な評価ポイントは、動画再生時の遅延でSONY製品の弱点でもあった。
なので、SONY「WF-1000XM3」については正直厳しいだろうなと思いつつ使ってみたのだが……
バッテリー持続時間は「6時間」で十分
また、完全ワイヤレスイヤホンの宿命とも言える欠点は、バッテリー持続時間の短さ。
特にSONY「WF-SP700N」は、公称3時間、実働2時間でさすがに短すぎた。少なくとも外出時での利用には耐えられないレベル。
僕は岡山在住で、イヤホンを最も長く使うシーンは「東京出張」。
新幹線の場合、自宅から都内の目的地だと大体4〜5時間かかるので、それくらい持つかどうかが、持ち歩きに使えるかどうかの判断基準になる。
SONY「WF-1000XM3」は6時間持つ
ちなみに、付属の充電ケース使用で最大24時間の再生が可能となる。
他社製品だともう少し持つモデルも多いが、ノイズキャンセリング機能搭載でこのレベルなら十分と言える。
しかし、SONY「WF-1000XM3」に限らず、バッテリーを使う製品全般に言えることだが、バッテリーは使えば使うほど消耗する。
使用頻度にもよるが、2年も使えば半分くらいになるわけで、バッテリー交換が難しい完全ワイヤレスイヤホンは、「使い捨てのデバイス」であることは認識しておいて欲しい。
カナル型だが、耳が痛くならない
SONY「WF-1000XM3」は、カナル型と言われる耳栓のように装着するイヤホンだ。
僕はこれがちょっと苦手……。
長時間装着すると、圧迫感が強くなり耳が痛くなるからなのだが、バッテリー駆動時間をテストするために、ほぼ1日装着しても耳が痛くならなかった。
SONY「WF-SP700N」のような、内耳に引っかけるようなタイプの方が安定性はあるが、手軽さはこちらの方が上だと思う。
SONY「WF-1000XM3」のここがイマイチ
音質など基本的には高評価のSONY「WF-1000XM3」だが、もちろん欠点もある。
僕が気になったのは以下の2点
- ケースが大きすぎてポケットに入らない
- ケースが自立しない
- マルチポイント非対応
ケースが大きすぎてポケットに入らない
記事の前半でも紹介したのだが、SONY「WF-1000XM3」最大の欠点はケースの大きさ。
と、うがった見方をしてしまうくらい大きい。
完全ワイヤレスイヤホンの代名詞Apple「AirPods」と比較すると、これくらい違う。
ちなみに、ケースと本体を入れた重量は「92グラム」。
ケースのみだと「75グラム」。
AirPodsはケースと本体を入れた重量でも「47グラム」であることと比較すると、重量級であることが伝わると思う。
ただ、重いと言っても100グラム程度で大した負担にはならないのだが、大きさは違う……。
また、「AirPods」と比較したときに、一番大きな欠点はケースの大きさ。
パッとみた感じ2倍以上あろうかという大きさで、ポケットに入れるのはもちろん、カバンに入れてもちょっとかさばるレベル。
バッテリー駆動時間を延ばすために、やむを得ずこうなったのだろうと推測はするが、ケースはもう少し小さくして欲しかったと思う……。
ケースが自立しない
ケースに関する不満はもう1つある。
それは、ケースが自立しないこと。
「WF-1000XM3」のケースは、「WF-SP700N」とは大きく変わった。
AirPodsによく似た形状なので、おそらく意識していると思う。
丸っこい形をしていて、手のひらやポケットにも収まりやすい形状
コンパクトなAirPodsならそう言える。しかし、「WF-1000XM3」は前述の通りかなり大きい。
机においたときも、正直ケースが邪魔……。
なので、少しでも場所をとらないように、立てておきたくなるのだが……
イヤホンの性能は抜群なのだが、ケースには不満が多く、次期モデルではもう少しコンパクトにするか、せめて自立するような形状にして欲しいと思った。
マルチポイント非対応
最後は完全ワイヤレスイヤホン全般に言えることだが、複数機器の同時接続規格「マルチポイント」に対応していない。
マルチペアリングには対応しており、機器を切り替える毎にペアリングする必要はない。
切り替え時も、接続中のスマホから切断するなどの操作は不要で、ペアリング済みのスマホから接続操作をすれば、サクッと繋がる。
この辺りの操作感は「AirPods」に近いと思う。
ただ、このような使い方は「マニアック」だとは思っている。
大多数の方は、使っているスマホとペアリングできればそれでよいはず。
SONY「WF-1000XM3」は自動ペアリングに対応している。
具体的には、「初回利用時に」ケースからイヤホンを外すと自動的にペアリングモードになり、スマホとすぐにペアリングができる。
なので、安心して使って欲しい。
SONY「WF-SP700N」と比較してどちらが買いか?
ちなみに、SONYはいくつかの完全ワイヤレスイヤホンを販売しており、「WF-1000XM3」はフラグシップモデルに該当する。
2024年時点で、SONY製品の目玉と言える「ノイズキャンセリング機能」を有する、完全ワイヤレスイヤホンは以下の2モデルが販売されている。
ここまで解説してきたように、「WF-1000XM3」は「WF-SP700N」の欠点のほとんどを解消したモデルだ。
このため、余程の理由がない限り「WF-SP700N」を選ぶ理由はない。
唯一、「WF-SP700N」を選ぶ理由があるとすれば、防滴対応しているので、ランニングで使うようなケース。
終わりに
SONYが満を持して発売した、本気の完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM3」は、値段なりの性能と使い勝手で、口コミ評価が高いことも納得だった。
- ノイズキャンセリング機能を重視する人
- イヤホンを長時間使用する人
には特におすすめだ。
iPhone、Androidユーザー関係なく使いやすく、SONY製ということで音質もよい。
欠点は記事内でも紹介した、ケースの大きさと重量だが、最大のネックは「25,880円」という価格だろう。
ノイズキャンセリング機能を搭載する完全ワイヤレスイヤホンは皆無なので、この機能を重視するかどうかで価値は全く変わる。
音質よりも、ノイズキャンセリング機能を重視する方は是非使って欲しい、イヤホンだと思う。
ワイヤレスイヤホン・ヘッドセットに関する記事
AirPodsの登場以来、「完全独立型ワイヤレスイヤホン」が増えています。まだまだ、進化中の製品ですが便利なので是非使ってみてください。
「ケーブルってこんなに邪魔だったの!」と驚くくらい、便利なので1度体験してね!
▼iPhoneユーザーなら使い勝手含めて一番のおすすめ