iPhone 5時代になって感じた、iPhoneが抱える2つの問題点【端末編】

iPhone 5Sになると言われる次期iPhoneの発表が目前に迫ってきた。

iPhone 5という製品は僕自身も使っている。最大の特徴は液晶サイズが大きくなったにも関わらず、薄く・軽くなった事。素晴らしい製品だと思うが、iPhone 5時代になって4Sまではあまり目立たなかった問題点が顕在化したように感じた。大きく分けると、

  • 端末
  • 通信サービス

の2つに分かれると思っていて、その辺りをiPhone 5時代の振り返りという感じで、1度まとめておこうと思う。

iPhoneの端末ラインアップ

iPhoneの大きな特徴は、GSM/W-CDMA版(国内ではSoftBankが販売)とCDMA版(国内ではauが販売)という通信方式の違いはあるものの、基本的に世界中で同じ端末が販売されていると言うことだ。一部旧モデルが廉価版という地位付けで併売されるが、新型の発売と共に世界中で販売されるiPhoneが短期間で一斉に切り替わるというのは、考えてみれば凄い。

ついに発表されたiPhone5!スペックや注目ポイントなどの検証

そのお陰で、どこに行ってもどこで買っても基本的にはiPhoneは同じものだ(日本だとカメラのシャッター音が消せないなど、ローカライズによる一部の例外はあり)。だからこそ、リセール市場でも高い価値を持ち続けている面があると思う。

また、発売日に買えば1年もの間、そのiPhoneは最新モデルとなるわけで、陳腐化の早いスマートフォン市場においてそんな価値を持っているのはiPhoneだけだ。

それなのに、iPhoneは日本では2年契約を前提に16GBモデルであれば、実質0円となるように今やスマートフォンの中でも「安い」端末となっている。ここ1年くらい発売されているdocomoのAndroidなどは、実質負担で3万程度はざらで、それらと比べたら安さが際立っている。国内においてiPhoneを選択する理由として、安さを上げる人は多いのではなかろうか。

しかし、iPhoneを持っている人はケースを外して見たら分かると思うが、iPhoneの作りは本来「0円」で手に入るようなものではない。なので、国内では「格安端末」のiPhoneも世界に目を向けると事情は変わる。iPhoneというのは「高級端末」なのだ。

iPhone 5を旧モデルとして販売する課題

次期iPhoneが発売されると国内では一気に切り替わる。で、いつもの流れで行けば、iPhone 5が廉価版としてラインアップに残る事になる。だが、iPhone 5ってコストをそんなに下げられるように思えない。アルミを沢山使っているし、加工にも手間がかかっている。廉価版としては高コスト体質過ぎるのではなかろうか。

そうなると、新興国などで一定の需要がある旧モデルの魅力が低下してしまう。ただでさえ、安いAndroid端末が普及し始めている状況なので、iPhone 5Cと呼ばれる廉価版iPhoneが登場するとしたら、狙う市場はやはりここだろうし、販売価格を下げるのが一番の目的だろう。

廉価版iPhoneを発売するメリット・デメリット

しかし、これはAppleにとってある意味諸刃の剣だ。iPhoneはブランド力で高級感を演出しているが、今時珍しいレベルの大量生産品だ。

規格大量生産の時代は終わり、付加価値の時代なんて言われているが、iPhoneは製品に込められた思いなどは20世紀のものとは違うとしても、規格大量生産された工業製品そのもの。そう見せないAppleのブランディングは見事だと思うが、あのレベルの製品を安く販売できる理由はまさに規格大量生産のお陰。

で、ここに廉価版という新たなiPhoneが加わると、そのスケールメリットが崩れる。主ターゲットは新興国だろうが、先進国でも一定の需要はあるだろうし、顧客が割れる。また、iPhoneと言えばストレージと色以外の選択余地がないシンプルさが魅力であるのに、見た目もスペックも違うiPhoneが併売されると顧客は混乱する。iPhoneを買うって時に「5Sですか?5Cですか?」なんてやりとりはあまり考えなくない。

iPhoneは1つであって欲しい。

高コストな旧モデルを無理して売るより、低コストな新端末をiPhoneブランドで売る方がビジネス的にはメリットがあるのかもしれない。だが、本命のiPhoneのシンプルさが失われてしまうと言うデメリットがあるように思う。

さて、Appleはこの問題に対して次期iPhoneで、どのような選択をするのだろうか。

1年間変わらないというデメリット

iPhone→iPhone 3G系→iPhone 4系→iPhone 5系と世代を重ねるにつれて、iPhoneは高級路線をひた走っていった。それ故にスケールメリットを出そうとするわけだが、もう1つのポイントは1年間同じ製品を販売し続ける事だ。

Android端末とかだと、半年に1回くらいでモデルチェンジする事が多い中で、約1年継続的に生産されるというのは、製造側にはやはり大きなメリット。また、前述したが、ユーザー的にもiPhoneは発売日に買えば約1年間、最新モデルを使っているという優越感が味わえる。

僕のような、ガジェット好きにはそれだけでもある意味価値があるのだが、1年間変わらないという部分のデメリットが顕在化したのはiPhone 5が初めてなんじゃないかと思う。

その理由はLTEという新しい通信サービスに対応した事だ。

>次回「iPhone 5時代になって見えた、iPhoneが抱える2つの問題点【通信サービス編】」へ続く

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