2016年に「AirPods」が登場して以来、左右独立型の「完全ワイヤレスイヤホン」が急激に増え、2019年現在は主流と言えるくらい普及した。
ただ、完全ワイヤレスイヤホンは利便性が高い反面、遅延があったり、音質がイマイチという欠点がある。
「遅延」については、Bluetooth5.0を採用した製品が増えたことで、技術的にもほぼ解決した感じだが、音質は「主観」もともなうので判断が難しい……。
完全ワイヤレスイヤホンは便利だけど、音質はイマイチなのが不満
そういう方は今でも多いし、僕も正直「音質」に関しては期待してないので、割り切っているところがある。
僕はガジェットブログを運営していることもあり、普通よりはるかに多くの製品に触れているが、音質はイマイチと思う。
また、特筆するべき点として、5,000円程度の安価な製品と2万円程ほどの高価な製品を比較して、「音質」は大して変わらないとも思っている。
今回レビューするM-SOUNDS「MS-TW3」も同じ考えで、使っていたのだが……。
音質の良し悪しとは異なるが、他製品にはない「味付け」になっていると感じた。
M-SOUNDS「MS-TW3」の特徴は以下。
- 2層構造の複合振動板を使用した新開発「5.9φダイナミックドライバー」を搭載
- 歪みや濁りのない自然なサウンドを再生する、音響技術「HDSS(R)」を搭載
- 約10時間の連続再生、付属の充電ケースを使えば最大60時間の再生が可能
- 実売価格が「14,580円」
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M-SOUNDS完全ワイヤレスイヤホン「MS-TW3」の概要
今回紹介する、M-SOUNDS完全ワイヤレスイヤホン「MS-TW3」のスペックのうち、僕が気になる部分のみピックアップすると以下の通り。
方式 | Bluetooth 5.0 |
---|---|
対応プロファイル | A2DP(オーディオ)、AVRCPA(リモートコントロール) HFP(ハンズフリー)、HSP(ヘッドセット) |
対応コーデック | SBC, AAC, aptX |
通信方式 | 完全ワイヤレスイヤホン(左右独立型) |
電池持続時間(連続音声再生時間) | 単独:10時間 ケース込み:合計約60時間 |
防水 | あり(IPX7相当) |
ノイズキャンセリング | なし |
音声アシスタント | Siriの起動に対応 |
イヤホンサイズ(幅×高さ×奥行) | 22 mm×25 mm×21 mm |
ケースサイズ(幅×高さ×奥行) | 71 mm×29 mm×44 mm |
重さ | イヤホン:5.6 g ケース:52.2 g |
価格 | 14,580円 |
完全ワイヤレスイヤホンは多くの製品が、「6時間程度」のバッテリー駆動時間となっている。
これでも十分使えるのだが、丸1日使うと考えたら心許ない。M-SOUNDS「MS-TW3」は、
イヤホンのみで10時間持つ
これならほぼ丸1日充電なしで使えるだろう。
また、完全ワイヤレスイヤホンの多くは、スマホ1台のとのペアリングは便利だが、2台目以降となると都度リセットが必要など、ややこしいことが多い。
M-SOUNDS「MS-TW3」は、自動接続は直近の1台のみだが、4台までペアリング情報が保存されるため、時々接続先を切り替えたい時にいちいちペアリングする必要がないのが嬉しい。
カラーバリエーションは、ホワイトとブラックの2種類で今回はブラックをレビューする。
M-SOUNDS「MS-TW3」開封レポート
簡単な開封レポートを。
パッケージは特に凝ったものでもないが、安っぽくもない感じの作り。
同梱品は以下。
- イヤホン本体(左右)
- 充電ケース
- micro-USBケーブル
- イヤーピース
- 取扱説明書(日本語対応)
充電ケースは「AirPods」には及ばないが、意外とコンパクト。
完全ワイヤレスイヤホンなので、イヤホン自体はとてもコンパクト。
初回利用時は、イヤホンをケースから外すと自動的にペアリングモードとなり、スマホ側で接続すればセットアップ完了だ。
慣れている人なら1分かからない。
装着するとこんな感じ。
AirPodsでよく言われる「耳からうどんをぶら下げている状態」にもならず、スッキリしている。
ケースの充電はmicro-USBを利用する。
2019年現在はUSB-Cがかなり普及してきたので、できればUSB-Cがよかったなあとは思った……。
フル充電状態で、イヤホン単体で「最大10時間」、ケースからの充電を含めれば「最大60時間」持つので、完全ワイヤレスイヤホンの中ではNo.1クラスの長持ちバッテリーだ。
M-SOUNDS「MS-TW3」を使った感想
M-SOUNDSのイヤホンは「TW3」と名が付く通り、これが3代目になる。
初代と2代目も併売されており、3代目は「音質にこだわった」とのことだ。
そのような事前情報を得た上で、初めて使ったM-SOUNDSの完全ワイヤレスイヤホンだが、以下の3点が高評価だった。
- 重低音が響き迫力のサウンド。動画再生時の遅延もほぼなし
- バッテリー持続時間は「10時間」で十分
- カナル型だが、耳が痛くならない
重低音が響き迫力のサウンド。動画再生時の遅延もほぼなし
M-SOUNDS「MS-TW3」の音質面での売りは、以下の2点。
- 2層構造の複合振動板を使用した新開発「5.9φダイナミックドライバー」を搭載
- 歪みや濁りのない自然なサウンドを再生する、音響技術「HDSS(R)」を搭載
まあこれだけ言われても、詳しい人じゃないと正直よく分からない。
ここに関しては、「使ってみてください」としか言いようがないのだが……。
今まで様々な完全ワイヤレスイヤホンを使ってきたが、音質だけならNo.1と感じた。
※使い勝手の面はさすがにAirPodsには劣る
また、完全ワイヤレスイヤホンの重要な評価ポイントは、動画再生時の遅延。
iPhoneとAirPodsの組み合わせだと遅延はほぼ感じないが、他社製品を使うと実は高度な技術であることがよく分かった。
SONYですら、この問題を最近まで解決していなかった。
なので、M-SOUNDS「MS-TW3」については正直厳しいだろうなと思いつつ使ってみたのだが……
バッテリー持続時間は「10時間」で十分
また、完全ワイヤレスイヤホンの宿命とも言える欠点は、バッテリー持続時間の短さ。
2018年までは「3〜4時間」くらいだったのが、2019年モデルは「6時間程度」となり、かなり使い勝手がよくなったものの、「もうちょっと持って欲しい」というのが本音だった。
僕は岡山在住で、イヤホンを最も長く使うシーンは「東京出張」。
新幹線の場合、自宅から都内の目的地だと大体4〜5時間かかるので、東京駅に着く頃バッテリーが切れることが多い。
と言いたくなるのだが、M-SOUNDS「MS-TW3」は10時間持つ。
ちなみに、付属の充電ケース使用で最大60時間の再生が可能となる。
完全ワイヤレスイヤホンのバッテリー問題は、ほぼ解消したといっても良いかもしれない。
しかし、M-SOUNDS「MS-TW3」に限らず、バッテリーを使う製品全般に言えることだが、バッテリーは使えば使うほど消耗する。
使用頻度にもよるが、2年も使えば半分くらいになるわけで、バッテリー交換が難しい完全ワイヤレスイヤホンは、「使い捨てのデバイス」であることは認識しておいて欲しい。
カナル型だが、耳が痛くならない
M-SOUNDS「MS-TW3」は、カナル型と言われる耳栓のように装着するイヤホンだ。
僕はこれがちょっと苦手……。
長時間装着すると、圧迫感が強くなり耳が痛くなるからなのだが、バッテリー駆動時間をテストするために、ほぼ1日装着しても耳が痛くならなかった。
また、装着感もよく、フィットするので、ノイズキャンセリング機能は搭載していないが、遮音性能は比較的高いと感じた。
M-SOUNDS「MS-TW3」のここがイマイチ
音質など基本的には高評価のM-SOUNDS「MS-TW3」だが、もちろん欠点もある。
僕が気になったのは以下の4点
- 充電は「micro-USB」で「USB-C」非対応
- ケースがちょっと大きい
- タップサークルの操作が分かりづらい
- マルチポイント非対応
充電は「micro-USB」で「USB-C」非対応
Androidスマホは2024年現在、ほぼ全製品が「USB-C」を充電コネクタに採用している。
かつては「micro-USB」が主流だったが、一気に切り替わった。
M-SOUNDS「MS-TW3」を僕がおすすめしたいのは、iPhoneユーザーよりもむしろ、Androidユーザーだ。
iPhoneの場合、「AirPods」という絶対的存在があり、少々音質がよくても利便性の面でどうしてもかなわないが、Androidは絶対的な存在がない。
であれば充電端子は「USB−C」としておいた方が、Androidユーザーには喜ばれるのでここは残念だった。
ケースがちょっと大きい
また、「AirPods」と比較したときに、一番大きな欠点はケースの大きさだ。
上から見ると、縦に長いか、横に長いかという違いに感じるが……
厚みはかなり違う。
ポケットには入るが、さすがにかさばって邪魔になるサイズ感……。
イヤホンが非常にコンパクトなだけに、もう1歩頑張って欲しかったが、おそらくバッテリー駆動時間を重視した結果なのだと思う。
タップサークルの操作が分かりづらい
M-SOUNDS「MS-TW3」は本体(「タップサークル」と呼ばれるエリア)をタッチすることで操作可能だ。
一例を挙げると以下のような感じ。
操作内容 | 動作 |
---|---|
右のイヤホンを1回タップ | 音量を上げる |
左のイヤホンを1回タップ | 音量を下げる |
着信中に左右どちからのイヤホンを1回タップ | 受話 |
左右どちからのイヤホンを2回タップ | 再生 or 停止 |
左右どちからのイヤホンを3回タップ | 音声アシスタント(Siri)軌道 |
反応はよいし使い勝手に特別な不満はないが、音楽や動画再生時に1回タップで音量が変わるというのは、ちょっと使いづらかった。
AirPodsも含めて、タップやボタンを1回押すと、再生・停止をするモデルが多いからだ。また、さらに細かい点を指摘すれば、イヤホンを外したり、装着することで音楽を停止・再生する機能もない。
必須機能ではないがあると便利なので、15,000円程度とわりとお高い製品だし対応してくれると嬉しかった。
マルチポイント非対応
最後は完全ワイヤレスイヤホン全般に言えることだが、複数機器の同時接続規格「マルチポイント」に対応していない。
マルチペアリングには対応しており、機器を切り替える毎にペアリングする必要はないのだが、切り替えには少し注意が必要。
- 今ペアリングしているスマホのBluetooth設定画面から、切断する
- 次に接続するスマホから、手動で接続する
このような流れで接続しないと、うまく切り替えできなかった。
ただ、このような使い方は「マニアック」だとは思っている。
大多数の方は、使っているスマホとペアリングできればそれでよいはず。
M-SOUNDS「MS-TW3」は自動ペアリングに対応している。
具体的には、「初回利用時に」ケースからイヤホンを外すと自動的にペアリングモードになり、スマホとすぐにペアリングができる。
なので、安心して使って欲しい。
終わりに
初めて使ったM-SOUNDS「MS-TW3」は、以下のような方におすすめと感じた。
- Androidユーザー
- 完全ワイヤレスイヤホンの「音質」に不満がある人
- イヤホンを長時間使用する人
最大の売りは「音質」だ。
一概には言えないが、オーディオ機器は高いほど高音質になる傾向が強い。
機能的には5,000円程度の完全ワイヤレスイヤホンと大差ないが、音質面で不満のある方には是非使ってみて欲しい。
価格が14,580円とちょっと高いが、一味違う音質を体験できると思う。
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