携帯・スマホのSIMロック解除とSIMフリーとはどういう意味?利用者にとってのメリットを解説します

2015年5月より大手キャリア(docomo・au・SoftBank・Y!mobileなど)で販売される、スマートフォン・タブレット端末において、SIMロック解除が義務化され、SIMフリー端末が激増する事となった。これは総務省の指導によるものだ。

結果、各社若干の違いはあるものの 購入から半年(6ヶ月)経過後、別途手続きを行う事でSIMロック解除が可能 となった。ただ、多くの方にとってそもそも、

  • SIMロックとは何なのか
  • なぜそのようなロックが掛かっていたのか
  • SIMロックが解除できることでどんなメリットがあるのか

という辺りがよく分からないという方も多いのでは無いかと思う。SIMロックを解除する事でSIMフリーとなった、スマートフォン・タブレットはMVNO(格安SIM)で使うもの、と思っている人もいるかもしれない。

それも1つの活用法に過ぎないのだが、この記事では歴史的な経緯踏まえて、僕の理解している範囲の事をなるべく分かり易く解説しようと思う。

SIMロックって何?

SIMロックというのは、iPhone・iPadなどのスマートフォン・タブレット端末が普及し始めてからよく聞くようになったため、iPhone・iPadに限った話と思っている人もいるかもしれない。

だが、SIMロックというものはフィーチャーフォン(ガラケー)の時代から存在していた。例えば、docomoとSoftBankは3Gの通信方式はW-CDMAという規格を採用している。つまり、原理上は同じ端末が使えるはずだが、10年ほど前からキャリア毎に別々の端末が販売されていたし、例えばdocomoで使っていた携帯電話はSoftBankでは使えなかった。

この仕組みを SIMロック と呼んでいる。
SIMというのは下記画像のような、回線の情報(電話番号など)を記録したICカード。

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サイズは時代によって様々だが、3Gの時代は標準SIMが大半。スマートフォンの普及でmicroSIMが登場し、近年はiPhone・iPadを中心にnanoSIMが増えている。基本的にはコンパクトになるだけで仕様的には変わりない(またLTE時代はnanoSIMが増えたが、通信方式と形状は関係無い)。

SIMカードはあまり目にした事が無い方もいるかもしれないが、現在販売しているスマートフォン・タブレット・フィーチャーフォン、果てはフォトフレームなどまで、モバイル通信機能を内蔵する端末には全てこのカードが入っていると思えばいい。

このSIMカードはキャリアが発行しており、同一キャリアが販売する端末しか使用できないように制限するためにSIMロックを書けている。

何故SIMロックが必要か

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つまりキャリアとしては販売する端末にわざわざ制限をかけていたのだが、何故そんな面倒な事をするのか。

その理由の1つとしていわゆる 2年縛り と関連がある。
携帯電話の新規契約や機種変更時に、2年縛りと呼ばれる契約縛りが増えて来たのは、携帯電話番号ポータビリティ(MNP)制度が始まった2006年頃からだと思う。

当時から「0円ケータイ」・「1円ケータイ」などというものは存在していたが、この頃も総務省が端末と通話料金の分離を指導。結果として、携帯電話のスペックや利用用途の拡大も同時に進んだため端末が高額化した。

その為端末の売上げが下がり、見せかけ上安くする必要が発生。そこで、SoftBankがスーパーボーナスという制度で、2年間の割賦販売を開始し、2年間の契約を約束することで端末価格を実質0円にします という商売が始まった。この制度はその後名前を変えて、docomo・auでも採用される(現在は月々サポート・毎月割・月々割などと呼ばれる)。

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つまり、キャリアとしては契約期間内は何としても解約されたくないし、仮に解約されても、他社でそのまま使われてはたまらないため、SIMロックは何としても必要だった。解約しても将来はうちを使いなさい、という無言のメッセージを出していた。

これはフィーチャーフォンの時代はまだよかった。他社の回線が使えたところで、端末とサービス(iモードなど)が一体化しており、メリットが薄かった。

しかし、2010年以降スマートフォンが普及し、特に基本的には同じ仕様の端末を世界中でグローバル端末として売りまくる、AppleのiPhoneとiPadの登場がそれを変えた。従来は解約後の携帯は目覚まし時計程度でしか使えなかったが、解約しても普通に使える端末となってしまった。

この事で、SIMロックのデメリットと問題点が顕在化し、徐々にSIMロックを解除せよという声が上がるようになる。

携帯キャリアが採用する通信方式とSIMロックの関係

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とはいえ携帯キャリアの本音としてはやりたくない。
例えば、MNPなどで0円で販売した端末をすぐに解約され、他社で使われると他社を利するような形になるからだ。

その為のいいわけの1つとして使われたのが 通信方式の違い
日本ではdocomoのFOMAが一番有名だが、3Gと言われる通信方式は大きく分けると2つに分かれており、両者に互換性はなかった。

採用するキャリア 通信方式
docomo・SoftBank W-CDMA
au(KDDI) CDMA2000

この為、docomo端末をSIMロック解除しても、3Gはauでは使えない。これは現在も変わらないのだが、2015年現在主流となっている通信方式は、2012年から本格的に普及し始めたLTE(FDD-LTE)。これの登場が流れを変えた。

この通信方式は例えばdocomoが Xi(クロッシィ) などという独自のネーミングをしていたりするが、docomo・au・SoftBankは勿論グローバル観点から見ても共通の仕様 と思えばよい。
※厳密には他にTD-LTEというものがありここはUQ-WimaxのWimax 2+とSoftBankのSoftbank 4Gしか提供していないが、主流のLTEサービスと捉えて欲しい

もちろん対応する周波数・バンドなどはキャリアによって異なるのだが、携帯電話で使用される周波数は世界的にある程度決まっているため、対応できる幅は随分広がった。

特に、iPhoneのように日本国内で販売する端末はキャリアが違っても同じであったり、iPadのように世界共通端末だったりすると、どのキャリアでも基本的には同じように使えるという事になる。

4G(LTE)の普及でこのような土壌がようやく出来上がった。

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SIMロックが解除できることでどんなメリットがあるのか

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そこで再びこのような声をよく聞くようになる。

SIMロックを解除せよ

増えたなと思ったのは、2013年くらいからだろうか。そして2014年になり総務省(お上)の介入で、ついに携帯キャリアは2015年5月以降に発売する端末について、一定の条件はあるもののSIMロック解除に応じることとなた。

ただ、SIMロックを解除しSIMフリー端末としてスマートフォン・タブレットを使えるようになる事が、ユーザーにどんなメリットがあるのだろうか。一例を紹介しようと思う。

海外渡航時に現時のプリペイトSIMなどを購入し安価に通信出来る

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これは一番分かり易い話かもしれない。

海外旅行や海外出張に行った時、今は 国際ローミングサービス というものがあるため、オフにしていなければ、基本的には現地でそのまま通信出来てしまう事が多い。

ただ、日本国内と同じように使っていたらかなり高額(1日3,000円程度)な料金が発生する可能性が高い。この為、最近は空港などでWi-Fiルーターをレンタルして、これを海外では使うって人が多いと思う。例えば「イモトのWiFi」みたいなサービスだ。

しかし、これも実は制限が多い。1日辺り1,000円弱と比較的安価、かつルーターなので複数台の端末を接続できるのはよいが、データ通信量は案外少ないのですぐに通信制限となってしまう。

やはり現地のSIMを契約するのが一番コストパフォーマンスが高い。僕はもう何年も海外旅行に行っていないため、調べただけの情報だが、例えばハワイに行った場合の料金と通信料をざっくり比較すると以下のような感じになる。
※サービスは一番よくあるものをピックアップしたため、もっと安いものはあります

サービス種別 サービス名 料金(1日) 通信量(日)
大手キャリア 海外パケ・ホーダイ 1,980円
右記通信量を超えると2,980円
約24.4MB
海外Wi-Fiレンタル イモトのWiFi 980円 約100MB
現地キャリア AT&TプリペイドGoPhone $45(月)〜※スマホ向けは1日プラン無し 1.5GBまで無料

やはり、現地キャリアでの契約が圧倒的に安い。現地で契約 or 購入という手間が掛かるにしてもだ。数日ならメリットは薄いが、海外旅行の場合は1週間程度滞在する事は珍しく無い。このような場合は、月額プランになっても現地で契約した方が安くなることの方が多い。

MVNO(格安SIM)を利用し愛着のある端末を安価に長く使いやすい

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MVNO(格安SIM)とSIMフリーの格安スマホはセットで扱われる傾向が強いが、僕は全く別物で考えるべきと思う。

というのも、SIMロックを解除してSIMフリー化するスマートフォンタブレットは、今後iPhone・iPadやAndroidならSONYのXperia・SamsungのGalaxyが増える。これらは 高級端末 の分類で、格安スマホではない。今まではこれらの高級スマホを使うには、大手キャリアを契約しなければ使えなかったから、結果としてそうなっていただけの話だ。

そして、今後一番増えるのはこの使い方だと僕は思う。
2年程前までは、iPhoneを始め多くのスマホは大体5万円くらいで買えた。ところが今は、10万円を超えるモデルも珍しく無い(最新のiPhone 6s Plusは98,800円〜)。パソコンが同じくらいの値段で買える時代だ。

そうなれば 今のスマホを長く使いたい という願望は当然生まれるわけで、大手キャリアで使い続けるのもよいが、その場合維持費がどうしても高くなる。

特にiPadなどのタブレット端末は、とりあえずどこでも通信出来る状態であればOKと思う人も多いため、そういう用途にMVNOは最適だと思う。ただし、メイン回線として利用するには欠点もあるが。

子供や高齢の両親など家族に譲渡しやすい


スマートフォン最大の魅力は、回線を解約しても自宅の光回線に繋がるWi-Fiルーターがあれば、普通に使えてしまうこと。

なので、自分の子供や両親に譲渡するってシーンは今でも多いし、今後どんどん増えていくと思う。そういう時に1つ問題になるのが、キャリアの問題と維持費の問題だ。

未成年の子供の場合は大体家族で同じキャリアを使っているだろうが、親の場合だと必ずしもそうとは限らない。自分の家族はSoftBankだが、親はdocomoなんてシーンは珍しく無く、キャリアが違えば折角お古のスマホを譲っても使えない。

しかし、これもSIMロックを解除しSIMフリーとなれば、次に使う人がどのキャリアを使っていようが関係無い。価格面でもMVNOが使いやすいため、維持費も安く出来る可能性がある。ただし、子供のスマホにMVNOを使う場合、フィルタリング機能の有無など、いくつかの注意点はある。

売却時の価値(リセールバリュー)が高まる

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今やスマートフォンの買い方は 旧機種を売却しその資金を元手に最新モデルを買う というのが一般的になった。街中でも買取業者を多く見るし、キャリア自身も下取りプログラムのような制度を用意している。

キャリアの下取り制度を使う場合は関係無いが、中古業者やヤフオクで売却する場合、例えばカラー・容量が同じiPhoneでも価格が大きく異なることはご存じだろうか。

もちろんその時の状況にもよるのだが、価格の傾向は大体

SIMフリー版>docomo版>>au版・SoftBank版

という感じになる。一番高いSIMフリー版と一番安いau版・SoftBank版では2万円くらい価格が違う事もある。この価格の違いは、利用用途の幅広さ とイコールと考えたらいいと思う。

SIMフリー版はいうに及ばずフリーなので、海外は勿論日本国内何処のキャリアでも使用する事が出来る。じゃあ同じSIMロック付きのキャリア版で有りながら、docomo版だけ何故価値が高いのかと言えば、それにはMVNOとの関係がある。

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MVNOと言えばOCN モバイル ONE、IIJmioなどが大手に当たるが、これらのサービスは 全てdocomo回線(docomoが発行するSIM)を使用している 。つまり、SIMロックがかかっていてもdocomo版なら使えてしまうのだ。

2015年現在のMVNOは9割以上がdocomo回線を使用してサービスを提供している。au回線を使用するMVNOはUQ mobileとmineoしかないと言っていい。SoftBank回線を使用するMVNOは存在しない(敢えて言えばY!mobileがそれに当たる)。

この汎用性の高さがdocomo版の価値が高くなる理由だ。つまり、日本国内でMVNOを使う事を目的にヤフオクなどで中古端末を購入するなら、SIMフリー版よりもdocomo版を狙った方が多少安価に端末を入手できる事になる。

複数回線契約している場合の自由度が高まる

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これは僕のように、通信回線をいくつか契約している人間に限った話だが、SIMフリーになる事で柔軟な運用が可能になる。

例えば、田舎に行ったらキャリアによって強い弱いがわりとはっきり出てくる。ここではauじゃないとまともに使えない、みたいな話は都市部では考えられないが、田舎ではよく聞く話。そういう場合、サクッと使えるSIMに切り換えてしまえばいい

つまり、

  • 通信制限になったらSIMを変える
  • 圏外ならSIMを変える

みたいな感じで、通信状態に応じてSIMを切り換えて使うというのが可能になる。かなりマニアックな運用だが、SIMカードを複数持ち歩くことで荷物になることはほとんど無い。だが、SIMロック付きの端末を複数持ち歩くのは荷物になる。

モバイルデータ通信の重要性は人それぞれだが、重要な人程SIMフリーを使うメリットがより大きくなるとは思う。

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SIMロックと利用(通信)可能な回線の対応表

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というわけで、SIMロック付き端末と利用出来る回線の関係をまとめてみた。
かなり長々と解説してきたが、ここまでの内容を踏まえて、ご覧頂くとSIMロックの不自由さと、SIMロック解除などでSIMフリー化する事での、メリットがはっきり分かるんじゃないかと思う。

回線種別 端末種別
SIMフリー docomo au SoftBank Y!mobile
docomo × × ×
au × × ×
SoftBank × ×
Y!mobile × ×
docomo系MVNO × × ×
au系MVNO × × ×

○:通信可能 ×:通信不可能

最大のポイントは、SIMフリー端末(SIMロックを解除した端末を含む)であれば、対応する周波数などの違いはあるが、どのキャリアでも通信が可能である事。

そして、もう1つのポイントは、docomo系MVNOはdocomoのSIMロック付き端末でも通信が可能であると言うことだ。これがdocomo端末が中古市場で人気がある理由となる。

SIMフリー版iPad Air 2とdocomo・au回線

ちなみに通信可能/不可能の違いはどういうことかを、僕が持っているSIMフリー版iPad Air 2docomo版iPhone 6sにdocomo・auのSIMを差した場合で解説する。
※SoftBankは契約していないため未検証だが、基本的には同じ

docomoのSIMを挿した状態

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このようにアンテナピクトが立ち、普通に通信が出来る。

auのSIMを挿した状態

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auのSIMを挿しても同様で普通に通信が出来る。ちなみに大手キャリアのSIMを使う場合は、APN設定などは不要で挿せばそのまま使える(MVNOはAPN設定が別途必要)

docomo版iPhone 6sとdocomo・au回線

続いてdocomo版iPhone 6s。iPhone 6sについては、購入から半年経過すればSIMロック解除が可能だが、この端末は2015年9月にMNP新規で購入したため、まだSIMロックは解除出来ない。

つまり、docomoのSIMロック版となる。

docomoのSIMを挿した状態

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docomoのSIMロックなので、docomoSIMでは当然使用できる。docomoのSIMであれば、赤の他人のSIMでも利用は通信可能だ。

auのSIMを挿した状態

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だが、auのSIMを挿すとアンテナピクトが立たず、通信も出来ない。これがSIMロック だ。

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ちなみにiPhoneの場合だと、他社のSIMは外しておかないと使う事すらできなくなる

終わりに

2020年の東京オリンピック目指して、通信サービスの部分も今後大きく変って行く。その1つが、2015年から義務化されたSIMロック解除の義務化だ。

しかし、総務省が介入しても 購入後半年経過してようやくSIMロック解除に応じる という制度にした事からみても、キャリアとしては仕方なくやったのが見え見えだ。

実際MNP一括0円などで格安購入した人の転売対策などの面はあるにせよ、制度としては開始してもそれを詳しく説明はしないし、SIMロック解除することのメリットなんて訴求するわけがない。

iPhone 6sをdocomoで購入した際も、そんな話は一言もされなかったし、大部分のユーザーは知らないのが現実だろう。だが、この制度は利用しないと損だ。

ここまでお読みいただけた方には、きっとSIMロック解除してSIMフリー化することのメリットがある程度理解できたかと思うので、是非この制度を活用して欲しいなと思う。

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