docomoからiPhoneを発売する意義とユーザーにとってのメリットを考える

2013年9月6日朝からNHKを始めとする各種報道機関から一斉に「docomoがiPhoneを発売する事に決定」というニュースが流れた。もう聞き飽きたネタではあるが、今回は少し様子が異なっている。

発売が決まれば秘密保持契約が結ばれるはずなのに、iPhoneに関して雄弁な加藤薫社長の発言などをみても、発売はないと思っていた。ところが、今週辺りから急に状況が変わる。nanoSIM(iPhone 5などで使用されるSIM)を大量発注したとか、情報が一気に出始める。

なんだかdocomoからiPhoneが発売される可能性はかなり高そうだ。そうなると、色々迷う面も出てくるがdocomoからiPhoneが発売される意義と、ユーザーにとってのメリットを考えてみようと思う。

初期Android端末に恨みを持つdocomoユーザー

docomoがスマートフォンを本格的に発売し始めて3年ほど経つが、初期のAndroid端末というのはかなり惨かった。Android自体がOSとしての完成度がまだ低かった事に加えて、内蔵ストレージが1GBしかないのに、削除もSDカードへの待避も出来ないdocomoのプリインストールアプリが半分以上の容量を占めるという状態。

2年前嫁が購入した「ARROWS Kiss F-03D」という端末はまさにそれで、購入から半年も経たずiPhoneに乗り換えたという出来事が我が家でもあった。

まあそれくらい使い勝手が悪かった。ただ、それでも使い続けていた人はいたわけで、その人達は今のAndroidがいくら良くなっていても興味を持たない。そういう人達にとって、docomoからiPhoneが発売する意味はとても大きい。既存ユーザーにとってはiPhoneという選択肢が生まれるメリットがある。

もう一つ思う事は、docomoはNTTという日本トップクラスの大企業グループなので、家族関係無しでビジネス的観点でdocomo縛りがある人って案外いるようだ。心の中ではiPhoneが欲しいと思いつつ、様々な政治的事情で他社のiPhoneは購入できなかった人には大手を振ってiPhoneが買えるようになる。

auとSoftBankのiPhoneユーザーにとってのメリットは

既にauとSoftBankでiPhoneを使っているユーザーにとって、docomoから発売されるメリットがあるかと言えば正直な所そんなにないと思う。敢えて言えば2年前auからiPhoneが発売されることで、SoftBankが対抗して競争が促進されたため(機種変更優遇施策やテザリング開放など)、各種優遇施策などが充実する可能性はある。

ただ、iPhoneに限らずスマートフォンを使う上で一番重要なのは通信サービス。かつてのdocomoと言えば全国津々浦々までエリアが充実しており、地方ユーザーほどdocomo信仰は強かった。だが、携帯による通信サービスの主流が音声からデータ通信に変わった事で、状況は変わった。昔ほどdocomoが優れているとは言えない。

特にLTE時代になってさらに状況は大きく変っているし、よりよい通信サービスを求めてdocomo版iPhoneを選択するというのは残念な結果になる可能性もある。

まあ、この事で一番打撃を受けるのは、電波が良いというイメージでiPhoneを購入した人が多いauだろう。iPhone 5での失策は記憶に新しいし、今年11月あたりから発売直後にau版iPhone 4Sを購入したユーザーが、順次2年契約を満了してくる。

逆にSoftBankユーザーは思った程動かないと思う。iPhone 5でiPhoneを使うのに最適なネットワークを構築しているのは、SoftBankだと言うことを結果的に証明したからだ。そういう意味でも、docomoからiPhoneが発売されて打撃を受けるのはauだと思う。

SIMフリーとMVNOとの関係

docomoは他社があまり積極的に行っていない施策を行っている。それは有償でSIMロックを解除するサービスと、MVNO業者向けに回線を貸出していることだ。

特にSIMロック解除に関しては有償とはいうものの、3,150円と比較的安価なためdocomo版iPhoneがこのサービスの対象になると、国内でSIMフリーiPhoneが一気に普及する(APN指定とかしてなければ)。

また、MVNOのSIMはdocomo回線を利用していることから、端末はパケット定額無しで購入し、格安SIMを差して使うって人も増えるかもしれない。そういう意味で、docomo版iPhoneが発売すれば運用の幅がグーンと広がり、ここに関しては現状他社の追随を許さない(docomoにメリットはあまりないが)。

docomoのLTE(Xi)

もう1つ注目はdocomoからiPhoneが出たとして、対応するLTEバンドだろう。現在docomoが展開しているLTEバンドは以下。

  • 2.1GHz(バンド1)
  • 1.8(1.7)GHz(バンド3)
  • 1.5GHz(バンド21)
  • 800Mhz(バンド19)

このうち上2つは対応されるだろうが、問題は下の2つ。特にau版次期iPhone(iPhone 5S)では、800Mhz帯に対応するかどうかが一番の注目だが、docomoにおいても同じ事がいえる(周波数帯は同じだがバンドは違う模様)。

冬モデルからクアッドバンドによるLTEサービスを展開すると既に予告しているdocomoだが、docomo版iPhoneが仮に全て対応すればかなり強力。おそらく1.5GHzはないと思うが。

終わりに

夏野剛氏がdocomo在任時代末期に、「DoCoMo2.0」という迷キャッチフレーズあった。

「さて、そろそろ反撃してもいいですか?」

という名言があったやつだw
docomoからiPhoneが発売する意味というのは、経営層からすればまさにそんな気持ちなのだと思うが、契約者数の増加という意味ではそれほど効果は無いかと思う。購入の大半は機種変更。SPモードメールはiPhoneには対応出来ないだろうし、ドコモメールはどうなるのか、その他各種サービスの対応状況など懸念事項は山ほどある。しかし、MNPで他社にポートアウトする人は激減すると思われ、守れば勝ちのdocomoにとっては大きな意味がある。

ただ、個人的にはやっぱりこの方法が一番いいとは思ってますが。

と、色々盛り上がっているdocomoとiPhone報道だが、発表まではどちらにせよあと数日。本当だとすれば情報がdocomoからリークされているのは明らかだし、あと数日黙っていられなかったのだろうかと思ってしまう。

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