出張が多いサラリーマンは大抵ご存じだろうし利用者も多いと思うが(僕もかつては毎週のように岡山東京を往復していた時期があった)、JR東海道/山陽新幹線で利用出来る「エクスプレス予約」という会員制サービスがある。
これを利用するためには、
- 東日本エリアはJR東海が発行する「エクスプレスカード」
- 西日本エリアはJR西日本が発行する「J-WESTカード」
- 提携クレジットカードと紐付ける「プラスEX」
を契約する必要がある。
これらのカードは年会費が1,000円(税抜)かかるのだが、指定席が会員価格で少し安くなるため、この費用は年に2回ほど新幹線に乗ればペイ出来る。
そしてこのエクスプレス予約には大きなメリットがある。
利用する号車・座席をピンポイントで指定できる
ということだ。価格よりもこのメリットの方が遙かに大きい。
なので、出張等があまり無くても、特に乳幼児がいる子育て中の家庭では嬉しい機能だ。
この記事では目的別の新幹線で指定するお勧め号車、座席を紹介しようと思う。
指定席券の割引、ポイント特典などはありませんが、この記事で紹介する、座席指定が利用可能なので、是非使ってみてください
目次
エクスプレス予約のメリットは?
まず、エクスプレス予約というサービスそのものについて簡単に。
このサービスは東海道・山陽新幹線の会員サービスで、以下のようなメリットがある。
- 繁忙期・通常期・閑散期に関係なく最安値で指定席に乗れる
- PCや携帯で事前に予約できる。また座席指定が可能
- 発券(e特急券の場合)、改札通過(EX-ICの場合)まで何度でも乗車日付・時間・座席が変更可能
- みどりの窓口に並ばなくても、特急券が自販機ですぐに発券できる
- ポイントが貯まればグリーン特典を使って、グリーン車に無料で乗れる
同種のサービスとして「プラスEX」というサービスもあり、以前は以下のようなサービスの違いがありお勧めできなかった。
- e特急券・EXお出かけ早特はなし
- グリーンポイントはなし
- 運賃額が高い
しかし、2017年9月30日以降サービスが統合され、ポイント特典以外の差異はなくなっている。
僕も2019年時点では、JR西日本の「J-WESTカード」を解約し、「プラスEX」を契約している。
エクスプレス予約・プラスEXを使う最大のメリットは運賃が少し安くなり、座席指定が可能になるということなのだが、前述の通り運賃よりも座席指定のメリットの方が遙かにメリットは大きい。
やはり気分によって狙う席は違うからだ。
スマートEXとは

また、2017年9月30日に「スマートEX」というサービスも開始した。
このサービスは、エクスプレス予約と基本的には同じなのだが、
- 指定席券の割引販売
- グリーン特典のポイントがつかない
という違いがある。
つまり、座席指定は可能になるわけで、「年会費払ってまで、利用するメリットは感じない」と思っていた方にも、強く利用をおすすめできるサービスになった。
何号車を指定するのがおすすめか

エクスプレス予約の座席指定は、
- 号車
- 座席
の単位で指定が可能。もちろん指定可能な座席は指定席または、グリーン車だ(グリーン車は特別料金が必要)。
東海道新幹線は現在全て16両編成で、主流ののぞみは4号車~16号車が指定席と決まっている(8号車~10号車はグリーン車)。
そのなかでまず悩むのは一体「何号車を指定するのがよいのか」ということだ。
東海道新幹線の16両編成を前提にした場合、僕は11号車か12号車を大体指定する。山陽新幹線の8両編成の場合は、このパターンには当てはまらないが、指定する観点は大体同じだ。
理由は2つある。
駅の階段・エレベーターが近い

16両編成新幹線の11号車というのは少し特殊な車両だ。
- 多目的室(授乳室)を備えている
- 車椅子用の方向けの座席がある(通路を挟んで2列と2列という座席)
車椅子用の座席は障害者が事前申請で利用したりするため、前々から予約することはできないようだが、当日であればエクスプレス予約でも空きがあれば予約できる。
という特徴がある。この為、特に東海道新幹線の駅はこの号車から乗り降りする時、階段やエレベーターがすぐ近くにあることが多い。
例えば山陽新幹線区間になる新神戸駅など例外もあるが、僕が住む岡山県のJR岡山駅だとこの法則があてはまる。出張や旅行で新幹線を利用するときは、キャリーバッグなど荷物が多い事も多い。
すぐ乗れて、すぐ降りられるというのは非常に便利だ。
乳幼児と一緒に移動する家族(特にお母さん)は、授乳する事もあるだろうし、ベビーカーを使っている事も多い。そういう方は迷わず11号車指定がお勧め。
自由席車両から遙かに離れているため「静か」
東海道新幹線の自由席は1号車〜3号車だ。
僕が指定席として一番避ける号車は4号車なのだが、その理由はうるさいと言うことが大きい。
自由席は子供連れが乗っていたり、乗り降りが多く騒がしい。特に疲れて眠りたいような時にこれはストレスだ。
また、
- 金曜日の夕方の下り新幹線
- GW・夏休み・年末年始などの帰省ラッシュ
などの時期、自由席は座れない乗客でデッキまで溢れかえるのだが、やむを得ず隣の指定席にまで人をいれることがある。4号車と5号車はその対象になりがちで、とにかく落ち着かない。
なので、僕は指定席で選ぶ号車として自由席と隣接せず、なるべく遠い車両を選ぶ。
座席はどこを指定するのがおすすめか

座席については、
- 1〜20番までの座席番号(車両による)
- A〜Eまでの列番号(11号車のみC席がない座席あり)
が選択可能となる。
僕は大体、1番か20番(先頭か最後尾)の窓側を選択するのだが、敢えて選ばないこともある。
僕の座席選定基準を紹介しようと思う。
昼間なら窓側、夜なら通路側も
基本的に僕は窓側席を好む。
窓枠が肘置き代わりになるなど小さな理由もあるが、一番大きいのはやはり景色が見えるということだ。それだけで気分転換になったり、長時間移動の疲れが抜けたりする。
こういうのは重要だと思う。
逆に夜は景色が楽しめないので、無理に窓側席を確保しようとはしない。理由は、
- 疲れて寝ている人が多い
- 僕はあまり寝られないタイプで、トイレなどで席を立つ時気をつかう
という理由がある。特に金曜日の夕方に東京から新幹線で帰っていると、最初の1時間くらいは駅弁食べたりしてガヤガヤしているが、そこから一気に静かになるんですよね(みんな寝てしまう)。
また、特に子育て世帯だと富士山が見えるのはどちら側なのかというのが気になると思うが、答えは「E席」となる。
進行方向 | 富士山が見える座席 |
---|---|
上り(東京方面) | 進行方向に向かって「右側」 |
下り(新大阪方面) | 進行方向に向かって「左側」 |
という感じで覚えてもよいかと思う。
電源を確保するなら窓側席のA席かE席

2019年現在主流の新幹線は、N700またはN700Aというタイプ。
この新幹線は窓側席(A席またはE席)に電源コンセントを搭載しており、乗客は自由に利用することが可能。
- スマートフォンの充電
- PCの電源
などとして利用可能なのでこれは大きなポイント。
また、特にPCを利用して作業スペースを確保するのであれば、A席の方がおすすめだ。
これは確実に保証出来るものではないが、A〜C席は3人掛けの席になるため、繁忙期でなければB席は高確率で空いている。
つまり隣が空くので隣の人の目線も気にならないし、荷物を置いたり出来るので便利なのだ。
最後に窓際席の小さなメリットは、上着掛けがあることだ。スーツの上着、コートなどを引っかけられるのでこれは嬉しいところだったりする。
キャリーバッグなど荷物が多いときは1番か20番(一番大きい番号)

キャリーバッグなど荷物が多い・大きい場合、座席上部の物入れにおけないため座席に置くことになる。
そうなると当たり前だが狭い。そのデメリットを解消する場合、最前列か最後列の座席を確保するのがおすすめだ。最前列は机が他の座席比べると大きく、前方に余裕がある。
最後列は後ろにスペースがあるため、そこに荷物を置くことが出来る。
荷物のことをより重視するなら最後列がおすすめだ。ただし、特にキャリーバッグに言える事だが、ロック機能がないキャリバッグだと、勝手に転がって動いてしまうため、逆に落ち着かなくなるという欠点もある。
最前列、最後列の考え方も、進行方向によって異なっている。
進行方向 | 最前列 | 最後列 |
---|---|---|
上り(東京方面) | 20番 | 1番 |
下り(新大阪方面) | 1番 | 20番 |
という関係になるので、覚えておくと便利だと思う。
ちなみに20番というのは最大の番号で、実は車両によって18番までしか無いなど、最大値は様々だ。なので、20番というよりは一番大きな番号と覚えた方がよい。
ゆっくり寝るなら車両の中間10番前後を選ぶ
僕は基本的に、電車や飛行機であまり寝られない。
寝ていても1度目が覚めたら寝られないというのはよくある話なのだが、そう言う意味で眠いときは眠りを妨げられたくない。
眠りを妨げる要因は主に3つ。
- 乗客の移動
- ドアの開閉
- 駅が近づいたことで並ぶ人が出てくる
という辺りだろうか。
こういう時、出口に近い1番・20番の通路側に座っていたら最悪で、ほぼ100%目が覚める。上記の要因全てに合致するからだ。
なので、僕はゆっくり寝たい時は車両中間(10番前後)の窓際席を必ず選ぶようにしている。
チケットレスでスピーディーに乗るには「Apple Pay」の活用を

座席指定を確実に行うのはもちろんだが、新幹線をより便利に利用する場合は、チケットレス乗車がおすすめだ。
エクスプレス予約・スマートEXを使うメリットとしては、これも重要なポイント。
新幹線のチケットレス乗車は、
- EX-ICカード
- Suicaカード
- Apple Pay
- Gogle Pay
で利用できるのだが、プラスチックカードを使うより、スマートフォンを使うのがおすすめだ。
iPhoneの場合は「iPhone 7」以降のモデルでは対応しており、設定は必要なのだが、便利なので是非活用して欲しい。
ちなみに僕は「Apple Watch」のSuicaを使って乗車することにしている。
終わりに

というわけで、僕が新幹線に乗る時、選ぶ号車をシーン別でまとめると、以下のようになる。
シーン | 号車 | 座席 |
---|---|---|
通常時 | 11号車 or 12号車(自由席からなるべく遠い) | 1番か20番 |
PCで作業をしたい時 | 〃 | A列 |
荷物が多い時 | 〃 | 【上り】1番 【下り】20番 |
寝たい時 | 〃 | 10番前後のA列かE列 |
色々試して僕はこれがベストだな~と思っている。
また、エクスプレス予約は座席指定が出来るというのがウリだが、逆に迷うんですよ。なので、自分がまず探す号車と座席を決めとくと予約の時に楽。
そういう意味で、目的の席を確保するには遅くても3日前には予約しておく必要がある。
経験上、当日だと窓際席が取れないことが多いと思うので。
エクスプレス予約は発券前なら何度でも変更可能である事が売りだが、予約の基本はやはり早めに確保することだと思う。
新幹線の関連記事
新幹線に関しては、以下のような記事も書いています。
特に出張族の方は、iPhone・Apple Watchを使って乗車出来る、エクスプレス予約・スマートEXの利用がお勧めです。
プラスEXですが、EX予約とは似ているようでだいぶ違います。
・e特急券・EXお出かけ早特はなし
・グリーンポイントはなし
・運賃額が高い
特に3点目については、
EX予約が自由席の額を基準に金額設定しているのに対して、
プラスEXでは閑散期のひかり・こだま指定席の額を基準にしているので、
東京~新大阪で550円ほど差がつくようです。
コメントありがとうございます。
確かいよく見るとおっしゃる通りです。気づいてませんでした。ブログ内に追記しました。情報いただきありがとうございました!