2015年にAppleが12インチMacBookを発売し、
- インターフェースをUSB-Type Cに統一
- 充電規格に、USB Power Delivery(USB PD)を採用
した。
この当時は採用製品も少なかったが、あれから3年経ち、
- 12インチMacBookも採用を続けている
- 2016年モデルのMacBook ProがUSB-Type Cを採用
- Androidスマートフォンは、Micro-USBからUSB-Type Cが主流に
- Nintendo Switchが採用
- MacBook以外のPCでも採用事例が増える
など、先進的だがまだ珍しいインターフェースではなく、かなり一般的になった。
USB-PD対応製品も増えているが、決定版ともいえるUSB-PD対応マルチポート充電器が登場した。
Apple製品のアクセサリメーカーとして有名な、satechi社が販売する『Satechi Type-C 75W トラベルチャージャー』だ。
早速紹介しようと思う。
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USBポートを複数搭載するマルチポート充電器の種類
『Satechi Type-C 75W トラベルチャージャー』は、今やすっかり一般的になった気もする、マルチポート充電器の最新型だ。
この手の製品は登場から5年ほどの歴史があるが、大きく分けると3世代のタイプに分かれる。
- 単純なマルチポート(複数のUSBポート)
- 充電する機器に応じて、最適な電圧を調整する機能に対応(Anker社の『PowerIQ』などが代表)
- Quick ChargeやUSB-PDなど、急速充電技術への対応
2018年現在主流の機器は、2番のタイプで、ポート数やプラグの接続方式(折りたたみ式など)は様々だが、概ね2,000円程度で販売されている。
これらの製品は、主にiPhone(1.0A充電対応)、iPad(2.4A充電対応)の充電規格の違いを吸収する目的という側面が強かったと思っているが、2017年以降は流れが変わってきている。
まず、
- Androidの世界ではUSB-Type Cが主流になり、Quick ChargeやUSB-PDに対応する製品が増えた
- iPadは2017年発売のiPad Pro以降、Lightning USB-CケーブルでUSB-PDの急速充電に対応
- iPhoneは2017年発売のiPhone 8とiPhone X以降、Lightning USB-CケーブルでUSB-PDの急速充電に対応
という感じで、特に新しい急速充電規格への対応が進んでいる。
新しい急速充電規格の恩恵は大きく、概ね2時間かかる充電が、ほぼ30分で終わる。
iPhone Xの場合、80%程度までの充電速度は3倍以上速い
2018年現在においても、ケーブル・充電器共にまだまだ高価だが、今から買うなら最新規格に対応したものが絶対におすすめだ。
『Satechi Type-C 75W トラベルチャージャー』の特徴
今回紹介する『Satechi Type-C 75W トラベルチャージャー』は、Amazon価格『6,999円(税込み)』と少々高価だ。
しかし、USB-PD・Quick Chargeなど急速充電規格をほぼ全て満たしているという特徴がある。
高いな~と思うかもしれないが、この充電器の主要ターゲットであるMacBook Proユーザーが利用すると想定した場合、純正品と価格比較すると、
製品名 | 価格 |
---|---|
Apple 87W USB-C電源アダプタ | 9,504円 |
Apple 61W USB-C電源アダプタ | 8,316円 |
Apple 29W USB-C電源アダプタ | 5,616円 |
Satechi 75W トラベルチャージャー | 6,999円 |
なので、それほど高くはない。
MacBook Proの付属ACアダプタは外出用に使い、自宅用はSatechi製を使う
なんて使い方はありだと思う。
余談だが僕は12インチMacBookに関して、
- 自宅は『Anker PowerPort+ 5 USB-C Power Delivery』
- 普段の外出はUSB-PDモバイルバッテリー『RAVPower 20100mAh USB-C PDモバイルバッテリー』
- 長時間使う場合は『Apple純正ACアダプタ』
という使い分けをしている。
自宅での充電場所はほぼ決まっているので、純正ACアダプタの利用頻度は低い状況になっている。
『Satechi Type-C 75W トラベルチャージャー』開封レポート
簡単な開封レポートを。
価格が約7,000円と高価なので、パッケージも質感が高く高級感がある。
開封するすると、本体が登場する。
同梱品は、
- 本体
- ACアダプタ
- 取扱説明書
の3つのみだ。
今回はSatechi社の日本法人が販売する正規品であるため、日本語マニュアルも付属している。
本体の外観はスペースグレーのシックな雰囲気となっている。
質感が非常に高く、派手さはないがどこにおいても、違和感のないデザインと思う。
ポートは全部で4基搭載している。上から、
- USB-C(USB-PD対応で最大60W出力)
- USB-A(Quick Charge 3.0対応)
- USB-A2基(最大2.4A)
となっている。
使用するときはこのような感じになる。
『Satechi Type-C 75W トラベルチャージャー』の充電性能比較
早速手持ちの機器で、様々な機器を充電してみた。
『Satechi Type-C 75W トラベルチャージャー』は最大75Wでの出力が可能となっているが、ポート毎に規格が決まっている。
細かいが内容をまとめると、以下のようになる。
ポート | 最大出力 | 規格 |
---|---|---|
USB-C | 60W | 5C3A, 9V3A, 15V3A, 18V3A, 20V3A |
USB-A(QC3.0) | 18W | 3.6V〜6V 3A, 6V〜9V 2A, 9V〜12V 1.5A |
USB-A(2基) | 12W | 5V/2.4A(2基最大) |
最大のポイントは、USB-CポートからUSB-PD規格で最大60Wで充電可能という部分だ。
60W出力できる充電器は非常に珍しく、ほとんどのUSB-PD対応機器は30Wまでであることから、さらなる急速充電に対応していることになる。
ただ、60W出力の恩恵を受けられる機器も少なく、具体的に言えば、
2016年以降のMacBook Pro
ずばりこれを意識しているといえる。
MacBook Proは13インチが61W、15インチが75Wの充電器を同梱しているので、イメージ的には、
13インチは最大速度で充電、15インチは少し遅い
という感じになる。
USB-PDは、
- 充電器
- ケーブル
- 充電される側の機器
この3点セットが全て規格を満たさないと作動しないので、60W出力に対応しているからと言って、30Wまでしか対応していない12インチMacBookも60Wで充電されるわけではない。
同じく、iPhone 8・iPhone X・iPad Proについても同じことがいえるため(30W出力までしか対応していない)、誤解しないようにして欲しい。
iPhone 6sを充電
まずは通常のUSB-Aポートで、iPhone 6sを充電。
1.0Aくらいで充電されている。
iPad Air 2を充電
続いて同じUSBポートに、iPad Air 2を接続して充電。
2.4A前後の最大出力となっている。
iPhone Xを充電
続いてUSB-Cポートに、USB-C Lightningケーブルを接続し、iPhone Xを充電
計測器が使えないので数値はお見せできないが、80%まで概ね30分という公称値は嘘ではないことということを申し添えておく。
ただ、この充電には1つ条件があり、Apple純正のUSB-C Lightningケーブル(1Mが税込3,080円)が必要となる。
12インチMacBookを充電
最後は12インチMacBookを充電してみた。
USB-Cポートに接続すると、約30Wで出力されていることが分かる。
僕は、
- 60W充電に対応したMacBook Proをもっていない
- Quick Charge3.0に対応した機器をもっていない
ということで、『Satechi Type-C 75W トラベルチャージャー』の限界を試すことはできなかったが、スペック通りに動作していることはお伝え出来たかと思う。
終わりに
2018年現在としては、ほぼフルスペックで全てを満たすと言えるマルチポート充電器と感じた。
その分、お値段もAmazon価格6,999円とお高いが、最後にもう1点補足したいことがある。
それは、
大電流を流す機器は、メーカーの信頼性も重要
ということだ。
恐らく同様のスペックを持つもっと安価な製品は存在すると思うし、今後も登場すると思う。
だが、特にUSB-PDやQuick Chargeは従来の充電と比較すると、数倍の大電流を流す。それはすなわち、発火など故障が発生した時の、影響も大きいしリスクも高まることを意味する。
そういう意味で、基本は純正品が無難とは思うが、USBという汎用規格を利用するメリットは、サードパーティーからもたくさん製品が発売することだ。
そんな中で、Satechi社はApple系のアクセサリメーカーとして歴史と信頼を誇っており、その辺りは18ヶ月というかなり長い保証期間にも表れている。
マルチポート充電器の買い替えを考えている方や、12インチMacBook・MacBook Proを購入した方には、自宅用の充電器として是非おすすめしたい一品だ。
自宅・職場用の据え置き型USB充電器のおすすめ
自宅や職場に据え置きで使う充電器は、マルチポート充電器が便利です。
2019年以降、USB-Cを搭載した充電器が急速に増えてきたので、将来性を見越すと「USB-C対応製品」が長く使えるのでおすすめです。
- 3基以上のUSBポートを搭載(マルチポート対応)
- できればUSB-C端子を搭載し、USB-PDによる急速充電に対応している
- PSEマーク取得
- 高出力の充電器なので、過充電防止機構を搭載するなど値段より品質重視
その他のおすすめ製品
▼USB-PDの急速充電で2台同時充電可能▼16インチMacBook Proを充電するならこれ
USB-Cケーブルは高品質なものを選ぼう
「USB-PD」による急速充電は、本体・充電器・ケーブルがすべて対応して初めて動作します。「急速充電=高出力」なので発火などの危険もあります。安価な製品には注意しましょう。
自宅でお手軽充電ならワイヤレス充電器も便利
実は最新規格に対応していれば「最大15W」とかなり高出力!
おすすめを敢えて1つ選ぶと、機能と価格のバランスがよい「UGREEN PD充電器 65W GaN」」です。