2020年4月に、内部スペックはほぼiPhone 11 Proなのに5万円以下という、反則的スペックで発売されたiPhone SE(第2世代)。
とはいえ、安い理由はあるわけで、削られた機能がある。
- ディスプレイ
- カメラ
この2つが大きなコストダウンポイント。
- ディスプレイが小さくなる(5.8インチ→4.7インチ)
- カメラユニットの数が減る(3つ→1つ)
という分かりやすい違いだが、カメラ機能にはどれくらい差があるのか?
そう思っているかたも多いだろうが、確かにiPhone 11シリーズと比較すれば見劣りする。
しかし、前モデルに該当するiPhone 7・iPhone 8と比較すれば、大きく進化しているので、この記事ではiPhone SE 第2世代のカメラ機能を紹介しようと思う。
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iPhone SE 第2世代のカメラスペックと前モデルとの比較
iPhone SE 第2世代のカメラスペックを、ピックアップして紹介すると以下のとおり。
- シングルカメラ
- 1200万画素の広角カメラ
- 光学式手振れ補正に対応
- 「人物限定」のポートレートモードに対応
スペックだけみると、シングルカメラであることが弱点のように見える。
実際、iPhone 11シリーズはデュアル・トリプルカメラ仕様なので、確かにスペック的には見劣りする。
しかし、iPhone 7・iPhone 8と比較すれば見え方は変わってくるだろう。
iPhone SE 第2世代 | iPhone 8 | iPhone 7 | |
---|---|---|---|
画素数 | 1200万画素 | ||
カメラユニット数 | 1 | ||
光学式手振れ補正 | ○ | ||
ポートレートモード | ○ | × |
実はカメラ仕様はiPhone 8とほぼ変わらず、新たに「ポートレートモード」に対応した
これが最大のトピックといえる。
風景撮影ではほぼ画質に違いはない
iPhone 7とiPhone SE 第2世代、さらにフラグシップの「iPhone 11 Pro」で風景を撮影してみた。
まずは「晴天で日光もあまりキツくない午前中」という、条件のよい時。
比較すればiPhone 11 Proが一番キレイと感じるが、価格差(約5万円)ほど大きなものではないと思う。
参考程度にAndroidの「AQUOS sense3」でも撮影してみたが、どれが特別キレイという感じでもないだろう。
続いて、同じ場所だが「夏場の午後で日差しがキツい時間」。
このように、撮影条件が悪くなると、少し画質に差が出てくる。
さらに、Androidの「AQUOS sense3」だと逆光でかなり暗く撮影されていて、苦手なシーンであることが分かる。
ただ、iPhone同士で比較すれば「広角カメラ」での画質に劇的な差はない
あえていえば、iPhone 11シリーズから対応した「超広角カメラ」は、スナップショット用としては便利なので、搭載して欲しかったかなぁとは思うが……。
背景をボカして撮影できる「ポートレートモード」対応が目玉
普通のカメラとして見た場合大きな違いはないのだが、「ポートレートモード」に対応したことは最大のトピック。
「ポートレートモード」とは、一眼レフで撮影したように背景がボケた写真が撮れる機能のこと。
大きなセンサー、明るいレンズで実現されるため、小型のスマホでは難しいが、これを「ソフトウェア(AI)」を使って解決している。
こんな「いい感じ」の写真が撮影できる。
iPhone 8までのカメラでも、被写体に寄ることでなんとなくボケた写真は撮れるが、ポートレートモードは被写体をより美しく見せることができる。
ただし、iPhone SE 第2世代が対応したポートレートモードにはいくつか欠点がある。
被写体が「人物」でしか動作しない
2つ以上のカメラを搭載する、iPhone Xシリーズであれば、このような制限はないので、シングルカメラの欠点といえるかもしれない。
違いを比較すると以下の通り。
モデル名 | 動作する被写体 |
---|---|
iPhone XR iPhone SE(第2世代) |
人物 |
上記以外のポートレートモード対応モデル | 制限なし |
iPhone SEの場合、ポートレートモードが存在するが、被写体が人物以外だと「誰も検知されませんでした。」と表示され、動作しない。
人物であれば普通に動作する。
人物以外にも対応する「iPhone 11 Pro」なら、ポートレートモードは動作する。モノはもちろん「フィギュア」みたいな、小さすぎる被写体だと「人物」と認識しないし、正直使い勝手は悪い。
ただ、iPhone 7・iPhone 8にはなかった機能なので、あって邪魔になることは無いと思う。
5万円以下のAndroidと比較して使える?
iPhone SE 第2世代はAndroidでは主流になってきた、5万円以下の「ミドルクラス」をターゲットに開発されたといわれている。
しかし、この分野の競争は激しく、実はスペックだけ比較すると、iPhone SE 第2世代は特にカメラ機能では見劣りする部分が多い。
例えば、ミドルクラスで人気の「AQUOS sense3」と「Xperia 10 II」とカメラ機能を比較してみる。
カメラ | iPhone SE | AQUOS sense3 | Xperia 10 Ⅱ |
---|---|---|---|
広角 | ○ | ||
望遠/標準 | × | ○ | |
超広角 | × | ○ | |
ポートレートモード | 人物のみ | 制限なし | |
ナイトモード | × | ○ |
- Androidはデュアルカメラ以上が主流
- ポートレートモードは被写体制限なし
- ナイトモードにも対応
ミドルクラスのスマホを買う方は、カメラ機能に強いこだわりを持たない方が多いかもしれない。
しかし、誰でも使いやすく、メリットを体感しやすい超広角カメラとナイトモードを搭載していないのは痛い。
最大の魅力は「サクサク感」
このように思う方もいるかもしれない。
確かに「スペック比較」するとしょぼく見えるので、iPhone SE 第2世代は微妙な端末なのか、と問われたらそうでもない。
特にカメラ機能を使うと分かるのだが、Androidのミドルクラスはプロセッサ(CPU)が、ハイスペックモデルよりも劣るため、もっさりした動作になることが多い。
これはスペック比較や数字では表れない違い。
それもそのはず、iPhone SE 第2世代のプロセッサは「A13 Bionic」で、ハイスペックモデルの「iPhone 11 Pro」と全く同じ。
ミドルクラスのスマホが、ハイスペックモデルと同じプロセッサを搭載なんて普通はあり得ない。
そういう意味で、AppleとしてはiPhone SEを「ミドルクラスや廉価版と位置付けていない」ということが読みとれる。
ホームボタン「Touch ID」搭載iPhoneの最新モデル
このように考えているんだと思う。
終わりに
というわけで、iPhone SE 第2世代のカメラ機能に絞って紹介してみた。
実際使ってみた感想をまとめると、以下のような感じになる。
- iPhone 7・8と比較して、スペック的にはほぼ変わらない
- ポートレートモードに新たに対応するなど、機能がより充実した
- Androidの同一価格帯と比較すると、スペックはしょぼい
- プロセッサ(CPU)が早いため、カメラ機能を含めて、何をしても「サクサク動く」のが魅力
カメラスペックを追求する方にはおすすめしづらいが、動作スピードなど「総合力」を重視するなら、iPhone SEは間違いのない選択になると思う。
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元携帯ショップ店員の僕も驚くようなプランで、各社同種のプランを出しましたが、以下の記事で詳しく解説しています
iPhone SE 第2世代の考察記事
2011年発売のiPhone 4S以来、iPhoneを毎年購入している管理人が、これまで書いて来たiPhone関連レビューを、iPhoneカテゴリートップページでは整理して紹介しています。
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