2014年4月にdocomoの新料金プラン『カケホーダイ&パケあえる』が発表された。
色んな意味で驚きのプラン。
音声通話定額など今までにないプラン内容にも驚いたが、docomoが現在の秩序を壊すような料金プランを発表したことに一番驚いた。
こういう発表は、SoftBankの得意分野だったので。新プランのメインは通話定額とデータシェア。
僕が兼ねてからあったらいいなと思っていたもので、まずはその夢が現実になったわけだが、果たしてメリットがあるのか。得する人と損する人という観点を中心に紹介してみる。
目次
docomo新料金プランの概要
ドコモ新料金プランは大きく分けると、
- 基本プラン
- パケットプラン
に分かれている。
基本プラン
上記画像は2014年の発表当初のもので、この当時音声通話するプランは月額2,700円のカケホーダイプランのみだった。しかし、2017年現在は、
- カケホーダイライト(月額1,700円)
- シンプルプラン(月額980円)
が追加となっている。
簡単に比較すると、
プラン名 | 通話料金 | 基本使用料 |
---|---|---|
カケホーダイ | 国内24時間通話定額 | 2,700円 |
カケホーダイライト | 5分までの通話と家族間通話が無料 超過分は20円/30秒 | 1,700円 |
シンプルプラン | 20円/30秒 家族間は通話は無料 | 980円 |
という感じになっている。
用途によって選択肢がある事が魅力で、
- 電話をよく使う人はカケホーダイ
- ほぼ使わない、待受専用、子供用ならシンプルプラン
というような使い分けが可能となっている。
なお、シンプルプランは家族向けのシェアパック加入者のみ契約可能となっている。
パケットプラン
パケットプランについては大きく分けると、
- 家族向けのシェアパック
- 個人向けのパケットパック
に分かれている。
なのだが、docomoとしては基本的に家族向けのシェアパックを推奨している。
これは、お父さんにdocomoの長期ユーザーが多い事を想定したもので、とにかく家族での利用を前提としており、その辺りはシンプルプランがシェアパックユーザー限定となっているあたりからも伺える。
シェアパック

全体的に料金は8,000円程度〜と高額だが、家族3人以上でシェアすると安くなる計算になる。
特に2016年9月以降に登場したウルトラシェアパックはギガバイト単価がかなり安く、MVNO(格安SIM)対策という雰囲気も強い。
パケットパック

docomoとしてはあまり推奨していないプランで、ドコモショップ店頭などでもあまり訴求してこない。
とはいえ1人で2台程度(スマートフォンとタブレットまたはルーター)の端末を持っているなら利用しやすく、特にSoftBankの『ギガモンスター』対抗となる『ウルトラデータパックL』はお得なプランだ。
20GB6,000円で、ドコモの高速で安定した通信が利用可能で、MVNOの価格に2,000円程度プラスされるだけなので、メリットは非常に大きい。
「カケホーダイ&パケあえる」の感想
ポイントは以下だ。
- 時間帯制限・時間制限一切の条件がない完全な通話定額(カケホーダイ)
- 家族内でデータ通信量の共有が可能に(パケあえる)
- 契約期間に応じた料金の割引(長期利用者優遇施策)
だが、これらの内容はかつてから実現可能と言われていたものであり、それを実現したに過ぎない。
また、料金プラン発表後au・SoftBankが同種のプランを発表したことから、1度発表してしまえば真新しさはなくなる。
それよりは、
ドコモが先陣切って新プランを発表した
このことに大きな意味があると思う。
攻めるdocomo

SoftBankがホワイトプランを発表して以来、携帯電話の最低基本使用料は980円という時代が長く続いた(docomoだけはXiで780円としていたが)。
今回docomoはそれを壊して、音声通話の従量課金プランすら撤廃し(FOMAだけは残る)、全て通話定額プランに一本化した。
料金はスマートフォンの場合2,700円、フィーチャーフォン(ガラケー)の場合2,200円。VoLTE時代を見据えてと言っているが、対応機種だけじゃなく、既存のXi端末はもちろん3GのFOMAすら対象にしたことが、実にしたたか。
この戦略には2つの意図が見える。
- 既存客も新規客も家族単位で囲い込む
- 維持費の安い、いわゆる寝かせ回線を撤廃
データ通信を家族単位でシェアし、1回線あたりの割高感を軽減させると同時に、回線追加の心理的負担を軽減。さらに家族内でもっとも契約期間の長い回線が割引対象になるなど、囲い込みをやりやすくしている。
新プランで得するのはどんな人?
このプランは賛否両論あると思うが、得するのはどんな人か。
間違いなく言えるのは、「音声通話」をたくさん使う人だ。
とにかくどこへかけても、いくら話しても基本使用料以上のお金はかからない。このインパクトは大きい。
ただ、定額になったからと言って電話の利用がそれほど増えるとは思わない。docomoがこのプランを導入する狙いはまさにそこだろう。
かつて、電話するよりもメールの方が安いからとメール使っていた人も多いが、今は楽だから使っている人の方が多い。特に若い人は電話ってよっぽど急ぎの時しか使わない。
僕も最近は仕事以外で電話をかける事は激減。用件伝えるだけなら、メールや各種メッセージサービスの方が楽だし早い。
ただ、電話が大好きな人が多いのもまた事実。年配の方には特にお勧めだ。実際70歳を超える母親にiPhoneを持たせたところ、iPhoneよりも音声通話定額の方が喜んだくらいだ。
この値段なら固定電話代わりにするのも十分ありだ。
あと、得になるとしたら3人以上の家族でデータシェアする場合だろうか。
- 家には固定回線とWi-Fiがあり
- 1人あたりの通信量は月間1~2GB
なんて家庭なら通話定額がついて、最低利用金額は今より少し安くなるか、ほぼ同じだろう。
新プランで損するのはどんな人?
逆に損をするのはどんな人かと言えば、
電話をほとんど使わない人
だ。
今や電話サービスはiPhoneユーザーならFaceTime Audio、LINE、Facebookなど様々な方法がある。これらを上手く使ってやりくりしていた人にとっては、むしろ高くなる。
もう1つは現在の通信量である7GBギリギリくらいまで毎月使っていたような人だ。新プランでは7GBというものはないため、「データMパック」で5GB確保して、後は追加容量を払うしか無い。
そうなると合計の通信量は、現在よりも高くなる。7GB通信する場合の料金は、
現在:5,700円
新プラン:7,000円(5,000円+1,000円×2)
という感じなので。
7GBギリギリ通信するけど、電話はほとんど使わないなんて人は、絶対に新プランに移行してはダメだ。
終わりに

docomoの新料金プランはdocomoの平均的なユーザーが得するように出来ている。docomoが考える平均的なユーザーとは、以下のようなユーザーと読み取れる。
- 通話は月に1時間程度
- データ通信は2GB程度
カケホーダイは月に約49分通話していれば得になるし、データ通信量が2GB程度なら一人なら「データSパック」、家族なら「シェアパック10」を導入しパケあう事でトータルの支払金額は今より安くなることが多い。
特に電話代が定額になるのは、突発的な事で長電話してしまい料金が高くなるという自体が避けられ、携帯料金の平準化に繋がる。
逆に言えば、データ通信のヘビーユーザーなどdocomoが考える平均的なユーザーから外れる事をすれば、高くなる可能性が高い。
無茶苦茶使う人はむしろ安いが、毎月7GBギリギリまで使っていたような人が一番損するイメージだ。
docomoの新料金プランは「高い」と叩かれているが、必ずしもそういう一面ばかりではないと思う。で、元々我が家では今年からdocomoに戻す計画だったのだが、今回のプランを導入した場合、どんな感じになるのか試算をしてみた。
こちらの考察は以下の記事にて。


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