2014年から一気に普及してきたMVNO。
今や、家電量販店などでSIMを販売しているのを見かけるのも珍しくないが、それはここ1年弱でGB(ギガバイト)単位での通信単価が劇的に下がったからだ。
特に2013年度は大きく下がったと言われている。
2012年頃まで、1,000円以下で使えるサービスと言えば、
- 128kbps(低速)で使い放題
- 1日30MBまで高速通信可能
ってものだったが、今や同じ値段で2〜3GB程度の通信が出来てしまう。そこまで下がってきたのは、回線を提供するMNOであるdocomo・au・SoftBankがMVNOに請求する接続料が毎年値下がりしていたから。
この接続料(ドコモ卸定額通信料)の見直しが行われるのが年度末で、ここから来年度以降のMVNO動向が何となく読めたりするわけだが、この内容が徐々に見えてきた。
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MVNO大手IIJが業績予想を下方修正した理由
先日発表されたIIJの業績予想の発表。ちなみにIIJは、MVNOで「IIJmio」というサービスを提供する、MVNO最大手と言える業者なのだが、ここが業績予想を下方修正した。
理由は、docomo回線の接続料(ドコモ卸定額通信料)の低減率が予想よりも下回っていたというもの。
この接続料というのは年度末に確定し、その後一般向けにも公開されるのだが、関連業者には既に開示されているのだと思う。
そしてこの料金は、当年度(今で言うと2014年度)の料金なので、大半は既に利用者が支払い済みの料金からMVNOがdocomoに支払うことになる。
MVNO業者としてはこれが予想よりも高いもので、それが利益を圧迫してしまったという形と言える。これを見て、MVNO(格安SIM)ビジネスは難しいなぁと思わずにはいられなかった
接続料が見えないままサービスを提供する、MVNO(格安SIM)事業のリスク
前述のように接続料は当該年度末に確定する。つまり、確定するまでは予想で原価を計算し、サービスを提供する事になる。
前年より上がることは現状無いので、どれだけ下がるかがポイントになるわけで、それがサービスの差別化に繋がる。利用者的には、料金が下がったり、同じ料金で通信出来る容量が増えたりするわけだ。
これらは、予測に基づいて決められていることになる
しかし、この予想が外れたら、今回のように業績に大きな影響を与えてしまう。
かといって、既に乱立の様相を呈しているMVNOサービスにおいて、他社がサービスを改定すれば、それに追随せざるを得ない事情もある。
事実、先日IIJmioがデータ通信量を増やすという形で値下げを発表したが、大半の業者は横並びで追随した。
ただ、それも厳しいと考えている業者もいるようで、
- データ通信容量(ギガ)の繰り越しサービス
- 最低容量を1GBにして、サービスの開始価格を安くする
など、各社何とか差別化しようと必死なんだなぁと思う。
MVNOは参入が簡単と言われるだけに、料金くらいしか差別化の要素がなく、厳しい舵取りになっているのだろう。
終わりに
MVNO事業を行う会社は急速に増えてきた。
その結果、そろそろ料金競争について行けなくなり、撤退する業者・業者同士の合従連衡が増えてく気がしてならない。
MVNOサービスが普及し始めた2014年頃までは、
- 端末を複数持つ
- サブ回線としてデータ通信専用の利用が中心
という感じで、僕のようなガジェット好きが好んで利用するサービスだった。
しかし、2015年以降音声通話サービスが増え、
- 端末の割賦購入
- 1年縛り、2年縛りなどの長期契約
など、大手キャリア(docomo・au・SoftBank)と何ら変わらないサービスを提供するようになり、利用者が急増し、それに伴うトラブルも増えている。
サービス撤退くらいならユーザーとしてはどうぞご自由にという感じだが、それに伴い契約手続きの変更や、強制解約なんて事になると、信頼性そのものが揺らいでしまう。
しかし、そのリスクは利用者としては認識して多く必要があると思う。
逆に業者の選定はしっかりやらないといけないのだなと改めて思った。
大きなポイントは事業の継続性だ。
母体となる企業の信頼性は今後MVNOを選ぶ上で大きなポイントになるだろう。
そう言う意味で信頼性の高いMVNOは、
- OCNやIIJmioなど『NTT系』
- 楽天モバイル、イオンモバイルなど『流通系』
- UQ mobile・Y!mobileなど大手キャリアの『サブブランド』
に集約されていくのかな、と思う。
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